連載小説
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第四車両「カタカタトレイン」
 一年ぶりの戦場、戦果は上々だった。
 混雑した電車の横広の座席に座り、俺は膝上に置いたリュックに詰め込まれた戦利品の山を見てニヤリと笑む。
 おっと危ない危ない。こんなだらしない、緩みきった顔を見られれば奇異な目で見られるのは必至だ。ソレが何かを考えればなおのことだ。
 だがしかし、顔が緩むのを止めるのはやはりできそうにない。戦場でこれほどの戦果をあげて家に帰れるのだから。
 家に帰り、戦利品を床に並べて写真を撮って、ひとつずつゆっくりと堪能できるとあれば顔も緩むというものだ。ここにあるのはほんの一部。持ちきれない戦利品はすでに家に配送済み。全く楽しみでしかたない。
 戦利品。それはつまるところ、国内最大規模の同人誌即売会で勝ち取った同人グッズ諸々のことである。
 同人誌しかり、同人ゲームしかり、ポストカードやポスター、フィギュアだけに留まらず、実用性に優れたグラスやペンケースなどのグッズも様々である。
 内容はまぁ、俺から見ても偏っていると断言できる。
 ロリータものがメインだ。少女がメインだ。身体の小さな女の子がメインだ。
 幼女だ。
 ちっぱいだろうとロリ巨乳だろうとなんでもござれ。ロリっぱいに貴賎なし。
 ロリ学生・ロリ校生・ロリ大生の三姉妹ハーレムに始まり、「のじゃロリ魔法少女バフォちゃん」と「魔女っ子メリー」のコラボ全国ロリ布教の旅とか、人間魔物娘問わず大量買いだ。
 幼女はイイモノだ。俺の心を癒してくれる。純粋無垢な穢れのない表情。染み一つない、吸い付くような肌。抱きしめれば壊れてしまいそうなほど華奢な身体は、俺の保護欲を抑えようもなく駆り立ててくる。小さな手で握り返してくる、儚くもしかし確かな感触は、言いようのない安らぎを与えてくれる。
 まぁ、幼女と手を繋いだことなんてないけど。
 はっはっは。万年フリーターの俺が幼女と手を繋ぐなんて事案あるわけなかろう。
 と、言いたいところだが、最近はそうでもない。何年か前に異世界から魔物娘とやらがやってきて、世間の幼女事情も一切合切変わってしまった。
 人間の幼女といかがわしいことをするのは合意の上であろうとも違法であるが、魔物娘の幼女となら合意の上でなら何でもしていい。文字通りなんでもだ。孕ませたって構わないのである。ロリ母娘丼にしてもいいのである。そのせいで自分から魔物化する幼女もいるとかいないとか。
 なんというロリコン歓喜の世界になってしまったことだ。
 嘆かわしい。ああ嘆かわしい。羨ましくもなんともないぞ。
 即売会の会場でも幾人もの同胞が妖女(誤字ではない)たちの餌食となってしまったが、別に俺は彼女たちのお眼鏡に適わなかったわけではない。俺の幼女を想う真の紳士の心が魔物たちを寄せ付けなかっただけなのだ。負け惜しみではない。
 そうだとも。ロリとはあくまで二次だからこそよいのだ。人の夢と書いて儚いと読むように。幼女を分解すれば幻ノ女となる。そう、本当の幼女はこの世には存在しないのだ。存在しないからこそ、人は、俺たちロリコンは求める。儚き幻想に形を与え、成長することのない穢れない幼女を求めるのである。
 求めた結果、白濁まみれな幼女になることもあるがそれもご愛嬌だ。
 魔物娘ならずっと幼女のままいられるがそれもご愛嬌だ。ぐぬぬ。
「はぁ…………ん?」
 ふと、俺は左の方へ視線を向ける。
 人。人。人。電車に揺られるむさくるしい人溜まり。
 冷房なんて効いていないような熱気が漂う薄暗い電車内。
 人の陰りは空気を鈍重で閉塞的なものへと塗り替えている。
 この電車の行き先は地底深く暗澹としたものであるかのように皆、沈んでいる。
 だが、そこに彼女はいた。

 天使。純白の天使だ。

 比喩、と言い切るにはあまりにも天使が過ぎる。
 地獄に舞い降りた天使と言い切るにふさわしい。
 小さな天女。幼女だ。
 光の翼を纏ったかのような白いワンピースを纏う華奢な身体つき。
 絹糸のように艶やかな光沢を放つプラチナブロンドの髪は毛先が僅かに肩にかかる長さ。
 肌はまるでワンピースに溶け込むような雪色をしており、目はぱっちりと大きな瞳が前を向き、愛らしい赤い唇は小さく開いている。
 一歩一歩歩くごとに、光の粒子が足元で弾けているかのように眩い。
 完全に俺のドストライク。心臓にトゥンクと鼓動が鳴り響く。山荘の令嬢的な幼女は大好きだ。日の光に弱く、真白な姿で、どこか儚げで、しかし一生懸命さの滲み出る、そんな幼女。完璧に俺の好みにド直球ストライクです本当にありがとうございました。
 幼女は地獄を往く天使のように、人の林を塗ってこちらへと向かっていた。背に可愛らしい小さな鞄を背負っていて、それが人の足に引っかかりうまく進めないでいるみたいだ。
 手伝ってあげたいのは山々。ここにいる人間を全員端によけさせたいくらいなのだが、昨今の事情。大人が幼女に気軽に話しかけられる時代ではないのである。妖女ならともかく、幼女相手だと下手を打てば通報待ったなしだ。
 だがしかし、俺とて幼女大好き紳士の端くれ。この幼女が無事、人波を乗り越えるまではしかと見守ってあげよう。別に、この目に幼女の姿を網膜に焼き付けたいわけじゃない。脳内再生リピート不可避、なんてそんな不純な目的は一切ない。
 幼女が俺の前を過ぎていく。
 眩いプラチナブロンドの髪を揺らす幼女は、急ぐように駆けている。
 目の前を横切るその瞬間、俺は深く息を吸った。
 ラベンダーのような甘い香りがした。うん、電車の中でそんな匂いするはずないからこれはきっとあの幼女の匂いに違いない。俺が見える光景がラベンダー畑にいる自分と幼女だけになったもの。
 が、その匂いはすぐに周囲の人間どもの臭いにかき消され、俺はいまここが電車内であると思い出させられる。
 最後くらい幼女の後ろ姿を目に焼き付けようと、彼女を目で追って「あ」と俺は小さく声を出した。
 それはちょうど幼女が、リュックから小物入れのようなものを落としてしまう瞬間であった。幼女はそれに気づいた様子もなく、そのまま向こうの車両へと駆けていってしまう。
 俺以外に、このことに気づいた様子はない。
 誰もあの小物入れに気づいていない。
 届けるべきか? それともこのまま知らないフリをするべきか?
 小物入れを拾って届けたとして、一歩間違えれば不審者犯罪豚箱入り待ったなしだぞ。下手をすれば痴漢扱いまでされかねん。
「…………」
 だがそれがどうした。
 あの幼女が悲しみに暮れるのに比べれば、俺が豚箱に厄介になるなど些末事よ。
 そうだ。俺は紳士。真の紳士。世の幼女のため身体を張り、彼女らの安寧を守り抜くのだ。別に感謝されたいとか「ありがとうお兄ちゃん!」と言われたいとかそんな打算的なことは考えていない。
 よし、そうと決まればすぐさま行動開始だ。
 俺は席を立ちリュックを背負うとすぐさま小物入れを拾う。そのまま幼女を追いかけた。
 小物入れはデフォルメされたビスクドールの絵がプリントされた可愛らしいものだった。
 幼女にはすぐ追いつけると思ったがこの狭い車内。身体が小さい方が早く動けるということを俺は失念してしまっていた。
 もうすでに幼女は隣の車両の奥まで行ってしまっていた。「うんしょ、うんしょ」と車両間のドアを力いっぱい開けようとする幼女の奮闘に思わず心のちんこが勃起してしまった。紳士なので外見的変化は一切ないからセーフ。
 と見惚れている場合ではない。早く渡してあげないと……。うん?
 いや、これは、まさか。本当に……?
 幼女の通った先。警告を告げるドアの紅いマーク。サキュバスの絵が描かれたマークが俺の目に留まった。
 単純明快な意味を伝えるマーク。これより先、『魔物娘専用車両』ということを伝えるマークだ。
 魔物娘専用車両。どこぞの偉い魔物娘が通した条例によって生まれた車両。
 ここに入れば問答無用で魔物娘に襲われ、逆レイプされ、孕ませさせられる。強制的に人生の墓場送りにされる恐ろしい場所だ。
 そこにあの幼女が入っていった。女性とは言え被害に遭わないわけではない。普通の人間が魔物娘化させられる可能性も無きにしも非ずだからだ。
 ドア窓越しに見ると幼女は空いている席に座った。普通の車両に比べて魔物娘専用車両は若干空いている傾向にある。まだ魔物よりも人間の方が比率の高い。
 周囲にはサキュバスやらカラステング、ワーウルフなどがいたが、幸い幼女に関心を示す者はいなかった。ふぅ、ひとまずは安心か。
 しかし、どうしたものか。これでは小物入れを渡せない。俺が魔物娘専用車両に入ろうものなら一瞬の内に襲われ凌辱され、貞操を奪われてしまうだろう。ロリでもない魔物に!
 それだけは。それだけはなんとしても避けねば。くっ、しかし、このまま幼女にこれを渡さないでいるわけにも。
「!」
 幼女が鞄のファスナーが開いているのに気づいた!? しかも中を探っている。これはまさか、この小物入れを落としたことに気づいてしまったか!?
 くっ、どうやらその予想は的中してしまったみたいだ。周囲をきょろきょろと見渡して落としていないか探している。だがそこにはない! 俺が持ってしまっているのだ!
 こっち側の車両に来てくれれば渡せるのだが、どうも動く気配がない。電車の外で落としてしまったと思ってしまったのだろうか。そうじゃない俺が持っているのだ! 
 こうなったら幼女が電車を降りたタイミングで渡しに行くか。それが一番ローリスクかつ確実な方法なはず。よし、それで……!?
 ああ、なんということだ!!
 幼女の目に涙が浮かんでしまった!
 あれは大事なものをなくしてしまったときに浮かぶと言うヨゥージョのナミダに違いない!
 あれを見てしまえば紳士は、否、全ての世の男性はその涙を止めるためにあらゆる危険を冒さざるを得なくなるのだ。
 それは俺も例外ではない……!
 例えこの身穢されようとも。
 例えこの貞操犯されようとも。
 例えこの性癖塗り替えられようとも。
 我が紳士の心は永遠に不滅!
 幼女の笑顔に勝るものなし!
「さらば我が貞操! さらば我が命と魂! 己が盟約に従い、全て幼女のために!」
 周囲の客がいきなり叫んだ俺に驚いているが知ったことか。
 気合を入れるのだ! いけ俺! いざ幼女を救え!
 魔物娘専用車両へダイブ!!
「あら? 珍しいじゃない。男の方からやってきてくれるなんて、うふふ、私とイイコトしま――」
「遅いッ!!」
「きゃっ、速っ!?」
「男か!? アタシと交尾しようぜ! アタシのモフモフで包んでや――」
「鈍いッ!!」
「キャインッ!?」
「仕事疲れの私に奉仕しなさい、養ってあげますか――」
「とろい!」
「カァァっ!?」
「な、なんて気迫と速さなの!」
 いまの俺は幼女のため、紳士フルパワーモードとなっているのだ! 普通の魔物娘に後れを取るものか!
 幼女待っていろ! いまその涙を拭う!
「うぉおおおおおおおおおおおっ!」
 幼女! プラチナブロンドの髪の幼女! いま行くぞぉおおおおおお!!
「!!!!!!」
 全ての時を超越したその行動は一瞬だった。
 涙を浮かべる幼女が顔を伏せて、両手で顔を覆うとするその刹那、まるで雛鳥を巣に返すが如く繊細かつ迅速な手さばきで、小物入れをその両手に置いたのだ。
 幼女が驚く顔が目に浮かぶが確認はできない。役目を果たした紳士はクールに去る。それが鉄の掟だ。イエスロリータ・ノータッチなのだ。「ありがとうお兄ちゃん!」は幻想なのだ。
 それに幼女に見惚れていてはこの車両から逃れることなどできな……いいい!?
「くッ! 紳士パワーが!?」
 役目を果たしてしまったせいで俺の中の紳士パワーが落ちてきてしまっていた。必然、先ほどまでの超人的な動きは完全に失われてしまう。
 まだ車両の中ほどだ。くそっ、このままでは逃げ切ることなど。
『神城町ー。神城町でーございまーす』
 アナウンス。いつのまにか電車は駅についていた。しめた。まだ俺の紳士エネルギーは完全に尽きてはいない。ドアが開くまでならば逃げ切れる! それに!
「あの男は私のよ!」
「いいやアタシの交尾相手だ!」
「私の仕事疲れを癒す男よ!」
 と魔物娘同士で取り合いの喧嘩をしている。これが三人とも幼女なら感涙して喜ぶがそうもいかない。
 だがチャンスだ。俺が逃げ切るための時間が多分に稼げる。
 そして。
「よし開いた!」
「「「あっ!!」」」
 魔物娘たちが気づくも遅い。紳士パワーが残っている俺の方がまだ速い!
 さらばだ専用車両の魔物娘たち! ここでの話はロリコン仲間に武勇伝として伝えるぜ! 幼女のために危険を犯して魔物娘専用車両に入ったとな!
「ふぅーははははっ、はひっ!? ふにゃら〜」
 ぷすり、と。俺の首に何か鋭いものが刺さる感覚がした。
 それは俺の身体の自由を一瞬で奪い、ドアから出ようとしていた俺の身体はぶれて一回転。ドア横の長椅子へと座ってしまう。まるでどこぞの眠り探偵みたいである。
 だが意識ははっきりしている。しかし何が起きたのか理解できなかった。手足が痺れて動けない。何をされた? 魔物娘にやられたのか?
「もう、お兄ちゃん。お礼を言う前に行っちゃうだなんてひどいじゃない」
 突然、舌足らずな甘ったるい幼女ボイスが俺の耳元で囁かれる。
 力の抜けた身体に跨ってきたその正体に俺は目を疑った。
 目に涙はなく、幼女特有のあどけない笑みもなく。
 大人を小馬鹿にするような意地悪な笑みを浮かべた、あの愛らしいお人形のような幼女。
 その幼女が俺の膝に跨り、指先からピンク色の液を滴らせる針のようなものを生やしていた。
「でも、もうこれで動けないですよね? お兄ちゃん?」
「あ、ああ……」
 助けたはずの幼女に襲われる。
 そんな倒錯的なシチュエーションに俺は見舞われてしまったのだった。

 混乱と幼女にナニカされたことで身体は自由に動かなかった。手足も動かせず、唯一視点だけが動かせる。しかし、それもある意味自由を奪われていた。
 俺の視点は幼女の一挙手一投足に釘付けにされていたのだ。
「ふふ、きっと〜、お兄ちゃんなら私のために来てくれるって思ってたんですよ〜」
 幼女は言いながら、ワンピースを肩からずり降ろして腰まで落とす。当然、白い柔肌がこの甘ったるい匂いで満ちる電車内に晒されることとなった。
「お、おっぱ、幼女の生おっぱ」
 自分が囚われたという現実に直面してもなお、それすら塗りつぶすほどの衝撃が俺の顔面にぶつけられた。
 真っ白な肌に浮かぶ桃色の乳頭。
「きゃぁ〜、女の子のおっぱいガン見しちゃうなんてお兄ちゃん変態さんだ〜!」
 なんていいつつ、背筋を逸らして僅かな膨らみしかない寸胴体型の上半身を惜しげもなく俺に見せつけてくる。
 日に焼けたら真っ赤になってしまいそうな白い肌。触れずともわかるぷにぷにの質感が肩から胸、腰に至るまで続いていて見事と言わざるを得ない。俺にとって否、世のロリコンにとって理想ともいえるぷにロリ体型。おっぱいのように膨らみのあるイカ腹なんて頬擦りしたくなるほどだ。
「変態お兄ちゃん、私のお股の下でナニをおっきくしてるのかなぁ」
「っ、やめっ」
 名も知らない幼女が俺の頭を掴み、俺の大きくなってしまった息子をズボン越しに股でこする。確かな柔らかい感触がズボン越しに伝わって来て、それだけで達してしまいそうなほど気持ちいい。
 だが、俺は紳士……こんな紳士ならざる達し方をしてはいかん。
「き、君、退くんだ……こんなことしちゃダメだ、いけないことなんだ」
「えー、どうしてやめないとダメなの? お兄ちゃんすっごく気持ちよさそうだよ? 気持ちいことはイイコトだって私知ってるよ? だからぁ、これはイイコトなんだよねぇ。ほらぁぐりぐり〜」
「うああっ!」
「あははっ、お兄ちゃんビクッてしたぁ! 涎垂らしてそんなにイイんだ! 女の子に跨られてズボン越しにずりずりされて悦んじゃう変態さんなんだ!」
 変態、じゃない。俺は紳士で……くぅ、なのになんだこの感覚は。幼女に貶められているのに、嫌だと思えない自分がいる……?
「ふふっ、私気になっちゃった」
「え?」
「お兄ちゃんの隠してるものがどうなってるか」
 ま、まさか。
「はぁい開けゴマ〜」
 俺の股から降りた幼女がファスナーを一気に下ろす。興奮が最高潮に素手に達していた俺の息子は、ズボンから一気に現れ、幼女の頬にビンタしてしまった。
「あはっ、すっごぉい、元気さんなんだねぇ、ツンツン」
 指先でツンツンされながら頬擦りされる。瞬間、俺の思考は真っ白になった。
 弾けた。
「えっ?」
 ビュビュッという音が俺の股で響く。白い欲望が、我慢なんてする間もなく弾けてしまったのだ。
 当然、俺の息子の傍にいた幼女に、弾け飛んだ白い欲望の塊が、雨となって降り注いでしまう。
「あ、ああ……」
「おー」
 ぽかんとしながら俺の振りかけた欲望の汁を避けもせず、顔面で受け止める幼女。精緻な造形の完璧な幼女の顔立ちが、瞬く間に俺の汚らしい精液で穢されていく。
 その気ではなかったとはいえ、幼女に対し、紳士ならざる行いをしてしまったことに俺は目の前が滲んでしまった。
 泣くべきは幼女だろうに、穢した側の俺が泣いてしまいそうになる。このあと逮捕されるからだとか、人生お先真っ暗だとか、そんなことに泣いているんじゃない。
 この尊い幼女を、紳士であろうとしてきた俺が穢してしまった。その事実に絶望しているのだ。
「あぅ、うぐぅ、おれ、おれはっ」
「あむっ、チュッじゅるるっ」
「んほぉっ!?」
 涙で目の前が見えなくなる瞬間、先ほどの頬擦りと比べ物にならない快感が俺のペニスを、生温かな熱をもった肉感とともに包んだ。
「ちゅっ、ちゅるっれろれろっんんむじゅっぶじゅっぶじゅずずずっぷはぁッ!」
「うあっ!」
 突如の快感に絶望が洗い流され、視界がクリアになる。
 卑猥で意地悪な笑みを浮かべた幼女が俺のペニスにキスをして、舌なめずりをした。そして、亀頭をちゅうちゅうとキスしては吸い付き、両手の繊細な指を竿に絡ませてシコシコと上下に扱く。
 およそ幼女に似つかわしくない行為にもかかわらず、こうすることがこの幼女にとってはとても自然な振る舞いのように見える。
 顔に滴る精液をペニスと一緒に口に含んでは滑りを良くして奥へ奥へと誘い、快感をまぶしてくる。幼女のお口は小さくペニスの半分も咥えられていないが、同時に竿を両手で包んでシコシコしてくるので物足りなさはまるで感じない。
 それどころか一生懸命に俺のペニスをしゃぶるこの幼女の姿に、より一層興奮してしまう。
「うぐぁ、狭っ」
「おおひぃよぉおにいひゃんのおひんひん……おいひぃ、じゅるるっ、」
 狭い口内。ペニスの先っぽがぷにっとした喉奥を突いて包まれ、きゅうきゅうと締め付ける頬肉に、精液を昇らせようと扱いてくる細くしなやかな指。
 そんな幼女のフェラに俺如きが敵うはずもなく。
「うあっ、ま、またイってしまう」
「イっふぁぇ!」
 ちゅううううううっと頬をへこませるほどの強い吸い付きに俺は屈し、再び白濁した欲望を吐き出した。今度は顔にではなく、幼女の口の中に。
「んん、ごく、ごくん、ごく、ごくごく……ん、ごく」
「あ、ああ、飲まれて……全部」
 俺の精液を一滴も零さず飲んでいく幼女。その間、俺の視線を幼女の意地悪な瞳が掴んで離してくれない。
 “精液全部私に飲まれているんだよ?”
 “こんな小さな女の子に好きなようにされて悦ぶだなんて、お兄ちゃん変態だね”
 “私のお口孕ませる気なのかなぁ? 孕ませたいんだよね? 変態だもんね?”
 そんな言葉が幼女の声で聞こえてくるようだった。
「っぷはぁ……ふぅ、ふふ、ごちそうさまでした、チュッ」
「うっ」
「きゃっ、ふふ、まだ出るんだぁ。お兄ちゃんすごいねぇ、すごい変態さんだぁ」
「はぁはぁはぁ」
 凄い虚脱感だった。この短時間で二発も発射させられたのだから当然か。なのに全然萎える気配がない。普通ならば一発放てばインターバルを要するはずなのに。
「ドロドロで濃厚なエッチミルク。今日買ったもので発散するために溜め込んでたんだもんね。すーっごく美味しかったよ。もうね、喉に絡まってなかなか飲み込めなかったもん」
「な、何でそれを知って」
「知ってるよ〜ぜーんぶ。何を買って幾ら使ったのかも。何で一番最初にヌこうとしてたのかも」
 幼女は俺の膝に跨り、グイっと顔を近づけてくる。とても精緻で美しい、幼女の美を極めた顔立ち。しかし清純とは程遠い意地悪で情欲を煽る笑みを浮かべている。
 股間の息子をぐりぐりと股で潰され、俺が呻き声をあげる度、幼女は心底嬉しそうに口の端を釣りあげていった。
「だって見てたんだもん。会場でぇ、最初から最後まで。お兄ちゃんが何をしてたのか」
「っ、君みたいな幼女があんなとこに入れるわけ」
「うふふ、外見なんてもうこの時代に関係ないってお兄ちゃんも知ってるでしょ?」
 ……魔物娘。つまりそういうことか。どう見ても普通の人間の幼女にしか見えないけれど、俺を二度もすぐにイかせた技巧。この娘が魔物娘だからに。
「あ、お兄ちゃんがすぐイッちゃったのは童貞だからだよ」
「……」
 死にたい……。
「で、気にいっちゃったんだぁ。お兄ちゃんのこととっても。だからぁ、ふふ、お兄ちゃんの目の前であれを落としてこの車両まで来てもらったの。思った通り、変態ロリコンお兄ちゃんは私に届けてくれたよね。嬉しかったなぁ」
「うぐっああっ」
 ぐりぐりとペニスが優しく潰される。布と濡れた感触。幼女のパンティ。しかもオマンコ汁でびしょびしょバージョン。見えていないのに、このぬるりとした感触が明確にその事実を俺に突き付けてくる。
「な、なんでこんな回りくどい、こと」
「んー。幼女に逆レイプされたらお兄ちゃんどんな顔するかなって気になっちゃったの。それとも私が正体明かして好きですって伝えたら、私の気持ちに応えてくれたのかなぁ?」
「そ、それは」
「そうだよねー、お兄ちゃん紳士だもん。ぜーったい、ダメだーって言うもんね。お兄ちゃん自身の欲望よりも女の子の身体が大事なんだもんね。ほらぁ」
「な、なにを、ッ!?」
 幼女は俺の手を取ったかと思うと、俺の掌を自身の胸に押し付けて来た。膨らみのほとんどない平坦な胸。しかし掌から伝わるマシュマロのように柔らかい確かな感触。
 痺れて動かない手は、しかしより鋭敏に幼女の肉体の感触を感じ取っていた。
「こうやって押し付けて、ふふ、わかるかなぁ? お兄ちゃんの掌に当たってる私のおっぱいのぉ、乳首……こんなに固くなってビンビンなの。お兄ちゃんに触られてドキドキしてるんだぁ」
「っ」
 確かに、マシュマロと対照的なコリコリとした固さの乳首が俺の掌を突いている。
「あんっ、お兄ちゃんのオチンチンびくってなったぁ。ふふっ、こんな小さな女の子のおっぱい触ってオチンチン大きくしちゃうだなんて、やっぱりお兄ちゃんは変態さんなんだねぇ」
「へ、変態であることは、認めよう。世の中では認められない性癖だということも。だが、俺は変態は変態でも、変態という名の紳士だ。幼女の身体を穢すような真似は」
「知ってるよ。お兄ちゃんはどれだけ私が求めても自分から、エッチなことはしてくれないんだよね」
「そ、そうだぞ、だからこんなこともうやめ」
「だからね、私がお兄ちゃんを」
 幼女が耳元に口を寄せる。淡い桃色の花弁に心臓が高鳴った。
 直後の幼女の甘ったるくも冷たい声音に、心臓が鷲掴みにされた。
「犯すの」
 幼女が座席の上で純白のワンピースのスカートの裾を摘まみ、持ち上げた。
 まるで幼女の心を写し取ったかのような、純黒のパンティが俺の眼前に晒された。その紐部分を幼女は俺の口元まで寄せる。股の部分がじっとりと濡れているのがわかる。俺のペニスが濡れていたからではない。内側から、幼女のオマンコから漏れた汁で濡れていた。
「咥えてよ、お兄ちゃん」
 パンティから漂う甘い匂いが俺の思考を狂わせる。幼女の命令を容易く聞いてしまう。
「そのまま咥えててね。ん……」
 幼女は腰を引いた。
 紐は解かれ、しゅるりと幼女の隠された大事な秘部から落ちていく。
 パンティは俺に咥えられたまま宙吊りになり、もうその役目を終えてしまった。
 パンティの役目を終わらせた幼女のソコは、一切の毛のない白く綺麗な丘に、一本の谷筋を走らせていた。
 ぽた、ぽた、と。その谷から雫が落ちて、俺のペニスで弾ける。
「……」
 涙が出た。幼女。幼女の、本物の幼女の穢れのない神聖なオマンコ。
 それがいま、俺の目の前にある。
「見て、お兄ちゃん。私のオマンコ。ほら、綺麗でしょ?」
 幼女がオマンコの谷を開く。くぱぁという擬音語が脳内で響いた。
「ピンク色で、エッチな涎でびしょびしょなの。ほらこの穴。見えるかな? ぱくぱくしてて、ヒダとお汁でいっぱいぐちゅぐちゅしてて、お兄ちゃんのオチンチン欲しいよぉってお腹空かせてるんだよ」
「あ、あああ……」
 俺は首を横に振った。それはダメだ。これは神聖な幼女のオマンコなんだ。俺が、俺なんかがそこに土足で踏み入ってはいけない。穢してはいけない。紳士の俺がそんなこと。
 俺の心の切望虚しく幼女はゆっくり腰を下ろしていく。
 俺の身体はすでに幼女のモノにされ、怒張したペニスは手を使わずとも幼女のオマンコへと天高く反りかえっていた。
「お兄ちゃん、私の処女、あげるね」
「やめっ」
 ブチュッ!
 鮮血が迸る光景が脳裏に過ぎり、その光景に反してペニスを隙間なく包み込む、熱々でキツキツで、しかし柔らかな肉の感触が下半身を支配した。
「お、ぐ、ああ」
「あ、ふっ、ふふ、あはぁああああ、いいよぉ、処女お兄ちゃんに破られて気持ちいいよぉ……」
「うあっ、にゅるりって絡みついて」
「どんどん奥まで挿れてあげるね、お兄ちゃん。ほらぁ、どんどん私のエッチな穴にお兄ちゃんのオチンチンが沈んで、んんっ私も気持ちいいよぉ……!」
「ああ、そんな、血が出てるのに」
「関係ないよ、気持ちいいもん。全然痛くないからどんどんおっきくしてね、お兄ちゃん。お兄ちゃんのオチンチンの形に、私のオマンコを作り変えて」
 幼女のお兄ちゃんと呼ぶ声が脳裏にどんどん刻み込まれていく。ゆっくりと腰を沈めていく幼女に、飲み込まれていくペニスに、俺は戻れない場所まで引きずり込まれてしまったのだと悟ってしまった。
「ねぇ、お兄ちゃん。私みたいな小さな女の子の処女を奪っちゃった感想はどうかな?」
「うっ」
「ねぇどんな気持ち? 教えてよ、ねぇ、ねぇ」
 ぐりぐりと腰を前後左右に振って、俺のペニスにオマンコのヒダ肉を絡みつけて扱いてくる。
 キツキツの狭い膣穴。ペニスが潰されてしまいそうなくらい狭くてキツくて、でも柔らかい肉ヒダは隙間なく俺のペニスに絡みついて搾り取るように蠢いて、俺の精液を飲もうと吸い付いてきている。
 俺の中で欲望を吐き出したい欲求と、幼女をこれ以上穢してはならないという紳士の心がせめぎ合っていた。
「んっ、はああ、奥まで着いちゃった。ふふ、ほらこつんこつんって、お兄ちゃんのオチンチンのお口と、私のオマンコのお口がちゅっちゅってしてるよ」
「うくっ、なん、これっ吸い付いて」
「気持ちいいでしょ? ほらここ見て、お兄ちゃんの大きなオチンチンの頭が私のお腹をぼこってしてるよ。動かすとんんっ、オマンコの気持ちいいところ引っ掻いてお腹を押し上げてすっごく気持ちいいのっ!」
 ごりごりと、ぶちゅぶちゅっという音が聞こえてきそうなほど、激しく幼女は腰を振るう。太ももに幼女のこぶりな桃尻がぱつんぱつんとぶつかって、柔らかなお尻の感触とその音に耳までも犯される。
 大きく股を開いて俺に接合部を見せつけて、お腹のペニスの形も見せつけて、ワンピースを天使の翼のようにはためかせて、俺の目までも犯してくる。
 いまの俺がどんな気持ちか。
 罪悪感、最初はそれだけだった。本当に最初の最初だけは。
 でもいまは、それがどんどんと塗り潰されている。
 幼女の卑猥な美しさに、幼女のオマンコの気持ちよさに。
 紳士の心がオマンコに包まれて、犯されている。
 それを悦んでいる自分がいる。
「お兄ちゃん、お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん! ほら出しちゃえ! 私の膣内にぴゅっぴゅってしちゃえ! お兄ちゃんの白く濁ったエッチなお汁で私の大事なところいっぱい汚しちゃえっ!」
「うあああダメだダメだっ! そんなことっ、もう動かないでくれっ!」
「ダーメ! お兄ちゃんのエッチなお汁は奥にいーっぱい注いでもらうのっ! 我慢なんて許さないんだから! ほら出せ、出しちゃえ! どろりとしたお汁で、私のお腹の赤ちゃんの卵にぶっかけるの!」
 幼女の口から発せられたとは思えないほど強烈な隠語。しかし、そのアンバランスさが一層俺の情欲を誘う。
 何より、この幼女を穢して、その上で孕ませる。そんな背徳感に、俺はもう抗えなかった。
「うああああああっ!」
 じゅぷっと腰を打ち付けられ、ペニスの口とオマンコの口がキスをする。吸い付いてくる幼女の下のお口に、俺は全てを注ぎ込んだ。
「あっはぁ! いっぱい来たぁあ!」
 幼女が満面の笑みを浮かべ悦びの嬌声をあげる。舌を突き出して、白目剥いて俺の精液を飲めたことを悦んでいる。
 俺にしなだれかかってきて、その動きでまた刺激を受けて尿道に残っているモノを吐き出した。
 幼女も絶頂を迎えていたが俺の方が多分ひどい。先ほどまでの紳士の心なんて完全に丸呑みにされ溶かされた。幼女を穢したことによる背徳感の気持ちよさ、射精しきった開放感、いまなおペニスを包み込んでくれているキツキツオマンコの温かさに俺は全身蕩け切っていた。
 幼女を穢すことの気持ちよさを俺は知ってしまった。
「…………う、あ、ああ、俺はなんてことを」
 意識がはっきりしてきて事の重大さにそんな言葉を紡いでしまうが、もはやその言葉は紳士の心から来ていない。上辺だけの紳士の心の残りカスだ。
 幼女のあの味をもっと味わいたい。そんな黒い感情が、犯罪者の欲望がふつふつと沸き起こっている。
「ふふ、ねぇお兄ちゃん気持ちよかったぁ?」
「お、俺は、俺は幼女を」
「お人形のオマンコは」
「……え?」
 え?
「クスクス」
 幼女が笑う。これまで以上に意地悪で、悪戯を完遂できたことに悦ぶ声音だった。
 顔を上げて、幼女の姿をまじまじと見る。俺は、愕然とした。
「あはっ、お兄ちゃんすごい顔! ふふっ、騙されちゃったねぇ」
 幼女の肩や肘などの関節部。座席の上で俺のペニスを咥えるために曲げられた膝。それら全部が球体関節となっていた。人のような柔らかさと温かさはそのままに、人形の姿へと幼女は変わっていたのだ。
「き、君は、え、だってさっきまで」
「私はリビングドール。お人形さんの魔物娘なの。姿だって自由自在。望むままのパーツで姿を変えられるの。実は私、あの会場で売られていたお人形さんだったのよ」
「あ、ああ」
「安心した? 本物の女の子を犯してなかったって」
 騙された。騙されていた。
 俺は幼女を犯していなかった。犯されてもいなかった。エッチなお人形の魔物娘に誑かされただけだったのだ。
 この娘のオマンコが気持ちよかったのは確かだ。とてもエッチだった。でも、俺は紳士の心を壊してはいなかった。矜持を守り切って――。
「でもお兄ちゃん、小さな女の子じゃない、単なる人形の私にこーふんして、いっぱいいっぱい悦んじゃったね」
「……」
「お兄ちゃん、見抜けなかったね。私が女の子じゃないことに。紳士なお兄ちゃんは、女の子かどうか見抜けなかったんだね」
 ――本当にお兄ちゃんは紳士なの?
 ――本当にロリコンなの?
 そう囁く声は俺の耳朶に深く刻まれ、何度も反響した。
「お、俺は、俺は……ロリコンで、幼女が好きだけど、俺は見守るのが好きで」
「見守って迷惑がかからないように隠れて欲望を発散するんだよね。女の子に抱いた邪な気持ちを吐き出すんだよね。でも、お人形の私にその欲望、ぶつけちゃったねぇ」
「あ、ああ、ああああ!」
 俺は、俺は何だ? 俺はロリコンなのか? 紳士なのか? 俺は、俺は幼女が好きなはずだ、なのにこの人形の娘に俺は欲情して犯されて、そして幼女を想って放つはずだった欲望をこの娘に吐き出してしまった。
 幼女じゃないこの娘に。
「俺はいったい、何なんだ。え、あ、え、なんで俺はいったいなんでわからない」
 幼女を見抜けなかった俺に、ロリコンで、紳士である資格なんてあるのか?
 俺はロリコン失格なんじゃないのか?
「そう、お兄ちゃんはロリコン失格」
「うあぁっ」
 人形娘が腰をゆっくりと上げて、落とす。
 再び俺の身体に快楽を刻みつけようとしてくる。
 今度は明確に人形であることを意識させて。
「お兄ちゃんはもうロリコンじゃないの。女の子の姿をしたお人形の私だけに欲情する、私専用のロリコンなの」
「俺は君専用のロリコン」
 すぅっとその言葉は俺の心に滑り込んできた。
 ペニスを扱かれる快楽で城壁を崩された心に酷く沁み入ってくる。
「そう、私専用のね……。ほら、お兄ちゃん。想像してみて。私の色んな姿」
 色んな姿。
「白スク水だって、ゴスロリ服だって、ナース服だって、お兄ちゃんの大好きなのじゃロリ魔法少女バフォちゃんや魔女っ子メリーのだって、色んなコスプレを私にさせられるんだよ」
 この娘のコスプレ。チャイナドレスも、セーラーも、あの「のじゃロリ魔法幼女バフォちゃん」のコスプレだってなんでも着させられる。
 俺の手が届いて、俺好みにこの娘を仕立てられる。
「もっと身体つきをぷにぷにさせることだって痩せさせられることだって、おっぱいだって大きくできるし、お尻ももっとムチムチにだってできるの。私の身体はね、お兄ちゃんの思うがままに弄れるの。お兄ちゃん色に染められるんだよ」
「俺の色に」
 いままでは決して手が届かなかった幼女。見守るべき存在であった幼女。
 それがこの娘ならば、俺の理想の幼女に、理想の姿に、俺だけのモノにできる。
「ふふ、もう返事はこのオチンチンで聞いちゃったけど。でもお兄ちゃんのお口から直接教えて欲しいなぁ。お兄ちゃんの世間体も何もかもかなぐり捨てたどす黒い欲望、私にぶつけてよ」
「俺は、俺は……!」
 欲望が膨らみそれに忠実になったこの瞬間、手足の痺れが完全に消えた。
 俺は手を伸ばす。人形だけど、確かに俺の理想の幼女でもある眼前の彼女に。
 柔らかい太ももから、指が沈むもっちりとしたお尻へ指を這わせていく。球体関節部なんて全然気にならない。柔らかな感触は俺が幾度となく妄想してきた幼女のソレとまるで遜色ない。ぷっくらしたイカ腹を横から両手で包み、そのまま脇腹を通っておっぱいへ。本心ではずっと幼女にしたかった、いやらしい触り方を俺は実行する。乳首を摘まんで、なだらかな乳房を揉みしだいて、幼女の柔らかい肢体を堪能する。
 触れて完全に理解する。この娘だ。この娘こそが……!
 俺は人形娘の柔らかいぷにロリ体型の身体を抱き締め、もっと気持ちよくなるためにその華奢な身体にペニスを沈めた。
「俺は君専用のロリコンになるっ! だから俺のモノに、俺だけの幼女になってくれ!!」
「うふっ、あははっ! ようやくだよぉ、ようやくお兄ちゃんを私のモノにできたぁ、ふふ、嬉しい。もちろん、お兄ちゃんがいやだって言っても私だけのロリコンになることはかくてー事項なんだからねっ!」
 俺に抱きしめられたまま幼女は腰を振るって俺のペニスを攻め立てる。キツキツオマンコの締め付けに、自由を取り戻したはずの身体は一気に白旗を上げて身体の力が抜けてしまった。
「それじゃあ、お兄ちゃん。まずはしゅじゅー関係をはっきりさせないとね」
「……え?」
「私、使われるお人形さんじゃなくて、使うお人形さんになりたいの」
 幼女人形娘は俺を座席に押し倒し、馬乗りになった。不安定な電車の座席にも関わらず器用に俺のペニスで身体を支え、腰を振るう。
「ぅあっ、激しっ、搾り取られっ」
 その激しい腰振りに俺は喘ぐことしかできない。亀頭を常に肉ヒダで責められ、抵抗心が一欠けらも沸いてこない。
「あんっはぁっ、んんっあああんっ、ふ、ふふ、はあ、まずは私のオマンコを精液でいっぱいにしてもらおうっかなっ。子宮も小さいから大丈夫だよね?」
「そ、そんなっ、もう三回も出してて」
「大丈夫だよ、ほらさっきの毒針、んんっ、媚薬たっぷりのを注入したからインキュバスになってなくても精液いーっぱい作れるようになってるんだよっ、あんっ、イイッ!」
「気持ちよさ過ぎて頭おかしくなるから」
「い、いいんだよ、おかしくなって。お兄ちゃんは私の言うことを聞くだけのお人形さんになるの。そしたら私も、あんっ! お、お兄ちゃんのおねだりをなんでも聞いてあげるお人形さんになってあげるから」
 俺の精液を搾り取ろうと激しく腰を振るいながら、幼女は凄惨に笑う。
 本気で俺を幼女専用のロリコン、もといお人形にしようとしている。
「目標は私のお腹を孕ませること。精液だけじゃなくて赤ちゃんでね。ふふ、こんな小さな女の子がお兄ちゃんの赤ちゃんを孕むんだよ? こんなロリ体型でボテ腹になるの。そんな女の子をまたお兄ちゃんの好きにできるんだよ。コスプレでも、孕んだまま犯すのだって」
「俺の」
「あんっ! すごい、お兄ちゃんのオチンチンまた大きくなった……ふふっ、お兄ちゃん、私のこと孕ませたくってしょうがないんだ? 孕んだあとの私を犯したくてしょうがないんだ? じゃあ、お腹いっぱいになってももっと注いでもらおうっと。溢れるくらいいっぱいに。いいよね、私だけのお・に・い・ちゃん」
「ああ、うぐっ、こんなに締め付けられたらもう」
「出して。いっぱい。私の赤ちゃんのお部屋に」
「出るっ!」
 ドビュドビュと激しい水音を響かせて俺の精液が幼女人形の膣内に注がれていく。
 萎える気配はない。それどころか、出せば出すほどその量が増えている気がする。
 しかし虚脱感だけは拭いきれず、もう俺の身体は幼女人形のなすがままだった。
 そう、幼女人形の文字通りお人形になってしまっていた。
 ペニスをそそり立たせて、オマンコの膣壁を削いで、子宮に精液を注ぐ。そんなお人形に。
「あー、あぁー、イイよぉ……いっぱい注がれてるぅ。でも、まだまだ全然足りないの、もっと欲しいの。いいよね?」
 それでもだ。
 この幼女人形のお人形になるのは悪くない気分だった。
「女の子はね、わがままなの。だからね、お兄ちゃん。もっと私をいっぱいいーっぱい満足させてね?」
 俺は笑って、幼女の頭を撫でた。
「幼女を幸せにする。それがロリコンだからな」
 紳士らしく幼女のために、俺だけの幼女になってくれたこの娘のために。
 俺はたっぷりと幼女人形の子宮に精液を注ぎ続けた。

[完]
18/04/11 23:03更新 / ヤンデレラ
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■作者メッセージ
幼女型の人形を好きになった場合ってロリコンなのか否か。
年齢タイプのロリコンの場合は否、外見タイプのロリコンの場合は正……なのか?
そもそも二次三次のロリコンを分けて考えるべきか。リアルに近い人形は二次三次どちらに含むべきなのか。
下手に考えると堂々巡りになりそうだったので作者は、幼女はイイモノだという普遍の真理だけを胸に抱き考えるのをやめたのだった。

さて五年近くぶりの更新でしたがいかがだったでしょう。
文体が前三話と比べてかなり変わってしまいましたが、お楽しみいただけたのなら幸いです。
それではまた。

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