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少女ククリは凍えるお年頃

「またね〜」
 友達に別れを告げ、わたしは部屋に入った。
 今日は楽しかった。アパートの友達二人と街中で遊んだり、スイーツ巡りをしていた。
 つい暗くなるまで遊んでしまい、友達の中には小さい子もいるので早めにアパートに帰ることになった。
 本当はもっと遊びたかったけども……


「ただいまー」
 そう言ったものの、返事はない。
 あったら困るんだけれども。
「……………はぁ」
 わたしはため息をついた。ちゃんと解決はしたはずなんだけれども、どうしても寂しさは抜けきらない。
「今日もパパはクビになってないのか〜」
 半ば本気で残念に思う。
「もう仕事なんて辞めちゃってさ、ずっとわたしとエッチしてればいいのに……」
 そうなるとここに住めないし、生きていくこともできなくなってしまうのだけど……
 それはわかっているけど、やっぱりずっと一緒にいたいと思ってしまう。
「……………そうだ」


 寂しくて我慢できないときはパパの部屋に行くのが一番。あそこはパパの匂いがいっぱいで幸せな気分になれるのだ。
「フンフン─────あぁ〜いい匂い♥」
 わたしはパパのベッドに寝転がり、匂いを嗅ぐ。
 幸せ♥
 パパはいつもここで寝てるんだ。そう思うとドキドキが止まらない。
 そして、ここは───わたしの初体験の場でもあるのだ。
「…………わたしもわがままになっちゃったなぁ、あの頃はちゃんと我慢できてたのに」
 今でも鮮明に覚えている。
 繭から出てきたわたしはそのままパパを誘惑して、そして───
「…………んぁっ♥っ♥はぁ♥はぁ♥」
 ここで抱いてもらったんだった。
「んっ♥パパの匂いに包まれてっ♥幸せ♥」
 布団が汚れてしまうけども、むしろ好都合だ。
 わたしの匂いをパパに嗅いでもらえるかもしれないのだ。
「ゅ♥きゅっ♥はぁ♥はぁ♥─────パパの♥おちんぽ♥ほしいよぉ♥」
 そして、パパとの赤ちゃんも。
 あんまり口には出さないけども、今でもわたしはパパの赤ちゃんを産みたいと思っている。
 だから今すぐにでもパパの子種がほしい………
「わたしのおまんこ♥こんなにせつなくなってるんだよぉ♥はやく帰ってきて慰めてよぉ♥」

「んきゅっ♥はぁん♥パパぁぁぁぁぁぁぁぁ♥♥!」

「はぁ♥はぁ♥すごい♥いつもより気持ちいい♥」
 それでも、セックスの快楽には届かない。
 今日はいつもより激しくシてもらおう。
 そんなことを考えながら、自分がクールダウンしていくのを感じていった。
「はぁ、はぁ───まだかなぁ、パパ」
 なんだかスースーする。布団に入りながらしちゃったから汗をかいたのかも───
 いや、それにしても。
「ふぁ…ヘクチッ」
 スースーするとか涼しいとかいう次元じゃない。
 だんだんと……寒くなっている。
 起き上がって部屋を見てみると。

 白い冷気のようなものがあたりを漂っていた。

「な、なにこれ………」
 今はもう五月。それなのに部屋は真冬ばりの気温の低さ。極寒と言ってもいいかもしれない。
 さっきまでは暖かいくらいだったのに………
「うぅ…………」
 吐く息が白くなる。身体が震え、歯がかちかちと鳴る。
 わたしは強く布団を引き寄せ、抱き締める。
 寒い。寒い。
 凍えて、死んでしまいそうだ。
「はぁ─────はぁ─────」
 呼吸が震える。
「はぁ────そうだ」
 布団だけでは足りない。これもすぐに冷たくなっていく。
 たしか、向こうの押し入れにストーブがあったはずだ………それを取りに行こう。
 布団をかぶり、わずかな温もりを保ちながら歩き始める。
 一歩、床に足を着ける。
「ひぃっ」
 一瞬、ドライアイスでも踏んづけてしまったかと思った。冷たいではなく痛い。布団を踏みながら歩くことにしよう。
「あぅ───ふぇ?」
 まっすぐに歩いているつもりなのに、だんだんと直線から外れていく。
「きゃ────」
 足がもつれ、崩れる。
 そして、そこから起き上がれない。
「はぁ────パパぁ─────」
 なんとか這って進もうとするがすぐにその力も入らなくなる。
「たす───け──────」
 ついにわたしの意識は。
 シャットダウンされてしまう。


 ──────!
 誰かが叫んでる。
 誰かに触られてる。
 なんだか、温かい。
 ───リ!
 少し意識が戻ったみたい。声がはっきり聞こえてきた。
「ククリっ!」
「ぱ、───ぱ?」
「あぁ…………よかったぁ………ククリ………」
 泣きそうな顔をしたパパが目の前にいた。
 わたしは今、パパに抱きしめられているのだ。
「全然目覚まさないから死んじゃったかと思った───」
 そしてとうとう泣き出してしまった。子供みたいボロボロと涙をこぼす。
 そんなパパが可愛くてたまらない。愛しくてたまらない。
「パパ、もう大丈夫だよ」
 わたしはパパにいい子いい子してあげる。すふとパパは本当に嬉しそうに笑う。
 わたしはちゃんとパパに愛されてるんだなぁ……改めて実感した。
 でももっと、その愛を味わいたい。
「ねぇパパ、まだ寒いの。だから───」
 耳元でそう囁いた。

「わたしを、ベッドで温めてくれないかな?」


「んちゅ♥ちゅっ♥ちゅっ♥んっ♥くちゅ♥」
 わたしはパパの温かい口の中を存分に味わう。舌をうねらせ、パパの粘液全部にわたしの唾液を擦り込む。そしてわたしはパパの熱い唾液を飲み込んでいく。
「ちゅ♥あったかい♥ちぅ♥パパのおくちあったかぁい♥」
「ていうか、ククリが冷たすぎるんだけれども………」
「だから、今からそれを温めてほしいのっ♥」
 さっき自分でだいぶほぐしたからすぐに入れられると思うんだけど………どうかな?
「くぁっ♥ぁ〜♥あっ♥あっ♥ひぅっ♥」
 熱い。大げさな比喩ではなく、本当に熱した鉄棒を入れられているみたいだ。
「あ♥ああ♥あちゅいぃぃ♥」
「こっちは、まるで保冷剤に入れてるみたいな気分だよ……ほんと、体の調子は大丈夫なの?」
「だいじょうぶ……っ、だから早く動いてぇっ♥!」
 お腹の中で、パパのおちんぽがわたしの粘液を焼き尽くそうとしているかのようだった。でも痛い訳じゃなくて………すごく気持ちよくて我慢できないくらいだった。頭まで溶けちゃいそう。
「あ゙う♥んぐっ♥」
 パパとは数え切れないほどセックスしてきた。だからパパは一突きで気持ちいいところを突いてくる。
 そのせいで息が止まるほどの快楽が脳天まで突き抜けてくる。
「っ♥かふっ♥う♥」
 死んじゃう!
 これ以上続けたら死んじゃうっ!
 そう脳は警告するけども、「やめて」の言葉が喉から出てくることはなかった。
 それどころかもっと激しく犯してほしいとさえ思っている。
 いっそ死んでもいい。パパにセックスで殺されるなら本望だ。
「ひっ♥ゅ♥あたまっ♥おかひくなっひゃうぅ♥」
 もう身体は限界まで温まっている。このままだったらお互いに溶けてしまう。
 ───溶けて一つになるのもいいかもしれない。
 そうすればずっとパパと一緒にいられる。
「うぅ♥ぁ♥」
「ククリ、そろそろ出そうだ」
 多分わたしが散々おちんぽを締め上げたせいだろう。いつもより早めの射精だ。
 わたしの方は──もうイきっぱなしで何がなんだかよくわからない。
「いい♥よぉ♥パパのせーえきでとかしてっ♥わたしのおまんこもっ♥しきゅーもぜんぶどろどろにしてぇっ♥!」
「ククリ、ククリっ!」
「─────────────っ♥♥♥!!!」
 精液の噴火を浴びて、本当に子宮が溶けたかのようだった。マグマのような精液がちゃぷちゃぷと敏感になっている子宮を満たしていくのが感じられた。
「ひぁ─────♥はぁ─────♥パパぁ♥愛してるよぉ♥」
 わたしはただそれだけ伝えた。


「あぁ、それね。多分虫の本能かな?」
 いくら大丈夫だと言ってもパパが心配するので、二人で大家さんの元を訪ねた。
 症状を伝えると彼女はそんなことを言った。
「普通のモスマンはどちらかというと人間の生態に近いけども……ククリちゃんは蛾とかの虫に近い生態みたいね。で、寒さに耐えきれないと勝手に思い込んじゃったから冬眠に入ろうとしたのね」
「じゃあ、これが原因でククリの身体に異常を来すってことは………」
「無いわね。体温が低いのもククリちゃんが変温動物の性質を持っているからだと思うわ。気にしなくて大丈夫よ。大人になったら治るから」
 自分でも大丈夫だとは思っていたが、ちゃんとそう言われるとほっとする。
「─────で、なんだけども。今回の気温低下事件について言いたいことがあります」
「「?」」
「責めているわけじゃないんだけれども……原因の一端はククリちゃんにあるみたいね」
「わたし!?」
 え?わたしなの?わたし何かしたっけ?
「雪村さんがやってきてね、娘にこれが付着してたって言うのよ」
 コトン、と机に一つの小瓶を置く。中にはチラチラと光を反射する白い粉。
「あ」
 わかってしまった。それがなんなのか。
「今日一緒に出かけてたでしょ?そのときに鱗粉が散布されちゃったらしいのよね〜。それを嗅いじゃって暴走しちゃったみたい」
「ぁ……………ぅ…………ごめんなさいっ!」
 どうしてもテンションが上がると羽をパタパタしてしまうのだ。お出かけ楽しかったし。
「私はいいから、雪村さんに謝ってきなさいよ」
「はい……………」
 今度から気をつけなきゃ。なるべく意識しておかないと今度は本当の大惨事を引き起こしちゃうかもしれないのだ………
「今度から気をつけます…………」


「まさかククリが原因だったとはなぁ」
「い、言わないでっ!」
 今日は珍しくパパがわたしの布団で、わたしの隣で寝ることになった。
 あのベッドで激しくセックスしたせいでべちょべちょになってしまったからだ。
「でもさ、結構気に入ってたんだよね、羽パタパタ」
「え?」
「なんか、こう、ククリが喜んでいると思うとこっちも嬉しくてさ」
「…………」
 パパの顔を見てみる。
 笑顔だ。
 からかっているとかじゃなくて、心のそこからそう思っているらしい。
「やっぱり、矯正しちゃうの?」
「うん、そうだね」
「…………」
 そんなにしょぼくれることなの!?
 やめてよね、娘にそんな顔向けるの───
「……………触角ピクピクは残してあげる」
 娘じゃいられなくなっちゃうじゃん。

16/07/26 23:29 鯖の味噌煮

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次回で少女編最後です。どっちかというとギャルっぽくなるかもしれないけども、ギャルの定義ってよくわからないのでまだ考え中です。
[エロ魔物娘図鑑・SS投稿所]
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33