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第二十三話 如月と渦
昊君と天満ちゃんとランスさんの手柄で、私たち王女軍はガズラ男爵軍に圧勝。
ガズラ男爵メーヴェンとその配下だった兵士は捕虜として屋敷の地下牢に閉じ込め、捕えられていた人たちは昊君が開放して一か所に隠れさせてたらしい、戦いが終わると、姫様に二言三言お言葉をもらってから本当に犯罪者っぽい人以外はそのまま町に戻してしまった。
近くに暮らしているところのない人、帰る場所のない人は、まだここに残ってもらってる。
「ええと……みなさん!」
姫様はメーヴェンの屋敷にみんなを集合させると、姫様は演説を始めた。
「初戦は皆さんの、特にソラさん、アマミさん、ランスさんのおかげで快勝でした! しかし私たちの戦はまだ始まったばかりです、これから王都にたどり着き、貴族議会を倒すまでに今ここにいる人たちのうちどれだけの人がいなくなっているのかはわかりません!」
精一杯声を張り上げて、姫様はみんなに向かって演説をする。
「ですが! 私はこの戦いには意義があると思っています! いえ、なかったとしても私が作って見せます! ですので、どうか最後まで私に力を貸してください!!」
観衆からは特に一部に密集して野太い歓声が上がる、どうやら姫様はクルツに人たち――もちろんおもに男の人――に結構受けがいいみたいで、既に姫様の人気はかなりのものになってた。
演説が終わると、姫様は今度はハロルドさんとリィレさんとネリスさん、そして私たちを一か所に集めて、今後の予定や作戦を組み立てていく。
「ギズで行うべきことは兵食の補充、それが済んだら早いうちにこの町を出て次の戦地に向かいましょう、ぼやぼやしていて……人の暮らす街を壊すのは嫌ですから。」
そう言ってから、リィレさんに地図を開かせて机の上に置く。
「私たちの相手にあまり時間を与えたくないので、次に攻めるべきはここから東の直近マズート領です、このギズからまっすぐ攻めていくとなると川を挟みます。」
「簡単に渡らせてはくれないでしょうね、こっちには渡河の戦術なんて知らないやつの方が多いわけですし。」
言ったのは因幡君、そしてそれにみんな頷く。
動物型の魔物の中には水を嫌う魔物も多いだろうし、私も濡れるのはあんまり好きじゃない。何より無理に川を渡ったところで相手が陣を張っていたら袋叩きにしてくださいと言ってるようなもの。
橋は封鎖されるだろうし、相手の方がずっと数は多いだろうからやっぱり何か特殊な作戦を練っていかないと先に進むのは難しくなりかねない。
「……渡河……ねぇ…」
今回の戦いでは快勝のきっかけにもなった昊君だけど、次の戦いではあんまりいい作戦が思い浮かばないんだろうかずっと地図と睨めっこしてる。
「正面から囮をぶつけてその隙に大部隊が川を先に渡る……? いやでも気づかれたら一巻の終わりだし、何より無事に川を渡れる保証がないか……」
ぶつぶつと何か言いながら、昊君は地図を見る、そういえば、姫様が因幡君づてに援軍を頼んだっていうリオント伯はどうなんだろう、すぐにでも駆けつけてくると思ってたけど。
「リオネイからの援軍が来るまではここで待ったらどうです? 無理に攻め入っていくよりも彼女からの助力を得たほうが確実だと思いますが……」
「あ……そうでした、ナンナがいましたね。キサラギさんの言うとおりです。」
「そうでしたって……まさか自分が救援を頼んだのに忘れてたんですか?」
呆れた顔で因幡君が言う、まぁ確かに呆れはするだろうけどそんなに露骨じゃなくてもいいような気もする。
それでも昊君は地図をじっと見たまま、ずっとぶつぶつと独り言を言っている。
「昊、今は渡河の手段は保留だってさ。」
天満ちゃんがそう言うと、やっと昊君は地図から目を離した。
「保留ですか、では次は何を?」
昊君は立ち上がると姫様に向かってそう言った。
「メーヴェンたちを拘束して、誰かにいない間のまとめ役をしてもらわないといけません。それにこの町の防備も。それから補給を済ませて、一両日中にはこの町を出ます、皆さんは休憩をしていてください、補給にはリィレと……」
「僕とネリスがついていきます。人数とか、どれだけ食べるかとか正確に把握してるのは僕たちくらいでしょう。それに数人クルツの人も連れて行きます、物を運ぶには必要になるでしょうから。」
ハロルドさんはそんな風に言うと、後ろで談笑したり鍛錬したりしていたクルツの人の中から数人力のありそうな人たちを選んで姫様の近くで待機した。
兵食の問題はある程度ここで購入補給していけば何とかなるだろうし、メーヴェンの屋敷にも幾らか貯めこんであるとは思うから大丈夫だろう。
「それからここの防備ですが……誰か指揮役に適当な人選はありますか?」
姫様の質問に対して、そこにいた半数近くがランスさんに注目した。
クルツ人間の領主クロードさんの三男で、南部の森を開拓していた南部開発局の局員たちの統括。彼ほどこの中で指揮役として適当な人選もないと思う。
ランスさんもみんなが見ていることに気づいたらしく、首を横に振る。
「ちょっと待て! 俺は嫌だぞここに残って指揮役なんて、そもそも俺には文官としてこの戦役を全部できる限り詳細に記録する義務があるんだよ!」
「そんなことを誰が?」
姫様が質問する、当然と言えば当然だけど私も初耳だ、まさかランスさんが自分の義務感でそんな面倒そうなことをするとも思えない。
「父さん、全部終わって復権も成功したら添削して発行してもらえとか言ってました。」
ランスさんは呆れた顔で姫様の言葉に返事をする。
「はぁ……では仕方がありませんね……」
「ご理解感謝します。」
文官の仕事のついでなのかそれとも文官の仕事がついでなのかはわからないけど、とりあえずランスさんは本軍の方についていくことが決定したみたいだ。
「市民に統治を任せるにしても、政治を学ばされるのは貴族の子弟だけと決まっていますから下手に任せると今以上に悲惨な結果になりそうですし……」
姫様が頭を抱える、困ったことにこういうことに知識のある人はクルツ組の中でも有力戦力になっている人ばっかりだから、ここに知事代わりに置いておけるような人がいない。
「ここを統治する役目ですか……兄さんやネリスを置いていければそこそこ何とかしてくれそうですけど…ルミネさんはともかくツィリアさんや父さんがクルツを空けるわけにもいかないし。」
ランスさんも考え込む、メーヴェンにまた同じ政治をさせるわけにもいかないだろう。
「指揮役はこの際おいておいて一部の兵を残して治安維持に当たらせましょう、戦力は幾らか低下しますけど重要人物が抜けるよりはずっと損害は少ないはずです。」
言い出したのはリィレさんだった、確かにそれができれば最善かもしれないけど、抑圧から解放された市民がどんな行動に出るかわからない以上、まとめ役はいたほうがいい。
「やることは多いです、ですが一つずつ潰していけばいいでしょう。行動しましょうか。」
そう言って姫様は立ち上がる、そうして
「リィレ、キサラギさんとそれにハロルドさんたちは一緒に来てください、補給活動を始めます。」
そう言って町の方に向かっていく、私たちもあわてて後を追った。
その流れで姫様が先頭に立って街を歩く、町の人がじろじろと私たちを見てることがわかる、中には敵意のこもった視線を向けてくる人もいる。
中世西洋の補給においては略奪や市場供給もあったとは聞いてるけど、姫様は略奪はする気がないだろうし普通に問屋などから買い求めるつもりなんだろうか。
そう思いながら町を進んでいき、大量の食糧を得られるだろうと姫様が目星をつけていたのは私の予想通り店だった、大きな、恐らく食べ物の問屋さんであろうお店。
「すみません、いらっしゃいますか?」
姫様が店の前で大きな声をあげるけれど、返事はない。
「魔物信者に売るようなものはねぇよ!」
しばらく経ってから、店内から響いてきたのはそんな声だった。
あっけにとられる私たちに向かって中から響いてきた声はさらに
「テメエらが押しかけてこなけりゃ俺の息子は領主に殺されずに済んだんだ! 平和に暮らしてる人間にさんざん迷惑かけといて何が『罪を裁く』だこの人殺しども!!」
とたたみかけるように言ってから、店の中から何かを投げつけてきた。
ハロルドさんが石を投げて撃ち落としたそれは、ガラス瓶だった。
「なんてことを……」
姫様に当たっていたら怪我は確定だっただろう、それ以前に人にあんなものを投げつけるなんてやっていいことではない。
「キサラギさん、怒ってはいけませんよ。」
姫様はあくまで穏やかにそう言ったけど、私はとてもそうはできそうにない、扉を破って押し入り、相手を殴ってしまってもいいと思っていた。
「しかしですね……あんな行為を働く人間を」
「失礼しました、他を当たってみます。」
姫様は相手に向かってそう言うと、また私たちを先導して歩きだした。
しかし正直なところ私は腹の虫が収まらなかった、ほかにもそんな感情を抱いている人たちは少なくないみたいで、中でも明らかに腹を立てていたのがリィレさんだった。
「リィレ、そんなに怖い顔をしていてはせっかく綺麗なのに台無しですよ?」
姫様が冗談のように言うと、
「怖い顔にもなります、なんですかあの男は。」
「身内が殺されたことが悲しいのでしょう。」
あっさりと言ってのけた姫様だけど、リィレさんは当たり前だが納得しない。
「確かに彼は息子を殺されたとは言っていました。しかし彼の息子を殺したのはメーヴェンの軍であって我々ではありません、そのことについて糾弾される謂れはないはずです。」
「同じですよ、戦争に巻き込まれて死んだのならすべての人が責任を負うべきです。」
「ですが……」
食い下がるリィレさんを半ば無視するようにして、姫様は町の中を進み始める。
すると今度は街の若者が数人、手に角材や包丁を持って私たちの前に立ちふさがってきた。
「よくも俺たちの町と家族を好き勝手にしてくれやがったな…ゆるさねぇぞ。」
「やっちまえ!」
いきなり襲いかかってきた男たちを、リィレさんは素手であっさり投げ飛ばし、武器を叩き落として制圧する、ハロルドさんも飛び込んできて、頭を棒で殴って昏倒させる。
「くそっ! ふざけんな人殺しども!! さっさと俺たちの町から出てけ!!」
「人殺しに制圧されて、それでもそんな口が利ける、それはつまり命が要らんのか?」
リィレさんが抜剣して、長い剣を器用に男の首筋に近づける。
周囲にさらに人が集まってきた、けどその中には暴れようとする人を止めようとする人たちも少なくない、どうやら市民がみんな私たちに対して反感を持ってるわけでもないみたいだ。
「今度からは命は大切にしろ、死んでいった者たちを思うならな。」
リィレさんはそれだけ言って立ち上がる、押さえつけられてた男は呆然と彼女を見つめるだけだった。
「ずいぶん、意見が対立してるみたいですね。」
そう言ったのはハロルドさんだった、燃えるような赤い髪を弄りながら町の人たちの喧騒を他人事のように眺めるその姿は、どこか無責任さも感じさせた。
「戦争行為をする以上、反感を買うのは目に見えていました。その上で今の制度よりはずっとよく変えられると思ってはいたんです……でも……こうまで反発が大きくなるとは思いませんでした。」
あれを反発と言っていいのかはわからないけど、姫様も堪えているみたいだ。
昊君はこのことを予想していたのかもしれない、だからこそ、早いところこの町から出ていくために次の戦術を練っていた可能性もある。
昊君でもそんなことは予想できないと言われたらそうかもしれないけど、あの昊君だ、自分たちに迫る危険を見逃すようなタイプには思えない。
「慣れ親しんだ生活が狂わされることへの恐怖感、どう変わるかわからない以上今までの生活の方がマシという惰性、そして変革をもたらすものへの敵愾心。そんなものが満ちてはいますが、政治的な理由ではなく感情論の反発のようですね。」
リィレさんが嫌悪感のこもった表情で言う。
すると中から女の子が駆け出てきた、メーヴェンの屋敷を攻め落としたときに、天満ちゃんや昊君と一緒にいた女の子だったと思う、確か名前はサエラだったかな?
「あ……あの、アマミさんのお友達ですよね?」
私に向かってサエラさんはそう言った、すぐそばに男の人が一緒にいる。
「そうですよ? 何か御用ですか?」
出来るだけ悪意なく答えたつもりだったけどどこかとげのある口調になってしまったことで私もかなり苛立っていたんだと自覚してしまった。
「えっと、有難うございました。」
サエラさんは私たちに向かって深々と頭を下げた、隣の男の人も一緒に頭を下げる。
「おかげでまた家族と一緒に暮らせます、これからは兵士に難癖つけられて不当に逮捕される心配もなくなります。ああやってひどいことを言う人もいますけど、皆だって本当は分かってるはずなんです。悪いのは姫様や魔物じゃない、それを言い訳にひどいことをする人たちだ、ってことは。」
サエラさんは頭をあげるとそう早口に言ってくれた。
それに対して姫様は
「ありがとうございます、けれど、戦闘行為で多くの兵の命を奪ってしまいましたよ。」
正確には脱走しようとして不可抗力で殺してしまった兵士や勝手に自害した兵士がほとんどだったんだけれど、死んでしまったものは同じと姫様は考えるだろう。
「それは……仕方がないんです、あの人たちは殺されても仕方のないようなことを沢山してきた人たちですから……」
サエラさんは悲しそうな顔でそう言った。
今度は男の人の方が口を開くと、
「おかげで妻とまた生活できます、本当にありがとうございました。」
と言った、ん? 妻?
「それは何よりです。」
姫様はあっさり笑ってツッコミを回避した、嬉しそうだからいいことにしよう。
「それと、町の人たちが何人もあなた方に協力をしたいと申し出ています、あまりお力になれないかもしれませんけど、どうかあなたの復権を力の限り協力させてください。」
そう言って男の人は頭を下げた、
「わかりました、ですが非常に危険な旅ですよ?」
「それは承知です、理不尽に従うよりも、抵抗した方が悔いなく生きられます。」
男の人が自信を持った目つきで言う。
「では、参加の意思がある人たちは領主の屋敷の前に来てください。」
そう姫様が言うと、二人は「はい!」と言って去って行った、たぶんほかの人たちにも同じことを伝えに行ったんだと思う。
けど、私たちの問題がこれでより深刻になってしまったことは明白だ。
「食料を、どうしましょうね……屋敷から必要最低限だけでも奪取しましょうか……」
そんなことを姫様が言った時だった、燃えるような赤い髪をした男の人がたくさんの人を連れて大量の荷物を馬車に乗せて運んできたのは。
クロードさんだった、なぜか当たり前のようにクルツを出て私たちのところに来ていた。
「よう、困ってるだろうと思って食料を中心とした補給物資と、それにクルツより王女軍に増援四十名、俺は含まれないが軍に加えてやってくれ。」
恐らく姫様とリィレさんに向かってだろう、クロードさんはそう言った。
「! よろしいんですか!?」
姫様も予想外の救援に驚いていた、私も結構驚いた。
「食料はいつも多くはないが余るくらいだったし、人数がいくらか減ってるんだからその分をこっちに回しただけで食料の損害はない。兵の方は参戦したいと遅れて申請してきた奴らだからこれも無碍に返すのが躊躇われた。」
相変わらず感情の読めない表情のままクロードさんは言う。
「それと、町の外で変な女にあったぞ。」
「変な女?」
「銀髪で背の高い女だ、七十人近い騎兵隊を連れてた。あんたの知り合いか?」
「あ……それは多分リオント伯ナンナです、フブキさん越しに救援を要請しておいたんですけれど、予想よりも早かったですね……」
ナンナの名前を聞いた瞬間、ほんの一瞬だけながらリィレさんがしかめっ面をしたのが見えた、何か前に嫌なことでもあったんだろうか。
と思ったら、整然と並んだ騎兵の一部隊が道路をほとんど封鎖しながらこっちに向かってくる。乗っている馬は一様に赤褐色の毛をしていて、体はそこまで大きくない。
先頭の馬に乗っていたのはクロードさんが言っていた通りに銀髪でエメラルドグリーンの目をした若い女性だった、若いって言っても、二十代後半くらいだろうけど。
「あ」
女の人が私たちに、いや正確には私たちの先頭に立っている姫様に気付いた。
女の人がいきなり馬上に立つと、そのまま
「ひ・め・さ・まぁ――――――――――――――――――――――ん!! お会いしとうございましたぁ―――――――――――――――っ!!!」
と姫様に向かってダイビングハグした、そのまま頬を擦り付けながら
「ああこんなに大きくなられてお美しくなられて! 今なら言い切れます姫様こそこの国最高の至宝でございます!!」
「リオント伯、その辺で止めてください。」
リィレさんが止めに入る、私も止めに入るべきなのか悩んだけど姫様が嫌そうな反応をしてないから………って、首締まって気を失ってる!!


数分後に意識を取り戻した姫様に、リオント伯ナンナはかなりこってり絞られていた、とはいえ本人がやけに嬉しそうな顔をしていたから効果があったのかには疑問が残るけど。
「さてと、これからの会議を始めましょうか。」
再びみんなを集めて、姫様は領主の庭に作られた幕舎の中で私たちにそう言った。
「クロードさんがしばらくはここを仮統治してくれるそうです、本領を開けてくることをかなり渋っていましたが、ここさえ守ればクルツに侵入する手段もないはずですからね。」
さっき姫様がかなり無理を言ってクロードさんにその話を通してくれた、正直何やら威圧感が強いので私はあの人は苦手だけど、姫様はそうでもないみたいだ。
「さて、攻めるべきはここから東の直近マズート領です、直線距離を攻めるとなると川を挟むことになりますが……何か作戦はありますか?」
「あ、僕に一つ、陽動作戦とでも言いましょうか。」
昊君が手を上げる、ナンナさんはあまり好ましいって雰囲気を感じさせなかったけれど、姫様が止める気配を見せないとしぶしぶと言った感じで聞き始めた。
たぶんあの人からすれば子供出ある私たちがこの軍の重要部分をまとめていることが気に入らないんだろう、私が彼女の立場なら似たようなことを考えたはずだ。
「ではソラさん、その作戦のことを説明してください。」
「大部隊が敵の注意を惹きつける形で陽動して、そのうちに別のルートで先行し渡河していた少数精鋭の攻撃部隊が敵陣に侵入、かなり勿体ないけど物資を燃やしたり敵兵を叩きのめしたりして内側から混乱を起こす。」
「そして混乱に乗じて一気に攻撃、渡河を果たす、と言った感じか?」
昊君の言葉の先を受け取ったのはリィレさんだ、
「そんなところです、陽動の部隊には少なくとも旗印として姫様とリィレさん、それに派手な攻撃魔法を抱えたランスと僕も残っておくべきでしょう。」
「となると奇襲部隊に丁度いいのは……」
「俺とハート、それに英奈さんと……」
「僕とルビーも行くよ、ルビーなら数人背中に乗せて飛ぶこともできるから移動も速いし、僕たちは戦いでも戦力になれると思う。」
そう言ったのはロイドさんだった、確かにリィレさんよりいくらか強いあの人が適任なのかもしれないけれど、ルビーさんがそんなに人を同時に抱えられるとは思えない。
「では、次の作戦はそれで決まりですね。」
姫様がそう手を叩く、これは決定の合図で、もう覆らないから次の作戦は決まった。
「行軍を始めましょう、向こうの準備が整う前に、一気に進軍です。」
姫様がそう言うと、私たちは一斉に動き出す。
早い方がいいことを皆わかっているからこそ、誰も無駄口をきかずに準備した。


11/11/04 13:33更新 / なるつき
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■作者メッセージ
さて、タイトルにかなり悩みましたがこのタイトルに決定
失敗だったかもにゃぁ

あと、濡れ場がしばらく見られていないのでそろそろ一度濡らさないと
姫は結局どうしようなぁ……

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