連載小説
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3話 ヒーローと変態
そういえばここはファンタジーの世界だから魔法とかも発達してるのかな?

それなら面白い機械とか作れそうだなぁ

僕の持ってる現代の技術と、この世界の魔法、この二つがあればなんだってできそうだ!



・・・ファンタジーの世界か、剣とか武器が沢山あるだろうな

武器ってのは自分に合う物がいいとは思うが、それ以外のことも予備知識として知っておくべきだと思う

武器に関する知識はテルにだって負けないが、俺はどんな武器を使うことになるんだろう・・・




・・・俺は今テルの部屋で本を読んでいる

なぜテルの部屋で読んでいるかと言うと、あいつに「面白いものができそうだから見てみる?」と誘われたので来てみたのだが・・・

まだ完成していなくてかれこれ1時間ほど待たされている

暇なので図書室で借りてきた本を読んでいる

俺を退屈にしている本人はと言うと


 「あいむしんかー、とぅーとぅーとぅーとぅー」


なんて鼻歌を歌いながら何かを作っている

・・・・・・暇だ




僕たちがこっちに来てからもう一週間ほどたったなぁ

そのうち4日ほどは、ほとんど図書室に篭って本を読んでいたけどね

おかげでこの世界のことが大体分かった上に司書のインプの子と仲良くなれたしね

僕はまだロリコンじゃないよ?

まぁそのことは置いといて

僕は今『ある物』を作っている

これが完成すれば僕の夢もついに叶うかもしれない

・・・・あとはこれをここに付ければ・・・・

        完成だ!!!




ふぅ、やっと仕事が終わったのじゃ

さて、テルの所に行って一息つくかの

そういえばテルが作ってるのが今日で完成しそうだって言ってたのう

まぁそんなことはどうだっていいのじゃ、そんなことより早くテルになでなでしてもらいたいの




・・・やっとテルの言ってたものが完成したらしい

なんかただの腕輪にしか見えないが、あいつに限ってただの腕輪なんてことはないからな


 「やっと仕事が終わったのじゃー!!!さあテルよ、早くわしをなでなでする作業に戻るのじゃ!!!」


・・・これだけ見たら部屋に戻るか、二人の邪魔をしちゃ悪いからな


 「あらリュウ?こんなところに居たのね、探したわよ」


 「・・・なにか用か?」


 「そんなことは無いけど、暇してるなら好きな人と居たいからね」


・・・まったく嬉しいことを言ってくれる


 「今はあれだ、テルがなんか作ってたやつが完成したみたいだから、それを見るためにここにいるんだ」


 「へぇそうなんだ、じゃあ私もどんなのか見てみようかしら」


 「もちろんわしも見てみるのじゃ!!!でもテルよ、それが終わったらわしをなでなでするのじゃぞ!!!」


どんだけなでなでしてもらいたいんだよ・・・・


 「うん、これで準備は大丈夫なはず」


さっきからなんかごそごそやってたが、下準備だったのか


 「それじゃあいくよ」


   「 変 身 」


あいつがそう言うと、腕輪がいつぞやのテレビみたいに光だした


 「ま、まぶしいのじゃあぁぁぁ」


 「かなりまぶしいわね」


・・・こいつら全然反応が違うな

もう光がおさまってきた、今回は割と短かったな

だが光がおさまったとき、そこにいつものテルの姿は無かった

どこかのヒーローのみたいにメタリックなフォルムに包まれたテルの姿がそこにあった


 「ジャスティスキング、ここに爆誕!!!」 


・・・結構かっこいいな

俺以外の二人はポカーンってなってるな、まぁそれが普通の反応だと思うが


 「なんか色々とつっこむべきところが多いわねぇ・・・」


少ししてからのラピスの一言、普通だな


 「かっこいいのじゃ!テルはすごいのじゃ!」


そのあとのエンジェからの一言、見た目通りの反応といった所か

じゃあ俺も一言言っておくか


 「テルよ、確かに凄いが・・・・」


 「次からは名乗り口上を考えておくべきだな」


「そうだね、名乗り口上がないと変だしね」


まぁこんな感じの会話をすこししてから俺はラピスと部屋に戻ろうと思ったんだが

何かがこの部屋に近づいてくる音がする

ただ普通に歩いてくる音だったら気にしなかったが、走ってくるような音なので少し気になる


 「何か嫌な予感がするなぁ・・・」


同意はするけど、ヒーローな見た目で言うべきでない気がするがな


 「なんだかわしも嫌な予感がするのう」


あんたがいうと洒落にならんと思うのだが・・・

そう言ってるうちに音が近づいてきた、さすがに俺以外のやつも気が付いたらしい


 「なにかが近づいてきている音がするわね」


 「まさかあやつが・・・リュウよ今すぐ部屋の鍵をしめるのじゃぁ!!!」


慌てた様子でいきなり怒鳴られたが、なんでドアから一番遠い俺を指名するんだ?

仕方なしに俺がドアの鍵を閉めようと思い近づこうとしたとき、ドアが急に開かれた、否、ぶち破られた


   「フハハハハハ、愉快なことをやってるではないか、我輩も混ぜろ!!!」  


そこには変態、否、変態がいた

そして、テルは完全に怯えた様子になっており、ラピスは放心、エンジェは泣きそうになっていると言う悲惨な状況がそこにあった

その変態は俺を見るとこっちの方に来てしまった

こっちに来るなよ


 「む、貴様どこかで我輩と会ったことがあるか?」


 「・・・お前みたいな変態には、俺の記憶が正しかったら会ったことは無いはずだが」


・・・まぁこんなやつに会ったことがあったとしても忘れないだろうが


 「それにしても少年のそのパワードスーツ、前に我輩が作ったやつに似ているな」


 「え?そうなの、この世界の技術だと、僕ぐらいしか作れないと思ったんだけどなぁ」


怯えていたテルが変態の言葉で普通の状態になった

そういう事になるとこいつは相手が誰だろうが食いつくからな

昔そういうのがきっかけでDQNと仲良くなってたことがあったしな


 「テルよ!そんな変態と喋っておらんと早くわしをなでなでする作業にもどるのじゃ!!!」


・・・まだ言うか


   「誰が変態か!この小童が!!!」  


変態が怒鳴ったら涙目だったエンジェがついに泣き出してしまった

・・・見た目だけじゃなくて中身も子供だな、前の世界での想像していたバフォメットとえらい違いだ


 「ぐすっ、テルよ、ぐすっ、変態がわしをいじめるのじゃ、ぐすっ」


 「よしよし、もう泣かないでエンジェ、なでなでしてあげるから」


 「変態さん、怒っても仕方がないと思うけど、ドアを壊したのは100歩譲って許せるけど、エンジェを泣かせたのは流石に許せないな」


テルがエンジェをなでなでしながら怒っている

いつのまにか変身が解除されてるな

声色は怒っているが、顔がにやけているので全然怖くない


 「これで二度目だが、我輩の名前は変態ではない!」

 
 「・・・それならアンタの名前はなんていうんだ?」


こいつの事だから自分の名前は叫ぶのだろうかと思っていたが、意外にもそんなことはなかった


 「本名はちょっとした事情で教えられないが、ここでは我輩はアナザー・ベクトルと名乗っている、気軽にDr.ベクトルと呼ぶがいい」


・・・別の方向ってか、確かに普通とは別の方向だな

そんなことを考えていると、テルがようやく泣き止んだエンジェに少し質問をしていた


 「ねぇエンジェ、なんでベクトルはこの城に住んでいるの?」


それは俺も少し気になるな


 「うう、こやつは気が付いたら勝手に住み着いてたんじゃデビルバグみたいにの、最初は追い出そうと思ったのじゃが、こやつが作るやつはわしの城の軍事力を上げるからそのまま放置しておるのじゃ」


・・・デビルバグか、たしか前の世界のGのような性質を持った魔物だったな、確かにあれはデビルバグって感じだしな

そんなことを思い出していると、しばらく空気だったラピスが話しかけてきた

・・・ちょっと不機嫌そうだな


 「ねぇリュウ、もう目的は達成したんだし部屋に戻りましょうよ」


・・・唐突だな


 「どうしたんだ、藪から棒に」


 「私、アイツが苦手だからできるだけ一緒に居たくないの」


まぁあんなのが好きなやつなんてほんの一握りだろうな


 「・・・じゃあそうするか」


 「ごめんなさい」


 「謝る必要なんてねぇよ、気にするな」


それから俺とラピスは3人に部屋に戻ることを言って部屋に戻った





せっかく完成したのにベクトルが来てしまったから目立たなかったなぁ

ドアも壊れちゃったし

・・・でもエンジェの泣き顔もかわいかったなぁ

僕はまだロリコンじゃないよ?





・・・まったくインパクトの強いやつに遭遇したな

アイツは俺に会ったことがあったか聞いてきたが、アイツとは初対面のはず・・・

・・・だがなぜか俺もどこかで会ったことがあるような気がした

・・・そんなことよりラピスの膝枕が気持ちいいな
10/08/18 21:33更新 / 錆鐚鎌足
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■作者メッセージ
ようやく三話が完成しました
ラピスが空気だった上にずっとリュウのターンでしたね
リュウには1話分空気の刑にしておきます



テルに迫る魔の手!、幼女達がテルに襲い掛かる、はたしてテルはロリコンになってしまうのか?、次回、『童貞をすてるなんてとんでもない』に期待する人なんて居るのかこのやろおぉぉぉぉぉ!!!

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