連載小説
[TOP][目次]
地に足を 土に芽を
 
ああ、わかってはいるんだ。俺の見通しが甘かったって事をな。何故俺はあの時、唐突にこの誘いに乗ったんだろうか。だけど、あのまま居れば俺は間違い無く借金地獄に落ちるか、明日をも生きれない状況に陥ってただろう。家があって、飯が食えて、風呂に入れて、布団で寝れるだけマシというものだろうか。こんな窮地に立たされてるのも自業自得だと理解しているが・・。

「甘かったな・・、やっぱド素人の俺が農業に手を出すべきじゃなかった・・」

社会人になって10年目にして、俺が務めていた企業は突然倒産してしまった。別に不況の煽りや不正行為をして倒産したわけじゃない。社長が愛人にのめりこんでしまい、会社の運転資金を根こそぎ使ってしまったからだ。そんなくだらない事実で俺は無職になった。その後はかろうじて出た退職金を食い潰しながら新しい職探しをしていたわけだが、上手く職に在り付けず焦燥感だけが残っていった。そして、とうとう資金も危なくなった時、一枚のチラシに目を奪われ一念発起して田舎で農業をする事に決めた。もちろん俺は農業なんて一度も経験した事が無いし、何をすればいいかすら知らない。それでも僅かな望みに全てを賭けて、幼い頃からの憧れの農業ライフを満喫しようと考えていたのだ。もちろん憧れなんぞで豊かな農業ライフなんて出来る訳もなく、ただ只管に右往左往するだけの毎日を送るだけだ。正直言って、参ってしまっている。それに近所に住んでいる老人達からは嫌味ばかり言われる毎日。やれ「今度の若いのは何日目で消えるのじゃろうか」とか「若造なんぞが農業に憧れ持った所で何も出来んじゃろ」とか、散々な言われ様だ。確かに憧れだけでやっていい職では無いのは理解出来た。だけど俺も引くに引けないとこまで来てしまっているんだ。今更帰る訳にはいかないんだ。所持金だって無一文に近いとこまで底を付いてるんだ。しかし・・・。

「雨が降ったら農家は喜ぶとか、日照時間が良いと作物の育ちが良くなるとか・・・そんな美味い話は無かったな・・」

雨が降ればそりゃ喜ぶさ、だけど、あんまり長時間降り続けたら逆に作物や土地がやられちまうし、日照時間も多すぎると萎えてしまう事もある。人生上手くいかないもんだ。これから先、なんとかなるで済まないよな。この先どうしたらいいものやら・・・。

「最後に残った種も・・・後これだけか。しかも季節外れな・・」

もう秋の終わり口だというのに残ったのが夏野菜の類ばかりか。人生詰んだな。いっその事、来年の春まで冬眠したい。まもなく農家にとっては苦行とも言える冬が始まろうとしているのに、俺には何の手も無い。このままでは温かい飯も雨風を防げる家も凍えそうな季節から体を守ってくれる厚めの布団も全てが失われる。だからと言って、近所の爺さん婆さんが助けてくれるなんて甘っちょろい現実なんて有るわけも無く。通帳を見ながら軽く溜息を吐く。節約しても来年の春を迎える頃には孤独死が確定する預金残高。全てが八方塞がりな現実に何度も逃げ出したい気分になってくる。

「・・・逃げた所で帰る場所なんて無いしな・・」

無理だ!無茶な事をするんじゃない!もう少し現実を見ろ!と両親に散々言われ、とんでもない啖呵を切っちまって飛び出した俺が悪いんだし。きっと今頃親父達も今の俺の状況を想像して『それ見た事か!』と罵ってるだろう。だが、せめて・・・一度でいい。一度でいいから親父達に立派に育った作物を送ってやりたい。それがせめてもの謝罪だ。今の現状では打つ手無しだけどな。

「このままでは作物どころか・・・・」

季節外れの種を握り締め一人呟く。今は自分の身をなんとかして春まで生き延びれるようにしなくては。冬季の間だけバイトでも、と考えたがこんな山奥では働ける場所も見つからず。街のほうまで下っていけばなんとかなるかもしれないが、生憎と移動手段が無い。以前持っていた車は退職と同時に手放してしまったからだ。そうしないと無駄に維持費が掛かるだけで首が絞まってくると考えに考え抜いて手放したのだ。

「見栄張らずに軽乗ってりゃ良かったんだ・・。そうすりゃまだ多少でも金が残ってたのに・・」

今更後悔しても遅いが、今はそんな事はどうでもいい。今の俺に必要なのは明日を行き抜く事だけだ。早く手を考えないともうすぐ雪が降ってくる。雪が降ればほとんどの交通手段が遮断され孤立してしまう。そうなると俺は身動き一つ出来ずに死を待つばかりだ。一体どうすればいいんだ。

「・・・親父達に頭下げてなんとか許して・・いや、ダメだ。自分でやると言ったからには最低でも一年は耐えぬかないと・・」

それに収穫の楽しさを一度でいいから味わってみたい。頭を下げるのはそれからだ。俺にも意地はある。親父達に俺が育てた作物を味わってもらいたいんだ。そうじゃなきゃ此処に来た意味が無い。負け犬のままみっともない姿で帰りたくはないんだ。

「せめて誰か・・農業に詳しい人が傍に居てくれたら・・」

考えても仕方ない、今日はもう寝よう。このまま起きてても無駄に電気料金やガス代や水道代が増える一方だし。・・・暖かい布団に感謝・・。



嫌な夢を見た。丹精込めて育てた苗が枯れ果て腐り・・・塵と成って風に流されるのを。どうして急にこんな夢を見てしまったんだ。俺には農業は向いてないという暗示なんだろうか。だけど、俺は立ち止まれないんだ。俺が此処に居たという証を作るまでは。だけど、夢見が悪かったせいか作物に対して恐怖感を覚えてしまう。もしかして夢のように本当に枯れてしまうんじゃないだろうか、もしくは・・・作物じゃなく俺が夢に出てきた苗のように枯れ果ててしまうんじゃないだろうか。

「・・・今の俺には前進あるのみ。立ち止まっている暇は無いんだ」

せめて雪が降る前に一度土を掘り返し肥料などを混ぜ込んで活性化させておこう。そうすれば冬の終わりにはなんとか種を撒ける・・はずだ。まずは鍬を持って。

「毎度ながら結構重いな。せめて農耕機が使えたら」

トラクターやコンバイン、耕運機とか見てるだけで羨ましいなぁ。そんな高価な物を買えるだけの金も無い俺は地道に農具だけで頑張るしか無い。農具は農具で農耕機とは違った良い点もあったしな。

「農具使い始めてから・・すっげー筋肉質になってきたなあ」

少し前まではなんというかひょろっとしてる感じで頼り無い男トップ10に入る体型だったのに、今は昔に比べて一回りも体が大きくなってるようだ。腕を曲げれば昔のへにゃっとした力瘤じゃなく血管が浮き出そうなほど筋肉が膨れるし、足なんて脹脛が陸上選手みたいにパンパンだ。これはこれで良い経験を積んだ。後はせめて・・結果が伴ってくれたら最高だったのに。

「はぁ・・・、肥料も水の量も日照時間もほぼ合ってたのになんで全滅したんだろう・・・」

何が悪かったんだろう。畑もしっかり耕して、苗も適度に間隔も空けて植えたし、支柱もきっちり嵌めた。それなのに何故、芽を出して僅か一週間程度で萎えてしまったんだろうか。肥料が足りなかったのか、それとも俺の育て方が間違っていたのか。今更考えてもしょうがない事だが、やはり失敗した意味を知っておきたい。もし、来年まで俺が耐えれたらもう一度挑戦してみたいしな。

「うーむ・・、配合表を見る限りでは肥料の間違いは全く無いよな?天候関係も良好だったし、必要な水分もきっちり与えていた・・・、一体どこに間違う要素があったんだろう?」

素人なりに無い知恵を絞って答えを探す。もちろん見つかる訳が無いのは判ってる。

「やっぱ、わかんねえよな…。っと、そうだ!雪が降り出す前に山に入って何か収穫してこよう!」

もしかすれば多少は食材を確保出来るかもしれない。運良く手に入りますように。さぁ、大きな籠を背負って家の裏手に見える小高い山に出発だ。

はぁ・・はぁ・・、結構・・斜面きついが・・・まだまだ行ける。っと、おおっ!アケビ見っけ。これ見るの久しぶりだな。綺麗に縦にぱっくり割れて美味そうだ。んおっ!?奥のほうに野生の栗が生ってるじゃないか。神様、ありがとう・・。これで今晩は豪勢な栗御飯にありつけます。


「ああ・・いい感じに採れたなあ」

籠一杯に詰まった食材を居間で眺め、思わず涎が出てしまう。まぁ、何度か痛い目に遭ったが・・。でっかい蜘蛛の巣に引っ掛かったとか、凄い勢いで目の前を滑空していった無数のゴキブリとか・・。数え上げたらキリが無いが。

「それじゃぁ〜・・・・、まずは栗御飯を作るか」

米を研ぎ、釜に入れて。さて、メインの栗ちゃんを剥きますかねぇ♪

「うはっ・・・、市販されてる栗よりでっけえ!!やっぱ大自然で育った栗は最高だぜ!!」

煮立てて煮立てて〜♪さぁ、御開帳〜。

「良い匂いだ…。良し、米炊く前に塩を釜に入れておかないとな。んで、ほいほいほいっと栗放り込んで、後は炊き上がるのを待つばかり〜」



「あ〜〜〜〜、うめえ!すっげー美味い!!」

最高だぜ、この栗御飯は。これだけでオカズは要らん。でも、漬物だけは食っておこう。栗御飯が甘いから沢庵の塩辛さが美味い。・・・まだ栗は残ってるから暫くはこれ食おう。

「ごっそさん!!じゃなかった、まだアケビがあったんだ」

美味そうな縦筋入れやがって・・、こいつは俺を誘ってやがるな。その割れ目に舌を突っ込んでたっぷり中を掻き回してやるから待っていろよ。

「んん・・じゅるっ・・・、ふんん〜・・・ぷは・・」

ああ、マジうめえ・・。この微妙に薄く濁った白い果肉がなんともいえん。はぁ〜・・・食った食った。今日の成果でなんとか数日は飯が豪華になるな。明日も山に入ろうかな。もうちょいストック欲しいし。

「さぁて、・・ちょっとだけ畑見てから風呂入って寝るかあ」

何度見ても変わらずだな。当たり前か、土掘り返して肥料やったところでいきなり芽とか出るわけないしな。・・お?麓のほうに見慣れない灯りが。あれはもしかして・・移動スーパーが来てるのか!やばい、早く行かないと食材が根こそぎ買われちまう!それにもし雪が降ったら、次はいつ来るかわからんし今の内に買わなければ!

「急げ急げ急げ急げ!そっから動くなよーー!」

まだなんとか余財の3万を握り締め必死に走る。せめて自転車でもあれば良かったのに。ま、マズイ。灯りが移動しようとしてる。待て、待ってくれ!ここに客が居るんだぞ!行くなあああああああああああああああああ!!

「ぜぇ・・・・ぜぇ・・・・・・・・ぜぇ・・・、ま・・待って・・・くれ・・」

息も絶え絶えで必死に呼びかけるが、無情にも移動スーパーは去ってしまった。どうすりゃいいんだ・・。調味料の類も底を尽く寸前だというのに。ああ、明日から一体どうすりゃ・・。あ、反対側にも灯りが!?やったああああ!もう一台来てたんだ。急げ急げ!



「・・・・・は?」

なんでこんなとこにパチンコ店が。くそっ、灯りに騙されちまった。くたびれ儲けかよ・・。はぁ、帰ろ帰ろ。

「あら、御客様?当店に寄っていかれないのですか?」

「あー・・俺別にパチンコに興味ねえ・・・・し・・・」

突然後ろから声を掛けられ、ぶっきらぼうに返事したが・・まさか振り返った先にとんでもない美女が居たなんて。

「御客様、今宵、貴方様の幸運は此処にあります。どうでしょう?一度だけ御試ししてみませんか?」

くっ、騙されるな俺。博打にゃ大抵美人が付き物で、それに誘われて人生破滅とかドラマとか映画でたっぷり見てるだろ。でも何故・・俺の足は誘われるように店に向かっていくのだろう。打ちたくないはずなのに・・。

「本日はお忙しい中、当店に足をお運び頂きありがとうございます。今宵、貴方様が手に入れるは幸運。それでは良き夢を」

嗚呼、店内に入ってしまった。パチンコなんて打ちたくないのに。くそっ、こうなったら破れかぶれだ。この3万でとことん打ってやるよ!俺は台選びなんて出来ねぇしこの台でいい!

「・・・はあ・・、負けりゃあ明日から地獄だな・・」

博打なんてどうせ負けるに決まってんだろ。勝つ奴なんて相当運に恵まれてるってだけの話だ。しかし・・。

「この台の名前・・なんとかならんかったのか。『大自然と遊ぼう♪』とか・・パチンコに相応しくない名前だ・・」

まぁいい・・、適当に打って帰るか。んじゃ札入れてっと。大事な金がこんな銀玉になっちまったか。こんなん打って何が楽しいんかねえ。

「・・・エルフにドリアードにノームにイグニスにシルフとウンディーネも居るな。ケンタウロスにユニコーンにワーウルフ、マタンゴとマンドラゴラか・・」

なるほど、大自然だからこんなメンバーか。それらしいと言えばそれらしいが。・・・パチンコは本当に暇だな。ただ座って打って玉が無くなったら札を入れるの繰り返しだし。まぁ一応はそこそこ画面回ってるみたいだからマシなのかな。

「ぉ?ケンタウロスのリーチ・・ま、当然外れるわけで・・」

当然の如く外れやがったか。はぁ、・・・俺、何やってんだ。大切な金をこんな事に使ってしまって。この3万が無くなったら明日からどうやって生きていけばいいんだ。もしこの場に他の誰かが居たらこう言うだろうな。

『勝てば済む話だろ?』と、他人事だからこそ気楽に人を陥れてくれるだろうな。勝てればの話なんて俺には無理だろうけど。乗ってしまった手前、しょうがないけど打つしか無いか。

はぁ、とうとう1万円が消えたか。こんなストレートに負けると俺の人生を見てるみたいで悲しくなってくる。さきほどからリーチが何度も来てるのに一向に当る気配は無いし、発展すらしない。はぁ、・・・なさけねぇ。

「人生は生きる博打と言うけど、こんなパチンコにすら勝てない俺の人生ってのは・・」

溜息しか漏れない。一つ溜息を吐くと一つ幸運が逃げていく、とかよく聞く話だが、俺には幸運なんて無いだろうからいくら吐いても大丈夫だろう。はぁ・・・。

「俺、何やってんだろうな・・・、勝てもしないパチンコに大事な金突っ込んで・・」

嘆いた所で金は戻ってこない。それが博打というものだから。

「・・・ぁ、ワーウルフのリーチが・・」

って、また普通に外れたか。リーチが来てもこればっかりだな。外れてもいいから、たまには発展してくれよ。これだからパチンコとか博打関係は嫌いなんだよ。ああ、もう一万ニ千円しか残ってない。俺はなんて事しちまったんだ。生きる為に必要な金を無駄に散らせてしまった。

「明日から暫くは電気無しで耐えるか・・・。どうせ使うのは電灯とテレビと携帯の充電ぐらいだしな・・、冷蔵庫だけは必要だが。ここが田舎で良かったよ・・」

もし此処が前に住んでた場所と同じだったら馬鹿みたいに電気使いまくってただろうし。

「リーチ・・来なくなったな・・・」

-ズンッ!!-

「ん・・予告・・音か?」

-ズズンッ!!-

「お・・?画面が揺れてる・・」

-ズズズンッ!!-

「両端のキャラが揃って流れてきた・・、んを?ノームで止まったか」

はぁ、・・これも普通に流れて終わるかもなあ。大抵はこのパターンで騙されて・・騙されて・・ん、ノームの顔がアップに・・。

【大地に・・・息吹を再び・・・】

ノームが顔の前に自らの両手を差し出して何か呟いてる。別に手の上には何も無いな。一体何するつもりなんだろうか。

【此処に・・・新たな・・・芽を】

ん〜?手から何かの芽が生えてきてる!よくわからんけど、そうだ!もっと芽を伸ばしてくれ。もっと、もっと大きく!

【もう・・・少し・・・】

「そ、そう!もう少しだ!」

【・・・・・・咲いた】

おっし、咲いた咲いた!んで、咲いたけどどうなるんだ?

【・・・お疲れ様・・】

「へ?何?・・・ノームが直止まり・・。よっしゃあ!当たったじゃないかあー!」

当らないと思ってたのに、こんな簡単に当ってくれるとは思わなかった。ああ、玉が大口ポケットにどんどん入って・・・って、あれ?玉が出ないんだけど?

「・・・こんな時でも俺の運の悪さが発揮されるのかよ・・」

しょうがない、こういう時は店側が保証するって決まりがあるし大丈夫・・たぶん。って、・・玉も打ち尽したしさっきの店員を呼ぶか。

-カラン♪-

「ん、何か出てきたぞ?んー、これ何だ?銀貨っぽいんだけど・・??」

「おめでとうございます♪今、貴方が手にしてるのは幸運を運ぶ銀貨です。貴方様の元に幸せが訪れますように」

うおっ!?びっくりした・・。いつの間に後ろに立ってたんだ。

「ぇ、いや・・ちょっと待って。これどうすればいいの!?」

「それでは、本日はこれにて閉店とさせて頂きます。今宵・・・良き夢を」

ま、待って・・・まだ何にもわかんないんだけど!?もう少しだけ・・・くわ・・・しく・・・。



「・・・ハッ!?・・・今のは一体・・幻だったのか?まさか!?」

急いで財布の中身を確認すると、中には一万円しか残っていない。

「・・・そ、そんな・・。明日からどうすりゃいいんだ。・・・財布の小銭入れに何かあるぞ・・?」

見慣れない銀貨が一枚入っていて、表にはノームの顔が彫られていた。少し無表情にも感じるが、優しそうな眼差しをしている。裏は何だろう?

「何て彫られてるのかな?」

全くもってわからないが、さきほどのは幻じゃなかったんだな。とりあえず持って帰るか。足が・・重いな。


「はあ・・・、昨日の残りの栗飯を食って寝るか」

家に戻るなり昨日の余った栗飯を少しだけ温めなおして無言で食う。ダメだ、食欲が湧いてこない。残った分はラップして朝に食おう。それじゃ、おやすみ。




「・・・・・少し・・冷たいけど・・・栗・・すごく美味しい・・」

んぁ〜・・・?ぅんぅん・・・栗御飯美味いよなぁ・・。おやすみ〜・・・。

「美味しい・・けど・・・もっと・・・欲しい」

あ〜、おかわりなら台所に結構残ってるから勝手に食ってていいよ。

「・・・ん、わかった・・・・」

ああ、やっと静かになった。それじゃあもう一眠り・・。

「じゃねええええ!?俺、誰と喋ってたんだよ!?」

まさかと思うが、そっと静かに襖を開けて居間を見渡す。卓袱台に乗ったままの椀は見事に空っぽだ。ラップしていたはずの椀には米粒一つすら残っていない。ま、まさかこれは・・・。

「俺、もしかして・・泥棒か何かに寝ぼけながら喋っていたのか・・」

と、いう事は・・そいつは今頃・・・飯を目当てに台所に居るはずだ。よ、よし・・深呼吸して・・ヒッヒッフー・・。違う違う!落ち着け俺・・、スー・・ハァー・・・・。ま、まずは納屋のほうに静かに移動してバットを持参・・・。これで良し。さぁて・・泥棒さんよ、しっかりきっつい御仕置き喰らってくれよな。食べ物の恨みは怖いぞ。そぉ〜〜〜っと・・そぉ〜〜〜っと・・・居た!って律儀にお椀に入れて食ってやがる。ちと薄暗くてわかりづらいが・・んじゃ、一発ぶちかましてやんよ!!

「喰らえぇぇぃぃぃぃーーーー!」

ガッ!!

「・・・へっ?後ろ向きでバットを掴んで・・・」

「暴力・・・ダメ。今、美味しい御飯・・・・食べてる」

お、女の声だ。こいつまさか!?急ぎ壁のスイッチを押して台所全体を明るくする。

「ん・・眩しい」

「・・・」

「おかわり・・」

「ノオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!?」

誰か!誰か教えて!なんでうちの台所で土色肌でほぼ素っ裸の姉ちゃんが栗御飯食ってんの!?しかもおっぱいの大きさ最高だよ!って、手がでっけえ!すげえ手甲嵌めてるみたいだ!

「・・ん?んんっ??良く見りゃ・・あんたもしかしてノーム・・なのか?」

「ん・・そう。私・・・ノーム。アーシェル・・」

あー、びっくりしたじゃないか。泥棒かと思ったらノームか、ハッハッハッ。今までに数回見かけた事あるのにびびって損したよ。

「あー、もしかしてアーシェルさん。栗の匂いに釣られたのか?」

「・・・うん、栗・・いい匂いしてたから」

なんだ、それだったらいくらでも食わせてやったのに。わざわざ泥棒みたいな真似しなくても喜んであげるよ。

「・・・貴方の栗の匂いも・・・美味しそう」

「ん?俺は栗持ってないぞ?」

「そこに・・」

・・・?ちょっとおおー!どこ指差してんの!そこは確かにそれっぽい匂いするかもしれんけど、そんな堂々とするんじゃありません!

「・・・残念」

はぁ、・・そういやノームって魔物娘の中では比較的おとなしい性格だったな。いきなり襲われるって事はなさそうで安心する。

「でも・・・欲しい。お腹空いた・・・」

え?なんで手をワキワキさせながら俺のほうに寄ってくんの。ノームって大人しいよね!?サキュバスや白蛇のように突然襲い掛かるなんて無いはず・・だよな。でも、その蕩けた瞳は何ですかぁ・・。しかも涎まで垂らしてるし。いや、待てよ。目の前に居るノームさんは結構俺好みのおっぱいの持ち主だ。それに土色肌も悪く無い、寧ろ最高だろ!エキゾチックな雰囲気万歳。うん、そうそう。こう、なんというか優しく下着を脱がされてだな。ポロリと出た俺のチンコの先を優しくしゃぶってくれて・・。

「ん・・・ちゅ・・・ぢゅ・・やっぱり・・・こっちが美味しい」

そうそう、こんな感じに舐められてだな。そのまま一気に口一杯に頬張られて。

「んぢゅ・・・じゅぽ・・・んんふ・・ふぅ〜・・・」

んぉぉ〜〜〜〜!こう!こうだよ!こんな感じにしゃぶってくれて・・。

「って、いつのまにか脱がされてしゃぶられてるし!」

「・・・口に出してた・・。だから・・する」

嘘だろ、俺の欲望漏れまくってたのか!?って、待って待って!そんなに強く吸われたら出るって!

「ん・・・んぐ・・・じゅる・・美味しい」

「ふはぁ〜〜・・・、最高のフェラでした・・・」

いやぁ〜、もう最高のフェラでした。そう、あの時の俺は一瞬にして天国に逝ける快感を味わって・・・、自己説明してる場合じゃないだろ。なんでこのノームさんは俺のチンコしゃぶって喜んでるん・・・んほぅ!?

「・・・もう一回・・・・いっぱい出して・・んんぢゅ・・」

本日二度目のフェラですかっ!もちろん喜んでいくらでも出しますよ!俺の精魂尽き果てるまでしゃぶってください!もっと強く吸い込んでバキュームフェラしてください!!

「んーーーーーっ・・・・じゅぱっ・・・んふぅぅー・・・ぢゅる・・・」

「くぅっ・・・それ最高・・また出そう・・・だ」

「ん〜〜・・・・・、終わり・・・」

「・・・えっ?」

なんでそこで止めるの。そんな生殺しだけはマジ勘弁してください。後もう少しで出るとこだったのに。

「出すなら・・・・次は・・・ここ」

「・・・ゴクッ」

マジか、マジなのか。四つん這いになってこっちに尻向けるって事は・・、いいんだよな。中にぶちまけても良いって事だよな。そ、それじゃあ遠慮無く後ろからガンガン突かせてもらうからな。では、柔らかオマンコ御開帳〜。おお、中は綺麗なピンク色だな。襞もプルプルしててエロいぞ。先にちょっとだけ指を・・。

「んぅ・・・・」

「くっ・・、凄い締め付けだ・・・。指でこれだけ締まるなら・・」

指を抜き、いやらしく蠢く穴にチンコを宛がう。まだ先端をくっつけてるだけなのにチンコが吸い込まれそうなほど、膣内の襞が誘ってくる。だが、俺はまだ挿入しない。さっき途中で止められたバキュームフェラの仕返しをしてやる。

「ほ〜ら、こうすると興奮するだろ」

「んっ・・んん・・・それ・・、クリトリスに当って・・・」

「当って・・何?」

「気持ち良い」

俺はマンコに入れず、両腿にチンコを挟みこませクリトリスを何度も擦り上げる。スマタ最高だ。まだマンコに入れてないのに太腿のぴっちり感とアーシェルの股から垂れてくるエロ汁で挿入した気分になってくる。バックで突いてるから余計にエロく感じるな。エロ汁まみれのマンコを見ながらスマタするって膣にぶち込むより興奮してくる。

「んんぅ・・、イジワル・・・だめ。はやく・・・精液欲しい」

我慢出来ないのか、アーシェルがこちらに振り向き軽く腰を振りだした。

「そうだな・・、入れてもないのにエロ汁まみれになったアーシェルのマンコに御褒美あげないとな・・・んっ!!」

「んあっ!・・・熱いの・・熱いオチンポ入ってる」

うぁっ!?これやべぇ・・、やばいやばいやばい!入れただけなのにもう出ちまう!

「ぐっ・・すっげー出てる!・・・うぅ・・・ふぅ〜・・・」

「私の胎に・・熱い種が・・・♪」

はぁ〜、・・・出ちまった。俺、早漏の域を超えちまったよ。一回チンコぶち込んだだけで射精とか、これってもう早漏じゃないぞ。でも、・・・最高に気持ち良かった・・。

「・・・もう一回・・欲しい」

「・・・えっ!?ちょ、ちょっと待って!少しだけ休憩させてくれ!」

「・・・うん、わかった」

と、とりあえずチンコ抜こう。このままだと勝手に射精してしまいそうだ。

「んうぅ♥・・・あ」

はぁ〜、っととと。なんで急に腰に来るかな。

「もう・・大丈夫?」

いや、だからまだ無理だって、今チンコ抜いたばかりじゃないか。そんな急に復活するなんて絶対にありえないし。

「アーシェルも少しだけ休んだらど・・う・・?」

ん?どうしたんだ?なんで急に立ち上がって玄関に行くんだ?

「どこ行くんだ?」

「・・・土が・・」

「土?」

「土が・・・泣いてる」

お、おい待て!行くのは構わないけどせめて服を着ろ。マンコから俺の精液垂らしたまま外に行くなよ。今は深夜だから誰も居ないからいいけど、それでもやばいっての。あ、そういや俺も下半身まっぱだったわ。

「・・・あそこ・・土が泣いてる」

アーシェルが指差す方向は・・?あれって・・俺の畑じゃないか。畑が泣いてるってどういう意味なんだ。

「あそこの土・・・何も育たない・・。命・・育まない・・、可哀想」

一体どういう事なんだ?さっぱり理解出来んぞ。

「あそこだけ・・・土が死んでる・・。元通りにしないと・・・」

「・・・まさか、今まで何度も苗が枯れてたのは・・」

「うん、・・・どんなに栄養与えても・・土が生き返らない限り・・・植物は育たない」

なんてこった、道理で何度も失敗するわけだ。ノームであるアーシェルが言うんだから間違いないだろうし。

「私が・・元に戻す」

「出来るのか!?」

「出来る・・・、ん、・・やっぱりダメ」

おおおおぃぃぃーーー!今出来るっつたろ!なんで急にダメとか言い出すんだよ。

「なんでダメなんだよ!」

「・・・さっき・・イジワルしたから・・」

なんだよそれ、なんでプイッてそっぽ向くんだ。それに俺は意地悪なんてした覚えが無いぞ。あ、もしかして泥棒と間違えてバットで襲ってしまった事か!?確かに普通の奴だったら一発でノックアウトどころか病院行き間違い無しだっただろうけど、・・・まさかそれで怒ってるのか。もしそうだったら土下座でも何でもして許してもらうしかない。許して貰えないと俺は何も作れず干乾びるしか道が無い。

「・・・わかった、確かにあれは俺が悪かった。俺の勘違いのせいで嫌な気分にさせたのはわかってる。でも、俺も身を守る為にしょうがなかったんだ!それだけはわかってくれ!」

「・・・?」

・・・あるぇ〜?なんで不思議そうに首傾げてるのかなあ?もしかして俺の説明すっげー下手だったの?なんかショックだわ・・。

「何の事を・・言ってるの?」

あ・・あれ?間違えた?それじゃ原因は何だ。もっと考えろ俺。他に何かしでかした事は・・。うぉぉぉぉ・・わかんねぇ。くそっ、こうなったら・・・。

「俺は馬鹿だから率直に言ってくれ!俺には原因が思い当らないんだ!」

「・・・一回だけで・・」

「一回・・?」

「抜いたから・・」

抜いた?何を抜いたんだ?一回・・一回、思い出せ俺。一回だけで抜いた・・。抜いた・・ヌいた・・、まさか拗ねてる理由ってのは。

「オチンポ・・一回しか入れてくれなかった・・・。でも・・・胎・・満たされて嬉しかった・・♪」

やっぱそっちの事かよおおおおおお!確かに我慢出来ずに一回入れただけで射精しちまったけど、そんな理由で拗ねてたのかよぉ!

「俺はてっきり泥棒と間違えた事に怒ってたのかと・・」

「あれは・・・怒ってない。だから・・」

何?なんで四つん這いになってこっちに尻向けてんの?

「さっきの続き・・・してくれたら許してあげる」

「喜んで!!」

ああ、この手触りいいよなぁ。土色肌だから硬そうに見えるけど、揉んだらむにゅむにゅして気持ちいい。少し力を入れるだけで指が尻肉に沈むのがたまらん。見てるだけでチンコが勃起しちまう。

「んぅ・・揉んでばかりじゃ・・ダメ」

「・・・ああ、俺ももう我慢出来ないし。また入れさせてもらうぞ・・・っと!」

「んはぁぁ〜〜〜♥」

さっきはスマタした後に入れちまったからすぐ射精してしまったけど、今はなんとか大丈夫・・・んっ!?

「う、嘘だろ。入れたばかりなのにまた出そうだ・・・」

「んぁ♪・・もっと膣動かして搾る・・」

「待ってくれぇーー!そんなに中で動かされたら・・・あ・・あああ、で、出る!!」

「あったかい・・♪」

ああぁぁぁ・・、また一回で出してしまったよ・・。俺、早漏じゃないのに・・・。

「もっと・・胎に出して♥」

ちくしょおおお!こうなったらとことん突いてやるよ!何度でも出して子宮の中たぷたぷにしてやる!

「あぁん・・んぁ♪もっと強く・・」

ふはぁ・・、浅黒い土色した尻を揉みながらチンコぶち込むのって癖になりそうだ。腰を引けばチンコに絡み付いたピンクの襞が一瞬だけ見えて凄く興奮してくる。黒とピンクの組み合わせってなかなかエロくてもっと見たくなる。そのピンク色がマンコ肉なら尚更掻き回してみたくなってくる。もっとだ、もっと淫乱マンコのピンク色を俺に見せてくれ!

「ふっ・・ふっ・・ふっ・・・、んぁ〜〜・・」

「ぁん・・、そ・・・そこ、もっと突いて・・」

此処か!此処がいいのか、エロマンコめ!突くたびにエロ汁噴きやがって!さっき脅かしてくれた仕返しだ!また一番奥に出してやるからな!

「ぐぅっ・・・!ぁぁっぁぁ・・・、すっげー出てる・・。こりゃ下手したら妊娠しちまうかもなあ」

「んぁぁぁ・・♥妊娠・・妊娠させて♥胎を満たして・・♪」

おっしゃ!このまま腰引っ張って背面座位でヤってやるよ!土の上でやるとケツ痛くなるけどこの際どうでもいい。もっと中出しして絶対に孕ませて・・・へ?

「・・・土が柔らかい??クッションみたいになってるぞ?」

「痛いと思うから・・・・柔らかくした」

なんて至れり尽くせりな・・、こうなったらお礼にたっぷり出してやる。ああ、土がクッションみたいに柔らかいから勝手に腰が動いて楽かも。

「ふっ!・・・くっ・・ふんっ・・」

「あん・・ぅぁ♪もっと・・・もっと奥に」

「こっちもそろそろ可愛がってあげないとな」

後ろから羽交い締めするように腕を回し、膣を突きながら俺好み満載の柔らかおっぱいを揉みしだく。やはり尻肉同様、見た目と違ってマシュマロみたいに柔らかくて一生揉んでいたい気分になってくる。

「このおっぱい最高・・・、お?乳首立ってるぞ」

「んぅ♪・・気持ちいい・・・から♥ぁんん・・もう、イキそう」

男心をくすぐりやがって可愛いやつめ。おかげで俺も我慢の限界が来たじゃないか。

「お望み通りに・・んっ!出して・・出してやるからな・・・んぐっ!!」

「んぁぁっぁぁぁぁ・・・♥オチンポ・・・オチンポ熱くて・・♥」

はぁ〜〜、すっきりしたー。・・・って、さぶっ!!もうすぐ冬だというのになんで外でヤろうと思ったんだ!?俺は馬鹿か、バカなのか!?歯がガチガチ鳴ってるし!

「ああああっぁあぁ・・・今更ながらに・・寒くなってきた・・・」

「・・寒いの?」

「そ、そりゃ・・寒いに決まってるだろう・・・」

やっべぇ・・ヤってる最中は寒さなんて全く感じてなかったのに、今頃になって体中冷たいのに気付いてしまった。早く家に戻って布団の中に逃げ込まないと。

「とっととっと・・・とりあえず・・部屋に戻って布団に・・。このままじゃ風邪ひいちまう」

「・・・うん♥次は布団の中で・・・体温めて♪」

やっぱり布団に戻ってもヤるのは止めないのね・・。俺、朝になったら別の意味で干乾びてるんじゃないだろうな。








あ、朝か・・。俺、よく生き残れたな。結局あれから10回近くもおねだりされて腰が痛い。今日も同じようにおねだりされたら、明日には本当に干乾びて死んでしまいそうだ。いくらなんでも、この若さで腹上死だけは嫌だな。いや、男ならそれも本望か。惚れちまった女の上で孕ませながらあの世に逝けるなんて幸せじゃないか。でも、やっぱまだ死にたくないな。

「・・・おはよう、マスター♥」

「ああ、おはよう」

「んん〜・・、そうだ・・。マスター・・・付いて来て」

ん、種持ってどこに行こうとするんだ。って、待て!だから裸で外に行こうとすんな!!なんでもいいから俺の服着ろよ!

「マスターの匂いが付いた服♪」

「・・・んで、どこに行くんだ?」

「畑」

畑、畑・・そうだ!元に戻してもらえるんだったな!これでなんとか育てる事が出来るぞ!




「・・・・今まで辛かったね・・。すぐに戻してあげるから」

な、何だ!?畑が水面みたいに波打ってる!こんなの常識じゃありえないぞ。一体どうなってるのやら・・。

「近づいちゃダメ・・、土に呑まれるから・・」

なにそれ、想像したらすっごい怖いんだけど。

「・・・終わり」

土が・・元に戻って。ん?別に何も変わったようには見えないが。

「ここに種蒔く」

アーシェルに種を手渡されて適当に蒔いてみる。こんなもんでいいかな。何度も失敗したから種を蒔く間隔だけは上手くなってるしな。

「ん・・それじゃ・・・育てる」

「・・・え?んびゃああああああああああああああああああああ!?」

何で!?何で俺の周りが急にトマトや胡瓜だらけになったんだ!?うおおおおおっ!向こうにはとうもろこしとピーマン、ニラとかがああああああああ!?

「・・・土も喜んでる♪今まで頑張ってくれて・・・アリガトウって」

そ、そうか。土に感謝されるってのもなんだか変な気分だけど、やっぱアリガトウって言われると嬉しいよな。でも・・・。

「もう冬が来るってのに、この畑だけ夏野菜だらけってのもなんだか異様な光景だな・・」

「・・マスター、早く刈りとって・・」

「ちょ!こんだけの量を俺一人じゃ捌けないぞ!!」

「大丈夫・・私も手伝うから。マスターは・・・運ぶ役お願い」

アーシェルが土の爪で器用に刈り、それを俺がネコ車で何度も運ぶ。何度も往復してる内に納屋のほとんどが収穫した野菜で埋まってしまう。

「アーシェル〜、もうすぐ納屋が満タンになっちまうぞー」

「それじゃあ・・残りはあの子達に・・」

あの子達って誰の事だ?うわっ!?屋根の上にリスやら小鳥やらたくさん群がってる!

「おいで・・・、残りは貴方達にあげる」

怒濤の勢いで収穫物に群がる小動物達を見ながら軽く溜息を吐く。やっぱり魔物娘は全てに対して慈しみの心を持ってるんだな、と。

「おぉ、俺の肩にリスが乗ってきた」

「・・マスターが持ってるとうもろこしが欲しいんだと思う」

「そっか・・そうだよな、俺だけじゃなくお前達も冬を越すのに必死だもんな。ほら、一本丸々持っていきなよ」

「・・・それは流石に・・・大きいと思う」

それじゃ小さく輪切りにして、と。引き摺るようにして持っていったな。ほら、他のお前達も持っていけ。

「マスター・・・良い人♥」

「お、おだてても何も出ないからな!!」

「精液は・・出してもらう」

やっぱそう来ましたかー。なんとなく予想は付いてたけどストレートに言われると我慢出来なくなるじゃないか。待て待て、にじりよって来るな。俺は今からする事があるんだからな。

「マスター・・・意地悪・・」

「少しだけ待っててくれよ。親父達に・・・収穫した野菜を送ってやりたいんだ」

「・・・うん、わかった」


さて、部屋に戻って久しぶりに一筆書きますか。




拝啓、親父殿

念願の初収穫を贈るよ。もし良ければ暇な時にでもこっちに顔を出して欲しい。嫁を紹介したいので此方に来る時は出来れば良い服で来てくれよな。短い文だけど、今はこれで勘弁してくれよな。冬の間は嫁の相手で結構忙しいんだ。それじゃ、また近い内に手紙と野菜を贈るよ。それでは、この辺で。

15/01/07 22:23更新 / ぷいぷい
戻る 次へ

■作者メッセージ
のんびりゆったりと時間の流れを満喫したい今日この頃。皆さんはどうお過ごしでしょうか。筆者はワーキャットやネコマタの如く、炬燵か布団の中で丸まって冬眠したい気分です。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33