読切小説
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覆い隠される眼差し
 気怠さとともに、一つの重い瞼が上がる。その者の視界には白い天井が映っていた。ゆっくりと身体に力を入れて、それは上半身を起こす。



 それは人の形をした人外。

 まだ幼い少女のような身体で可愛らしい小ぶりな胸。

 透き通る程の白い肌で胸や秘所は丸見え。

 手足はメタリックな輝きを放つ銀色の膜で覆われている。

 少しウェーブのかかった黒髪は肩を隠す程の長さ。

 そして、人の目よりも明らかに大きい“一つの赤い目”



 白い大きな部屋で、少女が座っている場所はキングサイズとも言える白いベッド。二人以上寝ても問題ないくらいの大きさである。

 単眼の少女は右側の手元へと視線を向ける。そこには白いシャツと下着を履いた15歳程度の少年が眠っていた。こちらも幼い顔立ちで、白肌に綺麗な薄緑の短髪である。

 少年の姿をしばらく眺めた後、今度は反対の左側へ目を向ける。そこには20歳くらいの女性が寝ていた。少女や少年と違い、かなり大きい身長で白いネグリジェを着ている。また、少年と同じ薄緑の髪で、腰に届くぐらいの長さがあった。

「・・・」

 少女は寝ている彼女の胸を見て、自身の胸を2,3回揉んでみる。どうやらその女性の胸の大きさが羨ましいようだ。

「・・・ん・・・」
「!」

 寝ている女性から短い声が響き、それを聞いた少女が慌てて、両手を後ろに隠す。しばらくして、眠っていた女性が目を覚まし、少女に青い瞳を向けて呟いた。

「おはようございます、マイナ様」
「お、おはよう・・・セリア・・・」

 気まずそうに答える少女の仕草に、セリアと呼ばれた女性が微笑む。彼女はゆっくりと身を起こし、ベッドから立ち上がった。

「朝食のご準備をしますのでお待ちください」
「う、うん・・・」

 少女の返事を聞き、女性は近くのテーブルに置いてある呼び鈴を鳴らす。その音の響きで、部屋のドアから侍女服の少女が一人入って来た。入室してきた彼女が指示を伝えられている中、単眼の少女の隣で寝ていた少年も目を覚ます。

「あっ・・・ユー・・・」
「う・・・・・・あっ!・・・マイナ様、おはようございます」

 ユーと呼ばれた少年は慌てるように飛び起き、正座するような姿勢で挨拶した。その行動が面白かったのか、単眼の少女は少し笑う。

「んふ♪ おはよう、ユー」










 食堂の白いテーブルクロスが掛けてある長テーブル。その一番先端に、単眼の少女と、その右側に少年、左側に長髪の女性が椅子に座っていた。



 単眼の少女は、衣服の類は纏わず、手足と同じ銀色の膜が申し訳程度に、胸の乳首と股の秘所を隠している。


 少年は少し金の刺繍が付いた見栄えのいい白服を着ていた。白いブーツも履いているが、下が短パンなためにふとももが丸見えである。


 女性の方は青色と十字の黄色で刺繍された白い神官服を纏っていた。頭にも金色の十字が付いた少し小さい神官帽子を被っている。



 彼女らは侍女達が用意した朝食を食べていた。

「もうお皿を下げてもいいです」
「はい」

 単眼の少女がフォークとナイフを皿に並べて置き、傍に居た侍女に下げるようお願いした。左右の二人も少し遅れてから、近くの侍女に食後の後片付けを指示する。

「・・・」
「ふぅ・・・あっ・・・」
「ユー・・・」
「マイナ様・・・」
「その・・・いただいてもいい?」

 少女の恥ずかしそうな素振りに、少年は顔を赤くして両手で股を押さえた。彼の対面で座る女性は少年の様子を見て少し怒った顔をする。

「ユー・・・いつもの日課ですよ?」
「でも、姉さま・・・」
「マイナ様のためです。さぁ、ご用意を・・・」
「は、はい・・・」

 少年は渋りながら単眼の少女へ身体を向けて、履いているズボンを下にずらした。下着ごとずらされたため、少年の陰部が晒されてしまう。それはすでにそそり立っていて、大人並の大きさまで膨張していた。

 それを見た単眼の少女は、立ち上がって彼の元へと近付く。彼女は少年の足元で前に屈み込み、そそり立つ一物を手に取った。

「っ・・・」

 少年の一瞬呻いた声を気にせず、少女は躊躇なくそれを口にくわえる。彼女の口内で動き回る小さな舌が少年のものに刺激を与えた。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

 耐えきれない快感らしく、少年の口から荒い息が漏れる。対する少女は舌を動かし、頭をゆっくりと前後に動かし始めた。

「うぅ・・・」

 まだ成熟していない二人の淫らな行為。その異常とも言える光景に、周りに居た侍女達や神官服の女性は何も言わずに見ている。少し顔を赤らめてはいるが、まるでいつもの日常として見守っているようだ。

「はぁ・・・うっ! で、出る!」
「んぷっ!?」

 数分間続いていた口淫で、少年が絶頂に達し、少女の口に精が放たれる。彼女は次々と出されるそれをゴクゴクと飲み干していった。コップ一杯分以上あるその量を飲み下し、両手で零れ落ちる精を受ける。

「ん・・・んくっ、ふぅ・・・」

 少女は放ち終わった一物から口を離して、残った精をゴクンと飲み込んだ。続けて両手で受けた精の残りも舐め取っていく。綺麗に舐め終えた後、彼女は少年に一言伝えた。

「ごちそうさま♪」
「お、美味しかったですか?」
「はい♪」

 二人の一部始終を見ていた神官服の女性が両手で二回叩くと、侍女の一人がおしぼりを持って、単眼の少女に近付いて行く。

「どうぞ、お使いください」
「あ、ありがとう・・・」










「マイナ様、本日はどうなさいますか?」
「え〜と・・・セリア、あの孤児院に行っていい?」
「構いませんよ。ユー、正装しなさい」
「はい、姉さま」

 指示された少年はある一室で着替え始める。手足を守る銀色の装甲と、十字の模様がある同じ銀色の胸当て。そして、両肩に付ける短い赤マントを纏い、青い宝玉が付いた剣を腰に差す。その見た目は位の高い騎士の恰好である。



 少年の名は“ユーヴィリット・レイガード”


 元はある領地で勇者候補として教育を受けていた騎士見習い。神の加護を持つ者であり、現在は聖騎士の称号を得ている。愛称は“ユー”



「お待たせしました!」
「ユー、遅いよ〜」
「こ、これでも急いだ方だよ!」
「ふふふ♪・・・マイナ様、誠実な男の子は身嗜みに時間が掛かるのですよ」
「ね、姉さま・・・」

 膨れっ面の単眼の少女が少年騎士を睨む。そんな視線から、神官服の女性が遅れて来た彼を庇った。



 この女性の名は“グラセリア・レイガード”


 彼女もこの領地で暮らす大神官。ユーヴィリットとは“姉弟”関係であり、同じく神の加護を授かり、数少ない浄化能力の持ち主だ。領地内の修道女たちとも仲が良く、平民達の間でも評判がいい。“セリア”は弟であるユーから呼ばれていた愛称である。



「さぁ、二人とも行きましょうか」
「うん!」
「はい!」

 神官の女性が先頭で歩き始める。彼女の後を追うように二人も付いて行った。少年騎士は自身の足で歩いているが、単眼の少女は床に足を付けずに移動している。

 いつの間にか、彼女の後ろ腰の辺りから毛のような黒いモヤが出現。垂れ下がるそれが地面に付かない程の高さで身体を浮遊させている。そして、その黒いモヤから先端に目玉の付いた黒い触手が10本生えていた。黄色く光る目玉の中心の赤い瞳が移動する先を見つめている。



 彼女の名は“マイナ”


 魔物の一種で“ゲイザー”と言われる大きな一つ目が特徴的な種族だ。その目から放たれる視線は強い魔力が籠められているため、見つめられた相手を操ると言い伝えられている。



「城下町の孤児院へ行ってきます。領主様にそうお伝えを・・・」
「かしこまりました」

 神官の女性が一人の女騎士に伝言を言い渡し、彼女が開けた扉の向こうへと足を進めた。彼女らが今まで居た場所。そこは“クィーンベリー領”にある教団が管理する居城。現在、ある領主が管理を行い、騎士団や聖職者なども住んでいる。





「これはマイナ様に、大神官様まで・・・本日はお越しくださいましてありがとうございます」
「こんにちは♪」
「“神子さま”のお願いで参りました。お元気そうですね、シスターミレーヌ」

 教会もある大きな孤児院。その玄関を入った場所で30歳くらいの修道女が3人を出迎えた。彼女の他にも5人の子ども達が単眼の少女へと集まってくる。

「マイナ! 久し振り!」
「元気にしてた?」
「・・・ミコさま」
「いじめられてない?」
「相変わらず、すっぱだ・・・げふっ!?」

 一人だけ彼女の胸に触ろうとして、左右から女子の鉄拳を食らうガキ大将。そんな彼らに会えて嬉しいのか、マイナの瞳から少し涙が零れ落ちた。

「みんな・・・ただいま」

 マイナが子ども達と遊んでいる間、セリアは修道女と話をしていた。

「最近、お変わりになったことはございませんか?」
「そうですね・・・少しずつですが、畑で栽培しているもので見慣れぬ植物を見かけるようになりました」
「・・・見せてください」
「こちらになります」

 修道女が懐からあるものを取り出す。それはハート型の果実のようなものだった。それを見た神官の女性が目を丸くして手に取る。

「虜の果実・・・」
「ええ、食せば魔物化すると言われるものです」
「そうですか・・・これは・・・・・・・・・非常に喜ばしいことですね♪」

 教団であれば忌避するはずのものに対し、彼女達は嬉しそうな顔をしていた。

「収穫量はどのくらいでしょうか?」
「少量ずつ増えていますので、あと一月も経てば餓える心配が無くなります」
「助かりました。教団からの流通が途絶えたときは焦りましたから・・・」

 約半年前、定期的に来ていた教団所属の王国からの援助が途絶えたのである。しかも流通だけでなく、伝書鳩を通じた連絡なども一切無い状態が続いていた。幸いある中立国家からの流通はあったが、一年も経たない内に食糧難になる危機的な状況であった。

「他の農家の方々にもいくつかお渡ししましたので、そちらの方にも期待が出来るはずです」
「これなら城下町の食糧は安心できそうですね」
「その上、この果実の美味しさも好評ですよ。子ども達も常に欲しがっていますし、私も食べてみてびっくりしました」
「ふふふ♪ そのお顔を拝見したときから、そうではないかと思っていました」

 実は修道女のミレーヌの年齢は60を超えていた。しかし、顔にあった皺がほとんど消え失せ、肌の艶も若干戻り始めている。以前から顔見知りだったセリアから見て、修道女が若返っていることが明白だった。

「鏡を見たとき、私の目が衰え始めたのかと疑いました」
「マイナ様の洗礼を受けているのであれば、それはまず無いと思いますよ」
「それもそうですね・・・よろしければお土産にいくつか差し上げます」
「ありがとう、侍女達が喜びそうですね」





 孤児院の庭で子ども達と遊ぶ単眼の少女。それを見守っていた少年騎士も遊びに誘われる。彼はボール投げをさせられるが、単眼の少女に当てることを躊躇っていた。

「ユー、来ないの?」
「い、いくらなんでも・・・マイナ様にこれをぶつけるなんて・・・」
「じゃあ、こっちからいっちゃうよ♪」
「へ? うわっ!?」

 マイナは複数の触手を使って、3個の布のボールを少年騎士へ投げ付けた。彼は慌てて紙一重で避ける。見かねたガキ大将がユーの持つボールを奪い取った。

「なにやってんだよ!」
「し、しかし・・・あっ、ま、待て!」
「こうするんだよ!・・・あ? へぶっ!」
「あま〜い♪」

 ガキ大将が投げたボールは、マイナの触手であっという間に投げ返されてしまう。しかも彼の顔にボールが直撃し、目を回して倒れてしまう。

「や、や〜たな〜☆ こ〜のや〜ろ〜☆」
「あははは♪」
「ぷくく♪」
「・・・まぬけ」
「マ、マイナ様・・・」

 他の子ども達が笑う中、ユーが倒れたガキ大将に手を貸していた。

「元気一杯ですね」
「少しやり過ぎかもしれませんが・・・まぁ、あの子は普段から我慢強いので大丈夫でしょう」

 セリアは修道女とともに微笑ましいこの光景を眺めていた。不意に彼女が単眼の少女へ目を向ける。楽しそうな表情をするその様子に、彼女はあることを思い返す。










 およそ一年前、この孤児院であった出来事である。



 ある日、大神官であるセリアは領地内の異常な魔力に気付いた。それは彼女も感じたことのある魔物が持つ魔力の反応である。突然の事態だったが、冷静沈着に討伐隊を結成させた。

 彼女は5,6名の精鋭の騎士を連れて、魔物がいると思われる現場に向かう。その中には聖騎士となったばかりの弟であるユーの姿もあった。



 辿り着いた孤児院では、いつも通りに生活する修道女と子ども達の姿があった。しかし、セリアは彼女らになんらかの魔術が施されていることに気付く。得意の魔法で浄化を行い、彼女らが掛かった魔術の解除を行った。

 そこでセリアは、被害を受けた彼女らから驚くべきことを聞かされる。

 数日前、一つ目をした少女が庭でうずくまっているのを修道女のミレーヌが発見する。ぶるぶると震えて怯える彼女の目を見た後、その娘を孤児院へ招き入れたのだと言う。それから子ども達とも仲良くなり、特に問題なく暮らしているらしい。

(たった一人の魔物が・・・どうやって?)

 セリアは疑問に思いながら、その魔物の少女がいる場所へと向かった。



 それは礼拝堂の教壇の前で縮こまって怯えていた。ユーを含めた騎士たちが剣を抜き、セリアが先頭でゆっくりと近付いて行く。3,4歩の所で足を止め、彼女達は異形の少女の姿を観察した。

 聞いた通り、顔に大きな一つ目があり、後ろ腰辺りから目玉付きの触手が複数ある。それ以外は普通の少女の容姿と変わらなかった。その姿に騎士や修道女、子ども達まで嫌悪する言葉を口にする。罵られていることに異形の少女がさらに目を瞑って縮まった。



 そんな怯える少女に対し、セリアは微笑みながら近付いて行く。

「姉さま! 近付いては・・・」

 弟が叫ぶも彼女は躊躇なく単眼の少女を抱き締めた。あまりの出来事に少女も驚いて、一つ目を見開く。

「あっ・・・」
「お待ちしておりました」
「えっ?」

 セリアの意外な行動に、その場にいた皆が驚いた。すぐに魔物の少女から離れろと叫ぶ弟や騎士達。彼女はその声を気にもせず、少女を抱いたまま彼らへ振り向く。

「この御方こそ、我らを導いてくれる神より使わされし神子(ミコ)です」
「ミ・・・コ・・・?」
「なっ・・・ね、姉さま、何を言って・・・」

 姉が宣言したことに、弟のユーは理解できなかった。彼だけでなく、他の騎士や修道女も耳を疑う。

「グラセリア神官・・・あなた、何をおっしゃっているのかご存じで!?」
「大神官さま! それは魔物ですぞ!」
「滅ぼすべき人間の敵を何故・・・」
「もしや、気が触れたのですか!?」

 彼らが口々に疑いを掛けるも、彼女は特に気にもしない状態で単眼の少女の頭を撫で始めた。

「我々は目が曇った状態で進んでいます。それでは幼い命まで奪われるほどに・・・」
「わ、わたしは・・・」
「だからこそ、あなた様のような救いが必要なのです」

 彼女はそう言って、撫でていた手で彼らの方向へ指を差す。

「えっ?」
「さぁ、あの方々の魔物に対する嫌悪を取り除いてくださいませ」
「で、でも・・・」
「構いません。さぁ、その目の力をお使いください」

 突然の申し付けに少女は一瞬戸惑うが、再度促されてしまい、自身の一つ目を赤く光らせた。その怪しい光をまともに見た彼らは虚ろな目で立ち尽くす。先程騒いでいた子ども達もまるで人形のように動かなくなった。

「あら?」
「ぐ、うぅぅ・・・姉さま・・・」

 少年騎士だけ咄嗟に目を塞ぎ、少女の力の影響を受けずに済む。

「ユー、ダメじゃないですか。神子さまの洗礼を拒んではいけません」
「姉さま! いい加減にしてください! 姉さまは騙されているんです!」

 彼は剣の刃を向けて、一歩ずつ歩き出した。それを見た姉は短いため息を吐き、ある呪文を唱える。

「!」

 彼女の詠唱が終わると、少年の周りに黄色く光る紐が出現した。それは彼の身体に巻き付き、手足をきつく縛る。芋虫のように縛られた少年はその場で倒れこんでしまう。

「ぐっ! 姉さま・・・何故、魔法を・・・」
「いけない子ね」

 セリアは単眼の少女から離れ、身動きのできない少年の元へ歩き出す。俯せに倒れる少年の頭を両手で持ち上げると、その手で彼の目を無理やり見開かせた。

「やめてくれ! 姉さま! 目を、目を覚まして!!」
「目を覚ますのはユーの方です。私はこの娘を見て目が覚めましたから♪」
「う、嘘だ・・・」
「嘘じゃありません」

 彼女は弟の説得も聞かず、単眼の少女にあることを尋ねる。

「神子さま、あなた様のお名前をお聞かせ願えますか?」
「えっ・・・わ、わたしは・・・マイナ・・・」
「マイナ様・・・私の名はグラセリア・レイガード・・・セリアとお呼びくださいませ」
「あっ、はい・・・セリ、ア・・・」
「では、マイナ様。こちらは弟のユーヴィリット。よろしければ我が弟にも先程の術の洗礼を与えてください」
「いやだ! や、やめてくれ!!」

 少年は強く拒むも、姉に縛られた上に目を閉じることすらできない状態だった。

「いいの?」
「ええ、あなた様でなければ出来ないことです。さぁ、神子さま・・・洗礼を・・・」
「やめろおおおおおおおおおおお!!」

 少年騎士の叫びとともに少女の一つ目から赤い光が輝く。その光を見ていた神官の姉は心酔した表情で見つめていた。










 孤児院が少女の放つ光で満たされた日。その日から大神官グラセリアの先導で単眼の少女による洗礼が始まった。手始めに近隣の住民を孤児院へ呼び寄せ、誰一人残らず魔物への忌避感を失わせた。

 そして、居城へと戻った彼女らは、数人ずつゲイザーの光を浴びせた。領主や騎士団長なども術の餌食となった。まだ洗礼しきれてない住民も調べ上げられ、神の洗礼と偽って居城に来させた。

 こうして、一週間もしない内にクィーンベリー領はマイナの洗礼で侵し尽くされた。



 魔物への忌避感を失った人々は、マイナのことを大神官が告げた“神子”として崇めるようになった。彼女のその姿に、騎士達は跪き、修道女達は祈りを捧げ、民達は親しくその名を呼んだ。

 移住して来た住民、視察に来た教団関係者、反魔物を掲げる者などは即座にマイナの洗礼を受けた。大神官の考えで他の教団幹部にこの領の現状を知らせないためである。しかし、ある日を境にして、教団の関係者だけ来なくなってしまった。

 大神官は『気付かれたのでは?』と不安になっていたが、一番近い反魔物領が魔界化した報告で安堵する。その領地が堕ちたことで教団側は、クィーンベリー領ごとその領地を放棄したのだ。

 これにより、この場所は教団の管轄から完全に断絶されてしまった。










「くっ・・・まだ、射精る・・・」
「うあっ、あっ、あっ・・・いっぱ、い・・・出てる・・・」

 月が浮かぶ夜、白い寝室のベッドで少年騎士と単眼の少女が交わっていた。少年が背後から四つん這いの少女の尻に腰を密着させ、煮えたぎる欲望の牡汁を注ぎ続ける。その二人の傍で大神官の姉が座り眺めていた。

「ん・・・んぅ・・・」

 彼女はいつもの神官服を纏い、右手で股を、左手で胸を弄る。スカートの前を捲り、下着の中へ突っ込ませた彼女の手がいやらしい水音を立たせた。自身の秘穴を弄るだけでなく、自分の弟と単眼の少女が交わる光景にも欲情する。

「あぁ・・・うっ、うっ、うぅ・・・くぅ・・・」

 まだ続く少年の射精に、少女は蕩けた顔をしていた。

「ふぅ・・・まだ続くかしら?」

 セリアがそう一言呟いて、手の動きを止める。

 日が暮れてから居城に戻った3人は、夕食と風呂の終わりに寝室へ直行した。彼女らの日課として、毎朝にマイナの魔力補給のためのフェラ。夜は魔物特有の性欲の解消と、少年の精力増強のために性行為を行っていた。

 領内が完全に堕ちた日から、少年は神子である彼女のために身を捧げた。彼にとって、少々不本意な所はあったが、最終的に姉からのお願いで覚悟を決める。最初は手探るように交わるも、月日が経つごとに上達していった。

「ふぅ、ふぅ、あぁぁはぁぁぁ・・・・・・」

 少女の深い呼吸とともに、少年が密着させていた腰を離す。少年の一物が抜かれ、俯せに倒れ込む少女の股間から白濁液が溢れ出した。凄まじい量を放出したらしく、彼女の股間辺りのシーツに白い水溜りが出来上がる。

「はぁ、はぁ、ふぅぅ・・・」
「頑張ったわね、ユー。3分くらい続いたかしら・・・」
「分からないけど・・・最初の頃より射精したと思う」

 当初、少年はマイナを満足させるほどの上手くはなかった。早漏なことが多々あり、少女を満足させるにも時間が掛かった。しかし、姉の手助けや少女の補いもあり、徐々に上達していった。

「ごめん、姉さま・・・少し・・・寝ます・・・・・・」
「ええ・・・おやすみ、ユー」

 少年騎士はマイナの左側へ仰向けに寝転がる。最初の性行為から連続で3回も射精し、その疲労ですぐに寝入ってしまった。

 少女の方も疲れ気味な様子だが、眠らずに息を整えていた。上気したその顔を神官の女性が居る方へ向け、つぶらな一つ目で視線を飛ばす。それに気付いた彼女は首を傾げながら尋ねた。

「どうなされましたか?」
「セリア・・・」

 いつもと違う雰囲気を漂わせる少女に、大神官は彼女の目を見つめ返した。

「・・・うして・・・」
「えっ?」
「どう、して・・・わたしを・・・庇ってくれたの?」

 それはマイナが以前から胸に仕舞っていた純粋な疑問だった。

「あの日・・・初めて出会ったとき・・・わたしは、もうすぐ殺されると思った」
「・・・」
「たまたま、あの孤児院へ辿り着いて・・・お腹が空いて・・・ちょっと食べたら出ていこうと・・・」
「・・・」
「でも、あんなに早く見つかって・・・術も解かれて・・・もう誰の助けもなくて・・・逃げられなかった」
「・・・」
「それなのに・・・セリアは・・・わたしのことを・・・神子と言って・・・助けてくれた」
「・・・」
「ねぇ・・・どうして、わたしの術が“効いていない”のに、魔物のわたしを助けてくれたの?」
「・・・」

 まっすぐ見つめる少女の目を見ながら、セリアは何も言わず耳を傾けていた。

(何故、助けた・・・か・・・・・・)





 彼女自身、特殊な体質である神の加護により、かなり強力な魔法でなければ常に防ぐことが出来た。そのため、マイナの術も問題なく防ぎ切っていた。

 では、何故・・・彼女が魔物であるマイナを滅ぼさなかったのか。

 それは彼女が過去にある経験をしたことによるものだった。



 まだ、修道女見習いとして、10歳になったばかりのグラセリア・レイガードだったとき。

 当時、住んでいた場所は、かの有名な宗教国家『レスカティエ教国』

 弟のユーヴィリットもまだ幼くも剣の修行に励んでいた。

 将来有望な姉弟として、ある司祭に拾われたからである。



 ある日、セリアはある人物の手伝いを命じられた。

 その名は、“サーシャ・フォルムーン”レスカティエ教国で有名な勇者の一人である。

 最初の頃、セリアは緊張しながらも勇者の手助けをした。

 そんな中、彼女はサーシャのある秘密の出来事と遭遇する。

 サーシャが魔物の孤児を集めた隠れ孤児院に居るのを目撃したからだ。

 その時のセリアは頭の中が混乱しきっていた。

 どうして、勇者である彼女が敵である魔物と一緒なのか。

 悩んでいるとサーシャが彼女の存在に気付き、このことを内密にするよう必死で説得してくる。



 セリアはある司祭から『サーシャの行動を全て隠さず報告しろ』と念押しに言われていた。

 けれども、彼女のある思いが頭の中で一杯だった。

 何故、表立って魔物の孤児を助けないのか。彼女にそのことを問い詰める。

 サーシャが言うには、一人で出来ることに限界があるから、下手に動けば知り合いなども処罰されるからだと・・・。

 力のある勇者とはいえ、たった一人では何もできない。

 幼かったセリアにとって、信じられないほどの厳しい現実を目の当たりにする。

 結局、彼女は司祭にこの一連の出来事を話すことはしなかった。





 その日から数か月後、レスカティエ教国が魔界化し、力のあった勇者達も魔物化した。

 運良く、グラセリアは弟とともに、反魔物領であるクィーンベリー領へ訪れていた。

 二人は家のあった教国に帰れなくなり、その領地で腰を下ろすこととなる。

 加護の体質もあったため、姉弟は居城で待遇のいい生活をさせられた。

 領内から一歩も出されることのない窮屈な生活。

 そんな待遇にセリア自身、教団の思想に疑問を持ち始める。





 数年後、20歳になる手前のグラセリアは大神官という役目を与えられた。

 教団の指針を教え込まれるも、彼女は心の中で不満を募らせていた。

 どうすれば、表立って虐げられる魔物を助けられるのか。

 サーシャのように影で助ける方法しかないのだろうか。

 様々な解決策を考えていたときに、それは出会ってしまった。



 マイナとの遭遇。

 セリア自身、もとからゲイザーという魔物について詳しい生態を知っていた。

 気付かれぬ内に暗示に掛けられ、違和感を失くす恐るべき邪眼の能力。

 彼女はこれを使えば、人々から恐怖や違和感を取り除き、大勢で魔物を庇えるのではと考えた。

 マイナを助けたことは、ある意味で賭けでもあった。失敗すれば、自分だけでなく、弟まで処罰される。

 だが、彼女の予想通りになった。人々から魔物に対する嫌悪感が取り除けたのだ。

 ちなみに同じ加護を持つ弟は、あの時の姉の行動で精神が不安定となり、マイナの術が容易に掛けられた。



 セリアの目論見通り、領内の人々は『魔物は忌むべき存在ではない』と認識し、逆にそう思う人間に対しては、おかしな考えを持つ者と思うようになった。

 このまま順調にいけば、この領地以外でも洗礼された人々が増え、堂々と魔物への救済が行える。

 しかし、今はたった一つの領地が洗礼されただけだ。教団という大きな組織から外れた以上、いつ暴力的な粛清をされるか分からない。

 セリアの中ではまだ不安があり、もう少し慎重に動くべきだと考えていた。





「・・・セリア?」
「・・・・・・何をおっしゃっていますか」
「えっ?」
「私はすでにあなた様のその目の虜となっていますよ♪」

 戸惑うマイナに対し、セリアはいつも通りの笑顔で答える。彼女は胸を揉んでいた左手で少女の頭を撫でた。

「ん・・・」
「ご心配なさらずに・・・私はあなた様を忌み嫌ったりしませんよ」
「セリア・・・」
「私は絶対に裏切るような真似は致しません。心に誓って・・・」

 それは彼女の本音でもあった。マイナを失えばセリアだけでなく、弟や領内の人々が生きる道を失ってしまう。今のマイナはセリア自身の命より大切な存在だった。

「そうですね・・・そろそろマイナ様にその誠意をお見せしましょう」
「えっ? 誠意?」

 少女が不思議がっていると、セリアが彼女の隣で寝ていた少年を揺さぶる。

「ユー、起きなさい」
「・・・んん・・・ね・・・さま?」
「疲れているのにごめんね、ユー」
「も、もも問題ないです! 姉さま!」

 寝惚けていた少年が俊敏な動きで上半身を起こした。その様子を見ていたセリアは少し笑うと、彼にあることを頼み込んだ。

「ユー、今から私を抱きなさい」
「へっ!?」
「えっ!?」

 姉のとんでもない命令に、弟だけでなくマイナまで声を上げる。

「私を魔物化させて・・・」
「でも、姉さま・・・それは・・・」

 それはユーにとって即断できないことだった。相手は血の繋がった姉である。そのうえ、普段から魔物であるマイナと交わっているため、自身もすでにインキュバス化していた。この状態で抱いた女性は間違いなく魔物化してしまう。

「ふふふ♪ ユー、私の初めてを捧げるわ」
「きょ、姉弟同士でするなんて・・・」
「遠慮せずに、自分の好きなように抱きなさい」

 いくら本人の了承があったとしても、少年にとって大切な家族の一人。なかなか首を縦に振ることが出来ずにいた。それを見かねた姉が両手で彼の顔を引き寄せて口付けする。二人の間で倒れたままのマイナも、その光景に目を見開いた。

「え、えっ? えっ?」
「んん!?」
「ん・・・んちゅ・・・ユー以外の男性に純潔を捧げたくもありませんから♪」
「ね、姉さま・・・」

 それは彼女自身の純粋な望みでもあった。以前から、彼女と婚約したいと願う者は数多く、上流貴族の息子、年若い枢機卿、壮年の聖騎士と様々な輩ばかりである。しかもどれもが、彼女の加護目当てという欲深い思考の持ち主だった。

 そんな彼女にとって、唯一信頼出来たのは肉親である弟のユーヴィリットだけである。いつも姉である自分を慕ってくれたたった一人の弟。そんな存在だからこそ自身の初めてを捧げたかった。

「・・・セ、セリア・・・」
「あっ、そうでした。申し訳ありません、マイナ様」
「は、はい?」
「すでにあなた様のものであるユーと交わることお許し願えますか?」

 セリアの唐突な頼みに少女は一つ目をパチクリさせる。彼女の大胆すぎる行動と自身のパートナーである弟との近親相姦。しばらくして、落ち着きを取り戻した単眼の少女が彼女に問い返した。

「本当に・・・いいの? 今のユーに・・・抱かれたら、なっちゃうよ?」
「ええ、魔物にならせてください♪」

 セリアは率直な答えを返した。彼女の弟も最早止めることは出来ないだろうとため息を吐く。マイナはゆっくりと起き上がり、セリアに一言呟いた。

「・・・いいよ」
「ありがとうございます♪」

 単眼の少女の承諾に、セリアは満面の笑顔で感謝する。彼女は手早く下着を脱ぎ捨てて、丸見えの女性器を弟に見せた。

「ね、姉さま・・・」
「きゃっ♪」

 少年が飛びつくように姉の身体へ覆い被さる。すかさず己の肉棒を突き立てて、姉の処女を散らした。

「ああぁぁぁぁぁぁ♪」

 セリアに多少の痛みが走るも、最愛の弟に処女を捧げたことで歓喜に満ち溢れていた。一方の少年は、マイナとは違う姉の成熟した膣の快感で興奮し、すぐに腰を激しく動かし始める。

「姉っ! さま!」
「あっ、あっ、ユー、ったら・・・」

 セリアは少年の力強い腰使いで倒れそうになるが、知らぬ間に後ろへやって来たマイナに身体を支えられた。

「うん? あっ、マ、マイナ、さま・・・」
「セリア、無茶しないで・・・」
「これく、らい! 辛く、ありません、よっ・・・」
「もう・・・セリアったら・・・」

 少女は両手でセリアの胸を揉み出して、自身の腰から目玉触手を出現させる。全ての触手の先端にある目玉が姉弟の交わりを凝視していた。

「あっ、見られ、てる・・・あぁ!」
「姉さま! 姉さま!」

 大神官の姉は自らの淫らな姿が複数人に見られているという錯覚に陥る。そのおかげで彼女の胎内が引き締まり、少年のものをさらに刺激した。彼自身は見られていることを気にせず、新たなに生まれた快感を貪る。

「んぅ・・・ちゅぷ・・・」

 二人が交わっている中、マイナは自身の股から垂れる白濁液を右手で掬い、それを舐め取っていた。何度もそれを行い、口内にある程度溜まったところでセリアに口づけする。

「んぅ!? んっ、んちゅ、ちゅる・・・」

 彼女はいきなり接吻されて驚くも、抵抗もせずに少女のそれを受け入れた。単眼の少女から口移しされる液体も、弟のものであるとすぐに理解し、舌を絡めるように欲する。

「ちゅぷ、んぷっ、はぁ、んくっ・・・」
「んっ、はっ、ちゅるるる・・・ごくっ・・・」

 マイナの口から精液がなくなっても、セリアは彼女との接吻をやめなかった。名残惜しいのか、単眼の少女の舌を何度も絡め合う。彼女達の口淫を余所に、少年の方は一心不乱に腰を振り続けていた。

「はぁ! はぁ! はぁ!」

 あまりに強く突かれるため、少年の先端が姉の子宮口にぶつかり始める。その快感は余りにも凄まじく、お互いに痺れそうなぐらい感じてしまう。

「んっ!? んっ! んっ!」
「うぁ! あっ! 姉さま!」

 やがて二人は最後の快感が来ることを悟った瞬間、待ち望んでいたそれはすぐに訪れた。

「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ぷはぁぁ! あああああああああああああああ!!」

 セリアはマイナから口を離し、喜びの声を上げた。最愛の弟の一物を包み込む肉壁が激しく収縮する。

 ユーは最後に奥深く突き入れて、姉の絶頂とともに射精を開始した。凄まじい量の精液が吐き出され、姉の胎内を満たしていく。

「姉さま・・・くっ、うっ!」
「もっと、もっと注いで・・・ユー・・・」

 遂に一線を越えた姉弟同士の交わり。それを見届けた単眼の少女は、姉の身体からある異変に気付いた。

(セリア?・・・魔力が、湧き上がってる?)

 彼女の身体の奥にあった魔力が神聖なものから闇のような魔力へと変わる。その魔力が目に見える黒い霧を作り、彼女の身体や服に染み込んでいった。

「はぁぁぁぁぁぁぁ♪」

 いつも着ていた神官服は黒くなり、十字の模様も紫色へと染まる。頭から黒い艶のある角が生え、腰からは黒い羽毛の一対の羽、お尻にはハート型の先端を持つ黒い尻尾が出現した。


 それはセリア自身も知っている魔物“ダークプリースト”と言われる存在。


 彼女がこの種族になった理由もあった。マイナと同じゲイザーになろうとも思っていたが、神子として崇められる彼女の支えになりたいという想いが強かった。それにより、彼女は密かに堕落神と繋がり、神子の使徒になりたいと願った。

 今、彼女は堕落神、そして、神子であるマイナに仕える者として、闇の修道女へと姿を変えた。

「セリア・・・」
「姉さま・・・」

 マイナとユーは、黒く染まった大神官の姿に見惚れてしまう。その隙をついて、セリアが後ろに居たマイナを器用に引き寄せ、仰向けになった自身の上に乗せた。

「きゃっ!? えっ?」
「ふふふ♪」

 突如、俯せでセリアの上に乗せられ、単眼の少女が驚きを隠せなかった。弟の方も姉が何をしたいのか分からず、彼女と繋がったままの状態である。

「さぁ、今度は3人でしましょう♪」
「セ、セリア!?」
「さ、3人!? 姉さま! いくらなんでも・・・」
「マイナ様から頂いたお情けですから、そのお返しをしないといけません。それに、これならマイナ様とご一緒にできますよ♪」

 そう言って、彼女は自身の股と少女の股の間を見せた。つまりは此処に入れて欲しいということである。魔物化した姉の言うことに弟は一切反論しなかった。彼はおねだり通りに、姉の膣から引き抜いた一物を二人の間に刺し込む。

「あっ!・・・ユーのが・・・」
「んっ!・・・乱暴ね♪・・・」

 少年の性欲はまだ治まらず、先程と変わらない力強さで腰を振った。

「「ふあっ、あっ、うあっ・・・」」

 少女と姉の陰核が少年のもので擦られる。その刺激で二人はまるでシンクロさせているかのようにお互いの喘ぎ声を重ねた。

「んんうっ!!」
「「!?」」

 急にマイナが何かに耐え切れず短く唸り、背中の目玉触手を姉弟に軽く絡ませる。それは苦しくなる程ではないが、がっちりと二人の手足に巻き付いた。触手の先端にある目玉だけは相変わらず姉弟を見つめている。

「ふくっ! あぁ! ああっ!」
「はぁ! はぁ! はぁ!」

 縛られる感覚と見られる感覚により、姉はさらに声を上げ、弟はペースを速めた。単眼の少女も姉の柔らかい胸の感触と弟の強烈なピストンで興奮が高まる。

「ふたり、ともっ! 気持ち、いいよ!!」
「マイナ様!」
「マイ、ナ! ユー!」

 先に限界が来たのはユーの方だった。少女と姉の腹辺りに勢いよく射精する。夥しい量の白濁液が彼女達を白く染めていった。

「「ああああああああああああああああっ!!」」

 一足遅れて、二人の女達も絶頂に達した。彼女らの秘裂から愛液が噴き出し、少年の股を濡らしていく。二人の間に吐き出される精液が顔にまで飛び散っていった。

 激しかった睦事が終わり、マイナはセリアの身体に覆い被さるように倒れ、ユーは後方へ身体を倒した。





 マイナを中心に姉弟は変わらない位置で深い眠りについていた。時々、セリアの尻尾がピクリと動き出す。まだ眠っていないマイナは、魔物化した姉の寝顔をずっと見続けていた。

「・・・・・・」

 誠意と言って、自ら魔物化を望んだ大神官。その行為に偽りはないと少女は確信し、あることを決意する。

(セリアのしたいこと・・・明日・・・聞いてみよう・・・)

 少女はゆっくりと一つ目を閉じた。










 その日から、数年後。いくつかの反魔物領が前触れもなく親魔物領へと変わり出した。在住していた教団騎士や幹部は、魔物と接することが普通であると主張し始める。彼らは魔物を粛清しようとする者は例え同じ教団でも逆に弾圧した。

 このような突発的な事件に、教団はすぐさま原因を調べるも捜査は難航していた。



 そんな中、ある一つの情報が入ってくる。



 ある大神官が神子を連れて洗礼しまわっているという噂を・・・。





「セリア、次はどこの町?」
「マイナ様が今見ている方向ですよ♪」
14/05/03 18:26更新 / 『エックス』

■作者メッセージ
お久し振りの短編ものでの投稿です。
今回はゲイザーですが、大神官の姉が目立ち過ぎているかもしれません。
しかもえっちぃのが今までのより濃く書き過ぎた・・・かな?
単眼娘ものとして、目の能力による物語を重視して書いてみました。
こんな侵略の仕方ならかなり平和的でいいんじゃないかと・・・。
ちょっと宗教の勧誘みたいな感じもしますが、気のせいだと思いたいです。
もう一つの短編と一緒に投稿したかったのですが、間に合わずこちらだけになりました。
近い内にそちらも完成させます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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