お世話係→妻
ワタクシ、ご主人様の御世話係に任命されました、種族はショゴスのフォーカリアと申します。
今日も今日とて、ご主人様の身の回りの御世話を致しております。
本日のご主人様は夜勤というものらしく、先ほどベッドに入られ、就寝中で御座います。
オウルメイジでもないのに、夜に働かねばならぬとは、ニンゲンの方々というのも大変で御座いますね。
というわけで、極力音をたてず、別の部屋のお掃除をしたわけで御座いますが。
しかし、もう掃除は粗方終え、本や書類の整理整頓も、ご迷惑をおかけしない程度に終わってしまいました。
出来れば他の家具も"ワタクシ製"にさせていただきたい所ですが、あまり日曜大工のような音をたてるのは、ご主人様の眠りを妨げてしまいます。※結局謎の入れ換え術は諦めたフォーカリアさん
ふむ...トイレの便座カバーぐらいは、入れ換えても...。
ご主人様の臀部がワタクシの上に...
...ゴクリ。
「なんでそんな真剣な目でトイレを凝視してるんです?」
......
「...カリアさん?なんかめっちゃプルプルしてるけど...」
いえ。ご主人様。
ワタクシ、深き混沌より出でし魔物娘で御座いますから。
ビックリなどしておりませんよ。断じて。
「大丈夫ですか?...びっくり、したんですか?」
断じて。
「...なら良いんですけど。とりあえず、事務作業に呼ばれたんで出勤するんで。月末に事務員が突然辞めちゃったらしいんですよ...。とりま、いってきまーす!」
いってらっしゃいませ。ご主人様。
......
......はて。
本日、昼間はお休みとお聞きしておりましたが...?
手にしたシフト表には、夜勤と、太字で書かれておりましたし。
***
「あら、フォーカリアさん、こんにちは。本日も綺麗な深緑色で御座いますね。」
こんにちは、安藤様。本日もキキーモラに違わぬ清楚な出で立ちで御座いますね。
「様はくすぐったいです。同じメイド属性同士、しかも一部屋挟んでお隣同士ではありませんか。」
僭越ながら、それはお隣同士とは言わないのでは?
「ふぐう...こ、細かいことは良いのです!...それより、如何なさいましたか?今月の始めごろから、お元気が無いようですが。」
ふむ...ワタクシ、その様なカオをしておりましたでしょうか。
「私のご奉仕センサーは何でもお見通しですよ。(フォーカリアさん、無表情のつもりだろうけど顔に出やすいの自覚してないのかな...?)」
...少し、気になることが。
「...はっ!な、なんでしょう?」
ニンゲンの方々は、ワタクシのように、丸二週間働き続けても問題ない生き物なのでしょうか。
「へ...?つ、辛いと思いますよ。私の旦那様も週に2日、休暇が御座いますね。」
...ほう。
では、休暇を貰えないニンゲンの方々は、やはり体調を崩してしまわれるのでしょうか。
「えっと...旦那様はすくなくとも、五日間ずっと遅くまで働き続けると、帰ってこられた時はもう直ぐにお布団に入って......」
2時間。
「え...?」
毎日2時間の睡眠で、二週間で御座います。
「む、無茶ですそんなの!そんな生活続けたら、あっという間に倒れ...まさか」
少々、勉強不足で御座いましたね。
「フォーカリア...さん、貴女のご主人様は...」
タクシーの運転手をなさっているようです。
今は事務員の役も担っておられるとか。
「そんな状態で、タクシーなんか運転したら...事故なんて起こしたりして、我々より打たれ弱い人間の方がそれに巻き込まれたら...っ!?」ゾワッ
ふふ、ふ、ふ
ワタクシ、すこし、用事が出来ました。
***
「ふぃーただいまー!なんか上司が突然帰って休めとか言い出してヒエッ」
お帰りなさいませ。ご主人様。
「アッハハハ...ハ...なんか、怒ってます?体がタールみたく真っ黒なんですが」
ところでご主人様。
「はっはい!!」
ご主人様は、タクシーの運転がお好きなのですよね?
「そ、そうですねぇ。稼ぎは少ないですけど、いろんな人の話を聞きながら、いろんな場所へ行くのが好きで、わざわざ免許も勉強しましたからね。」
なるほどなるほど。
では、それで必要以上に稼ごう、という話では無いので御座いますね?現に計算しましたところ、この金額では、ご主人様の働きには見合わないですし。パチパチ
「(そろばんなんだ...)まぁ同じような事が出来たら、必要最低限の生活さえ出来れば、文句は無いですねー。」
では、ご主人様。僭越ながら、ワタクシから一つ提案が。ドサッ
「お、おう...物凄い量の会計...事務処理...経営...の本?」
フリーランスで事務所を立ち上げるのは、如何でしょう?
「なんと」
事務、配車関係はワタクシがサポート致します。
設備はワタクシの身体をお使いくだされば、割となんとかなります故。
あ。稼ぎは更に減りますが、最悪ワタクシの"特製ゼリー"を摂取していれば、栄養も抜かり御座いません。
そしてご主人様は、健康な身体で好きな運転に専念できる。
如何で御座いましょう?
「それは願ったり叶ったりで、魅力的な話ですね。 ...でも、カリアさんに負担がかかるんじゃ?」
優しいお言葉、有難う御座います。
......そうですね。設備込みでワタクシから生成するとなると、今の生活では難しいかもしれません。
しかし、ご主人様の日に日にやつれるお姿を見るのは、それ以上に苦痛なので御座います。
「カリアさん...」
本日、2つ隣のキキーモラ様からお話を伺いました。
丸二週間、ろくな睡眠もとらずに働き続けるというのは、ニンゲンのご主人様にとってどんなに酷なことか。
ワタクシは、ご主人様を失いたく無いのでございます。
御世話をしたいから、とか。
種族の恥だから、とか。
そんなことは関係ありません。
ワタクシも、いつしかご主人様の御世話をするのが『好きだから』、お側に仕えているようになったので御座います。
ですからどうか、どうかその、お身体...グスッ...お休めになっでぐだざいまじ...
「カリアさん。」ギュッ
...ご主人様...?
「カリアさん、ありがとうございます。そこまで心配させてしまって、ごめんなさい。」
...ワタクシの我が儘で御座います故。
「照れ屋さんだなぁ。めっちゃプルプルしてるし。でも、こんなに自分の事を思ってくださる方がそばにいて、これ以上幸せな事はないですよ。」
...では、お仕事の件は。
「ううん、やっぱり、カリアさんにそこまで負担をかけるのは駄目だ。だから、今まで貯めてた有給でも使って...!?」ゾクッ
"あの会社"に、それを通して下さる者はいるのでしょうか。
「ヒッ...ま、まぁ、それは、その...」
それに、ワタクシ、負担については"この生活では"と申しました。
ご主人様から"燃料"を頂けるようになれば、設備を整えるなど、ショゴス族にとっては負担など豆粒のようなものなのです。
「燃料?」
ご主人様、ワタクシが申し上げた好物、覚えていらっしゃいますか?
「白濁の精という愛?」
......正解で御座います。ペチーン
「何で正解したのにお尻を!?」
ワタクシ達ショゴス、それに大部分の魔物娘は、愛する男性の精を体内に吸収し、燃料にするので御座います。
ワタクシもより多くの燃料をこの身に宿せば、生成できる物を増やすことが出来るのです。
「今、愛する男性のって...」
......ペチーン
「痛い!」
意地悪なご主人様はき、きら...むむ...
「無表情でそんな苦しそうにしないで!」
こほん。とにかく。
このショゴスであるフォーカリアめを、お世話係兼、妻として。
おそばに置いてくださりませんか。
***
「カリアさん、寝室来た瞬間、めっちゃプルプルしてるけど...。緊張してます?」
ご主人様。呼び捨てと敬語なしで、と申したではありませんか。
「ん、ごめん。カリア。...でも本当に大丈夫?ベッドに近付く度にプルプルが大きくなってるんだけど...。その、こういうことするの、怖かったりするのかなって。」
いえ。愛するご主人様との交わりは、至福の瞬間で御座います故。
...ただ。
「...ただ?」
......ベッド生成の時のトラウマを思い出しまして。プルプル
「アッハハハ!そっちかーい」
今日も今日とて、ご主人様の身の回りの御世話を致しております。
本日のご主人様は夜勤というものらしく、先ほどベッドに入られ、就寝中で御座います。
オウルメイジでもないのに、夜に働かねばならぬとは、ニンゲンの方々というのも大変で御座いますね。
というわけで、極力音をたてず、別の部屋のお掃除をしたわけで御座いますが。
しかし、もう掃除は粗方終え、本や書類の整理整頓も、ご迷惑をおかけしない程度に終わってしまいました。
出来れば他の家具も"ワタクシ製"にさせていただきたい所ですが、あまり日曜大工のような音をたてるのは、ご主人様の眠りを妨げてしまいます。※結局謎の入れ換え術は諦めたフォーカリアさん
ふむ...トイレの便座カバーぐらいは、入れ換えても...。
ご主人様の臀部がワタクシの上に...
...ゴクリ。
「なんでそんな真剣な目でトイレを凝視してるんです?」
......
「...カリアさん?なんかめっちゃプルプルしてるけど...」
いえ。ご主人様。
ワタクシ、深き混沌より出でし魔物娘で御座いますから。
ビックリなどしておりませんよ。断じて。
「大丈夫ですか?...びっくり、したんですか?」
断じて。
「...なら良いんですけど。とりあえず、事務作業に呼ばれたんで出勤するんで。月末に事務員が突然辞めちゃったらしいんですよ...。とりま、いってきまーす!」
いってらっしゃいませ。ご主人様。
......
......はて。
本日、昼間はお休みとお聞きしておりましたが...?
手にしたシフト表には、夜勤と、太字で書かれておりましたし。
***
「あら、フォーカリアさん、こんにちは。本日も綺麗な深緑色で御座いますね。」
こんにちは、安藤様。本日もキキーモラに違わぬ清楚な出で立ちで御座いますね。
「様はくすぐったいです。同じメイド属性同士、しかも一部屋挟んでお隣同士ではありませんか。」
僭越ながら、それはお隣同士とは言わないのでは?
「ふぐう...こ、細かいことは良いのです!...それより、如何なさいましたか?今月の始めごろから、お元気が無いようですが。」
ふむ...ワタクシ、その様なカオをしておりましたでしょうか。
「私のご奉仕センサーは何でもお見通しですよ。(フォーカリアさん、無表情のつもりだろうけど顔に出やすいの自覚してないのかな...?)」
...少し、気になることが。
「...はっ!な、なんでしょう?」
ニンゲンの方々は、ワタクシのように、丸二週間働き続けても問題ない生き物なのでしょうか。
「へ...?つ、辛いと思いますよ。私の旦那様も週に2日、休暇が御座いますね。」
...ほう。
では、休暇を貰えないニンゲンの方々は、やはり体調を崩してしまわれるのでしょうか。
「えっと...旦那様はすくなくとも、五日間ずっと遅くまで働き続けると、帰ってこられた時はもう直ぐにお布団に入って......」
2時間。
「え...?」
毎日2時間の睡眠で、二週間で御座います。
「む、無茶ですそんなの!そんな生活続けたら、あっという間に倒れ...まさか」
少々、勉強不足で御座いましたね。
「フォーカリア...さん、貴女のご主人様は...」
タクシーの運転手をなさっているようです。
今は事務員の役も担っておられるとか。
「そんな状態で、タクシーなんか運転したら...事故なんて起こしたりして、我々より打たれ弱い人間の方がそれに巻き込まれたら...っ!?」ゾワッ
ふふ、ふ、ふ
ワタクシ、すこし、用事が出来ました。
***
「ふぃーただいまー!なんか上司が突然帰って休めとか言い出してヒエッ」
お帰りなさいませ。ご主人様。
「アッハハハ...ハ...なんか、怒ってます?体がタールみたく真っ黒なんですが」
ところでご主人様。
「はっはい!!」
ご主人様は、タクシーの運転がお好きなのですよね?
「そ、そうですねぇ。稼ぎは少ないですけど、いろんな人の話を聞きながら、いろんな場所へ行くのが好きで、わざわざ免許も勉強しましたからね。」
なるほどなるほど。
では、それで必要以上に稼ごう、という話では無いので御座いますね?現に計算しましたところ、この金額では、ご主人様の働きには見合わないですし。パチパチ
「(そろばんなんだ...)まぁ同じような事が出来たら、必要最低限の生活さえ出来れば、文句は無いですねー。」
では、ご主人様。僭越ながら、ワタクシから一つ提案が。ドサッ
「お、おう...物凄い量の会計...事務処理...経営...の本?」
フリーランスで事務所を立ち上げるのは、如何でしょう?
「なんと」
事務、配車関係はワタクシがサポート致します。
設備はワタクシの身体をお使いくだされば、割となんとかなります故。
あ。稼ぎは更に減りますが、最悪ワタクシの"特製ゼリー"を摂取していれば、栄養も抜かり御座いません。
そしてご主人様は、健康な身体で好きな運転に専念できる。
如何で御座いましょう?
「それは願ったり叶ったりで、魅力的な話ですね。 ...でも、カリアさんに負担がかかるんじゃ?」
優しいお言葉、有難う御座います。
......そうですね。設備込みでワタクシから生成するとなると、今の生活では難しいかもしれません。
しかし、ご主人様の日に日にやつれるお姿を見るのは、それ以上に苦痛なので御座います。
「カリアさん...」
本日、2つ隣のキキーモラ様からお話を伺いました。
丸二週間、ろくな睡眠もとらずに働き続けるというのは、ニンゲンのご主人様にとってどんなに酷なことか。
ワタクシは、ご主人様を失いたく無いのでございます。
御世話をしたいから、とか。
種族の恥だから、とか。
そんなことは関係ありません。
ワタクシも、いつしかご主人様の御世話をするのが『好きだから』、お側に仕えているようになったので御座います。
ですからどうか、どうかその、お身体...グスッ...お休めになっでぐだざいまじ...
「カリアさん。」ギュッ
...ご主人様...?
「カリアさん、ありがとうございます。そこまで心配させてしまって、ごめんなさい。」
...ワタクシの我が儘で御座います故。
「照れ屋さんだなぁ。めっちゃプルプルしてるし。でも、こんなに自分の事を思ってくださる方がそばにいて、これ以上幸せな事はないですよ。」
...では、お仕事の件は。
「ううん、やっぱり、カリアさんにそこまで負担をかけるのは駄目だ。だから、今まで貯めてた有給でも使って...!?」ゾクッ
"あの会社"に、それを通して下さる者はいるのでしょうか。
「ヒッ...ま、まぁ、それは、その...」
それに、ワタクシ、負担については"この生活では"と申しました。
ご主人様から"燃料"を頂けるようになれば、設備を整えるなど、ショゴス族にとっては負担など豆粒のようなものなのです。
「燃料?」
ご主人様、ワタクシが申し上げた好物、覚えていらっしゃいますか?
「白濁の精という愛?」
......正解で御座います。ペチーン
「何で正解したのにお尻を!?」
ワタクシ達ショゴス、それに大部分の魔物娘は、愛する男性の精を体内に吸収し、燃料にするので御座います。
ワタクシもより多くの燃料をこの身に宿せば、生成できる物を増やすことが出来るのです。
「今、愛する男性のって...」
......ペチーン
「痛い!」
意地悪なご主人様はき、きら...むむ...
「無表情でそんな苦しそうにしないで!」
こほん。とにかく。
このショゴスであるフォーカリアめを、お世話係兼、妻として。
おそばに置いてくださりませんか。
***
「カリアさん、寝室来た瞬間、めっちゃプルプルしてるけど...。緊張してます?」
ご主人様。呼び捨てと敬語なしで、と申したではありませんか。
「ん、ごめん。カリア。...でも本当に大丈夫?ベッドに近付く度にプルプルが大きくなってるんだけど...。その、こういうことするの、怖かったりするのかなって。」
いえ。愛するご主人様との交わりは、至福の瞬間で御座います故。
...ただ。
「...ただ?」
......ベッド生成の時のトラウマを思い出しまして。プルプル
「アッハハハ!そっちかーい」
19/03/05 15:43更新 / スコッチ
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