連載小説
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極楽よ、我が魂を縛りたまえ
 
 あれから何日が過ぎたのか。もはや定かではない。
 1時間や2時間という単位でない事は解る。だが外界から隔絶された地下室で、食事も入浴も就寝すらも無いまま長時間を過ごしているうちに、彼女の時間感覚は完全に狂わされていた。
「おほぉぉっ! 良いっ、それ良ぃぃ!! グチュグチュ掻き回されるの気持ち良いのぉ! セックスばっかりで頭おかしくなるぅぅ! ひぃぃぃぃぃイクイクぅぅ! んああぁぁぁぁっ!」
 延々と繰り返される、人造触手との無味乾燥なまぐわい。 僅かなインターバルすら挟まれずダークスライムはガラス造りの張り型に犯され続けていた。
「凄い凄いぃ!! 触手がおまんこ出たり入ったりしてるぅ! 好きっ! これ好きぃぃ! もっとしてぇ、連続ピストンでよがらせてぇ!」
 いかに好色な魔物といえども、過剰なまでの交わりに体がついていかないらしい。激しく突き入れられるペニスの奔流に何の抵抗もなく踊らされる様は、さながら糸の切れた操り人形のようだった。美味しそうに張り型をしゃぶりながら白目を剥き、顔いっぱいに歓喜の表情を浮かべている。精神に異常を来たしている事は誰の目にも明らかだった。
「もっといっぱい来てぇ、私のこと思いっきり犯してぇぇ! イクこと以外もう何も考えられない体にして欲しいのぉぉ! 体中たっぷりブチ込まれまれて失神するくらいにぃ!!」
 淫語で興奮を高めながら、機械的に少女を犯す触手の群れを嬉々として迎え入れる。そこに下水道でコンラッドと相対した時の余裕や色香は何一つとして残っていない。
「んひぃぃぃぃ、ひひぃぃぃ! イクっ、イクっイクっイクぅぅぅ! イクの楽しいぃぃぃ!!」
 絶頂を繰り返しては至高の喜びに喘ぎ狂う肉欲の宴。その光景は、古くから男の欲望に寄り添ってきたサキュバス族でさえも驚愕させるような光景だった。
 このまま永遠に続くかと思われた、狂気の祭り。
 しかし。
 何よりもダークスライム自身が終わってくれるなと強く望んでいた筈のそれは、唐突に終焉を迎える事となった。


 「……ん、はぁ……ん?」
 絶頂の余韻にびくびくと打ち震えながら、ダークスライムは怪訝な顔で周囲を見回した。
 つい先程まで激しくうねり暴れていた筈の触手が、実は最初からそういうオブジェだったのだと言われても納得してしまいそうになる程の鮮やかさで一斉にその動きを止めたのだ。
「……え……あれぇ? ちょっと、動いてよぉ」
 体内に挿入されたまま制止した魔法生物に、ダークスライムは不満げな要求を投げ掛ける。全身が弛緩してしまっているせいで自ら動く事もままならないのだ。もっとも自由に動き回る事が出来たところで、先程までのような激しい行為には到底及ばなかっただろうが。
「ねぇ……ねぇってばぁ! やだよぉ、まだまだ全然、満足できてないのにぃ」
「ダンスパーティはそろそろお開きの時間ですよ、お嬢さん」
 甘くとろけた少女の耳に、聞き覚えのある男声が飛び込んできた。
 それを起点に、魔法生物が再び行動を開始する。とはいえ触手責めの続きを行う積もりはないらしい。ダークスライムの体から無慈悲に張り型を引き抜くと、彼らは苗床であったガラスの壁へするすると回帰していった。
「お楽しみ頂けたようで何よりです」
 一気に空間面積を取り戻した室内。寝そべったまま名残惜しそうな顔をするダークスライムのすぐ傍に、相変わらず真っ白いスーツ姿を保ったコンラッドの姿があった。
「……おにい、さん……」
 麻痺していた思考が徐々に現実を取り戻していく。
 焦点の合わない瞳でぼんやりと見詰められたコンラッドは、笑顔で優雅に一礼してみせた。
「お疲れ様です。貴女のおかげで、研究は無事に終了しました」
「……え……?」
 ダークスライムはぽかんと口を開いたまま、その言葉を反芻した。今更ながらこれは彼の研究だったのだと思い出す。もっとも彼女にとって、そんな事は既にどうでも良かったのだが。
 しかし次の瞬間、魔術師が告げたのは彼女にとって最も望まぬ言葉だった。
「ご協力ありがとうございました。これで貴女は晴れて自由の身となります。流石に街中で解放する訳にはいきませんので、これより貴女を、魔界まで転送いたします」
「なっ……ちょ、ちょっと待ってよ!」
 即ちそれは、あの甘美な責めが二度と味わえないという事だ。
 なんとか身を起こし、少女はコンラッドに食ってかかる。だが狙ってそうしているのか、魔術師はダークスライムが手を伸ばしても僅かに届かないような場所に佇んでいた。縋るような視線を容赦なく振り払うかのように、その表情にはいかにも事務的な笑顔が張り付いている。
「……私っ! まだ全っ然! これっぽっちも満足してない!」
「……はい?」
 意味が解らないというジェスチャーなのか、コンラッドがかくんと首を傾げる。
「だからぁ!」 
 もし足があれば地団駄を踏んでいたであろう程の勢いで、ダークスライムはまくし立てた。
「触手だよ触手! あんなに気持ち良いの、もう終わりだなんて酷過ぎるよぉ! 終了だなんて言わないで、もっともっと抉って欲しいの!」
「……おかしな事を仰いますねぇ。たしか貴女は、ここから出してくれと声を大にして叫んでいたではありませんか。私も心を痛めていたのですよ? 目的の為とはいえ嫌がっている女性から無理やりデータを採取するのはまさに断腸の思いだったのですから」
 気取った仕草でコンラッドは肩を竦める。その態度に、ダークスライムは歯軋りせんばかりの憤怒をあらわにした。
 何が心を痛めていた、だ。
 この男は知っているのだ。
 この渇きを、疼きを、知っていながらこんな殊勝な態度を取って私を弄んでいるのだ。
 いくら言葉を取り繕っていても解る。その目に、はっきりと愉しげな色が浮かんでいる事を。
「……っこの、サディスト!」
「心外ですねぇ」
 言いながらコンラッドは……再び伸ばされた少女の手を避けるようにガラス壁へと歩を翻した。追い掛けようにもダークスライムの肉体は触手責めによる疲労と魔力の枯渇によって、碌に動くことも満足に出来ない。
 異常な快感をたっぷりと教え込まれた体は、更なる責めを求めて疼き続けていた。
「……お兄さん……っ」
「はて、そういえば」
 涙目になりながら恨み事をぶつけようとしたところで、魔術師が口を挟んだ。ガラスの壁を背にした形で振り返り、晴れやかな笑みを浮かべながら二の句を継ぐ。
「私の研究なんですが……・最近ちょっと別件で忙しくしてまして。なかなか思ったように作業が進まないんですよ。有能な助手でも居れば少しは助かるかと思うんですが……ねぇ?」
 その言葉に、ぱっと少女の表情が明るくなる。
「なる、私その助手になる! サポートだけじゃなく性処理から家事手伝いまで何でもするよ!」
 何処にそんな余力が残っていたのか。飛び跳ねるようにしてダークスライムは立ち上がった。この魔術師の助手が自分に務まるのかといえば正直いって難しいところだったが、今の彼女は再びあの快楽に身を浸したいという願望で心中の全てを占められていた。
「うん? いやしかし……そんな、悪いですよ。せっかく自由を取り戻したというのに」
「そんな意地悪ばっかりしないでよぉ! 私の体が欲しかったんでしょ!? あげるよ、いくらでもお兄さんの為に使わせてあげる! だからお願い、ここに居させて!」
「ふぅむ……困りましたねぇ」
 顎を揉みながら、コンラッドは思案するように目を閉じた。対するダークスライムは既に大粒の涙をぽろぽろと零しながら、焦らすようなコンラッドの挙動を睨み据える。
「……お願いだよ、お兄さん……」
「……仕方ありません。貴女がそこまで仰るなら」
 溜息とともに、コンラッドが目を見開いた。乾いた靴音を小部屋に反響させ、再び少女の眼前へと戻っていく。
「では、ありがたく貴女の望みを受け入れる事にしましょう」
「…………っやった!」
「ただし」
 握り拳を作って歓喜する少女に、コンラッドは水を差した。
「魔物を助手とする以上、私は管理者責任を果たさなければなりません。貴女が他人を襲ったりしないよう、それなりの処置というものが必要になります」
 ゆっくりと魔術師の右手が持ち上げられる。人差し指の先端にふわりと赤い魔力の灯し火が浮かび上がると、それは瞬く間に飛び立って虚空に文字を描き始めた。
 上部に制約の魔法陣。下部に誓約の条文。それは魔術師が使い魔との間に契約を結ぶ際に発動させる契約魔法の一種だった。ひとたびこれにサインすれば、使役者に逆らう事は決して許されない。もしも反逆すれば即座に制裁が発動し、契約に違反した者を生きたまま石像へと変えてしまう。
 条文に記載されているのは、そうした内容だった。
「これにサインを。そうすれば貴女は正式な私の助手となります」
「…………っ」
 文字のひとつひとつから漂う呪いの波長に、ダークスライムは一瞬だけ怖気づく。
 迷ったのは、ほんのひとときだけだった。


「これで……良い?」
「はい、結構ですよ」
 署名の成された契約魔法は、光の粒となってダークスライムの体内へと吸い込まれていった。呪いの術式にコアが軽く刺激され、思わず身震いする。
「さて、これで貴女は今日から私の助手という形になります」
「……わかった」
 落ち着かないのか胸を撫で擦りながら、曖昧に少女は頷く。
 そんな彼女の様子を楽しげに眺めながら、コンラッドは言葉を続けた。
「では早速、今日から仕事をして貰いますね。覚える事は沢山ありますよ」
「あ、うん。……でも、何をすれば良いのかな。ま、また触手?」
 若干の期待を込めながら少女は問い掛ける。だが主となった魔術師は緩やかに首を振ると、その言葉を否定した。
「残念ながら触手はまた今度です」
「あ……うん、そっか」
 あからさまに落胆し、ダークスライムは肩を落とす。コンラッドはそんな彼女の、散々に触手で捏ね回されたせいで粘性を失った胸にそっと指を這わせた。
「まずは貴女に、給金をあげませんとねぇ」
「……え?」
 ずぶりと、指が沈んでいく。
「ふ……っはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん……」
「おやおや。ちょっと腕を突っ込んだだけで、もう腰が抜けたんですか? 魔力が足りないせいですっかり体が敏感になってますねぇ」
 豊かに膨らんだ胸に手首までが突き込まれると、それだけでダークスライムはその場に座り込んでしまった。触手の激しさには足りないが、五指から伝わる微細な動きが彼女の胸を内側から愛撫していく。
「あひっ……あひっ! んはぁ……お兄さぁん」
 とろんとした瞳で、ダークスライムは魔術師を見上げた。
「そんな物欲しそうな顔をしなくても、別に逃げたりしませんよ」
 コンラッドの手が、少女の胸から引き抜かれる。ズボンのファスナーを降ろすと、すっかり勃起した肉棒をダークスライムに見せびらかすようにして取り出した。
「あ……お兄さん……もしかして」
「ええ、たっぷりと給金を――『精』をプレゼントしてあげますから、ねっ」
「ひゃんっ」
 言うなり、仰向けに寝転がった少女の懐へとコンラッドは覆い被さった。歓喜の声を上げながらダークスライムも股を開いて歓迎の意志を示す。久し振りの『精』を与えられると宣言され、その表情はすっかり発情した雌のそれへと変わっていた。
「インキュバス化の弊害は、この異常なまでの精力増強でしてねぇ。人間の女性では満足するどころか不完全燃焼のまま相手が気絶してしまう程でして。貴女は楽しませてくださいよ?」
「ふふ、任せてよ。お兄さんのぶっといペニス、私のおまんこで何度でも射精させてあげる」
「それは頼もしい――では」
 囁くような会話もそこそこに……コンラッドはいきなり、少女の秘部へと剛直を突き刺した。
「んはぁぁぁぁぁぁぁぁっ! ひ、久し振りの人間ペニスぅぅぅ、き、気持ち良いぃぃぃぃ!」
「おや? 先程の触手のほうが数が多くて良かったのではありませんか?」
「だ、駄目だよぉ。やっぱりあんな偽物なんかじゃあ……本物に敵うわけないよぉ」
 恍惚に顔を歪ませながら、ダークスライムは答える。挿入したまま動こうとしない魔術師の背に両足を絡み付かせて、それを支えに自ら腰を振り始めた。
「あはっ! あんっ、気持ち良いぃ……おまんこ擦れて気持ち良いよぉぉぉ」
「自分から腰を動かすとは、なんとも淫乱な子だ」
「そうなのぉ、私はチンポが大好きなスケベスライムなのぉ。ねぇ、お兄さんも動いてぇ」
 既に羞恥の欠片もなく、少女は淫らに悶える。やはりコンラッドが積極的に腰を振らなければ満足のいく快感が得られないのだろう、肉棒を包む膣は切なげにひくひくと蠢いていた。
「お兄さん――ではないでしょう?」
「……え?」
「貴女は既に私の従卒です。それなりの呼び方、というものがあるでしょう?」
 コンラッドが自分に何を言わせようとしているのか、少女はすぐに悟った。
「えっ……と……ご、ご主人……様?」
「そう、正解です」
 ご褒美の積もりなのか、コンラッドは大きく腰をスイングさせる。
「あひゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
 予期せぬ突き込みに、少女の喉から甘い絶叫が迸る。
 しかし、それだけだった。
「あはぁ……はぁ……お兄さ……ご主人様ぁ。私ちゃんと言ったよぉ。言ったから突いてぇ」
「まだ不完全ですねぇ。ちゃんと『お願い』できたら、動いてあげますよ?」
「あうう……」
 ここへ来て更に卑猥な要求に出たコンラッドを、ダークスライムは恨めしそうに見上げる。
 少女は暫く悩んだ後に、主人を包む膣をくねらせながら声を張り上げて宣言した。
「ご主人様の太くて硬くて長いチンポで、淫乱な私のおまんこズボズボ突いてください! お願いしますっ、もう我慢できないんです! 早くそのペニスで乱暴に犯されたいのぉ!」
「くくく……よく出来ました。では、お望み通りにして差し上げましょう」
 ダークスライムの『お願い』に満足し、コンラッドはようやっと腰を振り始めた。
「あっ! あっあっあっあぁぁぁぁぁん! ご主人様っ、いきなり激しいぃぃぃぃぃぃ!!」
「乱暴に、と願ったのは貴女ですよ」
「はひゃあっ、あひぃぃぃぃ! そうなのぉ! こうして奥まで貫いてほしかったのぉぉ! んああっ! ご主人様のペニス最高ぉぉぉ! こっ、腰にビリビリくるぅぅぅぅぅ!!」
 まるで獣のような荒さで、ふたりはお互いに腰を打ち付ける。
「はひぃぃぃぃっ、ひぃぃぃぃぃ!! 極太チンポ気持ち良いぃぃぃぃぃ! もっとぉ、もっと突いてぇ! ばんばん腰振ってぇぇぇ! 壊れるくらいに犯してぇぇぇぇ!!」
 淫らな水音が、じゅぶじゅぶと部屋中に木霊する。
「あひひゃぁぁぁ! 気持ち良いぃぃぃぃ気持ち良すぎるぅぅぅ!! おまんこもっとぉぉぉ! もっと乱暴にしてぇぇ! まだ早く出来るでしょ、ご主人様のチンポならもっと早くうぅぅ!」
「っく……ふふ、これではまだ足りませんか? では……」
 少女の求めに応じて、コンラッドが腰のスピードを速めていく。
「んあっ! そっそっそっそうッ! そうだよご主人様ぁぁ! このスピード良いぃぃぃぃ! 感じるっ、おまんこ全開で感じまくるぅぅぅ!  気持ち良いっ! 気持ち良いぃぃぃぃぃ!」
 背筋を弓形に反らせて、少女は快感を貪る。
「ご主人様っ!! ご主人様チンポ気持ち良いっ!? スライムまんこ気持ち良い!? イきたくなったらいつでもイって良いからねっ! ドロドロ粘液まんこに白くて濃ゆい精液びゅーびゅー吐き出して良いからねっ! だからもっともっと気持ち良くなってぇぇぇぇ! もっと荒々しく犯してぇぇぇ!! 私も気持ち良くしてぇぇぇ!!」
 コンラッドが肉棒を打ち込むタイミングに合わせて彼女もまた腰を持ち上げ、より奥まで衝撃を響かせようとする。同時に膣圧を強めたり弱めたり、または細かく内部を波打たせたりとスライムならではのテクニックを次々と披露して彼のペニスを楽しませていった。
「はひっ! んはひぃぃぃぃぃん! イクイクっ! もうイクッイクっ! ご主人様のペニス美味しすぎてもうイっちゃうぅぅぅ! イクイクイクイクイクっ! もうっ……最高ぉぉぉ!!」
 度重なる触手責めによって丹念にほぐされた彼女の肉体が、早くも絶頂に達する。ボコボコと体を泡立たせながらその瞬間をたっぷりと味わいながらも、結合した下半身はまるで別の生物のようにクネクネと蠢いていた。
 全てはより大きな快楽を。そして『精』を得る為に。
「……ふふふ。最高と言うには、まだ少し早いんじゃありませんか?」
「んああぁぁぁぁぁっ!? ごっ、ご主人様またっ! また太くなってぇぇぇぇぇぇ!?」
「では、プレゼントです。たっぷりお飲みなさい――っ!」
「来てぇぇぇぇ! たっぷり来てぇぇぇぇぇぇ! 汚してぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

ぶびゅーっ! びゅっ、びゅぶぶぶぶびゅーっ!!

「ああああああ!! 精液いいぃぃぃっぃ!! 精液きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 待ちに待った男の欲望が、ダークスライムの体内へと大量に流し込まれる。
 全身に魔力が行き渡る甘美の瞬間に、少女は心の底から酔い痴れた。何事にも変えられない至福の感覚。白目を剥いて痙攣しながら、彼女はそれを迎え入れていく。
 しかし驚くべき事に、それは一時の悦楽とは成り得なかった。
「んおぉぉぉぉぉぉ!? 射精っ!? 射精すごいぃぃぃぃ! ご主人様のチンポっ、射精しながらガンガン突いてくるぅぅぅぅ!!  射精されながら貫かれてイクぅぅぅぅぅ!!」
 そう。コンラッドの射精は、人間のそれを遥かに上回る量で延々と排出され始めたのだ。しかも精液を吐き出しながらなおも快楽を喰らうべく、むしろ射精前よりも勢い良く腰を振っている。
「良いぃぃ! 気持ち良いぃぃぃぃぃ! ご主人様のチンポ大好きぃぃ!! 射精ピストン最高ぉぉぉ! イクの止まらないよぉ! どんどんイクぅぅぅ! 止まらないひぃぃぃ!! あんっあんっあぁぁぁぁんイクぅぅぅぅイクイクイクぅぅ!! 射精ピストンんん!!」

ごびゅぶびゅっ! びゅっ! ずびゅっ! どくどくどくどくっ!!!

「んひぃぃぃぃぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃいぃぃぃいぃぃぃぃぃぃいぃっ!!」
「まだまだ、終わりませんよっ!」
 獣欲を貪りながら、コンラッドは更に上の快感がある事を示唆する。ダークスライムはあまりの絶頂感に彼の真意を問いただす余裕もなく乱れに乱れていたが、すぐにでもその意味を知る事となった。
「きゃはあああああああああッ! まっ、また魔力バキュームきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
 そう。彼女に付与したままにしておいた魔力吸引の術式を、コンラッドは再び発動させたのだ。取り戻したばかりの魔力を奪い取られるという魔物にとっては未知の快楽に、もはや少女は自ら腰を振る事すら忘れて悶え苦しむ。
「魔力が出てぅぅぅぅぅぅ! 入ってくるのに出ていっちゃうぅぅぅぅぅぅぅ! しゅごいぃぃぃ! 射精されながらバキュームされるの凄いぃ! 吸って吸われて吸われて吸ってぇぇぇぇ! イクイクッ! イクうぅぅぅぅぅ!! 気持ち良すぎて狂うぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
 吸引魔法を継続させながら、コンラッドは射精とピストンをも併行していた。送り込まれた『精』が魔力として変換されると、それが根こそぎ横取りされていく。
「ピストンでイクぅぅぅ! 射精されてイクぅぅぅぅ! バキュームでもイクぅぅぅぅ! もう何がなんだか解らなぃぃっ!! どれも気持ち良いぃぃ! どれも気持ち良すぎるぅぅぅ!! もう駄目ぇぇっ、体ビクンビクンして何も考えられにゃいぃぃぃイクうぅぅぅ!」
 魔性の極楽とは、まさに彼女に課せられているようなものを言うのかもしれない。
 対するコンラッドは、もはや涙と涎でドロドロになりながら絶頂を繰り返す快楽人形となったダークスライムの膣内を楽しみながら、なおも余裕のある表情をしていた。本当に壊れてしまうのではないかと思うような少女の様子にも眉ひとつ動かす事はなく、ひたすら肉棒の放つ欲求に従って彼女の秘部を抉っている。
「ひぃぃぃぃぃチンポチンポチンポおおぉぉぉぉ!! 死ぬぅぅぅっ! 死んじゃううぅぅっ! ご主人様の凄過ぎて死ぬう!! 狂うけど幸せぇぇ! 気持ち良すぎて私幸せぇぇぇ!」
 過剰な性感から逃れようとでもしているのだろうか。少女がゼリー状の髪を振り乱しながら頭を左右に揺さぶっていた。口走る内容にも物騒な単語が混じり始めている。
「そろそろですね」
「んぎいぃぃぃぃぃぃ!? ごっ、ご主人しゃまあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!? 天国っ、天国見えてきたぁぁぁぁ!! イクイクイクぅぅぅぅぅ! イクッ! イクイクぅぅぅぅうぅぅぅぅぅ!!」
「そうですか。でも見えているだけじゃあいけませんよ」
「イクぅぅぅぅぅぅぅ! バキューム気持ち良いいぃぃぃぃぃ! これ癖になるぅぅぅぅぅぅぅぅ! んあっ、もうイクっまたイクっもっとイクぅぅぅぅぅぅ!! ご主人様ペニス最高ぉぉぉ!!」
「では、最後の仕上げといきましょうか。お願いですから狂わないでくださいね……?」
「ひゅひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ! ひゃひぃぃぃぃぃぃぃぃいぃぃぃ!」
 体を支えるべく床に置かれていたコンラッドの両手が、突如その役目から解放される。支柱を失った体は当然の如くダークスライムのへと落下した。べちゃりと音を立ててクッションとなった少女の肉体だったが、しかし本人はそれを他人事のように無視してよがり狂っていた。
 その背中に、コンラッドは手を回し――。
「ひゃおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」
 胸の奥……ちょうど鳩尾の辺りで揺れていた彼女のコアを、鷲掴みにしたのだった。
「ひぎぃいいいいいいいいいいいいっ! はひぃいいぃいいいいいいいいいいいいいっ!!」
「ん……くおおっ! や、やはりこうすれば一段と締まりが良くなりますねぇ……!」
「あひゃああああああああああッ! んああああああああああああああああああッ!」
 完全に処理能力の限界を超えた快楽が、少女の肉体を支配する。ボコボコと激しく泡立った手足を暴れさせているのは、果たして歓喜の表現かそれとも恐怖の発露か。
 そんな事はお構いなしに、コンラッドはラストスパートへと突入していった。
「はひっはひっはひっはひっはひっはひっひひひひいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「……そろそろ、私もイキますよっ………ッ!」
「ご主人様ぁあああああああああああああああああああああああああっ!!」
「――くうっ!!」

どびゅびゅびゅびゅびゅびゅっ! どくどくどくどくどくどくどくっ!! びゅるるるるっ!

「イクイクイクイクイクイクイクっ!! イクぅぅううううううううううううううううううっ!!!」
 少女の体が一際大きく、びくんっと痙攣した。
 コンラッドに絡み付かせた手足を痛い程にきつく締め上げ、最大級の絶頂に蹂躙されたその表情は……まさしく天国に辿り付いたかのように幸せそうな白痴顔であった。
 数十秒という時間を掛けてもなお受け止めきれない快感に身も心も犯された少女の精神が、やがてゆっくりと、黒く塗り潰されていく。
 それすらも幸福に感じながら、ダークスライムは目を閉じて意識を手放したのだった。


「ククク……いやはや、実に素晴らしい助手が手に入りましたねぇ」
 失神したダークスライムの体をなおも犯しつつ、コンラッドは呟いた。
「一週間もかけて快楽漬けにした甲斐があったというものです。いちいち気を失ってしまうのは困り物ですが……まぁ、時間をかけて慣らしていけば良いでしょう」
 ペニスが突き刺さるその度に、秘部は淫らに収縮を繰り返す。魔物娘としての本能が成せる反応なのだろうか、失神してさえ貪欲に射精を促すその肉体は実に彼を楽しませていた。
「貴女にはたっぷりと、底無しの性欲に突き合って貰いますからね……!!」
 哄笑しながら、ダークスライムのコアを更に握り締めるインキュバスの魔術師。
 快感によって強制的に叩き起こされた魔物娘との激しい交わりは、深く暗い地下室の中で、延々と続けられるのであった。
10/02/14 05:19更新 / クビキ
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■作者メッセージ
お読み頂き、有り難う御座いました。
第3作目『肉欲に溺れたスライム娘』の最終章をお届けします。
長々と続けてしまいましたが、いかがだったでしょうか?
今回、初の長編ということで、色々と学ぶ事が多かったように思います。次にSSを投稿する事があれば、それに活かしていきたいものです。
その際は、お暇があれば是非そちらもお読み頂ければと思います。
お気付きの点やご感想、ご要望など御座いましたら、感想欄にて遠慮なくお知らせください。

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