連載小説
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撮影禁止
〜カメラなどの持ちこみは禁止です〜

最近調子悪いなー、タイミング逃してばっかりで良いシャッターチャンスに恵まれない。スランプなのかなぁ。それとも、ただの不運かなあ。う〜ん・・得意の念写もいまいちだし。

「はぁ・・・、こないだ写したのもピンボケしてる・・」

これじゃあ、誰が誰だかわかんないじゃないの。うーん・・ちょっと試しに家の前を念写してみますか・・。

・・・・・そこっ!!

-カシャッ・・・・ウィーン♪-

「どれどれ〜、って・・何これ?」

写ってるのはどう見ても私の部屋と私だ。しかも、私が念写しようと唸ってた時だし。

「おっかしいなー?なんで外じゃなくて内側が視えてるのかしら?」

内側・・・内側・・・・これはもしかして!もし私の予想通りだったら・・。

「ううーーーーん!写れ写れぇぇぇーー・・・!」

-カシャッ・・・ウィーン♪-

「ふぅ〜・・・今度はどうかなー?・・・って!やったぁぁ♪やっぱり予想通りに写ってる♥」

金玉の女将さんの着替え中がばっちり♪しかも、白なのね♪よぉ〜〜し、もう一回・・・。

「うーーーーん!・・・写れ!!」

-カシャッ・・・・ウィーン♪-

「ふふーん♪・・って、あら?こっちを視て・・る?・・うわちゃちゃちゃ・・・!写真が・・写真が燃えてる!」

嗚呼・・・折角撮った女将さんの生着替え写真が・・・。

-プルルルルルルルル・・・・・-

あれ?携帯鳴ってる。誰かしら?

「はーい、葵でーす」

「葵ちゃん♪覗き視はいけませんよ♪」

「・・・な、なんのことですかー・・私にはさっぱりー」

「とぼけなくていいわよ〜。・・・・・一時間後に銭湯に来なさい!い い わ ね ?

「ヒィッ!?」

-ツー・・・ツー・・・ツー・・・-

こ、・・・殺される・・・。いえ、・・殺されはしないだろうけど・・女将さんのあの強烈な御仕置きが・・・。ど、どうしよう・・・。ここは黙って逃亡するしか!

-プルルルルルル・・・・-

「・・・ひぃっ!?・・・は・・はい、葵です・・」

「逃げちゃダメよ♥」

-ツー・・・ツー・・・ツー・・-

しっかりばれてーら・・・。御仕置き覚悟で逝きますかぁ・・・。ああ、さようなら・・私の性旬。じゃなかったわ、さらば青春。御風呂の用意が地獄の片道切符に感じてきたわ・・・。こんな事になるんだったら念写なんてするんじゃなかった。今更後悔しても遅いけど・・。

「はぁ・・・用意完了です・・、逝きますかぁ」

誰でもいいから私を助けてくださぁい・・・、何でもしますからぁ・・。



「・・・とうとう来てしまいました・・、そう、この暖簾を潜ると・・」


「いらっしゃ〜い、  葵ちゃん♪

や、やだ。顔が引き攣るのがわかっちゃう。あの笑顔の裏にはどんな悪魔が潜んでるのか・・。

「どうしたの、葵ちゃん?怖い顔になってるじゃないの?」

「き、気のせいですよー」

女将さんの笑顔が怖い・・、そうだわ。今なら周りにお客さんも居ることだし流れに乗って入ってしまえば!

「後で御自慢のカメラを渡しなさいね♪」

「ヒッ!?」

羽の裏にいつも携帯してるカメラに気付いてる・・・。でも・・なんとか無事に入れたよぉ。とりあえず後ろを確認と・・、良かった・・・他のお客さん相手に談笑してるみたい。このまま出れる事を祈りましょう。

「・・・ぁ」

壁に貼られてる紙に

『盗撮は犯罪ですからね♪御仕置きしちゃいますよ?』

って女将さんの字で書かれてる。

・・見なかった事にしましょう。後が怖いけど、今は銭湯をゆっくりと楽しんで・・・なんか最後の晩餐みたいでヤだあああああああああ!


-カララララララ・・・・-

「久しぶりに来たけど、今日も賑わってますねぇ〜」

あら?私達の天敵とも言えるヴァルキリーがどうして此処に?オーガの方と肩を組ながらサウナに入ってしまった・・。私の知らない間に何があったのかしらねー?でもこれはもしかしてシャッターチャンス到来かしら!?ふふふ・・・、これはいいネタになりそうな予感ですよ〜。よぉ〜〜し、脱衣所に置いてあるカメラに・・・

「う〜〜〜〜ん・・・!!」

-カシャッ・・・ウィーン-

ふふん♪デキル私は触れなくても念写が出来るのですよ。私は一切カメラに触れてませんから何も問題無いですね♪私が撮った証拠が残りませんし♪さぁ〜て、ゆっくり御風呂に浸かりながら撮影開始ですよー。くふふふふ・・・♪

あ〜♪最高の気分ですよー。エステバスで羽の中まで泡を通す感覚がいいわ〜。聞こえます聞こえます〜♥ネタをじゃんじゃん写してる私の相棒の活躍する音が♪今日は御褒美に細部までメンテナンスしてあげますからね〜。

「んふふ〜♪」

「オヌシ、何がそんなに嬉しいのじゃ?」

おや、誰かと思えばバフォメットのホノリさんじゃないですか。でも、御免なさいねー、フラットの時代は過ぎちゃったのですよー。今の時代はB〜Cの発展途上おっぱいが流行なのですよ。

「なんだか貶められたような気がするのじゃが気のせいかの?」

「気のせいじゃないですかー?」

嗚呼、大量大量♪これで今月のトップは私に決まりですね♥御風呂から上がったら早速整理して編集にかけないと。


-カララララララ・・・・-

「はぁ〜・・最高の湯でした〜♪」

「あ〜ら、葵ちゃん早かったのね。もうちょっとゆっくり浸かってても良かったのですよ〜?500年ぐらいね♪」

「へ・・・?」

女将さんの手に握られてるのは・・・私がさっきまで念写で撮りまくった写真・・。何故ばれたし!?

「どうしてばれたのか知りたそうな顔してるわねー。答えは簡単よ。脱衣所の籠の中からカシャカシャと音が鳴ってたら誰でも不審に思うわ」

・・・・ぁ、シャッター音の事をすっかり忘れてました。

「さぁ〜〜て、盗撮するような悪い子には御仕置きが必要ですね♪」

「ま、待って!私は何もしてないしカメラにも触れて無いわ!だから私が盗撮した証拠は無いの!さっきまで湯船に浸かっていたんだから!」

よ、良し!これで完全犯罪が決まったわね!ちょっとだけゾクゾクしちゃう♪

「証拠・・・ねぇ。こんな感じかしらね」

-カシャッ・・・・ウィーン♪-

へ?私は何もしてないわよ?なんでカメラが勝手に・・。

「それじゃあ・・もう一枚撮りましょうね♪」

-カシャッ・・・・ウィーン♪-

「あら〜、いい感じに撮れたわ〜♥葵ちゃんの素っ裸♪」

ヤ、ヤダ!お願いだからヤメテ!どうして女将さんが・・。

「葵ちゃん、念写出来るのは貴女だけじゃないのよ〜」

ヤメテヤメテーー!それ以上撮らないでぇー!?

「まずは、この盗撮された写真は燃やしちゃって・・と」

ひにゃああああああ!私の傑作品がああああ!!

「次に〜・・この葵ちゃんの素っ裸の写真を〜・・・エイッ♪」

消えた・・?どこに消えたの、私の写真!?あんなのが外に漏れたら生きていけない!返して・・お願いだから返してくださぃっ!!

「そろそろかしらね〜〜?それじゃ頑張ってね、葵ちゃん♪」

「・・・え?」

-プルルルルル・・・・-

「は・・はい、葵ですが」

『ぁー・・葵君。なかなか良い作品を送ってくれたようで感心感心・・・』

「そ・・その声は編集長・・」

ま、まさかさっき消えた写真は・・編集長の下に飛ばしちゃったの!?

『キミにはもう少し指導が必要と判断した。明日から私の専属パートナーになってもらう』

「はっ!はぃぃぃー!」

ううっ・・、明日から編集長の専属パートナーだなんて・・専属パートナー・・。確か編集長って独身のはず・・・。これってひょっとして・・





            『玉の腰のチャンスなの!?』

15/02/14 19:08更新 / ぷいぷい
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■作者メッセージ
今回のテーマは『カラステング』『盗撮行為』『御仕置き?』でした。御仕置きと称しながら編集長と結びつける番台の女将さんって女神だわぁ・・・。

盗撮ダメ!絶対ダメ!皆も守ろうな!!

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