連載小説
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act11・伝説聖人フレイヤ 発動編
3…


2…


1……きゅー!













シュパァー……(バイクの音)




ズガーン!

ズガーン!


「お面!!!ライダーァァァッ…、フレイヤァァァーッ!!!!」



(画面の前のお友達も一緒に歌おう)
『お面ライダーフレイヤのうた』

せたーっぷ!せたーっぷ!せたーっぷ!

白い鎧に黒マフラー
右腕に輝く 銀の腕

メカ=フレイヤの悪巧み
町の悲鳴は風の音
怒りの釘バット引き抜いて

フレイヤライダー今日も征く
お面ライダー
フレイヤ フレイヤ フレイヤ



『お面ライダーフレイヤことヴァル=フレイヤは改造人間である。
 危うくゾンビになるところを無茶振り設定のせいで
 彼女はあの世に成仏することなく
 100%ロウガたちの勝手な都合で甦った
 彼女の偽者(本人非公認)、メカ=フレイヤから
 世界を守るために戦う正義の戦士である。
 戦え、ヴァル=フレイヤ。
 負けるな、お面ライダーフレイヤ。』



――――――――――――――――――――――



「………で、私に何か言うことは?」
「「マジ、すんません。」」
ここはセラエノ学園内のどこかに存在する秘密の手術室。
手術が終わり、静かにブチ切れ、手術台の上でバスタオルを身体に巻いて、薄ら寒い笑顔で足を組んで座るヴァル=フレイヤを前に、ロウガとバフォメットは完璧な角度と哀愁を漂わせた土下座をしていた。
さすがロウガはアスティアに対して至らないことをやって土下座をしなれているし、バフォメットも彼女の姉たちや、フラン軒で馬鹿騒ぎをやりすぎてアケミに土下座をし慣れているだけに、二人の完璧な土下座は美しかった。
「……何ヶ月も土の中にいたと思ったら、こんな手術台の上にいるし、そもそも私はギャグキャラじゃなくて、シリアスキャラだったのだぞ。お前たちはそれを一体どういう風に考えているんだ、ん?」
「あ、そのへんは大丈夫。あんたの所属事務所にも許可を取ったし、社長さん(原作者様)も今、お前さん主演作品も撮影の合間のリフレッシュ休暇中だから、ギャグに使っても大丈夫ってすごいノリ気だったから。」
「………社長…、終わったら、お仕置きだな。」
フレイヤは自分の右腕を見る。
機械の腕が鈍い光を放っていた。
「で、この腕は一体何なのだ。」
「それはワシが説明しよう。居酒屋の女将さんの鑑定で、右腕は接続が不十分だったらしくてのぅ。外見は腐っておらなんだが、中身の腐敗は激しかったようなのじゃ。まぁ、繋いでも十分使えるとは思ったが、万が一壊死されては適わんと思って、思い切って最新技術の機械の腕を導入したまでじゃ。もちろん、学園の経費で。」
「はぁ……。」
頭を押さえて、フレイヤは溜息を吐く。
バスタオル一枚、しかも細くしなやかに鍛えられた身体はアスティアに匹敵するプロポーション、実は身長183cmと、登場キャラクター中もっとも背が高い彼女はまさにファッションモデル体型に近く、見様によってはその姿が悩ましげに見えてしまうのである。
もっともアスティアよりは胸があるので、ペタン星人の称号は与えられない。
「それで私に、私の偽者を倒してほしいと言うのだな?」
「ああ、頼む。」
「お前を逮捕し、かつて敵だった女に……か?」
「かつての敵は今日のダチ。殴り合った…、いやいや、お互いに斬り結んで素知らぬ仲でもあるまい。実際にやり合ったのは娘だけど、俺的にはもーまんたい。」
「はぁ……、それならいっそのこと私より強いやつを甦らせれば良いじゃないか。例えば私の部下だったコーネリアとか……。彼は人間的に、道徳的に、金銭的に問題のある男だったが、はっきり言って武力だけなら、教会騎士団内部でもトップクラスだったぞ。」
「……めんどくせぇ。」
コーネリアに良い思い出のないロウガはボソッっと顔を背けて言う。
「とりあえず何か服をくれ。生き返ったばかりだから寒くて仕方ない。」
「わかった……、バフォメット!」
「応、わかっておる!裸エプロンにスク水、天神スタイルのメイド服、フンドシなどなど各種の衣装を用意しておる!!さぁ、ヴァル=フレイヤよ…、好きな衣装を選ぶが良い!!!」
「…………………………………………(ぶち♪)。」
ぶちぶちと怒られる二人。
小1時間ぶちぶちと怒られる。
「まったく……。改造したのは腕だけか?」
「いや、首が……な?」
「首?」
フレイヤは首を傾げる。
「首が凝ったと思って、首を持ち上げてみるのじゃ。」
「持ち上げるのか…。」

ひょい

フレイヤの首がいとも簡単に胴から離れ、持ち上がった。
それを見てロウガとバフォメットは口を揃えて言う。
「「んちゃ♪」」
「………………………。」
「あっはっはっはっはっはっはっは♪やった、やったぜ、マジでやったよ、コイツ!!!俺たち渾身のネタ『アラレちゃん』!!!これをやってもらいたいがために首を分離出来るようにしておいて良かったぜぇー!!!」
「あはははははははははは、ワシ、もー大満足じゃ!!!のぅ、学園長殿。ワシもう一つ鋼鉄ジーグもやってほしいのじゃ♪うーでが飛び出す…。」
「「ババンバン♪」」
「…………………………………………(ぶち)!!」

ベキッ!

ゴキャッ!

スパーン!!

「や・り・な・お・せ!」
「「……すんません。」」
こうして改造手術史上初のやり直し手術が始まったのである。


―――――――――――――――――――――――


「メカ=フレイヤの状況は!」
「現在町を一通り破壊し終わった後、再び学園方向へ進路を……ってロウガさん!?」
「………………気にするな。」
顔面の原型を留めない程フレイヤに殴られた俺にアヌビスが心底驚く。
ギックリ腰も手伝って、まともに歩けないから車椅子で学園長室へと戻ってきた。
うう……、いてぇ…。
「改造しゅじゅちゅ……、失礼。改造手術はうまくいきましたか?」
「そのへんはな。だが、せっかく生き返ったというのに不機嫌だ。」
「勝手に生き返らせた上に改造されたら怒りますよ、普通。」
「…………で、被害状況はどうなっている。」
「はい、バフォメット印のイチゴジャム工房はジャムを煮詰められすぎて商品として販売出来ず、中華料理店『妖狐庵』では食い逃げ、駄菓子屋の壁に立小便、激安食堂『ないとめあ』ではメニューにない商品を頼み続けて、看板娘であるナイトメアのエッジさんを泣かすなど各飲食関係店舗が被害に遭っています。」
「くそ…、何てヤツだ!」
何と言う極悪非道…。
俺たちの生活の糧を……、奪うなんて!!
アスティアやマイアみたいに料理が出来ないやつや、深夜まで働くサラリーマン、今日も頑張って肉体労働で働く若者たち、そして娼婦の女の子たちが癒される飲食店が被害に遭っていく。
直接的な犠牲者が出ていないが、地味に痛い。
「イチゴ先生は………?」
「死んでる。大手術を2回もやったからな……。大イビキ掻いて二日酔いで寝ている宗近の部屋に放り込んだら、宗近に抱かれて一緒に寝ているよ。」




「むにゃむにゃ〜、お〜でっかいマシュマロじゃ〜。ぽわぽわのぷにぷに〜。」
「う〜、頭が痛い〜。気持ちが悪いです〜。やわらかい抱き枕が〜ほっこほこ〜♪」




「アスティアや綾乃たちとはまだ連絡が取れないのか?」
「…まだ取れません。特にマイアちゃんとダオラさんとサクラ君に関しては、むしろ連絡を取ったら殺されそうなので取っていません。」
「正しい判断だ。ダオラとマイアが揃ってキレたら俺も対処出来ん。」
特にダオラは宗近と同じレベルで強いからなぁ…。
頭が痛い話だ…。
「……え!?」
「どうした。」
アヌビスがメカ=フレイヤのレーダー映像を見ながら驚きの声を上げる。
「メカ=フレイヤの……、飛行速度が急激に上がりました!セラエノ学園第一次…、第二次防衛……、間に合いません!最終防衛ラインも突破…、映像、出ます!」
「………こ、これは!?」
学園長室に設置された大型メインモニターに出された映像に俺は絶望的になった。
全身にダンボールの追加装甲を身に纏い、ダンボール製の大型ショルダーキャノンの付属した大型ブースターを背中に背負い、左腕に大きなダンボール製のシールド、右腕に二連装ダブルダンボールライフル、さらに割り箸と新聞紙を限界まで強化したハイパー割り箸サーベル。
その姿はダンボールの悪魔、まさしくフルアーマーメカ=フレイヤ。
一見超重量を持つ鈍重な身体に見えるが、元がダンボールと割り箸、そして新聞紙で強化されているので、見た目に反し軽量なボディ。
そして俺たちの魔力や電力などを吸収し、馬鹿みたいに硬い装甲を持つそれは、超高速の機動力を誇る砲台であり、圧倒的な装甲で近接戦闘のレンジに入った敵を薙ぎ倒す破壊神。
「く…、くそ!俺が鎧通しを使えたら…!!」
「確かに有効な手段かもしれませんが、メカ=フレイヤの反応速度、運動性を考えると……、ロウガさんがあれを捕らえられる可能性は……ゼロです…。」
サクリストの連中……、失敗作が最高傑作になりやがった…。
腰が治ったらぶちのめす。
「本当に最後の手段になったが……、フレイヤ。聞こえていたか?」
俺は通信機でヴァル=フレイヤを呼び出した。
一瞬のノイズの後、フレイヤの声が聞こえ始める。
『……本当に厄介なことだな。だいたいお前からして死人に頼るな。』
「悪いな…。」
『まぁ、良いさ。私は人々を守るために教会騎士団に身を置いた。例え、それが偽りの正義だったとしても何も変わらない…。私を必要とする誰かがいる限り…、私は人々を守るために…、私は私のままに戦い続けよう。』
「……頼んだぞ。」
『任せろ。』
通信はそこで切れた。
俺はただメインモニターに目を移し、車椅子に深く腰掛け深い溜息を吐く。



「………とは言ったもの、あの日のクーデター以上に困難な敵のようだな。」
迫り来るダンボールの紛い物を視認し、私は苦笑いをする。
改造手術が終わったばかりの私はロウガに借りたバスローブに身を包み、冷たい鋼の右腕に変身アイテム、オメンアイザーを持つ。
敵として戦った自分に頼るかつての敵が、あまりにおかしく感じるのだが嫌な感じはしない。
それ以上に私の使命を思い出させてくれる。
私が何のために戦おうと剣を取ったのか。
私の本当の戦う意味を。
バスローブを脱ぎ捨てる。
素肌に冷たい風が心地良い。
『ヌハハハハハ、オロカ!ワレトタタカウノニ、ゼンラトハオロカニモホドガアル!!』
機械の声がよく響く。
「五月蝿いよ、貴様。所詮は私の成り損ない、それどころか人間にも魔物にもなれない哀れなダンボール。確かに私は裸だが、お前ほど愚かでもない。人間を……、あまり舐めるな!!いくぞ、大!変!身っ!」
腕を交差させると、生前私が着用していた鎧によく似たボディスーツが身体に現れる。
『ナ、ナンダ!?ヒカガクテキナ!!』
「お前が言うな!セターップ!!!」

右腕に持ったオメンアイザーがフレイヤの顔に装着される。
赤い髪と首の傷を隠す黒いマフラーが強風になびき、お面の赤い目が輝く。

『キ、キサマ…、タダノニンゲンジャナイノカ!?』
「人間はすでにやめた…。私はフレイヤ、人々を守る最後の盾。教会騎士団を裏切り、神を裏切り、外法によって甦りし者。私はお面ライダー2号…。お面ライダーフレイヤだ!!!」



―――――――――――――――――――



メカ=フレイヤの攻撃は強力だった。
硬く丸められた新聞紙と割り箸で補強された剣は意外に痛く、装甲も硬かったのだが、私がいくら攻撃しても、打ち破るたびにダンボールを拾ってきて補強するので切りがなかった。
「くそ!生き返ったばかりなのか……、身体がだんだん重く感じてくる!」
『フッハッハッハ、ソレガセイブツノゲンカイダ。』
「それでも…、私はやらねばならないんだ!!!」
『ダカラムリダッテバ!!』
メカ=フレイヤのショルダーキャノンが火を噴く。

べちゃ

間一髪で避けると着弾点から強烈な甘い匂いと膨大な熱量を感じる。
「こ、これは……、イチゴジャム!?」
こんなものを喰らったら、ベタベタして気持ち悪くなってしまう!
『マダマダァァァ!!!』
右腕の二連装のダンボール砲から何かが飛んでくる。
今度は避けきれずに命中する。

ペチッ

ペチッ

「いたっ。」
こ、これはドングリ!?
な、何て恐ろしい兵器を持っている……って待て待て。
「とりあえず、待て。」
『フハハハハハハ、オジケツイタカァー!!』
「……………………………。」

ベキィッ

「とりあえず、そこに正座しろ。」
『………ハイ、チョーシコイテスンマセン。』
鋼の右腕でメカ=フレイヤの顔面をとりあえず殴る。
それだけでメカ=フレイヤは正座して大人しくなった。
「お前、散々町の被害を出しておいて武装はその程度なのか?」
『ダッテ、ワレ……。モトモトブソウガナインダモン。』
「結局お前の強力な武器は、その装甲と割り箸の剣だけか?」
『フッフッフ、ソレヲキサマニオシエルホド……。』
私は変身ベルトに付属した万能アイテム、ライドルを引き抜く。
私の気分次第で変形するアイテムは、瞬く間に釘バットに変形する。
「ふむ……、何だか急に素振りがしたくなったな。」

ブンッ

ブンッ

ブンッ

『ハイ、ソノトオリデゴザイマス!!!』
おや、急に素直になってくれた。
「そうか……。では戦力もわかったことだし、立ち上がって良いぞ。」
『アリガトウゴザマッス!!…………フッフッフ、ヨカッタノカ?イマ、ワレガオトナシクシテイタアイダコソ、オマエノユイイツノチャンスダッタ…、ハッ!?』
メカ=フレイヤが立ち上がる前に私は大地を蹴って天高く飛び上がる。
『ヒ、ヒキョウダゾ!?』
「五月蝿い…!お前みたいな微妙な相手のために改造された…、私の不幸と口惜しさを少しはその身を以って…、味わえぇぇぇーっ!こんにゃろぉぉーっ!!」
メカ=フレイヤの強化されていない顔面目掛けて飛び蹴りを放つ。
「フレイヤァァァ…、キィィィィィーッック!!!」

ベコォッ…!

メキメキメキ…

メカ=フレイヤの顔面に右足が突き刺さり、ダンボールがひしゃげて、中の割り箸が砕け散る。

ガンッ

ゾリッ

ガリガリガリガリガリガリガリ

そのままメカ=フレイヤは顔面から後ろへ飛んで行き、コンクリートの床に顔面をぶつけ、ダンボールの角が擦れ、高速回転のために全身を強打しながら転がっていく。
『イダダダダダダダダ…!!!!』
「…やはり素材が素材なだけに丈夫だな。破壊するのに骨が折れそうだ。」
釘バットを大上段に構える。
後はメインコンピューターを破壊すれば機能は停止するはず…。
この役目が終わったら…、私は再び眠りに就くのだろうか…。
いや、今はそんなことを考えない。
私は私の使命を果たすのだ。
「覚悟っ!!!」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

「な、何だ!?」
とどめを刺そうと足を踏み出した瞬間、都合が良いくらい大きな地震が起こり、私はバランスを崩して、踏み込むタイミングを失った。
『フフフフフフ……、ハァーッハッハッハッハッハ!!!』
「な、何がおかしい!!!」
『ワレノシンノチカラガ…、メザメタノダ!!』
潰れた顔をダンボールと割り箸で補強、修復したメカ=フレイヤが高らかに笑う。
「真の力…、だと!?」
『イズレワカル、イズレワカル……!アーッハッハッハッハッハ!!!』

ザザッ

通信機にノイズが入る。
『フレイヤ、聞こえるか!』
「…どうした。」
『不味いことになった…。今の地震を調べさせたら、複数の熱源を感知した。あまりに不審だったからサクリストの科学班を殴って締め上げてみたら…、メカ=フレイヤの先行量産型が動き出した!!』
「何だと!?」
『やつらまだ試作機が完成しないまま量産体制を確立していたんだ!まるでシードデスティニーみたいなデタラメな生産ラインだが、そこにいるダンボールに近い性能の量産機が今確認出来ただけで55機。しかも全機フライトタイプで編成されていて、後2分でお前たちに合流しやがる!!おもちゃ売るためのアニメじゃないんだが……、厄介な数だぞ…!3分でドムを100機落とすくらい無茶な話だ…。待ってろ、俺もすぐにそっちに行く!!それまで何とか持たせて……グアァァァァァァァッ!!!!』
「…!?ロウガ、どうしたんだ!返事をしろ、ロウガ!!」
『こ……………………………腰が………!!』
駄目だ、援軍は見込めない。
あの日、私が死んだ日を思い出す。
やがて空を埋め尽くす人影の群れ。
赤いカツラを被った『先行者』が私を見下ろしていた。
「こ、これが…、量産型!?」
『ソウダ、コレガ…、コレコそが…、私の力!我が兄弟たち!!』
「口調が変わった!?」
『CPUのバージョンをしたのだよ。いつまでも古いCPUを使っていたのでは時代に取り残される。今の私は完璧だ…。もはやウインボウズ95など敵ではないのだーっ!!』
量産型の股間に付いたキャノン砲が一斉に照準を合わせる。
『ふっふっふ…、我々サクリストのシンボルであるオナ(わん♪)を具現化したサクラキャノンの白き砲撃陣の前では、いくら貴様が強かろうと無意味、無力、無駄…。無駄無駄無駄ぁ。』
圧倒的な不利だ…。
ここは逃げるべきだ。
あの日、私が死んだのはその選択を選べなかったから…。
それでも…。
「私は下がらない!私は私を必要とする人々のために戦わねばならない!!」
『ならば、死ね。』
量産型の股間が輝く。
私は二度目の死を覚悟していた。

その時だった。

「ドラゴン、キィィィィッッック!!!!」
一筋の銀色の流星が、空を覆う量産型を貫いた。
一瞬の静寂の後、誘爆するように次々と量産型が爆散していく。
『な、なにぃぃ!?』
赤い爆煙が空を覆う。
私は何が起こったのかわからないまま、空を見詰めていた。
そしてそれはいたのだった。
爆煙の中に腕を組んで、赤いマフラーをなびかせ、白銀の翼で力強く羽ばたく美しいドラゴン。
『き、貴様はぁ!?』
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!
 聞け、木偶人形!!
 我は正義の戦士、お面ライダー龍姫だ!!!」
「あ、あれもお面…、ライダー…!?」
私は突如現れた味方に困惑して、ただ彼女を見詰めていたのだった。



―――――――――――――――――

次回予告

ついに現れた量産型メカ=フレイヤ。
絶体絶命のお面ライダーフレイヤの前に現れた謎の戦士は
果たして彼女の敵か味方か!
次回、『風雲!セラエノ学園』第12話
『激突!お面ライダー龍姫vsお面ライダーフレイヤ』
拳を握って、次回を待て!

「フレイヤ…、よく頑張った。
 ここからは我が……、そうか…。
 そなたも戦うのか。
 ならば、楽勝だ。
 如何に数が多かろうが、今宵はそなたと我の
 ダブルライダーなのだから…!」
10/12/13 00:00更新 / 宿利京祐
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■作者メッセージ
え、これ3部構成?
聞いてないよ!?
こんばんわ、宿利です。
何だか書いているうちに昭和の特撮のノリで書いてしまいました。
そんな訳で次回ダブルライダーです。
予告の『vs』ですが、別に対決はしません。
昔の特撮やアニメでよくあった共闘する時に
何故か『vs』が付いていたのを思い出したからですw

では最後になりましたが
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
後更新が遅くなってごめんなさい。
忘年会に出席したら書く時間がありませんでしたw

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