ぱんっ、ぐちゅっ、くち、ぱちゅっ
「はぁ♥はぁ♥ぱぱの♥あさだちおちんぽっ♥きもちいいっ♥」

　目が覚めて初めに。
　目に入ってきたのは僕に跨がって淫らに乱れる純白の肌。
　耳に入ってきたのは聞くに耐えない淫語と粘液の音。
　意識がはっきりしてきて、次第に身を打つ快楽が浮かび上がる。続いて部屋に充満する雌の匂いが鼻を突く。
　あぁ、またか……
「あっ♥おはよっ♥ぱぱっ♥ごめんねっ♥あとっ♥もう少しっ♥」
　後もう少し、ってどっちがだ？
　ククリが達するのか。
　それとも────

　ビュクっ！ビュクっ！

「あぅ♥いくぅぅぅぅっ♥！ぁぁぁぁ♥！────はぁ♥はぁ♥ごちそうさま♥ぱぱ♥」

　両方だったか。
「はぁ♥はぁ♥───ごめんね、パパ…いつも勝手に始めちゃって」
　仕方がない。
　これが彼女の朝ご飯なのだから。
「じゃあ、パパに朝ご飯つくってアゲるね。それで許してくれる？」
「あぁお願いするよ」
　起こった覚えはないんだけども彼女がそうしたいのならそうさせよう。
「うふふ♥」
　ぴょんっ、と立ち上がり足早にキッチンの方へ駆けていく。
　少し背が高くなったようだ。大家さん曰く、このタイプは成体になるまでが早いらしいのだ。
　今は十歳くらいだろうか？
　年頃のせいか、その成長は身長以外にも現れている。
　少し胸が膨らみ、尻も出てきた。段々と子を宿す為の身体が造られていっているようだ。
「……………」
　足を動かす度にプルプルとわずかながら跳ねる胸を見て、僕は一つだけ思うことがあった──


「ククリって学校に行かなくていいんですかね？」
「へぇ、ククリちゃんって名付けたんだ」
　部屋にククリを置いてサキュバスの大家さんのもとへとやってきた僕は、彼女に相談を持ちかける。
「はい………それでですね」
「学校ね………多分、必要ないわよ」
「そうなんですか？」
　あの子、はっきり言ってすごく馬鹿で心配になってたんだけれども………
「馬鹿って」
「今日もヒドかったんですよ───」


　ドン、とテーブルに出されたのは炭。
「………………………」
　絶句に唖然である。
「パパのために、食パン多めに焼いてあげたよ……お気に召さなかったかな？」
「い、いいやククリありがとう朝からこんなに美味しそうなものが食べられて僕は幸せだなー」
「そう♥じゃあ、たーんと召・し・上・が・れ♥」
「…………ｺﾞｸﾘ」
　一体、どういう罪を背負えばこんな罰を受ける羽目になるのだろうか……
　かつて食パンだったCの塊を食しながら僕は今までの罪を数えていた……


「具体的な勉強も心配ですけども、こう、道徳というか、なんというか」
　一般常識………なのかなぁ。
　ククリ、多分エッチなことしか頭にないんだと思う。未だに全裸デフォだし。
「うぅん……少しおバカちゃんみたいね。でも、そのうち何とかなるわよ」
「なんとか」
「魔物娘は基本的にサキュバスの影響を受けているから成長の構造もきっと似ているはず…………サキュバスはね、知識は最初から持っているのよ」
「へぇ」
「まだ完全には解明されていないけども、魂やら魔力やらに知識がストックされていて、成長して脳のスペックが上がる度にそこから吸収してるらしいわ」
「はぁ、そうなんですか」
　思えば、特に教えてもいないのにトースターの使い方自体はわかっていたようだ。
　『たーんと召し上がれ』なんて教えない限り出てこない台詞だろうし………
「じゃあ、学校に行かせる必要はないんですね」
　少し安心した。さすがに学校に通わせる余裕はうちにはない。
「うんうん、そうなの」

「ただし、この時期に激しい刺激を与えるのはNGよ」

「………というと」
「例えば危ないアニメとかゲームとかね………知識より、性格に影響が出るわ」
「はい、気をつけます」
　アニメは注意しておけば大丈夫か。
　そしてうちにそんなゲームはない。あってもポ●モンとかスプ●トゥーンとかだ。
　あ、ポケモンには気をつけなきゃ。最悪廃人化してしまう。
「それと…………そうね、本、特にエロ本にも気をつけた方がいいわ」

「変な性癖が芽生えちゃうかもね」


「はぁ、はぁ、まずい！」
　急いで部屋を出る。
　確か、ククリ来訪の混乱によって忘れ去られていたエロマンガが───
「く、ククリ！」

「お帰りなさいませ、お父様♥」

「く、ククリ…………？」
　あぁ、遅かったか………
「お父様………？」
「いや、大丈夫だ、気にしないでくれ」
　あからさまに影響を受けている………
「変なの♥」
　クスクスと笑うククリ。またいつもと違った感じで、なかなかにそそられる。
　よく見ればちゃんと服を着ている……買った覚えはないのだが……なんとも扇情的な服だ。
「ねぇお父様………ククリ、のどが渇いたわ」
「あぁ、確か冷蔵庫にジュースが……ん？」
　あれ？いつの間に寝室にきてたんだろうか？
　ちゃんと居間に向かっていたはずなのに。
　こんなタイミングで寝室なんて来るわけが──
「くすくす♥」
　しまった、と思ったときには何もかもが遅かった。
「ぐおっ！」
　一瞬のうちに手足を謎の力で拘束され、ベッドに転がされる。
「ククリ！」
「ククリは───お父様のあったかぁいミルクを所望します♥」
　所望なんて言葉覚えやがったのか。
　恐るべし、エロマンガ。
「くすくすくす♥」
　そのいやらしい笑顔は官能的ではあるのだが、どことなく二次元的で不気味だ。だけども男の本能は雄叫びを上げている。
　情けないなぁ……
「はぁ………いい匂い♥そして、おっきくてふとぉい♥」
　一舐め。じゅるりと音を立てて唾液を載せた舌が下から上へ走る。
「ちゅっ…………味も、しょっぱくてオトコの人の味………んふっ♥」
　くちゅ、ちゅく………と念入りにフェラチオを続ける。いつもなら「早く早く」とか言いながら乱雑にやっているのに………
　成長、か……父親として喜んでいいものなのかな、これは。
「くぷっ、ちゅるる……ろぉ？きもひいい？」
「あ、ああ、気持ちいいよ………いい子だ」
　なんだか父親として言っちゃいけないことのような気もするが………倫理的に。
「うふふ……………ちゅ〜〜ちゅっ」
　だが、ククリは笑いながら一気に奥までくわえ込んでしまった。
　これが、魔物娘なのだろうか。それなら素直に精一杯ほめてあげるべきなのだろう。
「ククリ、出すぞ！」
「いいよ♥らひてっ！」
　彼女はより一層喉奥にペニスを詰め込んだ。それと同時に僕は精を吐き出した。
「───────っ♥─────んぐっ♥」
　苦しそうにえづくククリ。涙目になりながらもペニスは絶対に離さなかった。
「────ん、はぁ…………はぁ、ぜぇ……」
　顔を真っ赤にして酸素を求める。僕は労いの意を込め、彼女の頬を撫でた。
　嬉しそうに、少し元のククリを見せながら微笑む。
「お父様ぁ…………♥」
　撫でている手の指を愛おしそうにしゃぶる。引き離そうとしても離れない。暖かくてにゅるにゅるした粘液が指を湿らせていく。
「お父様ぁ♥お父様ぁ♥お父様ぁ♥─パパぁ♥」
「あ」
「！　お、お父様ぁ……」
　一瞬、メッキが剥がれかけた。
「つーか、やっぱり演じてたのか……」
　よかった、性格の根本は変わっていないんだな。
「ち、違うもん！今のは癖で……いゃ、あぅ……」
　慌てふためくククリ。
　あれか、幼少期特有の大人ぶるやつか。
　それにしてはいろいろとブレブレだったけども。
「んぅ………えいっ！」
「ぐふっ！」
　そんな風に油断していると、ククリは僕に飛び乗ってきた。
　内臓に甚大なダメージが…………なんてことを。
「意地悪なパパなんか……こうしちゃうもん！」
　いつものように自分の割れ目に僕のペニスを挿入する。
　もう、すんなり入るようになってしまった。
　それだけ僕らは身体を重ねてきたのだ──

「今日は………寝かさないからね」

「…………ははは、僕もククリのこと寝かせないよ」
「む〜寝かせないのはこっちのほう………なのっ！」
　力強く、腰を落とす。
「んっ♥んっ♥あんな本よりっ♥わたしのほうがっ♥きゅっ♥ぁっ♥気持ちいいん♥んっ♥だか♥らぁっ♥」
「くっ、ぁっ」
　確かに、前が劣っているというわけでもなかったが、急にテクニックが磨かれているような気がする。
　さっきと同様、力任せではなく、より気持ちよくさせるために動いている。
「あんなぁ♥おとなのおまんこなんかにっ♥負けないんだからっ♥！」
　きゅっ、きゅっ、と膣がリズミカルに締め上げてくる。いつもキツキツなククリのまんこがさらに僕を射精へと導いてくる。
「ククリっ、大丈夫っ！ククリのほうが、何倍も何十倍もいい！」
「ほ、ほんとう？」
「ああっ！」
「えへへっ………やったぁ♥」
　ぱんっぱんっ、と肌のぶつかる音が加速していく。
　それでも彼女は、僕を気持ちよくさせるのを止めなかった。
「パパっ♥だいすきっ！」「ククリ、すきだっ！」
　同じタイミングで、僕達は言う。
　ついこの前会ったばかりなのに、どうしてこんなにも息が合うのだろうか……
　本当に親子なのかもしれないな。
「パパっ♥そろそろイきそうっだよっ♥」
　僕もだ。
　多分、何も言わなくても大丈夫なはずだ。きっと通じ合っているはずだ───

「あ、あぁぁぁぁぁぁっ♥♥♥！」
　ビュクビュクビュクッッ！


「本当に捨てちゃうの？」
　僕は、ビニールの紐でエロマンガとカモフラージュ用の雑誌を縛る。
「あぁ、もちろん」
「その本面白いのに………」
　できればその年でエロマンガを嗜むのは止めていただきたい。
　その隠している『ヤンデレっ娘　〜私だけを見て〜』も返すんだ。
　それは本当に教育上よろしくないから。
「はぁい……………」
　よろしい。
「ねぇパパ…………」

「これからは、わたしのことだけ見てて。じゃないと………………ね？」

「………………はい」
　一抹の不安を残し、彼女は幼女期を終えたのだった。