連載小説
[TOP][目次]
みらい 前編

「へえぇ、人化術上手いんだね、よく化けたものねぇ。
……でもそんな格好でこの中央教会に何を探りに来たのかしら?
加筆修正される前の聖書元本…はたまた非人道的な研究の資料…
それとも中央教会にいるいい男の情報…みたいな?」
「えっと…私達は別に………」
「……よく分かったわね、私たちが魔物だって。」
「ちょっとヴィオラちゃん!?」
「ノワちゃん、もう正体を隠しても無駄みたい。」
「そ、素直で結構。」


寝癖全開の奇妙な女性は相変わらずやる気なさそうな体勢で、
上階から私達を見下すように話しかけてくる。
私たちが魔物だと分かってもかなりの余裕があるみたい。
彼女もまた相当自分の力に自信があるんでしょうね。

むしろ、私たちが魔物だと知って慌てたのが対峙している教団の奴らと、
一応味方してくれてる四人の司祭さんたちだ。


「ま…まさか……同志だと思っていた方々が魔物だったなんて…」
「信じられん!邪悪な気配が一切感じられん!」

まあ邪悪な気配はできる限り抑えてるからね。

「インテグラ様!本当にこやつらは魔物で……」
「信じられないなら、本人の身体に直接聞いてみればいいじゃない。」
「なーるほど、それもそうですなぁ。くふふ……」
「あんたはどさくさにまぎれて何言ってんのよ…」
「衛兵!この二人を拘束せよ!」
『はっ!』
「結局そうなるんだ。」
「いいんじゃない、変に搦め手使われるよりも対応楽だし。
じゃ、ばれちゃったことだしもう変装する必要ないわね。」

私とノワちゃんは変装のために着ていた修道服を脱ぎ捨てて………


バサッ バサッ


「この世に闇がある限り、光も消えぬというのなら。
残った光も私がすべて、淫堕の光に変えて見せよう。
秀麗なる魔界のプリンセス!ヴィオラート参上!」
「夕日が沈み、月が空を支配する時、それ即ち私の世界。
紅に染まる美しい夢をあなたに。でも大蒜だけは勘弁してね。
気高き吸血鬼、ノワール・カース・ヴィケット参上♪」

ジャジャーン♪ ←(ユング君が空気を読んで効果音提供)


「そして即座に魔法障壁展開!」
「え、なんで?」


ブバアァァァァァッッ!!!!


「またかよっ!!」

私たちが変装を解いたことで、緊張に満ちた場の空気が一気にピンク色に変わる。

ユング君が突っ込んだ通り、今にも攻撃してきそうだった衛兵たちは
全員一斉に大量の鼻血を吹きだした。ええそれはもう
致死量いったんじゃないかと思うぐらいにね……
ふふふ…私ったら本当に罪な魔物よね♪

おまけに味方だった四人の司祭さんたちも、
その場でローブの上からでも分かるくらいアソコをギンギンにして、
鼻血を垂れ流しながら意識だけフリーズしてるみたい。


「あらあら、私達を捕まえるんじゃなかったんですかぁ?」
「ム・リ・よね♪こんな可愛い女の子に乱暴するなんて♪
まあ別の意味で乱暴したくなる気持ちは分かるけどね。」

「おぉ…おおぉおぉ……なんといううつくしさ……」
「うおっ!しゃぶりつきてぇ…」
「おっぱい、おおきいおっぱい…」


ユング君以外の男性は全員無力化&発情。
本能に従って私のとこまで這い寄ろうとする人もいれば、
我慢できずにその場でズボンとパンツを脱いで自慰行為を始める人もいる。
なかなかの地獄絵図ねこれは……
女の子が発情してこうなるならかなり燃える展開なんだけど、
八割方おっさんしかいないこの場では

「……キモイ。」

と一人正気のユング君が呟いたとさ。
うん、さすがにここまでになるとは私も思っていなかったわ。
恐るべし!私の美貌!


邪魔な人たちは無力化したわ。次は二階から高見の見物を決め込んでる
彼女―たしかインテグラって呼ばれてたわね―に目を向ける。


「はぁ…はぁ…まさに魔性の美女………小生しんぼうたまらん…」
「あっちはあっちで危険なことになってる!?」
「こんな女性ばっかりか…」


彼女もまた鼻血をだらだらと垂らし、下の階に水溜りならぬ血溜りをつくってる。
もはや図書館の床は大処刑でもあったんじゃないかっていうくらいの惨状だった。
ユング君が呆れるのも分かる気がするわ。

 
 
 
 

…どうしよう、このままだと話が進まないんだけど。








――――数分待機――――
 
 
 


「えっと、そろそろいいかしら小生さん。」
「ああ…これはすまない。小生としたことがうっかり取り乱してしまったようだ。」
「正気に戻ったついでに髪の毛も整えたら?みっともないわよ?」
「いやよめんどくさい。」


そんなこんなで、私たち三人はインテグラがいるフロアに移動して、
彼女と直接話し合うことにしたわ。
今はもうちゃんと話が出来る環境が整ってるけど、
この子ったらやたら私の胸を揉もうとしたり尻尾をしゃぶろうとしたし、
果ては夫持ちのノワちゃんにまで手を出そうとする始末………
人間なのに魔物並みかそれ以上の変態の素質があるわの。
何もなければそのまま魔物に変えてあげてもよかったんだけど、
生憎今はそれどころじゃないの。

ちなみに鼻血は紙縒りで鼻栓にして止めてる。
真面目な話をするのに、何とも間抜けた絵面だわね…。


「ま、それはともかく単刀直入に聞くわ。ここの教会の子たちに、
身体の構造変化を施して成長を止めたのは…あなたかしら?」
「魔物がわざわざ何の用かと思えば、そんなことか。」
「そんなことって…あなた、その『そんなこと』のために
ヴィオラちゃんやユング君はとっても苦労してるのに…!」
「落ち着きたまえ。小生は逃げはしない、あなたたちが納得するまでは…ね。
質問に答えよう…半分当たりで半分不正解ってとこかな、
身体性能を固定する方法を私がこの教会の聖術師に伝授し、
あとは聖術師たちの判断で術を行使した……これが正解。」
「どちらにしろやっぱり元凶はあんたか。それならば話が早いよ。
僕はあんたの術の最初の犠牲者さ。そろそろ時間が進まない身体にも飽きてきたんだ。
そろそろ元の成長する身体にもどしてほしいんだ。」
「ほほう…元に戻したいとな。もちろんできるさ、それも比較的簡単に。」
「本当!?できるのね!だったら今すぐにでも……!」
「でも、その前に一つ良いかね。」

ふーっと一呼吸置くインテグラ。
なにか取引条件として無理難題を吹っ掛ける気じゃないでしょうね?

「そんな顔しないで。小生は別に取引を吹っ掛けようとは思ってない。」

心読まれた!?

「貴女は『魔王の娘達』…リリムなのでしょう。」
「…さっきの変装看破と言い種族当てといい、あなたは観察眼が強いわね。」
「変装なんて筋肉の付き方を見れば分かる。」
「き…筋肉の付き方って………、私達肌を全然露出させてなかったのに!?」
「っていうか、魔物の筋肉の付き方って…?」
「それにリリムくらいじゃなきゃ、魅了魔法も使わずに
あそこまで異常に男性を興奮させることは難しい。
仮にもここは聖域(サンクチュアリ)…この場にいるだけで我欲がある程度抑えられる。
それなのに、下の階はあの有様。まったく魔物というのは本当にすごいよ。」
「まあね。」
「そう、リリムと言えば女性を好きな魔物に変えることが出来、
男性ならば交わった瞬間にインキュバスに変えることが出来るらしいけど、
貴女もそれくらい朝飯前よね?」
「ええ、そうね。私はとても優秀なリリムだからね。
こんな聖域のど真ん中でも貴女を魔物化させることくらいは訳ないわ。」
「だったら…なぜあなた自身の手でこの子を元に戻してあげられないのかな?」

「リリムにだって出来ないことはあるの。」
「リリムにだって出来ないことはある……ね。」

「何がおかしいのかしら。身体の構造自体を変えられなくしたら、
いくら私達リリムでもどうしようもできないわ。ま、もっとも
ユング君が二次性徴まで成長してたなら話は別だったんだけど。」
「まだ魔力を有する身体になっていない。だから魔力による干渉が出来ないってわけね。」

それでもユング君は自分を守るために、楽器の奏法による護身術を獲得したの。
でもユング君の身体はまだ魔力がゼロの状態だから…

「私たち魔物がその気になれば何年もかけて術を解く方法、
あるいはユング君の中に魔力を作ることだってできるわ。
だけど私はもうそんなに待てないの…早くユング君と愛し合いたいから……
早くユング君に愛し愛される喜びを知ってほしいから…」
「なるほど、それは素晴らしい。」

そう言ってにっこりと無邪気に微笑むインテグラ。
彼女は視線をユング君の方に向ける。


「少年、君は果報者ね。ここまで想ってくれる者がいるのは素晴らしいことだ。」
「どうだかね。ヴィオラは変態だし時々アホの子だったりするから。」
「うわ〜ん!ユング君に変態って言われた〜!でも好きっ!」
「あはは、ユング君はちょっとひねくれてるけど根はいい子だよ♪」
「男性版ツンデレと言ったとこか。可愛らしいではないか。
素直に慣れない心の奥にも秘められた想いが……いかん、また鼻血が…」
「小生さんも立派な変態だこと。」
「煽てても何も出ないよ………さて、この子を元の身体に戻すんだよね。
早速この場でやっちゃおうか。準備するから少し待っててくれたまえ。」


ふーん、もうこの場で出来ることなのね。
ユング君から聞いた話だと、術をかけられたときには
複数人でそれなりに大掛かりな装置が必要だったらしいけど。
インテグラは、図書館なのにやたら生活臭漂うベッドの敷き板を開けて、
中から何か取り出そうとしているみたい。


「ねえヴィオラちゃん、今気付いたんだけど小生ちゃんの髪の毛
いつの間にか綺麗に整ってるし、服もさっきまで寝間着だったのに、
気付かないうちにちゃんとした服を着てるみたい。」
「うそ……確かに、私全然気がつかなかったわ。ユング君は?」
「いや、僕も全然……ノワールに言われるまで何とも思わなかった。
なんだろう、無意味に不気味なんだけど……」


そう、彼女は本当に得体が知れない。
だけどやっぱりとても気になることがある。

あのエメラルドグリーンに輝く綺麗な長い髪、
すらっとした長身に、寝間着じゃ気がつかなかったけど
私よりも豊かな胸がある。むぅ、どっかで見たような……?


「これでよし。必要な物は整った。」


彼女がこちらを向いた瞬間、私はようやく合点がいったわ。


「エナーシア……」
『え!?』

間違いない、彼女はエナーシアにそっくり、いや瓜二つと言っても過言じゃないわ。
性格や口調はあまり似てないけど、姿かたちはエナーシアそのもの。


「エナーシアを知っているの?」
「ええ、実はね――――」


私はエナーシアとの間に起きた一連の事件を離した。
出会ってすぐに魔物化させ、ユング君をとり合い、今は魔界で調教中だ。

「小生さんはエナーシアとよく似ているわね。双子かしら?」
「そんなんじゃないさ。」
「じゃあ親子とか?貴女見た目以上に長く生きてそうだし。」
「おしい、確かに歳はかなり離れてるけどね。」

あなた一体いくつよ!?

「じゃあなんなのさ、あんだけそっくりなのに
あんたとは血縁関係がないとは到底思えないね。」
「ふっ…簡単なことさ。『アレ』はもう一人の小生……」
「もう一人の…小生ちゃん…?」


意味が分からない。ドッペルゲンガーだとでも言うのかしら?
でも二人とも確実に人間体だし。

「魔界のお薬の中に、人を分身させる効果があるものがあるよね。」
「ええ。」


分身の薬…人型をした錠剤で、飲んだ粒の数だけ身体が増える薬。
主に疑似輪姦を楽しみたい夫婦が使ってるの。
一件別の用途にも使えそうだけど、効果は一時間程度で切れちゃうし、
増えた分だけ魔力を二倍・三倍消費しちゃうから、
インキュバスじゃないとお勧めできないかな?


「小生はあの薬を十数年にわたって分析応用したの。
そして最終的に、小生のコピーが生まれた。それがエナーシアの正体だ。
いわば彼女はクローン。遺伝子情報は完全に一致するはず。」
「へ…へぇ……、その割には細かいところが似てないんだけど。」

完全なコピーだったら、エナーシアだってもっと落ち着いてたかもしれないし、
第一一人称が違う。それに戦闘力だってエナーシアの方が明らかに上だし。

「それはそうだ、彼女には小生と違う人生を歩んでほしかったからね。
彼女も、小生の存在に縛られず自分勝手に生きてたようだし、
それはまるで小生が別の生き方をしたらどうなったかを見ているようで
なかなか興味深いものだよ。」

そこまで一生懸命魔界の薬を悪用して、何が楽しいのかしら…
こんな事態じゃなかったら張り倒してやるところだったわ。


「だけどヴィオラート、貴女には感謝している。」
「感謝?魔物化のことかしら?礼には及ばないわよ。
何しろエナーシアは魔物になった自分をものすごく気に入ってるみたいだし。」
「ははっ、それもあるけどね。実はエナーシアはもう寿命が後僅かだったんだ。」
「え!?そうなの?」
「小生のクローン技術はまだ完璧じゃなかったらしい。
あと三カ月もしたら手足の筋肉が徐々に動かなくなってしまう運命だったんだ。
でも貴女がエナーシアを魔物に変えてくれたおかげで彼女は救われた。
本当にありがとう。偶然とはいえ、感謝しているよ。」
「……………」


あんなに明るくて、悩みがなさそうだったエナーシアが
そんな運命にあったなんて。彼女が魔物化してほしいと言ってきたのは、
もしかしたら…………。



「おっと、また話がそれたようだね。ついつい長話するのは小生の悪い癖だ。
ではこれから、止まっているこの子の時間を再び動かす術を行う。
というわけで今すぐに着ている服を全部脱ぎたまえ。」
「うんわかっt――ってええええぇぇぇぇぇえええぇぇっ!?
どうしてそうなるんだよ!」

突然の脱衣命令に、ユング君が困惑してる。
そりゃそうよね……いきなり真顔で脱げって言われたら驚くのも無理ないわ。

「えーっと小生ちゃん、本当に脱ぐ必要があるの?」
「当然。余計な物を身につけているとその分効率が落ちる。
わかったら男らしくさっさと脱ぎたまえ、さあ。
どうしても脱がないというのなら小生が……はぁはぁ…」
「ちょっと待った!脱がすのは恋人である私の役目よ!
ユング君…恥ずかしいかもしれないけど、あなたの未来がかかってるんだから
ちょっと我慢しててね。ふふふふふふふ…………」
「やっ……!ちょっと、そこは…!……んっ、待って!ふあぁぁっ…」


怪しい手つきで脱がしにかかろうとするインテグラを制して、
私がユング君の服を一枚一枚丁寧に剥いていく。
インテグラのような変態に任せたらユング君の危険が危ないわ。

変装用の聖歌隊衣装をとって、ローブを脱がせて、シャツを脱がせば上半身真っ裸♪
さらに靴下を脱がせてベルトを外し、ズボンを下ろして…そしてパンツ……♪
あっというまにリトルユング君とご対面♪


「あ、かわいい……」
「おぉぅ…」
「ちょっと三人とも!そんなにまじまじと見ないでよ、気持ち悪い!」
「うむ、いいものを見せてもらった。小生はこの光景を一生忘れないだろう。」
「明日には忘れてよお願いだから…」

そんなやり取りをしつつ、ユング君を全裸で低い机の上に横たえる。
その上でインテグラはずっと首にかけていた懐中時計らしき物を
ユング君の胸の中心に置き、身体の周囲に青い液体の入った小さい瓶を配置していく。
今まで数多くの魔法や魔術を見てきた私だけど、こんな術はみたことない。

「術は身体に負担がかかる。しばらく目を閉じていてもらうよ。」
「わかった。」
「それと……君はこれから生まれ変わるんだ。
ヴィオラートに何か言いたいことがあれば今のうちに言っておくといい。」
「そんな大げさな。それとも何、失敗した時の遺言を今のうちに言うの?」
「失敗はしない、それは保証しよう。要するに気分の問題さ。」
「ふーん、そうだね……ヴィオラ。」
「何かしら、ユング君?」
「一通り終わったら、ヴィオラも何か楽器やってみなよ。
少なくとも暇な時には役に立つはずだよ。」
「そうね、考えておくわ。」

私が楽器を使う、考えたこともなかったわね。
ここはリリムらしく優雅にピアノなんかどうかしら?
ヴァイオリンも面白そうね。

「ってちょっと、何か死亡フラグっぽいんだけど!?」
「死亡フラグ?なんだいそれは?」
「このっ……失敗したら承知しないわよ。」
「あのね、失敗=変化なしってことだから、それはそれで安心しなよ。」
「まあそれならある程度安心できるけど。」

「では、君はしばしの眠りを……。目覚めた時には、
改めて君の人生がスタートする。楽しみにしていてほしい。」


インテグラが魔法をかけると、
ユング君はゆっくり目を閉じてそのまま寝息を立て始めた。
 
 
 
 
 
 
 
「……最後にもう一つだけ。」
「あなたね…そう何度も何度も焦らすんじゃないわよ。」
「これは君にとって大切なことだ。」

そう言ってインテグラは、人差し指をぴっと立てる。

「この術が成功した暁には、この子は身体構造固定前の状態に回帰する。」
「そうね、それが目的だもの。」
「だが、それと同時に記憶も全て回帰する。」
「!!」
 
 
 
なん……ですって?記憶まで…?


「当然、彼がここ約十年間培ってきた記憶は無かったことになる。
これがどういう意味か、貴女には言わなくても分かるだろう。」


それは即ち、私との出会いも、対立も、そしてあの森でした和解も…
全部まとめて無かったことになるというもの。


「どうして……それを今ここで言うのかしら?」

私は震える声で、なんとか言葉を絞り出す。

「この子には聞かせたくなかったから。この子に聞かせたら、
まず間違いなく拒否しただろう。いくら嫌な思い出が多いといえど、
今まで必死に生きてきた十年間が全部無駄になるんだ。
そんなの嫌に決まってる。」


そう…ここで全てを元に戻せば、ユング君の十年間は全て無駄になる。
自分なりに頑張って必死に抗ってきた時を全否定されるのね。

「でも……今なら貴女はまだ後戻り出来る位置にいる。
ここで術を中止すれば、この子には失敗したとでも言って、
改めて別の方法を探すこともできる。
もしかしたら、君たち魔物の優秀な技術をもってすれば
記憶や習得技術をそのままに、再び人間としての生を取り戻せるかもしれない。
しかし別の道を探そうにも、確実な方法がなければ結局苦しみが長く続くだけだ。
君自身も、長い年月間精の供給なしで生きるのも辛いだろう。」


ここまで来て…私は……


「さあ、最後の決断だ。」
 
 
 
 
そう…私は……


12/02/12 00:12更新 / バーソロミュ
戻る 次へ

■作者メッセージ

ここで読者の皆さま方に切実な質問です。

ヴィオラートは今まさに人生を左右する重大な決断を迫られています。
どちらにも良い面、悪い面があり、簡単には決められないでしょう。
そこで、ヴィオラートははたしてどちらの『みらい』を目指すべきでしょう?


1.今すぐに術を解除し、ユング君を早く呪いから解放する
2.思い出を残すためにも、別の方法を模索する


感想欄でアンケートを受け付けます。
理由の付記は問いませんが、それほど感想が見込めるSSではないので、
意見が少なかった場合にははっきりした理由がある方を採用したいと思います。
読者様方の意見によってこの先の展開が大きく変わります。


まあ、本来であれば先の展開を読者にゆだねる手法は
このようなSSでは悪手であることは否めません。
物語はどのような稚拙な内容であれ作家自身が最後まで責任を持つべきであり、
その責任を読者に丸投げしてはいけないのです。

ですが、それでも私は読者が他の意見を聞いてみたいと存じます。
読者様の選ぶ『みらい』は私が責任を持って仕上げます。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33