連載小説
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後編 笑顔を求めて
「お姉さん、まずはこれをくわえてもらうよ」

 そう言うと触手が伸びていき女戦士の口の前で動きを止める。するとクパァという音とともにゆっくりと先端が4つに分かれ、その中からさらに触手が伸びてくる。その触手はまるで男性器を象ったような形をしており、先端から粘液らしきものが出てきてゆったりと垂れているのが分かる。

「私の触手から出ている粘液って媚薬効果があるんだけど、この触手から出ている粘液の媚薬効果は特に強いの。普通は肌に塗ってそれで終わりだけど、今回は特別……体の芯から隅まで気持ちよくなってもらうからね」
「そうか…ではこの粘液を飲めば良いのか?」
「……うん」
「何か不安ごとでもあるのか?」
「………あはは、お姉さんには隠し事出来ないね」
「顔に出ているからな」
「さっき本気で笑わせるって言ったでしょ?実はこの姿になってから本気で人を襲うの初めてなの……」
「そうなのか」
「うん。触手植物だった時からの記憶みたいのが残っているんだけど、その時は人間でも魔物でもかまわずに襲っていたの。私達って生きるために他の人か
ら魔力を啜らないといけなかったからいつも全力で犯していたの。性行為の耐性が強いサキュバスでもあまりの快楽に気絶してたくらいだし、その……人間であるお姉さんがどうなっちゃうのか」
「はぁー、何を言い出すかと思えば……」

 女戦士はため息を吐くのと同時にカッと目を見開き、目の前の触手を掴みくわえ込んだ。そして自分から先端から出ている粘液を吸い上げ飲み干そうとする。

「ちょ!?おねえっ…!んんんんん!」

 触手と感覚がリンクしているのか吸い付かれた瞬間に少女は声を漏らしてしまう。女戦士は粘液を飲み込もうと吸い上げるだけではなく、ちろちろと舌で先端を舐め始める。

「だ、だめえええ!」
「ほあほあ、もっほあへ」
「んくっ!で、でちゃう!でちゃうよ……でるううううう!」
「ん!?ごふぉ!?んく、んく………ぷはっ」

 先ほどの触手は少女の性感帯にも当たるらしく、女戦士の強引なフェラに負け、あっという間に粘液を口の中に放出してしまう。
 粘液を飲み込んだ女戦士は奇妙な達成感を得ていた。同時に異変も起きていた。体は急激に火照り、快楽を求めて子宮が疼き絶え間なく愛液が滴り落ちる。思考も淫らな考えで埋まり快楽を求めて止まない。それでもわずかに残った戦士としての理性を使い、不敵に笑い少女に話しかける。

「ふっ…これで後には引けなくなっただろう?」
「はぁ、はぁ、お姉さんってば強引なんだから………本当にどうなっても知らないよ?」
「心配は無用だ。どうせ私の居た部隊は全滅している。今更私が一人帰らない所で何も変わらん」
「……お姉さんが男だったら間違いなく惚れてるよ。何であの時錯乱していたのか不思議だよ」
「人間覚悟を決めると不思議と度胸がつくものだ」
「そんなものなのかな?まあいいか」
「ああ、今はそんな些細なことはどうでもいい」
「そうだね。私もさっきので火が付いちゃったみたいでもう我慢出来ないんだ」
「遠慮することはない。お前の望むままにしろ」
「わかったよお姉さん」

 少女が我慢の限界と言わんばかりに触手を動かし、女戦士の体に巻きつけて少女の元へと引き寄せる。女戦士も特に抵抗することなく触手に身を任せる。
目の前に引き寄せると少女は女戦士の唇を荒々しく貪るように塞ぎキスをする。キスをされた女戦士は抵抗こそしなかったもののある違和感を覚えた。
少女は女戦士の口の中に舌を入れてきているのだが、その舌が無数に存在するのか口内をその無数の舌で占拠されているのだ。そしてあることを思い出す。
彼女は触手を操る魔物、恐らくは舌と思われるものは彼女の操る触手なのだろうとあたりをつける。普通なら嫌悪感で抵抗の一つでもするところだが、何故かそんな気は起きなかった。むしろその一本一本が愛しいとさえ思える女戦士は情熱的なキスに負けじと積極的に舌を絡ませていく。その行為に気をよくした少女はさらにキスに没頭していく。
 長い長いキスをかわし、漸く二人は唇を離す。
しばらくぶりに得る空気がとても美味しく感じられ肺を満たしていく。
二人とも顔を火照らせ、蕩けたような笑みを浮かべている。その笑みはとても淫らで美しく、第三者が居れば迷わずに混ぜてくださいと懇願するほどの美しさだった。
 この時点で少女の目的は達成しているようなものだが、今更そんなことで止まるはずもなく、少女と女戦士の戦いは続行される。

「ふふふ…お姉さんが初めてだよ。この触手で埋め尽くすキスに情熱的に絡み
返してくれたのは」
「私も驚いている。性行為などやったことが無いはずなのに気がつけばお前の舌に絡みつかせていたよ」
「ということはお姉さんのファーストキスをうばっちゃったことになるのかな?」
「残念だったな。幼少の時に既に簡素な物だが奪われているよ」
「ありゃりゃ、それは残念。でも………」

 触手を女戦士の秘所の部分まで近づける。

「ここは初めてだよね?」
「ああ」
「私がもらっちゃってもいいのかな?」
「わかっているくせに意地の悪いやつだな」
「えへへ・・・だって、お姉さんから直接聞きたいだもん」
「まったく、魔物なのだから強引にすれば良いものを」

 女戦士はやれやれと言った感じで嘆息する。
そして欲望に溢れた瞳を少女へと向けて開口する。

「お前のその立派なモノで、ココを貫いてくれないか?」
「わかったよお姉さん♪」

 待っていましたと言わんばかりに触手が女戦士の秘所に勢い良く入り込み、途中の膜も突き破って一気に子宮まで到達させる。
鋭い一突きに女戦士は目を見開き、全身を痙攣させて声にならない声をあげて上を見上げる。秘所からは赤い血と大量の愛液が溢れ出し滴り落ちていく。

「えへへ…お姉さんの処女もらっちゃった♪それに今のでイッたみたいだね」
「っ……!っ……!」
「嬉しいな〜♪私の触手でこれだけ気持ちよくなってもらえるなんて。嬉しいからもっと、も〜っと気持ちよくしてあげる♪」

 そう言うと秘所に刺さっている触手がゆっくりと動き始める。
ギリギリまで抜いてからまた一気に突き刺す動作を行い、徐々にそのスピードを速めていく。所謂ピストン運動というものである。
一突きするたびに女戦士の体はビクンと跳ね上がるように痙攣し、声にならない声をあげる。

「お姉さん大丈夫?これからが本番なんだから気絶しちゃ駄目だよ」
「んくぁ!?はぁ、はぁ、はぁ、だ、だいじょっ…ぶだ…」
「さすがお姉さんだね。普通の人ならコレで気絶ものなんだけどね。それじゃあ、いっぱい楽しんでね♪」

 少女は女戦士にさらなる快楽を与えるべく触手を操り始める。口の中に先ほどの男性器を象った触手をくわえさせてピストンさせる。
吸い尽くような形をした触手を2本操り、女戦士の両胸へと近づけて一気にくわえさせる。くわえている触手の中では細長い触手が無数に動き回り一斉に乳首を刺激する。そして一定のタイミングで胸をきゅっと吸い上げていく。
手の部分にあたる触手が蠢く花を背中側と腹部側に分けて近づけ、万遍なく刺激を与える。
敏感なクリトリスにも無数の突起物が付いた小さな触手で何度もこすりあげる。
アナルにも先端が凸凹した触手が挿入され、アナル周辺から直腸を刺激しながらピストン運動を行う。
両足をブラシのような先端の触手を無数に操り、上から下までツツーと撫で下ろし。足先、足裏とくすぐるような刺激を与える。
 そして最後にオマンコをピストンしている触手の先端からさらに細長い触手が数本出てきて子宮へと進入していき、子宮の中を埋め尽くし、蠢きまわり刺激を与える。それらの快楽を一気に受けた女戦士は体を限界まで反らせ、痙攣してしまう。
 どれだけイッたであろうか?どれだけ叫んだであろうか?どれだけ気を失ったであろうか?
人間が受けるにはあまりにも強烈な快楽に支配され、まるで脳が溶けてしまうような錯覚に何度も落ち、理性など当の昔に無くしていた。しかし、彼女は笑っていた。与えられる快楽に笑みを浮かべて、少女に答え続けた。
 少女もそんな女戦士の笑みが嬉しくて、何度も何度もイカせ続けた。
自分が暴走しているということにも気が付かず、少女は暴走する思考のまま触手を操り続けた。






 その結果が女戦士の……人間としての生を……終わらせるとも知らずに…。






『チュン、チュチュチュン……』

 魔界の森に生息する鳥が朝の知らせを告げる泣き声を木霊させる。
その声に反応した女戦士はゆっくりと目を開いた。

「………朝か」

 どうやらいつの間にか寝てしまったようだと考え、昨日何があったのか思い出そうと思案にふける。

「………そうか、私はあの子にイカされ続けて気絶したのか」

 途中まで覚えている、あの激しい性行為を思い出し身を震わせる女戦士。
だがそこまで思い出した所で一つの違和感を感じた。

「気のせいか?妙に体が軽いぞ。体調もすこぶる良い。あれだけイキ狂ったというのに筋肉痛一つ無いとはどういうことだ?」
「……むにゅ…おへ〜は〜ん…むにゅむにゅ」
「………どうやら夢というわけでも無さそうだ。おい、いつまで寝ている気だ」
「へへ〜…おへ〜は〜ん♪」
「さっさと起きろ」
「いだっ!」

 起きない少女へ容赦ない拳骨が見舞われた。

「イテテ…いったい何が?」
「やっと起きたか」
「はっ!?お姉さん大丈夫なの!?」
「え、えっと、大丈夫だが?」

 起き上がると同時に眼前に迫る少女。
何やらひどく焦った様子に少し引いてしまう女戦士。

「よ、よかったよ〜………お姉さんをイカせ続けた後、ふと我に返ったらお姉さんが笑ったまま何にも反応しなくって……」
「えっ?私はそんな危ない状態だったのか?」
「どうしようって慌ててたんだけど………さらにビックリすることがあって、私も気絶しちゃったの」
「そのビックリすることって?」
「その……お姉さん気が付かないの?」
「えっ?何に?」
「えっと………その、頭とか、背中とか、お尻とか、いろいろ…」

 気まずそうに告げる少女に疑問が浮かぶが、言われた通り頭に手を触れようと移動させた時だった。頭に触る直前に何か硬く長いモノに触れたのだ。
次に背中に手を回した際に何か柔らかいような硬いような、旗に近いモノに触れた。最後に臀部に意識を向けると何かがくっついていて、動かせるような感覚があることに気が付いた。

「角……羽……尻尾……?」

 確認するように少女の顔を見つつ呟いてみるとこくんと頷かれてしまう。

「どうして?」
「たぶん、私の所為だと思う。昨日の性行為でお姉さんに大量の魔力が流れ込んだから………その魔力に反応してサキュバス(魔物化)になっちゃったんだと思う」

 わずかの間、辺りを静寂が支配する。

「そうか…私はもう人間ではないのだな」
「ごめんなさい!!!」
 
 少女の声が響く。
 
「私はただ笑って欲しかっただけなのに…お姉さんを魔物にする気もなかったのに…私が調子に乗っちゃったから…本当にごめんなさい!!!」
 
 少女は謝罪の言葉と同時に涙を流し始める。
考えなしに暴走した自分が許せなくて、女戦士をサキュバスに変えてしまったことが悲しくて、少女は大粒の涙を流した。
女戦士はそんな少女のもとへ向かい、優しく抱きしめた。

「泣くな。確かに結果的に私は魔物になった。人間で無くなったのも残念だ。だが…」
「………」
「それは全て私自身が招いた結果だ。だからお前が泣く必要は無い」
「っ!?……どうして、そんなに優しいの?私があなたに出会わなければ人間としてまだ生きれたかもしれないんだよ!?なのにどうして!?」
「お前はただ単に私に笑って欲しかったから行動に移した。その行為自体に悪意は存在しないし、その気持ちが伝わったからこそ、私はお前に心を許したのだ。まあ、確かに行き過ぎた部分もあっただろうが……私が魔物に変えられたことも、お前に襲われたことも責める気は無い」
「優しすぎだよお姉さん」
「かもしれないな」
「その優しさが…私には辛いよ」
「それならば、お前も優しいということだな」
「私が…優しい?」
「他人のことを案じられる者がどうして優しくないと言える?そんな優しいお前だからこそ私は心を許したのだ」
「そうなのかな?」
「ああ、私が保証する」
「………えへへ、ありがとう♪」
「やっぱりお前には笑顔が似合っているな」
「そういうお姉さんも良い笑顔してるよ」
「そうか?」
「うん!」
「そうか、まあ、そういうことにしておこう」
「それよりも、これからどうするのお姉さん?もう人間の街には戻れないでしょ?」
「そうだな。この姿ではな……親魔の領土なら問題ないが反魔となると極刑だな」
「だったら、ここで一緒に暮らさない?」
「一緒にか?」
「うん!魔物に変えちゃった責任もあるし!」
「………それならお言葉に甘えてお世話になるとしよう。どの道行く当てもないことだしな」
「やった〜!お姉さんと暮らせる!」

 無邪気な笑顔でバンザイをする少女。

「おいおい、それではまるで最初から狙っていたみたいじゃないか」

 そんな少女にわざとらしく困ったフリをする女戦士。

「えっ?いや違うからね!魔物にしちゃったのは私が暴走しちゃったからで……」
「くすくす…わかってるよ」
「あっ!ひどい!私のことからかった〜!」
「すまんすまん」
「も〜!……あっ、そういえばお姉さんの名前聞いてなかったね。なんて名前なの?」
「ああ、言ってなかったな。私の名前は…」

 その瞬間一陣の風が吹き、女戦士の赤いポニーテールをなびかせた。

「フレイヤ=ヴァルシアンだ」



この話はとある女戦士のもしもの可能性を映し出した物語である


 完
14/08/08 12:36更新 / ミズチェチェ
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■作者メッセージ
はいこれにて【魔界の森で出会った触手少女】は完結でございます。
復帰SSとして書かせてもらいましたがいかがでしたでしょうか?
個人的にはまあまあ、興奮できる内容になったと思いましたがどうでしたか?
出来れば良かった所や悪かった所などの感想が欲しいです。それらを参考にもっとより良いSSを書いていきたいのでご協力をお願いいたします。
では、次回作でまたお会いいたしましょう。 

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