連載小説
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取って取られて
中庭の野次から撤退し、千鳥の病室に入った二人は、ひどく緊張していた。
千鳥は表面上は平然としているが、ギンはうわ言のように何かを呟きながら俯いている。
セックスをしようと、ギンは言った。
逃げ込むために部屋に戻ってきてしまったが、そうすればすることは一つになってしまう。
どうにか千鳥は口を開こうと逡巡し、少し迷って言葉を止めた。
ここで口を開いて出る言葉はきっと、千鳥自身の意思とは違うこの場をしのぐためだけの場当たり的な言葉になってしまう。
それをあれだけの覚悟をしたギンに向けるのは、間違っている。

「ち、ちどり……チドリは、寝てていいから。全部してあげる」

決意を固めたのか、ギンは強い視線を千鳥に向けた。
強いっていうか思い詰めたっていうか、とにかく逆らえない目だった。
千鳥は思わずカクカクと頷き、ベッドに腰掛ける。

「失礼、します」

千鳥の膝へ、ギンが腰掛ける。
いわゆる対面座位の体勢で、抱きつきながら。
ハーピー種特有の軽い体重がそっとしなだれ掛かり、千鳥の心拍が一つ上がった。
青く柔らかい髪が目の前にあり、思わず撫でてしまう。
力がこもっていたギンの身体が、溶け出すように柔らかくなる。

「ギン……」
「ふぇ、ちど……んっ」

その顎を持ち上げて、おとがいを晒すギンに唇を落とした。
そっと触れる敏感な皮膚が震える。
どっちが震えたとかはどうでもいい。ただ、気持ちが良かった。
気持ちよさに紛れて気づく。
千鳥の身体はもう、理性の囲いを振り切っていた。

「……ギン」
「だ、だめぇ……わたしがするの、ちどりは、けがしてるんだから……」

とろけた顔で言っても説得力はない。
そう言おうと思って口を開いたが、気づいたらギンと深い口付けをしていた。
身体が勝手に口付けしていて、喋ろうとして舌を入れてしまった。ということか。
思うより先に舌が触れ合い、柔らかな熱を交換する。
甘い。甘くて美味しくて、とにかく甘い。
気付けば千鳥は、ギンに夢中になっていた。

「んふぅ、ちゅっ、ふぁ、んん!」

舌に合わせてギンが震える。
それが面白くて愛おしくて、さらに深く口付けする。
唾液を音を立てて吸い上げ、自分のものを合わせてギンに戻す。
舌を軽く噛んでやり、歯列を丁寧になぞって歯の隅々まで味わう。
次第にギンから紫電が舞うようになり、その痺れが舌を襲う。
びくりと震えて痙攣する千鳥の舌に反応して、ギンの快感も増していく。
やがてギンの電気で震える千鳥の舌に蹂躙され、ギンの快感が増えて電気が出るというループに陥った。
抜け出したくても抜け出せない。そもそも、抜け出したくならない。そんな快楽の螺旋だ。

「あふ、ん、る、うっふぁ……」
「ちど、んぅ、ひろり……!」

口を塞がれながらも健気に千鳥を呼ぶギンを、もっと愛したくなる。
健在な右手がギンを抱きしめた状態から、そっと身体を這って位置を変える。
ビクビクと震えるギンの胸。ハーピー種用の袖なしブラウスのボタンをこじ開け、その隙間からギンの薄い胸を揉みしだく。
すでにぷっくりと起き上がっている乳首を摘めば、身体に流れる電撃が一瞬強くなった。
痺れは痛みではなく、快感を残して去っていく。
もっと電撃を。そう思って千鳥はコリコリと乳首をこねくり回し、舌を激しく動かす。

「ん、んうぅぅぅ!?」

バヂバヂッ、と一層激しい電撃が流れて二人が震えた。
千鳥も痙攣しながらそっと唇を離すと、繋がった唾液がゆっくりと垂れて途切れる。
浅い呼吸を繰り返すギンに「イッた?」と千鳥が聞くと、ギンは返事の代わりにさらに身体を密着させた。

「すき」

ギンが呟く。

「好き。助けてくれて、ありがとう。大好き、愛してる」

ギンはそっと千鳥を押し倒すように、ベッドへ倒れた。
逆らわずにそれを受け止めた千鳥は、馬乗りになるギンを支えながらしっかりと方向を整えてベッドに寝転んだ。
羽毛の指先が千鳥の病院着を脱がすが、柔らかい羽根に身体を撫でられて千鳥は身悶えする。

「くすぐったいよ、ギン……」
「んふふ、ちょっと楽しい」

羽根に撫でられて身体をくねらせる千鳥に、ギンは楽しそうに笑った。
キスで震えるギンを千鳥が愛しいと思ったのと同じで、ギンもさわさわと千鳥を撫でて楽しむ。
くすぐったさはもどかしさになり、だんだん性感を高められていく。
時折羽根の中から弾けた電撃で身体が痙攣し、荒い息を吐く千鳥はもっともっとと身体を無意識に動かし、羽根に触れようとする。

「その前に……私も脱ぐね」

ギンは焦らすように羽根を引き上げると、脱ぎ掛けのようになっていたブラウスをゆっくりと脱ぐ。
ハーピーでも着脱しやすいような大きなボタンを、見せつけるように一個一個外す。
肩口にも付いているボタンを外すと、腕を通すことなくブラウスがはらりと落ちる。
引き締まっているが白く柔らかそうな肌と、可愛らしい乳首が晒される。同時にまだ消え切らない生傷と、一生消えないであろう腹の銃創も。
ギンは続いてハーフパンツとパンツも脱ぎ捨てた。太ももにも銃創が一つ。
そして止める間もなく眼帯を解き、その下の潰れた左眼を見せた。

「どう?」
「ずいぶん、治ったな」
「でしょ?」

最初はもっとひどかった。
この街での治療でだいぶきれいになったが、それでも醜美を問うなら醜い。
傷を晒して歩けば、誰もが顔をしかめてしまうであろう形相。
千鳥は右手を伸ばして彼女の頰に触れた。

「出来るだけ、傷きれいにしてからシたかったの」
「そっか」
「うん」

ギンはそっと頷いた。
千鳥はそれを許可ととって、指先で優しく左眼の傷口をなぞった。
さっきまでとは違う意味で震えるギンを、慰めるように触る。
人の悪意に晒されて、仲間のために死を覚悟して、孤独に朽ちる恐怖を味わって。
ギンの心はボロボロだ。それでも千鳥を愛してくれるという。千鳥を支えてくれるという。
ならば千鳥は? 答えは決まっていた。

「綺麗だよ、ギン」

最初から、決まっていた。

「すごく綺麗だ。傷があったって、世界一綺麗だ」
「そんなの、気休めじゃない?」
「馬鹿言え。俺は傷を負った後のギンしか知らないのに、こんなに好きになったんだぞ」

彼女の両目があっても無くても。
きっと千鳥には関係ない。
この気持ちに変化はない。

「一目見て好きになった。いや、一目見る前から、君の雷を見たときから……きっと雷という存在を知ってから。ずっと好きだよ」
「そっか。それじゃ仕方ないね」
「ああ、仕方ない。ギンのために世界を渡るくらいだ。ギンのために雷を斬った」

もう怖がることはないぞと。
まだ世界には愉快が残っているぞと。
高らかに宣言するように俺は、君を斬った。
千鳥がそう言うと、ギンは右眼だけで泣きながら微笑んだ。
きっとギンは一生この傷を負い目にして生きていく。
千鳥はその横を歩いて、ギンに愛を囁きながら歩いていくのだ。
吹っ切れるものを吹っ切らないでいてくれる優しい雷に、千鳥は最初っからずっと惚れているのだ。

「触るぞ?」

千鳥は頰に当てていた手を下ろして、ギンの身体をなぞる。
首から肩、胸、脇腹、太もも、膝、鳥の足へ。
身体を震わせて手を受け入れるギンに微笑んで、千鳥はあちらこちらを撫で回す。
触り心地いい肢体に混じる、柔らかで熱い傷の残滓。痛みの記憶を快感で上書きするように、千鳥は時間をかけてギンに触れた。
白い肌が汗ばみ、赤らむまで。吐息の熱が、肌の熱が、焼け付くほどたぎるまで。
前に触れたときのように治療の建前もなく、そして一切の我慢もなく。
ギンのまたがっている場所がかすかに湿り、身じろぎのたびにくちりと音を立てる。

「あ、っん」
「感じるか」
「感、じるよ……好きな人に、触られて、んっ」

だらだらと溢れるギンの蜜に濡らされて、千鳥の肉棒はびくびくっと一際大きく震える。
下からいきなり生理反応的な動きを感じて、ギンは勝ち誇ったように笑う。

「んふ、がっちがち……起伏ない身体は、男と変わらないんじゃなかったの?」
「あんなの、嘘に決まってるだろ。ギンの身体、こんなにいやらしくて、男と同じわけない」
「現金……やらしぃんだぁ」

淫らだ。そう感じるだけでこうも興奮し、達する寸前まで昂ぶるとは思ってもみなかった。
千鳥は片手でギンを愛撫するだけで、すでに射精寸前まで追い詰められていた。
彼女が感じるたびに電気の痺れが走る。
痛みじゃ無くて、快感だ。死にそうなくらい、心臓が動く。
勃起しきった性器を嗅ぎ取って、ギンは本能的に腰を擦り付けた。
まったく無毛のクレバスが竿をゆっくりと滑る。その快感に火花が散る。電撃が少しだけ漏れているようだ。
じっとりと濡れた秘裂が鋼のように硬いそれを半端に咥えて、ずりずりと擦る。
擦るたびに竿にピリピリと痺れが走り、時たま静電気のような電気が弾ける音が響く。
いつの間にか千鳥の手は動きを止め、興奮しきった表情でギンがその指先を口にくわえてしゃぶる。
気持ちがいい。考えが小さくまとまり、収束していく。
セックスがしたい。
この健気でいじらしい、最高に可愛くて綺麗でイカした女と、番いになりたい。
快感で緩んだ顔を独占して、幸せをたくさん与えて、いつか子供を作って。
そうして嬉しさや楽しさでいっぱいにしてあげたい。
千鳥はどうしようも無く、ギンを愛したくなっていた。
彼女と共に過ごすことしか、考えられなくなっていた。
魔物はすごい。千鳥はなけなしの思考で思う。
こんな風に心を蹂躙して、幸せに人を支配する。
こんな侵略に、蹂躙に、耐え切れるものか。

「んひぅっ」

力を込めて、千鳥はしゃぶられるままの指でギンの舌を摘んだ。
ぐにぐにと舌を揉みしだき、溢れる唾液を気にせずに口内の隅々に指を差し入れて、軽くひっ掻く。
粘膜を擦られて感じるのか、その度にギンの背筋が反り返る。
唾液の雫が顎を伝い、なだらかな胸の有るか無しかの谷間を流れ落ちた。
千鳥は上体を起こして、胸の谷間を舌でさらう。
甘い唾液と香りいい汗を感じながら、ギンの胸に顔を擦り付けて快感を感じる。
顔を上げて鎖骨を食み、首に噛み付いてキスマークをつける。
顎を舌先でなぞり、口の端、鼻の頭、耳たぶ、おでこ、そして左眼の傷に口付けを重ねていく。
指で閉じれないようにした口を貪る時には、少しだけ焦らしながら口を近付ける。
半開きの口を前にして、見つめ合うようにして口付けを焦らす。
ギンの欲しがりな口が息も荒く震え、いい香りのする吐息を浴びながら千鳥は微笑んだ。
知らず知らずのうちにギンの舌が伸びている。どうにか千鳥の口を舐めようと、涙目で舌を伸ばす。
千鳥が口を開けて軽く舌を出すと、より一層舌を出してくる。
もう少し、もう少しと思う内に、千鳥の予想外が起きた。

「んぐ、れぁ……!?」

舌と舌の間に、強い電気が走った。
びっくりして伸びた千鳥の舌と、ギンが触れ合う。
そしてその瞬間にさらに強い電気が流れた。
気付けば千鳥の顔は僅かに前傾し、ギンと深く口付けをしていた。
いや、させられていたと言うべきだ。
ギンは電気を使って、千鳥を引き寄せた。
性に特化した魔物が電気をどう使うのかと少し疑問に思っていたが、なるほどと千鳥は感心する。その合間も絶え間無くギンに舌をねぶられているのだが。

「ぷはっ……そろそろ」
「ん、ふぁ、あう」

限界が近い。もう白い律動は根元まで湧き上がっていた。
ギンは返事とも取れるような、曖昧な声を漏らすと擦り付けていた腰のストロークを、大きく上へとずらした。
千鳥の屹立の頂点へ割れ目を押し付け、腰の動きだけで亀頭をぐいと中へと押し込む。
途端、真っ赤な熱と青い電撃が千鳥の亀頭を襲った。
悲鳴を漏らしてしまう。体表に現れた電撃なんて、ただのおまけだ。
サンダーバードの粘膜は、まるで電極か、コンセントのプラグか。
怪しげな目で痺れと快感に悶える千鳥を見て、顔をとろけさせたギン。
僅かに腰を揺らして亀頭を焦らし、しかし我慢が利かないのかすぐにストンと腰を下ろした。

「――っん、ぎ」
「あ、かふ、あふあ」

声は互いに漏れた、と千鳥は感じた。
だが実際には聞こえていないに等しい。
電撃を纏う処女膜がぷっつりと破れた瞬間、ギンの身体から轟雷とも呼ぶべき稲妻が迸る。
室内に落雷が落ちたかのような爆音が響き渡り、廊下からはうわぁぁという叫び声。ついでに窓の外からもぎゃぁぁという声が聞こえた。
二人はそんな声も気にせずに、酸素を求めて口をパクパクと開けていた。
完璧に感電した。膣の快感もすごいが、まずこの痺れが今までと比べ物にならない。
気付けば千鳥の鈴口からは、すでに精液がとめど無く溢れていた。
ギンは緩んだ子宮口からそれを吸い上げていたが、それよりも子宮の形がくっきりわかるぐらいに隅々まで走る電撃に戸惑っていた。

「ろ、ろう……ろうでんしてぇぇ……」

自分で自分の電気に感電したことなんて、今までなかった。
なのに子宮も膣も口も、性感帯と呼べる全身の隅々までが痺れて感電している。
千鳥も今まで食らってきた雷よりも、数十倍も芯に染みるような落雷で、放心している。
やがて射精から数秒が経ち、あ、とギンが声を上げた。

「あ、あ、あぁ、ああぁぁん!?」

嬌声。
子宮に吸い上げた精液を、ようやく認識した。
身体の機能が精液を吸い上げていたが、魔物の本能がそれを認識してようやく吸収を始める。
そうして走る二回目の快感。当然再びの轟雷が二人を襲った。

「―――」

電気で萎縮した身体は互いに一つになるかのように抱き合う。
ギンの脚が千鳥の腰を抱え込み、互いの首筋に顔を埋めるかのごとく状態は張り付いて動かない。
その状態でさらに鳴り響いた雷鳴は十二回に及び、二人は動くことなく同時の絶頂を雷鳴と同じだけ経験した。

「――っひぅ!」

感電して痺れていた肺に、久々に空気が入る感覚。
千鳥は大きく息を吸って、ようやく現実に回帰した。

「や、やば……やばい」

これは堕落する。溺れる。
ギン無しじゃ射精も出来なくなると感じて、千鳥は戦慄した。
自慰は当然無理だし、知っているわけではないが他の女も抱けなくなってしまっただろう。
もうギンの電撃無しでは、千鳥は不能の役立たずでいるしかなくなってしまった。そう確信した。

「あ、あぅ」

ギンもギンであまりの快感にショックを受けていた。
射精と同時に自分の雷に打たれて、とっくにキャパシティを超えてしまっている。
千鳥の味を覚えて、痺れと共に快感と所有の証拠を刻まれて、千鳥だけの女にされた。
それがすごく幸せで、身体の力を抜いた。

「あ、ダメ。漏れっ、漏れる!」

緩んだ。
緩み過ぎた。
二人の接合部からちょろちょろと小さな水音、かすかな温もり。
漏らしてしまった。
涙目で千鳥を見上げると、好きな男の顔はさらなる興奮に染まっていた。

「ダメだな、ギン。おしっこ漏らしちゃった?」
「うぅ、うん。ごめんね?」

千鳥はゆさゆさと腰を動かした。
初めてのピストン運動に、ギンの声が溢れる。
ごりごりと動く千鳥のものに、ギンの膣内は一片の隙間も作らずに吸い付いて閉じきって、受け入れるのは千鳥だけだと言わんばかりに締め付ける。
きつすぎるほどのそれに興奮が高まり、千鳥は本能に口を乗っ取られた。

「こっちの穴はこーんなにキツく締めてるのに、なんでおしっこは我慢できないんだ?」
「そ、そんなの……だって」

またもや揺らされる。
ガツンと奥に亀頭が当たり、小さく電気が漏れた。
子宮の筋肉が弛緩しているのか、くったりと柔らかく熟れた入口が千鳥の先端にぺったりとしなだれかかるように吸い付く。
膣内はぴったり締まっているのに、尿道からは突かれるたびに滴があふれて止まらない。

「答えて」
「だってぇ……おちんちん気持ちいいからぁ、おまんこ、言うこときかないの。尿道ゆるゆるなのに、おまんこきゅーきゅーで、気持ちいいのぉ……!」
「そんなに? 頭バカになるほど、ちんぽ好きなのか?」
「チドリのっ、チドリのおちんぽっ、あぅ、好きぃ……」

千鳥の興奮は、どんどん天井知らずに上がっていく。
ギンのイキ顔を見て、歯止めが効かなくなった。
よだれを垂らし、焦点も合っていない涙目で、快楽に耐えながら見上げてくるギンへ、愛しさと肉欲が溢れていく。

「ほら、ギンのおまんこ偉いじゃないか。こんなに動かしても精液一滴も漏らしてない。なのにおしっこ穴はさっきから全然締まってない。突くたびちょろちょろ溢れて、これじゃ二度と外出歩けないぞ?」
「馬鹿になってるぅ、おしっこバカになっちゃったぁ!」
「これじゃデートも出来ないなぁ。おしっこ垂れ流しの女の子、連れて歩けないもんなぁ!」
「えっ、いやぁ……デート行くのぉ! チドリとらぶらぶのデートぉ……!」
「おむつでも穿いていくか!? そんなん不便だよねぇ!」

だったら、と千鳥はぐるりと身体の位置を変えた。
ギンをベッドに押し付け、下品に足を開かせて、平たくなったギンの真上に体重を乗せてのしかかる。
吊っていた左腕も怪我のことも忘れて、両腕でギンを固定した。
右手を脇の下から肩に回してガッチリ抱え込み、左手は肩ではなくギンの頭頂部辺りに当てて顔を固定する。
快感と興奮に目を見開き呼吸も荒い千鳥は、期待を目に浮かべて膣内を締め付けるギンにゆっくり宣言する。

「たっくさん奥を突いて、子宮破裂する寸前まで射精して……まんこ穴もバカにしてあげる。それから下の穴の締め方、きちんと思い出せるようにリハビリしようか」
「う、うん」

ギンの返事に満面の笑みを浮かべて、千鳥は力一杯腰を打ち付けた。
呼吸困難になりそうなほどの衝撃と快感、電気はさっきから垂れ流しになっている。
乱暴に、力任せに、だけど愛情たっぷりに子宮口をいじめる千鳥を、ギンは一突きごとにさらに好きになる。
こうして押し倒されて固定されて、貪るような交尾をして、ギンは気付いた。
ハーピー種の魔物は骨格レベルで身体が丈夫で軽い。
その理由は空を飛ぶのに必要だからだと言われているが、きっと違うのだ。
こうやって圧倒的な体重差でのしかかられて、とんでもない圧迫感と快感を押し付けられてギンは初めて気付いた。
ハーピー種が丈夫で軽いのは、人とセックスする時に、愛する人のピストンを内蔵全てで感じるためだ。
羽根の腕は抱きしめた時に気持ちいいように。
足は腰に回した時に鉤爪同士を絡めておちんぽを放さないように。
そして人の胴体は愛する人と愛し合うために。
ハーピーという種類の魔物は、こんなにセックスに貪欲に作られている。
だから気持ちよくて大丈夫なのだ。
口を乱暴に貪られながらも舌を絡めて、電気とおしっこを漏らし続けて、射精を受けるたびにびくびく震えて。
今はそれだけの生き物で構わないのだと、ギンは思った。

「出すぞ、膣内で、今日は全部子宮に!」
「しきぅっ、でるのぉ? びゅびゅって、いっぱい!?」
「全部! 全部でギン、孕ますからなぁ! びりびり処女まんこ孕ませて、腹ボテってもヤッてやるからな!」
「あかちゃん? あかちゃんほしーよぉ! たくさん!」

ならばお望み通り、千鳥は一際大きく腰を引き、降り切って吸い付く子宮口をぶち破る勢いで叩き付けた。
ごつっと奥に当たる感触。次いでもう一段先に亀頭がかぽっと入り込むような感覚。
どろっとマグマのような愛液溜まりに入り込んだ亀頭から、堰を切ったように精液が噴き出した。
今までで一番長い射精が、ギンの大事な大事な子供袋の中で巻き起こった。

「ほ、おぅん、ぁっいあぁぁ……!?」

卵管まで直接襲い掛かるような暴力的な蹂躙に、ギンは理性を捨てた獣のような声を上げる。
腰は浮き、足は引きつけを起こし、背筋を逸らしながら雷鳴を弾けさせる。
たっぷり十秒も続いた射精を終える頃にはギンの子宮はたぷたぷと精子を溜め込み、身体が揺れるだけで卵管が襲われるかのような残滓にまた絶頂する。
完全に忘我の域にあるギンの表情を見て、千鳥はさらに興奮する。
だらしなく空いた唇も、焦点が合わず虚ろな右眼も、寸分違わずそこにあり続ける左眼の傷も。全部が全部いやらしくて、性的だった。

「ダメだぞぉ、ギン。レイプ寸前の乱暴セックスで気を失ってるのに、そんな男を誘う顔して惚けてちゃ……」

子宮口から無理やり亀頭を引き抜いたことで、ギンの身体がまたもや痺れ出た電撃に震える。
すでに子宮が何がしかの感覚を受けるたびに、ギンは条件反射で胎内に電気を流してしまうようになっていた。

「びりびりの制御効かないか。じゃあもう何しても、ぜーんぶイッちゃう身体だ」

千鳥はギンの耳元でそう囁くと、もう一度腰を打ち付けた。
今度はより一層体重をかけて、ギンの身体を押し潰すかのような抽送。
一度進入を許した子宮口は一突き毎にその防備を緩くしていき、雌の砦である子宮へ雄を迎え入れるように作り変えられる。
最初は鈴口が頭を出す程度だったのが、次第に亀頭を全て迎え入れるようになり、やがては亀頭を咥えて離さず竿まで飲み込むほどに。
子宮奥を乱暴に突かれて、子宮口がずりずり擦れて、そもそも千鳥が膣内にいるだけで。
ギンの身体はイキっぱなしになり、千鳥はそのギンの身体に溺れる。
なだらかなギンの身体に自分の身体を擦り付け、汗を滑らせるようにして身体ごと犯す。
一つ突くたびに千鳥の怒張は少しずつサイズを大きくしていき、今では挿入前より一回りも大きくなっている。
その度に魔物の本能は愛しい雄のモノに膣内を作り変え、その蠢きで興奮した雄がさらに大きくする。
ギンの膣内はすでに男根の形でぽっこり膨れているのが外からわかるほどキツキツで、人間の女だったら一擦りごとに膣内が破壊されるような所業だった。

「あぅ、ふぅ、あんっ、ちどりぃ?」
「起きたか? なあギン、わかるか、寝てる間に君のまんこ、俺専用に作り変わってるぞ。もう、俺専用なんだぞ。俺でしか感じないんだぞ!」
「はっ、はっ、うんっ! ちどりせんよぉびりびりせっくすどれぇ……!」

自分を貶めるように、ギンは変化を喜んで受け入れる。
千鳥の独占欲を刺激し、抽送はさらに激しさを増す。

「ギンの身体っ、隅々まで俺好みにしてやるぞ! わかったか!?」
「どぉ、したらいぃ? おっぱい? おしり? それともまんこ?」

千鳥の要求を受け入れるように、ギンは巧みに男の欲求を引き出す。

「おっぱいはこのままでいいから乳首をもっとおっきくしてやる。ミルクいっぱい出る、やらしいやつだ」
「まんこは入るギリギリのキツさだ。肉厚をごりごり削りながら、たくさん種付けするぞ」
「おしりは柔らかくしろ。掴んで飽きがこない、プリっとしたのがいい」
「肌は大丈夫だから、ほんの少し肉っぽくなれ。薄いまま柔らかい、絶妙な塩梅でだぞ」
「ギンの匂い好きだ。もっと強く主張しろ。そしたら俺は嗅ぐだけで勃起するぞ」

千鳥はうわ言のようにギンに言いつけ、腰を動かす。
欲求は次第に愛の言葉へと変化する。

「その夜に差し掛かる空みたいな色の羽根が好きだぞ。好きな色合いだ」
「薄っペタってこんなに気持ちいいんだなぁ、胸なんていらないぞ。くっつけない」
「ギンのキスはすっごい美味しいんだよ。毎日してくれ、いやする。俺がする」
「君が感電してる顔、ヤバイんだよ。俺が感電するより興奮する。もっと下品に緩めていいからな」
「細っこいからすっぽり抱き締めると安心する。でも羽根が大きくて逆にすっぽり抱き締められるのも安心する。最高」
「暖かいなぁ、もうそれだけで興奮する。理不尽だよ、これでもう負ける」

すがるようにギンを押し潰し、激しい交尾を続ける千鳥。
それを受け止めてもっともっとと愛の言葉を要求するギンは、さっきまでの蹂躙される側とは少し違って見えた。
男の行為に順応し、その嗜好を受け入れ、やがては惑わせてその獣欲を誘う。淫魔そのものだ。

「もっとぉ……!」

射精しても射精しても、まだまだとせがむ。

「千鳥の精子、ぜーんぶそそいで? 精を注ぐほど、私は千鳥好みに育っていくからね?」
「あぁ……好きだぞ、ギン。もっと、この、もっとヤるからなぁ!」

取り憑かれたように千鳥のセックスは激化していく。
嬉しそうに嬌声を上げ、気絶する寸前の電撃を自分に浴びせて千鳥の興奮を誘うギン。
さてこの場合、犯しているのはどちらなのか。
一つだけ確かなのは、二人の間で主導権は意味がなく、気持ちが良ければいいということだけだった。
15/10/23 21:16更新 / 硬質
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■作者メッセージ
作中に登場したいわゆるハーピーセックス理論は作者が提唱する独自の学説です。
突き詰めた形はきっとジャブジャブちゃんになります。
ただしまだ仮説だけなので、証明に協力してくださるハーピー属の魔物の方がいらっしゃればご連絡ください。

待ってます。いや、マジに。

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