連載小説
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ツンデレな彼女(中編)
職員室で貰った鍵で教室を開け、二人で机や椅子を整頓し始めた。
「なんでこんなに重いのよ!」 京華が愚痴を言う。しかし、今の謙弥にはこんな愚痴ですら耳に届いていなかった。
謙弥は悩んでいた。
制服の右ポケットに入っている物を京華に渡すか渡さないかで。


「どうしよう?」      「何が?」

























しまったと、今更ながら謙弥は思った。
つい考えていたことが出てしまった。
「え?な、なにが?」 
何事もなかったかのようにごまかそうする謙弥。      がしかし、
「今“どうしよう?”って言ったでしょ?」 追求してくる京華。
空耳じゃない? と、またまたごまかそうとする謙弥。
「私の耳をバカにしないでよ!!」 耳をピコピコと動かしながら京華が言う。
はぁ〜 溜め息と一つついた後、謙弥は答えた。
「わかった、言うよ。」 「最初からそうしなさいよ。」 謙弥はもう一度溜め息を吐き、京華は腕組みしながら待っていた。
右ポケットからある物を取り出す。
そして、はい、と京華に渡す。
「なにこれ?」 「プレゼント」 
「誰に?」 「••••••京華に」
すると、今まで不機嫌そうな顔をしていた京華が目を丸くした。
「え、私に?」 「うん」
京華はおずおずと手を出し、プレゼントを受け取る。

「私、男子からプレゼント貰うの初めて。 えっと、開けても良い?」 
謙弥は恥ずかしさで真っ赤な顔を縦に振る。 
そっと、京華が包みを開けていく。謙弥は、京華が喜んでくれることを確信していた。

























しかし、京華は中身を見ると、一瞬悲しそうな顔した、がすぐに消え別の顔をしていた。
奥歯を噛み締めて何かに耐えるような顔だった。
そして、次の瞬間、謙弥は信じられない光景を目にした。   








京華がプレゼントを床に叩きつけ踏みつけていた。

























何故?どうして? そんな単語が謙弥の頭の中を駆け巡る。
「こんなことしても••••! 私はもう泣かない!」 
「残念だったね•••!私の泣き顔を見れなくて••••!」 苦しそうに、そして絞り出すように京華が言った。
「謙弥がこんなことするなんて思わなかった。」 「あんたなんか••••!」






      「大嫌い!!」






京華はそう叫ぶと教室を出て行った。














京華が出て行ってから数分が経ってやっと謙弥は動けるようになった。
そっと、踏み潰されたプレゼントから転がり出た物を拾う。

これのどこが気に入らなかったのだろう?






このペンダントの?
13/02/19 19:08更新 / 狐目の男
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