わたしはわたしがうまれたときをかんじたのはみたされないかんかくだった

「おなか、すいた・・・」

つちのなかからおきあがるとわたしはにんげんになっていた
なぜなのか、わからなかったけど、たぶんそれでいいのだとおもう
わたしがめざめたばしょにはわたしとおなじすがたのおんなのひとがたくせんいて、おとこのひとにのしかかられたりのしかかったりしてくるしそうなこえをだしていた
わたしはちかくにあったふくをきるとそのばしょをでていった

〜　おい、アレ　〜

〜　うわっドラゴンゾンビじゃねーか！早く竜騎士団に連絡しないと！　〜

〜　問題ねーだろ。竜の墓場に設置してある結界は悪意のあるドラゴンゾンビは出てこれないって言うぜ？　〜

〜　でもやべーだろ、常識的に考えて。見染められて腐敗のブレスなんか喰らいたくねぇーよ！　〜

まわりのひとがうるさい

「お嬢ちゃん、ちょっと良いかな？」

わたしのめのまえにはよろいをきたおんなのひと、ううん、きっとわたしとおなじどらごんのひとがたっていた

「わたし・・・？」

「ああ。ちょっと話を聞きたいだけだからさ」

ぎゅぅぅぅぅぅ・・・・

「おなかすいた・・・」

「いいよ。知り合いのやっているパン屋があるから、そこでご飯を食べようか」


「可哀想に・・・。まだあんなに幼いのに殺されたなんて・・・・」

「そうね。竜の墓場の結界を出てこれたってことはまず危険はないけど・・・・」

どらごんのおんなとひととおなじどらごんのおんなのひとがはなしをしている。

「・・・頼みがある」

「ああ、わかっているよアルトイーリス。あの娘がこの店に来る限りご馳走してあげるよ。パンくらいしかないけど」

「すまないラキ。代金は竜騎士団宛てで」

「いいって。私もあの子のことを見てられないからね。伊達にスカイママの二つ名はもらっちゃいないさ」


―　「スカイママ」のラキ　―

ドラゴニア竜騎士団特殊工兵隊初代隊長。
彼女は当時の竜騎士団において、誰よりも大きくそして誰よりも高く飛べた。
そのため竜化してその翼に航続に難のあるワイバーン達を搭載し、敵国の高空に侵入してワイバーンを投下することができた。ヘリボーンならぬ「ドラボーン」である。
まさに「空中母艦」であり、二つ名である「スカイママ」はそこから命名された。もっとも現役時代隊員の面倒見が良かったこともあるのだが。
竜騎士団を退役した現在は伴侶と一緒にのんびりとパン屋を営んでいる。


「お嬢ちゃん、お腹が空いたらいつでもここに来ていいからね」

そういうとどらごんのおんなのひとはわたしのあたまをなでてくれた
とてもあたたかくてやさしいてだった
きっとわたしにおかあさんがいたらこんなおんなのひとなんだろう
そうおもうとからだがぽかぽかした
そのひからわたしはおなかがすいたらどらごんのおんなのひとにあいにいった
でも・・・・。

「お昼まだなんだ。一緒に食べてくれないかい？ちょっと買いすぎちゃってね」

あの日。
その男の人はそういうとパンを失くしてしまったわたしに袋いっぱいのパンをくれた。
人間の男の人は好きじゃない。だって私はあの日・・・・。
でもあの男の人は優しくて・・・・。
あの人を思うとお腹の奥が切なくなって・・・・。
パンを食べてもその切なさは消えなくて・・・。


「・・・・っ、ん・・・」

寝床にしている小さな小屋で小さく丸まって、私はおしっこをする穴の近くのいぼを恐る恐る撫でた。

「ぁっ・・・・ぁ・・いっ・・・・・・」

こうすると身体がふわふわしてお腹の奥の切なさが消える。
でも。
少ししてまた切なくなって眠れなくなる。
そうしてクタクタになって明け方になって眠る。
そんな時は決まって「怖い夢」を見てしまう。



「はぁ・・・はぁ・・・」

ダリアの声と共にその小さな胸が上下する。
彼女を助けるには里桜がダリアの「雄」になるしかない。

「ん・・・・」

ダリアが目を覚ました。

「こ・・・ここは・・・？」

暖かな藁のベット。普段彼女が「巣」にしている竜の墓場にはないものだ。

「起きたのかい？ダリア」

この一週間、彼女が聞きたかった声が響く。

「お兄ちゃん・・・」

ダリアが愛しさのあまり、彼に飛び込もうとする。だが。

―　オカセ　―


―　ムサボレ　―


―　スベテヲオマエノモノニシロ　―


「！」

ダリアの脳裏に黒い「ナニカ」が囁きかけてきた。

「こ、来ないで！！！」

その小さな体躯をさらに屈めてダリアが叫んだ。

「ダリア・・・・」

「お願いお兄ちゃん！ここから逃げて！！！じゃないと・・・・！」

ダリアが叫ぶ。

「私、きっとお兄ちゃんを食べちゃう！！！！」


ダリアは墓場で他の「女の人」が男の人を食べているのを何度か見かけた。
月明かりの中。
男の人が誰かに圧し掛かられていた。
ぐしゅぐしゅと柔らかいナニカを掻きまわす音が響いていた。女の人の顔は汗と涎にまみれ、男の人はその目には光がなかった。
その姿を見た瞬間、彼女はその場を逃げ出した。
その日の夜は一睡もせずにダリアは泣いた。
あの姿が自然なのだと本能が教えてくれる。そしていずれは自分も・・・・。
里桜と出会って自分の黒いナニカが広がっていくのを感じていた。
里桜の事を考えると身体が熱くなる。
このままじゃ、きっと・・・。

ギュッ！

「え？！」

里桜はダリアを抱きしめた。強く、強く、彼女の身体に自分の熱を刻むように。

「離して！お兄ちゃん！！！でないと私！！きっとお兄ちゃんも私の事キライになる！！」

「嫌いにならないよダリア・・・」

ダリアの柔らかな唇と里桜の唇が重なる。その瞬間、彼女の中の虚ろが暖かな何かに満たされる感覚を感じた。それと同時に心の中で何かが蠢く。


ほしい


欲しい


ホシイ


お兄ちゃんの全てが欲しい！！


「見てダリア」

「お兄ちゃん・・・鎧が・・・」

里桜は筋力をサポートするアシストスーツを装着していなかった。これでは歩くことさえやっとだ。

「壊れちゃってね、どこにも行けないんだ」

「でも・・でも！」

ダリアが必死に声を紡ごうとするがうまくいかない。

「聞いてくれダリア・・・・僕は君が好きだ！たとえもう門の向こうに戻れなくてもいい」

里桜がダリアを更に強く抱く。

「・・・・お兄ちゃん・・」

ダリアの瞳から涙が迸る。

「お兄ちゃん！」

「うぉっ！」

ダリアがドラゴンゾンビとしての力で藁のベットに里桜を押し倒してその細い肢体に馬乗りになる。

「・・・・後悔しないでね」

ビリィィィ！

ダリアがその肢体を覆う粗末な布を引き裂いた。ドラゴンの魔力が沈着し緑青色に染まった肌の全てが露わになる。

「お兄ちゃんも脱がせてあげる・・・」

彼女の手が里桜のズボンに掛かりそのまま引き下ろす。いやそれは脱がすというよりも引き裂いたというのが正しい。やや湿り気のある外気に曝された彼自身が起立する。
里桜自身は成人男性としては普通サイズだと思うが、しかしそれでも幼いダリアには大きすぎる。

「ダリア・・ちょっと慣らして・・」

情欲に染まったダリアは里桜の目の前にその女陰を開いて見せた。愛撫を経ていないにも関わらず、既に赤黒く血走り止めど目もなく糸を引く涎を滴らせている。
まるで空腹の痩せ犬が獲物を前にしたかのように、見るものに獣じみた獰猛さを感じさせた。

「心配しなくていいよお兄ちゃん・・・」

くちぃっ・・・・

ダリアの女陰を里桜の鈴口に当てた。

「いくよ」

ダリアがそのまま腰を下ろした。ダリアの膣内は熱くその滾りに思わず里桜の声が上がる。
里桜は所謂童貞である。
その強すぎる快感は彼を射精に導くには十分すぎる。

ギュッ

「！」

ダリアの膣が蠢き、彼のペニスの根本を締めあげ強引に射精させる。里桜の精がダリアに吸い込まれ彼女の無垢な子宮を焼いた。

「まだ足りない・・・もっと・・・もっと！！！！」

魔物娘として、いやドラゴンゾンビとしてダリアが叫ぶ。

〜　マズいな　〜

ドラゴン種は伴侶がたとえ人間だとしても同種の雄としてみる。それはドラゴンゾンビとて同じだ。しかし、性欲に支配されたドラゴンゾンビにとって伴侶はいわば「食料」。同種の雄として見ることは少ない。
ダリアを救うにはドラゴンゾンビであるダリアを交わりを通して、同じ存在であると認めさせなければならない。
しかし、里桜はスーツがなければ満足に脚を動かすことができない。現にダリアに騎乗位で交わっている。

では里桜はこのままダリアに犯されるのみか？
否。
断じて否である。

「ダリアごめん」

里桜は上半身を起こしダリアの身体を抱きしめる。そして彼女の身体を撫でるように愛撫していく。里桜の指が翼の根本に触れた時だ。

「ヒぐぅ？！」

ダリアが上ずった声をあげた。

〜　これがダリアの「逆鱗」か　〜

「逆鱗」とは竜種に備わるスィートスポットであり、いくら気の強いドラゴンといえども、愛する伴侶にそこを刺激された瞬間腰砕けになってしまう。ドラゴンゾンビでもその場所はあり里桜はそこを刺激したのだ。
一般的に逆鱗は個体ごとに決まった場所は無いとされる。とはいえ、魔物娘の「特性」を理解すればある程度は場所は絞り込める。
単純な話だ。
逆鱗とは人間が愛し合う際に愛撫するポイントにあるのだ。

「ふぁぁぁぁ！お兄ちゃんらめぇソコをスリスリしないれぇぇぇぇ」

里桜の白魚のような指が逆鱗を撫でるたびにダリアが呂律の回らない声をあげる。息すら絶え絶えになおも声を紡ごうとするダリアの唇に里桜はキスをする。

「ん〜〜〜ん！！んッッッッ！！」

口を塞ぎ、逆鱗を愛撫しながら彼女の未発達の乳房を撫でる。いくら魔物娘が人間よりも強靭であるとはいえ、彼らは「乙女」であり無理な愛撫に愛情を感じることは無い。
ましてダリアは「幼い」。ドラゴンゾンビであっても愛撫は優しく愛情を込めてしなければならない。
里桜は普通の男性のようなセックスができないが、しかしダリアを誰よりも愛していた。

「んッッッッンゥゥゥゥゥゥッッ！！！！！！！」

ダリアの身体が強張った瞬間、里桜は彼女の尻に手を当てより深く彼女の最奥へ自らの肉槍を導いた。

「ダリア・・・・・！」

うねる膣壁が絶頂し彼自身を万力のように締め付けた瞬間、彼は彼女の最奥「子宮」に向けて精を放っていた。

「ア・・・・あがッ・・・！」

ダリアが弓なりになり離された唇から銀の橋がかかる。そして快楽の波が過ぎ去った後、ダリアの身体から力が抜け里桜の身体に倒れ込んだ。

「ダリア？！」

里桜がダリアの額に手を当てる。既に熱はなかった。彼女は満ち足りた笑みを浮かべながら彼の胸の上で寝ている。

「お休みダリア」

そう呟くと里桜はダリアの頭を優しく撫でる。そして彼も緊張の糸が切れるように目を閉じた。




ドンドン！

建付けの悪いドアを叩く音で里桜は目を覚ました。

「お兄ちゃん・・」

傍らのダリアが里桜にその幼い身体を寄せる。

「・・・・・」

もうアシストスーツは使えない。リミッターを解除して負荷を掛けさせてしまったおかげで起動索が断絶してしまっている。
これでは松葉杖にもならないだろう。

ドン！
バギィッ！！

何者かがドアを蹴破って入ってくる。

「貴方は・・・！」

そこには二人を救い出したあの物売りの男が立っていた。

「その様子だと成功したようだな」

全裸であることに気付いてダリアが慌てて里桜の背中に隠れる。
これは理性のないドラゴンゾンビには見られないことだ。つまりダリアは無事「発情期」を乗り越えたのだ。

「ホラよッ！」

男が投げ渡した袋を慌てて掴む。仄かに暖かく、バターの香りが鼻をくすぐる。袋の中には大小様々なパンが沢山詰められていた。

「お前ら、昨日から碌に食べてねぇだろ？知り合いに頼んで朝一で焼いてもらったヤツだ」

「ありがとうございます」

「ん？礼ならいいぜ。苦しんで死んだドラゴンがこうして伴侶を得られたんだ。あの時代を生きた人間にとっては何よりも嬉しい事さ」

「あの時代・・・、まさか！」

竜の亡骸の上に築かれたドラゲイ帝国は革命により、竜と人間が共に歩むドラゴニアに生まれ変わった。
その革命の中心にいたのは身分の低いとある竜丁であったという。
確かに、竜の世話をする竜丁ならドラゴンの生態について詳しくてもおかしくない。
慌てて里桜は頭を下げようとするが、物売りはそれを制止した。

「オイオイ、お前さん俺を誰かと勘違いしているようだが、俺はただの竜丁だ。それも廃業して今はただの物売り。それ以下でもそれ以上でもないさ」

そう言うと男は笑った。

「それはそうとお前さん達に会いたいってヤツがいるんだが、入ってもらっていいか？」

二人は静かに頷いた。

「おい！入ってくれ！」

身を屈めるように入ってきたのは、鎧を着たドラゴンだった。
現ドラゴニア竜騎士団団長「アルトイーリス」、その人だ。

「食事中申し訳ない」

女竜会でデオノーラ女王に任命されたと噂があるが、目の前のその人はドラゴンらしい威厳をもって二人に対峙する。

「失礼だが君の事は調べさせてもらった。里中里桜、学園の研究員でドラゴニアへは研究の為に訪れたとある。間違いはないか？」

「ええ」

「単刀直入に言う。君は門の向こうへは戻れない」

覚悟はしていた。
ドラゴンゾンビは門の向こう、つまりは日本には入国できない。
魔物娘は愛をないがしろにする人間を許さない。ダリアと契った僕は自動的に彼女の伴侶となる。
伴侶を見捨てて逃げようとするなら魔物娘達はどんな手を使っても阻止するだろう。

「それがどうかしましたか？」

ドラゴンであるアルトイーリスを萎縮することなく里桜は高らかに宣言する。
これは子供じみた反抗だ。
だが、里桜はダリアを見捨てるような薄情男に思われるのは我慢ならなかった。ダリアの為にも。

「そう怒らないでくれ。これは事務的なものだよ。君達は誰よりも深く愛し合っていることはわかっているさ」

「どうしてここへ・・・・？」

「ああ。君達に会いたいって言っているお方がいてね・・・・」

小屋の外が騒がしくなる。

「お方・・・？」

「ああ、その方は・・・・」

「よい、アルトイーリス。直接会った方が早い」

「はっ！」

朝日を遮るように現れたドラゴン。その威容はその場にいた全員を圧倒する。

「竜皇国ドラゴニア女王、デオノーラである。そなたを竜殺しの騎士に任命するために参った」


―　竜殺し　―

かつては竜専門のハンター達をそう呼んだが、ここドラゴニアではその意味合いは異なる。
永遠の渇きと餓えに苦しむドラゴンゾンビに恐れず彼女達に手を差し伸べ、伴侶となることで救った人間のことを「竜殺し」と呼んでいるのだ。


「そなたは自分が帰れなくなることを顧みずに、幼きドラゴンゾンビを救った。竜殺しの資格は十分にある。受け取ってくれぬか？」

里桜はデオノーラの御前でその四肢を土につけた。

「陛下。騎士任命の折り、誠に勝手ながら叶えていただき願いがあります」

「ほう・・・。言うてみよ」

「ダリアに騎竜としてのトレーニングと、私に工房をお与え下さい」

里桜の言葉にデオノーラが一瞬呆気にとられるが、しかし里桜の願いを聞いた瞬間笑みを浮かべた。

「そういうことか。そなたは意外にロマンティストだな」

「ロマンを持たない科学者はおりません。デオノーラ陛下、どうかよろしくお願いします」

「相分かった。すぐに用意させよう。だがその前に・・・・」

デオノーラが二人を見る。よく見ると若干頬が紅い。

「そなた達に湯浴みと正装をお願いしたいのだが・・・」

徹夜でダリアと交わった所為か、二人の身体は汚れ淫臭を放っていた。

「すみません・・・」


―　任命式後、ドラグリンデ城デオノーラの執務室にて　―


「その・・・真珠がヨくて・・・。こ、これはただの気の迷いなのよ！！だから見ないでぇぇぇ」

怖ろしく狼狽したデオノーラの目の前には、見事な装飾の施された宝剣がその無残な骸を晒していた。
通称「竜王剣」と呼ばれているこの剣の「反り返った柄」には、滑り止めを兼ねた幾つもの「真珠」が埋め込まれている。
売ればちっぽけな国が買えるソレを根本からポッキリ。
凄まじきデオノーラの「マン圧」である。

「・・・・・・」

デオノーラは独り身である。
時折、このような奇行に走るのを生暖かい目で見守る情けがアルトイーリスにも存在した。

「嫌ァァァァ、生暖かい目で私を見ないでぇぇぇぇぇ！！！！」

今宵もドラゴニアは平和です。

■作者メッセージ
Ｑ剣の柄でオナっていますが、デオノーラ陛下は非処女ですか？もしかしてドラゲイ帝国時代にバター犬ならぬ、バタードラゴンとして調教されていたのでは・・・。

Ａ激しい運動をしていると処女でも処女膜は破れます。


Ｑこんな凶器のようなマンコでは処女喪失は夢のまた夢では？

Ａ魔物娘は人を傷つけません。それは睦事の時もですが。しかしこの事件が表になるとますます処女喪失は遠のきます。