読切小説
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God Save The Queen
 知っての通り、レスカティエ城は傀儡王フランツィスカから生えた無数の触手によって防衛されている。主神教聖騎士達の中でも一際骨のある奴らは、レスカティエ奪還作戦の時に、魔界の瘴気を掻い潜って王城まで到達することがある。そんな猛者たちを丁重にもてなすのが、クイーンローパーの役目というわけ。
 であるからして、王城に住む者たちは天井から廊下に至るまで様々なところを這いずりまわる女王の触手を見ても、恐れを感じることはない。それらが味方であることを、誰もが知っているからだ。
 無論、それはデルエラ様の庇護のもと9人の女たちから成るハーレムを率いている俺も変わらない。だから、ある日城の中を歩いていて突然、扉の影から飛び出した触手に全身を絡め取られた時には本当に驚いた。
 足首を捉えられ、そのままものすごい勢いで俺の身体は連れ去られていく。数分後辿り着いたのは、触手の根本、フランツィスカの鎮座する王座の間だった。
 王女様の足元まで引きずられてきて、ようやく触手の拘束から解放された。突然のことに驚く俺を見下ろし、フランツィスカが言った。

「お久しぶりね、アナタ」
「……そうか? 今日はまだだったけど、昨日ここであっただろ」
「でも、最後にこうして二人っきりで会ったのは随分昔でしょう?
 知っているんですよ。ここ最近アナタが、お嫁さんたちと一人づつエッチな事をしているってこと」

 別に隠すつもりはなかったし、隠そうとしたってどうせ無理な話なのだが、しかしこうして詰問されると何か言いようのない不安を覚える。余計な言葉を用いずして相手を圧倒する、これが王たるも者の血筋か。

「ズルイですよねえ皆さん。独り占め、だなんて。私があんまりここから動かないからって、ひどいじゃないですか」
「え、ええとだな。別に彼女らがフランツィスカを蔑ろにしたってわけじゃあなくてだな……」
「あなたもあなたです。どうして毎回毎回やられっぱなしなんですか。マゾヒストですかアナタは。
 そんなに犯されるのが好きなら、私がたっぷりしてあげますよ……!」

 もとから俺の話を聞く気など無かったようで、フランツィスカは一旦解放した俺をまた縛り上げた。四本の触手で両手両足の動きを封じられ、仰向けのまま全く身動きの取れなくなった俺の服を残りの触手で器用に剥いでいく。
 あっという間に俺は全裸にされてしまった。フランツィスカは魔物になって以来ほとんど裸みたいな格好で通しているが、そんな彼女であってもやはり、服を着た女性に裸を見られるというのは非常に恥ずかしい。思わず顔を背けると、玉座の上から笑い声が響いた。

「照れた顔も可愛いですねえ。もっと私に見せて下さい。こうしたら、恥ずかしがってくれますか……?」

 大量の触手が俺の股間に殺到する。ぷにぷにした、女性の二の腕にも似た質感の軟体が、たっぷり粘液を絡めながら俺の男性器に絡みつく。ヌルヌルした、まるでローションのような液体を掛けられ、更に触手先端で竿と睾丸を優しく責められると、縛られて犯されているという酷いシチュエーションでも勃起してしまう。

「あら、もうこんなにして。そんなに私の触手、お好きなんですか?」
「そりゃあ、フランツィスカのことは好きだよ。ずっと、愛してるよ」
「調子の良い事言ってもダメです。愛してるんなら、どうしてもっと早く二人っきりになってくれなかったんですか? 寂しかったんですからね、私。仕返しに、今日はたっぷりいじめてあげます」

 既に最高硬度に達した節操なしな肉棒を女王の触手が愛撫する。その表面は滑らかな部分が多いが、ところどころに段差や突起、凹みなどがあり、敏感なカリ首や亀頭がそれらに触れると、不意に訪れる快感が強すぎるせいで思わず腰をびくっと跳ねさせてしまう。そういう反応がお気に召したらしいフランツィスカは、嬉々として俺に触手プレイを施してきた。
 根本から先っぽまで、細いものから太いものまで無数の触手が巻き付き、非人間的な摩擦でもって精液を搾りとろうとしてくる。ぐちゅぐちゅ言う濡れた音が卑猥すぎて、俺はもう抵抗すら出来なくなっていく。
 次々と触手が追加されるせいで、俺の肉茎は覆いつくされ、もう見えなくなってしまっている。数えきれない触手が球状の形を成し、その内部で俺のものをあらゆる角度から扱き、撫で、苛めている。目に見えない所で自分の大事なものが弄ばれているという感覚は屈辱的だったが、しかしそこには否定しきれない快感もあった。

「先走りのお汁まで漏らして。こんなふうに、無理やりされるのも気持ちいいんですか? だったら、もっと早く言って下さればよかったのに。私ならいくらでも触手でおちんちんいじって、射精させてあげましたよ」

 人間を辞めても流石は王女、人の上に立つのが似合っている。高貴な彼女に嘲笑される感触は今までに無いもので、俺はその甘美さに抗うことが出来ない。

「もうそろそろ出ちゃいますか? じゃあこのままぴゅっぴゅしちゃって下さいね。触手にレイプされに射精しちゃうマゾ男さんのくさーい精子、全部私が食べて差し上げますからね」

 丁寧な口調で淫語を囁かれる、このギャップがまた堪らない。触手球が一瞬ギュッと凝縮し、中の肉茎にかかる圧力が増大したと思うと、次の瞬間にはもう射精してしまっていた。
 触手に固められた中でイッてしまったために、絶頂時の動きすら快感を生じてしまい、精液を出しながらも性感を高められてしまう。触手の群れにザーメンを吸収され、ようやく解放された時にも、まだ俺は萎えていなかった。

「まだまだ、こんなものでは終わらせませんよ。今まで放っておかれた分、しっかり埋め合わせをしてもらいますからね」

 別に放っておいたわけではないのだが、そんなことを言ってもこの女王様は聞かないだろう。彼女の気の済むまで好きな様にやらせる他、無いようだった。
 触手凌辱に耐えてまだ勃起し続けている俺のものを見て、にっこり微笑んだフランツィスカは王座から降りてくる。粘体と触手で自らの身体を支える彼女に、かつて城の隅で辛そうに生きていた時の面影は全く無い。
 ゼリー状の物質と半ば一体化した両脚を大きく開き、毛のほとんど生えていない股間を俺の肉棒に触れさせる。ひんやりしたゲルの感触と、その奥から漏れてくる愛液の熱さが対照的で、なんだかひどく興奮させられる。
 相変わらず捕らわれたままの俺に、フランツィスカがのしかかってきた。足を折り曲げて、丁度騎乗位と同じような体勢だが、しかし彼女の体を支えるのは両脚ではなく無数の触手。
 宙に浮いて、彼女は俺を押し倒す。無毛なせいで一見幼く未成熟に見える女陰が男性器を咥えこんでいく。子どもっぽいそれがどんなに激しく、かつ淫らに俺を貪るものか、何度となく味わったことがある。
 多めの愛液と、ローパー特有の体表から分泌される粘液とで、フランツィスカの膣は他の嫁たちと比べても段違いに滑りがいい。締まりの強さはそれほどでもないが、流れ続けるゲルに性器を晒され続け、その上からおまんこで搾られるとなると、きつい膣で激しく扱かれるのとはまた違った快感があり、気づかないうちに昇天させられてしまう。
 しかし、手足を縛られて抵抗も許されないままアヘらされ、いかんいかんと思いながらも射精させられてしまうのは、正直辛い。男として重要な何かが失われていくような気分になるのだ。
 しかしそんなことを言っても女王様は聞いてくれないだろう。結局また俺は大事な嫁さんの前でひどい醜態を晒すことになるのだ。
 まあ、「醜態」とは言っても、フランツィスカは無様な俺を見るのがあまり嫌ではないらしい(でなければこんなSMまがいな拘束プレイはしないだろう)から、そういう意味では安心なのだが。
 そんな風なことを考えていても気を紛らわすことは出来ない。本格的にフランツィスカが腰を動かし始めたからだ。
 俺の両脇下に手をついて腰を持ち上げ、触手を足がわりに使った変則騎乗位。ピストン運動で上下に動く幅が大きく、必然的に生み出される快感も大きくなり、しかもそんな激しい快感で歪む俺の顔を間近でじっくり観察されてしまう体位。羞恥のあまり顔を背けようとしても、フランツィスカの背後から伸び出てきた触手に両頬を捉えられ、強制的に彼女の顔を見つめさせられてしまう。

「さあ、あなたの恥ずかしそうな顔、もっと見せて下さいね……眼を閉じちゃ、ダメですよ。ちゃんと私の方を見て」

 言いながら、クイーンローパーは本格的な騎乗位搾精に移る。溢れ出した粘液がごぷごぷいって、音を聞くだけでももう堪らない。顔をもっと近づけて、フランツィスカが囁いた。

「いいお顔ですね。恥ずかしそうで、辛そうで……あなたのこんな顔は、他の誰も見られないんですね。
 あなたの全てを独り占めすることは出来ませんけど……この顔は、私だけものです。ぐしゃぐしゃで、情けなくって、泣きそうな顔……他の人にそんな顔を見せたら、ダメですよ」

 魔物たちが一夫多妻制やハーレムに悪感情を抱くことは、一部の例外を除いて無いとされている。しかしそんな彼女たちにも独占欲というものはありうるのだと、俺は改めて知らされた。
 どこか冷酷なフランツィスカの表情に恐怖を抱くと同時に、じわじわとせり上がってくる粘液質な快感にも追い詰められ、俺は混乱の極みにあった。

「いいんですよ。出しちゃって下さい。女の人に組み伏せられて犯されて、情けない顔したままイッちゃって下さい」

 異様に嬉しそうなフランツィスカの声。その美しい響きに誘われるがまま、俺は絶頂した。
 普段の、自分で意志して中出しするような射精とは全く異なる、まさしく「搾られた」という表現がぴったりくる射精。魂まで溶かすような甘く穏やかな快楽の中、俺は女王の望むだけ精液を出した。

「ふふふ……本当に、いい顔。もっともっと、見たいですね……」

 まだイき終わってもいないのに、フランツィスカは腰を使い始める。甘やかな粘液は俺の忍耐力まで侵食し、蕩けさせていく。膣の奥から漏れ出てきた精液がローパーの粘液の中へ広がって、なんだかやけに卑猥だ。
 まるで垂れ流されるザーメンを惜しむかのように、フランツィスカはまあ腰を上下させ始める。身体の中に魔物の糧をたっぷり注がれて、自制心を完全に失ってしまったのだろうか。

「……はあ、はあ、あ、ああ気持ちいいっ……! もっと私の顔を見て、私だけを……!」

 触手による手足の拘束を更に強め、欲に狂った女王が激しく悶える。クイーンローパーの触手はロープなどとは違い、ぷよぷよした柔らかいものであるため、しっかり縛られていても痛みは無い。が、精神というものは肉体の影響から逃れられないものなのか、一旦身体を支配されると精神の自由まで奪われてしまったかのような感覚に陥り、美しい女王様に弄ばれ凌辱されることへの嫌悪感がどんどん薄れていく。愛しい女に誇りを蹂躙される、名状しがたい快感に耐えていると、頭上のフランツィスカが笑った。

「ふふふ、くふふふっ! 可愛い、可愛いですよ。苦しそうで、恥ずかしくて、でもそれが嫌じゃないんでしょう? いいんですよそれで。あなたをそういうふうにしたのは私なのだから。そうなったあなたを満足させてあげられるのも、私なのだから」

 一回射精したばかりなのに、女王様に跨られて犯されて嘲笑われてしているとまた我慢ができなくなってくる。たまらず床の絨毯を右手で掴むが、それを見落とすフランツィスカではない。

「また出そうですか? いいですよ、私の子宮に、いっぱい中出ししなさいね。あなたの子供を妊娠するまで、今日は離してあげませんから……」

 さらっと恐ろしいことを言って彼女はラストスパートに入る。粘液が周囲に飛び散るくらい激しく腰を打ち付け、二人の体液でどろどろになった俺のものを貪り搾る。ローションの流れと柔らかい膣肉に責められて、俺はまたしてもフランツィスカに屈服した。

「……ダメだ、もう、出る……!」
「……あ、いい、ですよ、だして……! 中出しで、イかせなさい……」

 許可を得てしまったことで忍耐力が急速に落ちる。出してもいいと言われた俺にはこれ以上射精を我慢する理由が無く、余りにあっさりと彼女の子宮に射精してしまった。

「いくっ……!」
「い、いひぃ……らめ、きもちい……わたしも、いっちゃ……!」

 絶頂の瞬間、突然きゅっと強く締まったフランツィスカの膣に、俺はまたたっぷりと種付けさせられてしまう。
 首を反らし、喉を晒すような体勢で恍惚に耽っている彼女の姿は、淫らでありながらもある種の気品を感じさせた。

 さて、二連続の射精をして、もうそろそろ勘弁してもらえるかと思っていたが、フランツィスカは拘束を解かないし、俺の男性器も膣に入れたまま離してくれない。どころか、また俺を見下ろしながらとんでもないことを言った。

「まだまだ。まだまだですよ。さっき言ったじゃないですか。今日は妊娠するまでエッチするって。一回や二回じゃ、孕んだかどうかわかりませんよ。
 まあ、妊娠してもエッチはするんですけどね。ボテ腹になっても、愛してくださいね……」

 俺に拒否権などあろうはずもない。再び腰を振り出した女王様に、犯され続けるしか無いのだ。

 そうやってしばらく交わり続けた後。不意に玉座の間の扉が開き、ドヤドヤと大きな足音が響いた。

「あー、こんなところにいた!」
「フランツィスカ様。お楽しみのところ申し訳ないのですが、その御方を少しお貸し頂けません?」

 入ってきたのはミミルとサーシャさん。同じハーレムの仲間を見て、仕方なくフランツィスカは俺の上から退いた。

「わかりました。では、また後ほど」

 立ち上がり、呼ばれた方へ歩き出した俺の袖を女王が引く。歩みを止め振り返りかけたと同時、耳元に囁く声が。

「また、いじめられたくなったら言ってくださいね……縛って、おかして、ぐちゃぐちゃにして差し上げますから……」

 情欲の熱と嫉妬の冷気の入りまじった、底知れぬ何かを湛えた声。女王の囁きが楔となって俺の魂に打ち込まれたような、そんな感覚は、果たして錯覚だっただろうか。
 とにかく、これからはできるだけフランツィスカを怒らせないようにしよう。男としての誇りのために。部屋を出ながら、俺はそう考えた。
12/03/14 13:31更新 / ナシ・アジフ

■作者メッセージ
気づけばレスカティエシリーズも、随分続いてしまいました。
シメはどんな感じにしましょうかね。

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