連載小説
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宵闇の札
俺は金田飛鳥。今日会社を首になった。理由は人間関係がこじれにこじれた結果だ。まあ仕返しに不正を全部労基に垂れ込んだからあの会社も長くは持たないだろう。そんなことがあった日の翌朝、久々に散歩でも行こうと家を出てしばらく歩くと空き店舗だったと思われるところ、というのも自信がないからだが…とにかく空き店舗だったと思われるところにカードショップが出来ていた。子供の時にやった以来だな…と懐かしい気持ちになったので入ってみることにした。

店に入ると店員らしき女性が『いらっしゃいませ』と迎えてくれた。ショーケースのカードをみるがそこにあるのは女性キャラばかり、美女や美少女揃いだがどいつもこいつも格好が際どくレーティングは大丈夫なのか?と思う。そうしていると彼女は『何かお買いになりますか?』と聞いてきた。俺は「おすすめはあるか?」と聞くと彼女は一つのカードパックを持ってきた。そこには『魔界に潜むもの』と書かれた所謂モンスター娘たちがたくさん描かれたイラストとなっている。それを買うことにし値段を聞くと税込150円と普通のカードゲームと比較してもかなりリーズナブルだなと思った。

それから説明もかねて彼女に聴きながら開封する。最初のカードはこのカードゲームの世界観の説明だった。それを読んだ俺は「こんな存在がいたら社会は良くなるのかね…」と思う。二枚目は小型のビンにはいった紫色の薬らしきものだった。アイテム的なものかもしれないと三枚目をめくると、黒と紫が混ざった背景に金髪で紫色の眼をした魔女らしき女のイラストが描かれたカードがあった。彼女も際どい格好をしているなと思うと店員は『Sレアね、真ん中のレアリティよ』とレアリティの説明をしてくれた。四枚目のカードは店員曰く召喚のためのカードらしい。イラストが描かれたカードの上にのせると召喚されるとのことらしい。本当なら良いなと思いつつ最後のカードはほかのパックの宣伝的なものが描かれていた。

説明を受け終えて俺は帰宅する、本当に出てきたなら良いなと思いながら。

帰宅した俺は自分の部屋で魔女のカードを眺める、みただけでわかる出るところは出ていて引っ込むところは引っ込んでいる。そして目の錯覚かたまに表情が変わっているようにも見えた。

これは本当に召喚が出来るかもしれないと何故か自信がわいてきて彼女のカードを床に置く、そしてこの上に召喚のカードを乗せる。するとカードから目映い光が迸り目を開けていられなくなる…!!

光が収まったあと俺は愕然とすることになる。

つづく
23/03/19 01:57更新 / サボテン
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どうも、サボテンです。

次回に続きます

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