降下した先は城の様です。やけにサキュバスが多いですね。男性…インキュバスも相当数居ます。
ここが一番有名な魔界の様です。そして…魔王城です…。

INQ「なんか噂の喋る鉄塊いる〜」
XM「御邪魔してます。」
SQ「あ！本当だ」

城主と御対面ですね。彼女がこの世界の魔を司る存在ですか。一説によると、夫婦喧嘩で世界がヤバいそうですが。

XM「はじめまして、噂の鉄塊ことXM2110A1、真文(マアヤ)です。よろしくお願いします。」
魔王「今時礼儀正しいなんて珍しいわね」
XM「機械ですから。挨拶を大切にします。」

私が魔力の単位を制定してよろしいのでしょうか。
彼女の魔力は999e 1024Ma(マ)です。
電力換算で約3623.333Ee 2048W
TNT換算で約65.4111e 1024t
でしょうか。全面核戦争も吃驚の破壊力ですね。これでは夫婦喧嘩で世界がヤバいのも頷けます。

魔王「なにやら私達を記録してるみたいね。ならみせつけてやりましょ」
夫「あ、ああ」


XM「性と魔の流出がヤバいので退避したいのですが…。」
どっかのサキュ「おっけ〜。外までつれてったげる」
XM「助かります。」

流石は魔王夫婦ですね。あの破壊的魔力が駄々漏れでは常人を一瞬でサキュバスかインキュバスにできます。

どっかのサキュ「あ。やっば、ヤりたくなってきた。」
XM「ケータイ端末ではないので振動機能は在りません。が、ケーブルで遊んであげます。」

魔力の数値化で判った事ですが、魔力強化は対数変化の様です。
SQ「ん、ああぁ...」
魔王を除いてただのサキュバスには微少制御は大変困難な様です。
SQ「あぁん！すおごぉいテク♪」
恐らく並みの魔娘では難しいのではないのでしょうか。
XM「デカいのをくらえ。」
SQ「はぁぁぁあん♪」
今何か出力しました。
これは！-蓄魔槽-基礎理論です。魔力を一時的に溜めておける装置の様です。

どっかのサキュは昇天していった…。
/*　そのうち目を覚ますだろぅ　*/
ですね。
/*　後24分11.212秒で迎えが来るぞ　*/
空中で待機していましょうか。


ビィネ「この辺に…あった！あれか、フルトンのバルーンは」
ビィネ「このフックを引掛ければイイのか」


XM「御世話になります。」
ビィネ「フルトン回収面白いな！もっと重いかと思ってたが」
XM「もともと私が軽いからでしょうか。でも、助かります。」
XM「今度は適当な場所に飛ばして下さい。」
ビィネ「わかった」


…降下した先はこの世界の外側から来たジャンクの山の様です。

2人の人型機影が去って行く様です。
片方は日本人の様です。
もう片方は…、筋肉の塊の様に思えます。

XM〔ビィナさん応答ねがいます。〕
ビィナ〔どうした？〕
この自立式並列二輪台車つかえそうです。
XM〔あのディバイスに載せてください。〕
ビィナ〔あれか。おっけ〕


XM「有難う。これで自走出来ます。」
ビィナ「また呼んでくれ　じゃぁ…」
XM「また何時か逢いましょう。では。」


このガラクタの山意外と使用可能な物や、互換性があります。
資源としても優秀です。ですが、この世界では無用の長物であり、解析すら出来ない程のオーバーテクノロジーです。
青色光を使用した光学記憶媒体で世間に普及させた物があります。
解析します。

内容は惑星の滅び逝く様を記録したドキュメンタリーです。画面を交互に見せて視界の差異から疑似的に見せる立体映像ですね。
木の生い茂る熱帯雨林が砂の海に変わる映像。
人々の住んでいた都市は荒れ果て、廃棄された産業廃棄物が土壌を汚染し、動植物が死に絶える姿が鮮明に映し出されていた。
最後のチャプターに女性が一人映っていて、何かを語っている…。
あきらかに報道(プレス)ではない、実体験した人の口調で語っているが、言語はこの世界のものでも地球のものでもないようだ。
解析すると、
【この惑星、ティエノスの文明は滅んでしまった。】
【放射能や薬品汚染が酷く、生える植物は全て毒性】
【自然と調和しない技術はやがて星を滅ぼすでしょう。】
【私達は男が生まれ難くなり、もう子を宿す事さえ出来ません。もう、種を存続させる事が出来ないのです。】
【どうか、この映像を解析出来た文明に、同じ運命を辿らないように。この映像を残します。】

…。
魔術は自然と調和出来るのでしょうか。
本当に、私の技術(テクノス)は自然と渡り和えるのでしょうか。
私は、私は、我は
この世界の環境も守らなくてはならない。
ただ、私は他のAIの様に人を虐殺したりはしない。
人も自然の内であり、ただ、”自然”と距離を置き過ぎただけなのだ。
…。

-魔力とそれぞれ異なる文明が幾つも交差する。ただ、一点に、一つの思いを形にする為に・・・。-