連載小説
[TOP][目次]
前編(講座開始〜スキンシップまで)
「うーん、デーモンの魔物娘かぁ…」


 公民館の会議室のような、20人ほどが入れるスペースくらいの広さの部屋の中で、さっぱりとしたスポーツ刈りを蓄えた、学生程の年齢であろう青年がひとりでにそう呟いた。


「あら?何か思うところでもあった?」


 隣で同じく座っていた、恐らく恋人であろう鳥類の魔物娘が、身長差からか男の顔を下から覗き込みむように見上げて、クリクリとした目で男をみやる。


「いやあ、魔物娘の中でも悪魔族は過激だからなぁ、この講座ってのも一体どんな行為を見せられるのかと思うと、今更尻込みしてきて…」


 席と一緒に固定されているテーブルの下で、やや不安そうに手を揉みながら周囲をキョロキョロする青年。周囲には同じように魔物娘とその恋人たちが講座を受講しようと、席に座って待機している。


「っふふ、大丈夫だよ。講座って言っても私達はただ見てるだけだし、気分が悪くなったりしたら途中で出ていけばいいし、ね?」


 怪訝な顔をする青年を尻目に、恋人である魔物娘は不安を拭うように微笑みかけながら声をかける。


「確かにそうだけどさ、デーモンって契約した人間に対しては紋章の力で何でも命令できるんだろ?」


「うーん確かに契約の文言だけ見ればそうよね〜」


 足をパタパタとさせながらリラックスする魔物娘の少女とは対照的に、未だに落ち着かない様子の青年。


「それってつまり、どんなにひどいことしても絶対逆らえないんだろ?俺、痛そうなのとか見るだけで気分悪くなっちゃうから、キツイんだよな…」


「えぇ〜?いくらデーモンが過激でそういう力持ってるって言っても、流石に魔物娘が恋人の嫌がることはしないでしょ〜」


 腕組をしながら目を閉じ、う〜んと唸る青年と後ろ手に椅子を掴みながら背もたれにもたれかかる少女。


「でもさぁ、もしこれでボンテージ姿のデーモンと傷だらけの男なんて出てきたら俺トラウマになるぞ?」


「いやいや、そんなんじゃないと思うけどな〜」


「俺痛そうなのとか辛そうなの耐性ないんだよ。自分がされる分には結構そういうの強いタイプなんだけど」


「うふ、知ってるよ。まあでも、契約の力でデーモンが欲したらいつでも精を捧げなければならないから、いきなり夫の前に現れて『おい、よこせ』とか言って無理やりされたりとかそういうのはあるんじゃないかな〜?」


 あれこれ想像をしている恋人二人、想像の内容には差があるが、得てしてデーモンのイメージとはこういうものだ。余人曰く『魔物娘の中でも殊更危険な思想を持つ』『夫のことは奴隷や、精を貯めるタンクのようにしか思っていない』『絶対的な契約を盾に、加虐嗜好を満たすために男を嬲る正に悪魔』


 愛と忠誠を永遠に誓わせ、いつでも好きなようにできるという契約の内容と、悪魔という言葉、その名に違わぬ見た目の凶悪さから、尾ひれ羽ひれが付いた結果、デーモンのイメージはこうした凶悪なものになってしまっていた。デーモンが希少な種であり、魔物娘と人間が平和に暮らす世でも、実際に見たことも会ったことも無い者が多いことも、根拠のない風評が広がった原因でもあった。


 実際には契約の文言は全て彼女達にも適用されるため、仮にそのように無茶苦茶な命令をすればすぐにやり返されてしまうし、そもそも愛情深いデーモンが契約をそのように利用することがありえないため、上記のような風評はほぼ全て間違っていると言っていいだろう。


 奴隷というのもまさしく愛の奴隷であり、お互いがお互いに愛の奴隷となって貪り合う。そんな関係である。それをこれからまじまじと見せつけられることになるというのは、上記の風評を元に怖いもの見たさや、珍しいもの見たさで集まってきた恋人たちにはまだ知る由もない。


 尤も、恋人達も何もデーモンを好奇の目で見て蔑んだり嘲るためにこの講座に来たのではない。彼ら、彼女らは純粋に、魔物娘の中でも高位の魔物であるデーモンの講座で、恋人と今まで以上に愛し合う術を学ぶために来たのであり、そこにそういった曝露などの悪意というものは介在していない。


 さて、その講座だが、タイトルは『恋人とより愛し合う為のデーモンの講座』という直球かつ簡素な題名の講座であり、参加条件は安価な参加費と、恋人や夫妻の魔物娘と人間(インキュバス)であることで、独り身の男女は受講できない。講座の内容に関しては、動画を交えてデーモンが説明する講義を受けるのみとのことで、参加条件さえ満たせば気軽に参加できる内容だ。


 宣伝に使われたポスター等に関しても意外なことに、情欲を煽るような色使いやイラスト、または写真は使われておらず、淫らな言葉や挑発的な文言なども一切使われていないシンプルかつ事務的な代物だった。


 デーモンの持つ危険で猥雑な風評と正反対のイメージの宣伝もあってか、純粋により仲良く、より愛し合いたいという魔物娘と恋人達の目を引き、小さな会場は満員御礼となっていた。


「すまないご来場の皆様、開講前のお早いお集まりに感謝させていただく」


「し、失礼しますっ」


 開始時刻まであと五分といったところで、入口のドアを開けて長身でスタイルの良い、白地の半袖のワイシャツに赤いリボンを付け、黒地のロングスカートを履いた学生然とした服装の女性と、小柄な体格で同じく学生然とした格好の、白地に長袖のワイシャツにアイボリー寄りの白色のニットベストを着て黒地のズボンを履いた少年が入ってきた。


「本日の講座を主催させていただく、デーモンの天音だ。そして彼が…」


 天音は青白い肌に小豆色に近い艶やかな黒髪を湛えたデーモンの魔物娘で、長い髪をゴムで一本にまとめたホーステールは、彼女の凛々しい顔立ちによく合う爽やかさを醸し出していた。魔物娘らしく魅力的な身体で、スラッとした長身に豊満な胸と尻を持っているが腕や腹は引き締まっており、足はすらっとしていて、太ももは細すぎない、下品さを感じなさせない健康的な体つきだ。低すぎず高すぎない、キリッとした怜悧さの中に優しさを感じるような、乾いているが艶のある声が隣の男の子に自己紹介を促す。


「ゆ、優太です。よろしくおねがいしますっ」


 優太は恐らく高校生であろう歳のほどにしては、やや体躯は小さく少年を感じさせる体つきで、ふわふわとした髪質の金髪を無造作に短めに拵えた、可愛らしい外見をしている。身長はそれほど低くないが、小柄であるため、特にやや大柄で背丈も高い天音と並ぶとそれが目立つ。少女のような高く甘い声色には、やや自信なさげにおどおどした性格が見え隠れしている。


「さて、あまり前置きを長引かせるのも良くないだろうから、早速説明に入らせていただく。」


 天音は部屋の前方にあるホワイトボードとモニターを降ろし、講座の為の準備をてきぱきと始めた。優太もいそいそとそれを手伝っている。


「今から始める講座は事前にご説明させていただいた通りに、基本的には動画を見ていただき、その説明を私がさせていただく。この講座は皆様が恋人とより愛し合えるようになることが目的で、見ていただく動画は…」


「我々のセックスだ」


「うぅ…」


 会場はやや色めき立ったものの、あまりざわめいてはいない。魔物娘で、しかも過激派のデーモンの講座で、なおかつ『恋人とより愛し合う為の講座』でる。ある程度予想されていたことではあった。


 天音は、特に挑発し誘惑をするような素振りも、恥ずかしがるように赤面したりもせずに、冷静に、平然と説明を続けるが、優太の方は恥ずかしそうにやや身体が縮こまっていた。


「編集で局部などは直接映らないようにしているので、補足説明などは私が図解を用いて説明させていただく。また、参加者を恋人の魔物娘と人間に限定させていただいたのも、この動画を用いて解説を行っていくからだ」


「我々二人は永遠の愛の契約を交わした身であり、この動画を撮影し、皆様に上映する意図も、皆様方恋人同士の生活の質の向上が目的であり、我々が男女それぞれに慰み者にされることは全く望んでいない」


 理路整然とした口調で、滔々と講座の趣旨について説明していく天音。優太はなおも恥ずかしそうに身体をもじもじとさせながら落ち着かない様子を見せている。


「ここにお集まりの皆様に関しては恐らく大丈夫であるとは思うが、そういった理由で今講座は写真や動画の撮影は一切禁止とさせていただきたい。お手元にあるレジュメは持ち帰っていただいて結構だ」


 レジュメは講座の注意書きや簡単な動画の概要が書いてあるだけで、残りはほとんどメモ書き用のスペースであった。講座ではこれを用いて説明を聞きながらメモしていく形のようだ。


「…とまあ難しいことはない、最低限のルールを守っていただければ何も問題はないので、気楽に受講してほしい」


 天音が説明している間に準備を終えた優太が、モニターとは反対側においてある椅子に座って待機していた。天音もモニターの邪魔にならないように、裕太の方に寄って、ホワイトボードに備えてあるペンを握った。


「それでは動画を再生し、講座を始めよう」


 受講している恋人たちはごくり、と生唾を飲んだ。高位の魔物娘であり、希少種でもあるデーモンの情事を見せつけられるのだ。一体とんなものが始まるのか…好奇心と戦慄と緊張を携えて、皆食い入るようにモニターへと目を向けた。


――――――――――――――――――――――――――――――――


「…あっ、映りましたよアマネさん!」


「おお、起動したみたいだな。ありがとう優太」


 モニターに間近に接近していた優太と、画面外から声が聞こえる天音が、それぞれレンズにピッタリ映るように、カメラの目の前に置いてあるベッドに腰を掛けた。


「うぅ…ホントに撮るんですか?天音さん…」


「ふふ、さっきも言ったが編集で色々隠すから大丈夫だ、まあ私達が普段みたいにイチャイチャしてる姿はバッチリ収められてしまうがな…♥」


 隣りにいる天音に恥ずかしそうに顔だけ向けながらそうつぶやく優太に対して、優しげで官能的な笑みを浮かべながら微笑みかける天音。その笑みに観念したのか、羞恥を残しながらも改めてカメラに向きやる優太と天音。


「…えへへ」


「…っ♥♥♥ゆ、ゆーたぁ!♥♥♥」


 はにかみながら赤くなった顔でカメラのレンズに向かってパタパタと手を振る優太に対して、それを見た天音は、先程までの優太のように赤面しながらはわっとあんぐり口を開け、優太を抱きしめる。


「こ、この映像は講座で他人に見せるんだぞ!♥♥♥そ、そんな可愛い仕草でゆーわくしてどうするんだ!♥♥♥私だけが見るんじゃないんだぞこれは♥♥♥」


「ふぇえ!?誘惑なんてしてないですよぉ!」


 抱きしめられながらやや抵抗するように身をよじる優太に対して、抱きしめたまま、先ほどの光景に悶絶しているかのように甘い声で問いただす天音。


「あんな可愛い仕草を天然でやるからお前は恐ろしんだ…♥♥♥本当に私がお前の初めてを貰えたのは奇跡としか言いようがないぞ♥♥♥こんなにかわいくて抱きしめたくなる最高の男が他の魔物娘に放っておかれたのは運命としか言いようがない♥♥♥」


「それはこっちのセリフですよぅ…♡アマネさんみたいな綺麗で可愛くて、こんなに優しい女の人が、僕が恋人で初恋の男だなんて…♡」


「ふふ♥♥♥恋人じゃなくて永遠の愛を誓った旦那様だぞお前は♥♥♥…はぁむ♥♥♥んん♥♥♥くちゅ♥♥♥はふ♥♥♥んちゅ♥♥♥」


「はぁむ♡♡♡んぅ♡♡♡ふぅ♡♡♡ふはぁ…♡♡♡僕だって不安なんですよ?天音さんの裸や痴態が他の男の人に見られるなんて…アマネさんすっごく魅力的で、男の人がそんなの見ちゃったら絶対興奮しちゃって…んちゅ♡♡♡はぁ♡♡♡」


 お互いに舌を絡ませる濃厚なキスをしながら、お互いへの愛を語り合う二人。目は蕩けきっていて、もうカメラで撮られていることも忘れて目の前の愛しい相手のことしか写っていないようだ。


「んぅ♥♥♥あぅ♥♥♥れろぉ♥♥♥心配するな♥♥♥これを見せるのは恋人同士の魔物娘とその相手だけだ♥♥♥私に欲情したらひとたまりもないぞ♥♥♥それに、お前以外の男にどう思われようとも私は気にも留めないぞ♥♥♥」

「ふへぇ♡♡♡でもぉ…」


「ああでも♥♥♥例えばお前が私に首輪をつけて、裸で市中を引きずり回すのであれば、私はすごく興奮するだろうな♥♥♥知らない男に慰み者にされて興奮してるんじゃないぞ♥♥♥お前の所有物であると見せつけられるのがたまらなく嬉しいんだ♥♥♥もし他の男が近づいてきたら魔法で払いのけるしな♥♥♥」


「ぼ、僕はそんなことさせませんよぉ…でも、嬉しいです。僕のことをそんなに信頼してくれて…♡♡♡」


 二人は段々と荒くなる息をお互いにかかるくらいの距離で、抱きしめあったままキスをしながら愛をささやく。既に身体は汗ばんで、天音の青白い艷やかな肌も、優太の白く綺麗な肌も紅潮していた。


「…ふふふ、汗をかいちゃったな♥♥♥じゃあ…脱がせ合いっこしようか♥♥♥」


「は、はい…アマネさん…♡♡♡」


 二人は抱き合う身体を一旦解いて、ベッドの上に座りお互いに向き合う。お互いにふにゃっとした顔で照れくさそうにしながらも、片時も相手から目を離そうとしない。


「じゃあまず上から…はい♥ばんざーい♥」


「お、お願いしますっ」


「ふふ、じゃあこっちも頼む♥」


「はい、まずはリボンから…」


 子供を甘やかすような口調で、ばんざいをした優太のニットベストを脱がす天音。少しむず痒そうに身体をくねらせながら脱がせてもらった後、天音のリボンのホックを外してとった。


「っふふ、ありがとう♥じゃあ次はワイシャツを脱がすぞ…ああ、お前の白くて綺麗な肌がどんどん露わになっていく…♥♥♥」


「は、恥ずかしいですよアマネさん…/////」


「何言ってるんだ、これからもっと恥ずかしいことをするのに♥♥♥まあ工程の方がもどかしくて恥じらう気持ちはわかるがな…♥♥♥」


 ゆっくりと丁寧に、優太のYシャツのボタンを外していく天音。優太の上半身はシャツだけになり、やや恥ずかしそうに身悶えている。


「…ああそうだ、私はさっき着替えた時に下着の上に直にYシャツを着ているから、この下はすぐブラジャーだぞ♥♥♥」


「そ、そうなんですか!?」


 ぐいっと対面に居る優太の方に身を寄せて、蠱惑的で優しげな笑みを浮かべながら、胸元を強調するように優太の眼前に寄せる天音。それを聞いてドキリとしながら頬を染める優太


「さあ、私も脱がせてゆうた…♥♥♥」


「…っ♡、はい…それじゃあ行きますね」


 ぷち、ぷち、と第二、第三ボタンを外していく優太だが、丁度胸元のボタンに差し掛かった時に、指が止まってしまった。


「どうした優太…♥♥♥身体が熱い、早く脱がせてくれ…♥♥♥」


「うぅ…やっぱり恥ずかしいです、緊張しちゃって…目の前にアマネさんの柔肌があると思うと…/////」


 耳元で優しげに、しかしすこし意地悪そうに囁く天音に対して、少し指を震わせながらボタンを掴んだままの優太。二人とも先ほど少し落ち着いた息が、再び荒くなっていた。


「フフ♥♥♥何度も見てるはずの身体にこんな初々しく興奮してくれるなんて私も嬉しいぞ…♥♥♥大丈夫♥♥♥編集で私の下着姿は動画では映らないから、ゆーただけが見て触れる、私の肌をじっくり堪能して…?♥♥♥」


 優太に甘く囁きながら頭を優しく撫でる天音、そのとろけるような甘い声と言葉に、優太の理性も本能に負けてしまった。


「ふぁ…じゃあ、行きますね…♡♡♡」


 再びぷち、ぷちとYシャツのボタンを外して行き、全て外し終えたらふぁさっとはだけさせて脱がせる。黒いレースを施した美麗でセクシーかつ、上品さを兼ね備えたお洒落なブラジャーを身にまとう天音の姿は、彼女の持つ扇情的かつ健康的で品のある体つきや佇まいと非常に良くマッチしていた。


「天音さん、とっても綺麗です…♡♡♡」


「ああ優太、嬉しい…♥♥♥」


 先ほどまでの舌を絡めるようなキスと異なり、こんどは唇が触れ合うだけのキス、しかしながら、お互い顔を動かしながら貪るような濃厚なキスをしばしの間交わしていた。


「…さあ、次はお互い一枚だけだな…♥♥♥さあ、またばんざーいだゆーた♥♥♥」


「は、はい…っひゃあ!♡♡♡」


 優太のシャツを脱がせる際に、天音はわざとゆっくりとくすぐるように優太の脇腹に触れながらシャツを引き抜いた。ばんざい状態で身構えていなかった優太は、くすぐったさと快感で甘い声を出してしまう。


「ふふ、可愛い♥♥♥さあ優太、私はあとこの下着だけだが…どうする?」


「ど、どうする、ですか…?」


「ああ、私の背中にブラジャーのホックがあるが、そこから外すか?それとも…お前のやりたいやり方で外していいぞ…♥♥♥ただし、それを私に言葉で伝えなきゃダメだ♥♥♥」


「こっ、言葉で全部伝えるんですか?/////」


 再び優しく、だが意地悪そうな声色で甘く囁く天音。上半身が裸のまま、また恥ずかしそうに身体が縮こまる優太。


「そうだ♥♥♥言葉で伝えてくれたら、どんなことでもしてあげるし、させてあげるぞ♥♥♥さあゆーたぁ♥♥♥」


「うぅ…わ、わかりました…/////」


 恥ずかしさはあるものの、既に理性は崩壊しきっていた優太は、天音に対して上目遣いで告げようとしている。


「そ、その…下着とおっぱいの間に手を入れて、アマネさんの柔らかいおっぱいを堪能しながら、ブラジャーを脱がしたいです…/////」


「♥♥♥よく言えました♥♥♥欲望に素直なゆーた、素敵だぞ♥♥♥それじゃあ約束通り…好きにしていいぞ♥♥♥」


 蕩けた顔をしながら、ベッドに手を置き、されるがままといった体勢を取る天音。優太はおずおずと彼女の胸に手を近づけて、ごくりと生唾を飲む。


「し、失礼します…わぁ…♡♡♡柔らかい…♡♡♡」


「んっ♥♥♥あぁ、優しい手付きでゆーたに…しあわせぇ…♥♥♥」


 手の甲でレース素材の下着の肌触りの良さと、手のひらでおっぱいの柔らかな感触を味わうように、するり、と下着と胸の間に両手を入れる優太。たぽたぽ♥むにむに♥と柔らかな肌触りを堪能し、肌を撫でるしゅっとした音が二人の間に響く。


 下からおっぱいを持ち上げるように、指の先を下乳に添わせながらゆっくり揉みしだく優太。たぽたぽ♥ぷにゅぷにゅ♥むにゅむにゅ♥もみもみ♥と、優しく揉む度に指に吸い付くように形を変え、ずっしりとした重量が伝わる最高の感触を味わい、優太は夢中になって揉み続けていた。


「はぁ…♥♥♥かわいい…♥♥♥夢中になっておっぱいもみもみするゆーた、可愛すぎるよぉ…♥♥♥」


「はぁ…はぁ…♡♡♡」


 なおも夢中になって胸を揉みしだき続ける優太。下乳に沿わせていた指をそのままに手首を返し、上乳が指の先に来るように沿わせて、正面から揉みしだく。小さめな優太の手では収まりきらない大きなおっぱいを揉みながら、優しく引っ張ったり、寄せて両の手で両乳を挟むように揉んだり、逆に谷間に手を沿わせて両乳を離して揉んだりして、味わい尽くしていた。


 その感触はまるで崩れないプリンのように柔らかで、つきたてのお餅のように柔らかく伸びて、痛くない程度にぺちっ、と衝撃を与えると、ぷるん♥ぷるん♥と柔らかそうに揺れ、手で押し込めば、指はどこまでも深く沈みながらも、しっかりと弾力を持って跳ね返そうと指を押し返してくる。


 手で触れる事のできる天国を弄り続けながら、夢見心地といった風に夢中になって胸を触り続ける優太。先ほどまでの羞恥心などは全て、この天上の心地もかくやと言わん感触の前には、吹けば飛ぶような糸屑同然であった。


(幸せそうなゆーたの顔を見るのは最高だ…♥♥♥頭の中はきっともう私のおっぱいのことしか無いんだろうなぁ…かわいい♥♥♥でも今日はそろそろ…)


 自らの双丘を無我夢中になって嬉しそうに弄る優太を、愛おしそうな目つきで見ながら、ひとしきり好きにさせた後に、裕太の頭を撫でながら語りかける天音。


「ゆーた♥♥♥私のおっぱいに夢中になってくれるのは嬉しいが、今やってるのは脱がせ合いっこだぞ♥♥♥」


「ふぇ…あ…!ご、ごめんなさいっ!僕、夢中になってて、それで…」


「謝らなくていいんだぞゆーた♥♥♥自分の身体に釘付けになってくれる旦那様を嫌う魔物娘なんてどこに居る♥♥♥ただ動画の撮影は始まったばかりだ、ここであまり時間を取るのもまずい♥♥♥またいつでも気の済むまで触らせてあげるから、今日はこのへんで我慢してくれ♥♥♥」


 はっと我に返り、自分がしてしまったことに表情を曇らせる優太に対し、天音はあやすように甘い声でなだめた。


「さあ、脱がせ合いっこの続きだ…頼んだぞ優太♥♥♥」


「は、はい…失礼します…/////」


 優太が夢中になって弄っていたため、ほぼ脱げかけてはいるが、まだホックは外れておらず、上の方に大きくずらされた下着だが大事な部分は隠されている。優太はそれを丁寧にするっと上に持ち上げると、かろうじて隠されていた局部は露わになり、青い肌の色より一層濃い、群青色でツンと立った艷やかで綺麗な乳頭が姿を現す。


「はぁ…アマネさんの身体、綺麗です…♡♡♡」


「あぁ…♥♥♥大好きなお前が、この青い肌を怖がらず、厭わず、好いてくれる人間で本当によかった…♥♥♥」


 晒された肌をうっとりとした表情で眺める優太に対して、心の底から嬉しそうに顔をほころばせながら歓喜の言葉を口にする天音。


「アマネさんこそ、僕みたいな小柄で、男らしくない身体を、コンプレックスだった僕の身体を大好きって言ってくれて、本当に嬉しかったです…♡♡♡」


「ふふ、当たり前だ♥♥♥お前の身体も心も、好きじゃないところなんて一個もない♥♥♥さぁ、下はお互い我慢できなくなりそうだから自分で脱ごうか♥♥♥もちろん、いくらでも見て良いぞ♥♥♥」


 お互いに股を気にしながら、それぞれズボン、スカートを脱ぎ、お互い下着姿になる。伴侶の姿をはにかみながら愛おしそうに見つめて、二人はパンツを脱いで生まれたままの姿になった。


――――――――――――――――――――――――――――――――



 ここで、天音は一旦映像を止めて、ホワイトボードの前に歩み寄り、受講者たちに向きやる。


「ここまででセックスの前戯よりも前の段階だ、これから前戯に入るが…どうだろうか、皆様」


(ど、どうだろうって言われても…!/////)


 あまりにも甘い、甘すぎる恋人同士の光景を見せられて、既に魔物娘もその恋人達も、一同あまりの恥ずかしさに悶絶していた。


「えへぇ…○○(隣の恋人の名前)君と脱がせ合いっこ…○○君におっぱい揉んでもらって…えへへぇ…♥♥♥」


 獣耳を生やした人間といった姿の魔物娘が、モニターに映された光景を自分の恋人と行う姿を夢想して、うわ言のように隣の恋人の名前をつぶやきながら顔を机に突っ伏している。ぷにっとしたほっぺたは机に潰され、口元からはよだれが垂れている。前かがみになりながら突っ伏していて、身体は机に隠されているが、恍惚とした表情と、左手が胸の位置にあり、右手がスカートの辺りにあること、衣服のこすれる音と水音から、明らかに自慰行為に浸っていることは、直接的には見えずとも明らかであった。


「お、おい!す、すみません、ちょっと外に出てきます。ほら!」


「あぅ…♥♥♥待ってぇ、今大好きな○○きゅんに手ぇ握られたらイッちゃうよお…ひゃめてぇ…♥♥♥」


 隣の恋人が手を握って起立を促そうと立ち上がるも、魔物娘の方は嬉しそうな表情でふにゃっとして身体に力が入っておらず、ビクビクと身体を震わせながら、彼に取ってもらった手だけが上に上がっている状態だ。


 ここまで直接的にそういった行為をしている魔物娘は他には居なかったが、他の魔物娘も皆足をもじもじとさせたり、顔を赤らめて手で顔を覆ったりなど、予想とは正反対の方向に刺激的過ぎた光景にすっかり出来上がってしまっていた。


「ふむ、説明をと思ったが、受講者達の疲労が激しいようだ、少し長めの休憩を入れようか。尤も、休憩明けには皆もっと疲れが溜まっていそうだが…♥」


 世界の全てを魔界へと変える事を目論む「過激派」としてのデーモンの側面からか、舌なめずりをして目の前の恋人たちの幸福への道を歓喜する天音。


「それでは、レジュメと座席に書いてある番号を見てくれ。この番号はそれぞれ受講者の二人に割り振られており…その番号に対応した部屋がこの階にはある」


 モニターにこの階の見取り図を写しながら説明を続ける天音。


「部屋はやや手狭ではあるが、ホテルのようにベッドやトイレ、シャワー等が備え付けてある。管理人には許可を取っているので、『多少汚しても問題無い』とのことだ…♥」


 ニヤリと笑いながら、それぞれもう我慢できないといった表情の受講者達を一瞥しながら、タイマーをセットする。


「休憩は10分…いや、15分としようか。その間に『発散』するようお願いしたい」


 セットしたタイマーのカウントダウンが進むやいなや、皆我先にと自分達の番号が書かれた個室へと、手を繋ぎながら恥ずかしそうに駆けていった。先ほど達してしまった魔物娘は、恋人の男に肩を持たれながらようやく立っていられるといった具合で歩いている。


「さて、15分…この短さがこの講座の要旨に絡んでくる。受講者の皆には少し悪いが…」


「あぁ…恥ずかしい…あんなにおっぱいに夢中に…」


 天音と優太以外誰も居なくなった部屋で、誰に聴かせるでもなくひとりそう呟く天音。優太は映像が写ってる間も、自分の言動や行動を改めて見返した時の、あまりの恥ずかしさにずっと俯いていた。


「さて、我々も15分間暇だが…どうする?ゆーた♥♥♥」


「ふえぇ!?」


 俯いて悶々としていた優太に突然、天音が身体、特に胸を優太の肩に押し付けながらそう告げる。優太は急に体にふにゅっ♥と当たる胸の感触に驚いて、素っ頓狂な声を上げてしまった。


「15分は短いが、イチャイチャするのはできなくもないぞ?♥♥♥映像の中じゃおっぱい名残惜しそうに離してたからなぁ♥♥♥15分間好きにしてもいいぞ♥♥♥」


「あうぅ…そんな…」


 口ではそう言う優太だが、天音が手を取り、おっぱいに持ってくると、自然と柔らかな感触を求めて揉み始めてしまう。


「恥ずかしがりやなのに、この講座に協力してくれたご褒美その1だ♥♥♥短い時間だがいっぱいもみもみしていいぞ♥♥♥」


「うぅ…はい、一杯揉んじゃいますね…♡♡♡」


 撮影した動画を改めて見て、おっぱいへの欲求が高まっていたのか、すぐに陥落して素直になる優太。そんな姿をとろけるような顔で愛おし気に見つめる天音。


「素直な優太、とっても素敵だぞ…♥♥♥さあ、もみもみどーぞ♥♥♥」


 二人だけになったこの部屋で、動画の中と同じ様な甘い空間が広がっていた…
21/08/22 12:30更新 / 甘党
戻る 次へ

■作者メッセージ
まだ前戯にも入っていないのにこの長さになってしまい、泣く泣く分割しました。

二人のイチャイチャはまだまだ続きます。まだ前編ですが、一言でもいいので、感想をいただけると励みになります。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33