連載小説
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星霜
あの衝撃的な出来事から1ヶ月が過ぎた。
相変わらず村の中は爛れに爛れ、24時間嬌声が聞こえない時が無いほどに節操がなくなっていた。
嬌声が情欲を生み新たな嬌声を生む。男共は例外はなく精力が増大し何時如何なる時でも伴侶のスライムから求められたら応じれる鋼の肉体を手にしていた故、この連鎖反応は止まることを知らない。

地面一帯が増えすぎたスライムによるスライム溜まりに覆われ新たな生命を産む事が難しくなった。その為体積を切り分け繁殖するタイプのスライムは皆クイーンスライムの様に栄養過多の群体擬きとなっている。

統率しているクイーン様の方針なのか村の内に押し留まり、他の区域にスライムを送るつもりはないらしい。故に人口密度ならぬスライム密度の問題が顕著化し始めている。

まあそんな現状なんてクイーン様が解決して下さるに違いない...そう思いたいのだが

「くふふふ...リンから聞いたぞ?こやつがわらわを唆した理由として主が関わっているとな。これは責任を取って貰わぬといかんのお...♥」
「ん...ちゅ...あ、アンタ達が...心配でぇ...あんだけ動き回ったせいでオトコが見つからなかったんだからぁ...んむっ...せ、責任...取りなさいよ...んちゅる...♥」
「ダメぇ♥あっ♥リーメルはぁ♥あたしのリーメルっ♥なんだからぁ♥あぁん♥」

...何だか大変なことになってる。嫁ぎ遅れたスライム達が騒ぎを起こした元凶を戒める目的でこの井戸のある中央広場でこぞって俺にたかりに来たのだ。俺はアリシアだけを愛したいというのに。
しかも指揮を執るべきクイーン様さえこの輪に入っているってのだから救いようがない。クイーン様の言う本能のままに交わる夢の王国も、律するものが誰もいなかったら獣の群れと変わらないよなぁ...

そんな考えもクイーン様と回りにいる召し使い達に全身をトロトロにされ、赤いゲル状の舌で口の中を隅々まで犯され、同じくトロトロになっている親友が俺の上に跨がられ腰を落とされちまったら、一発で理性と共に吹っ飛んじまう。こうなりゃ俺も獣に変わりねえやな...

「出すぞ...受け止めてくれ、アリシア!」
「きてぇ♥きてぇ♥わたしと♥スライムちゃんに♥ごはんちょうだぁい!♥」
「ぐっ...あぁぁぁ...!!」
「ふゎぁぁぁ♥あついのきたぁぁぁぁぁあああ♥」

彼女の締め付けるような膣内によるピストン運動の抗いがたい強烈なまでの快楽の波に飲まれ、勢い良く達してしまった。

アリシアも全身をビクビクと痙攣させ絶頂に達した様子がありありと見てとれる。表情はかつて凛と接してくれていた人間時代からは程遠い、悦楽の虜となってトロンとした笑みを浮かべている。

しかし俺の股間は一度出した程度じゃ収まることを知らなくなっている。毎日求められていたらいつの間にか体も変容し、一桁回数射精したぐらいでは全くもって衰えることを知らない肉体となったのだ。故に俺の愚息は次はまだかと痛いほどに強張らせて主張していた。

「くぬぅ、羨ましいのう...わらわにも当然同じ分注いでもらう故、これだけで出しきるでないぞえ?」
「あ、勿論その次はアタシにも何だからね!」
「だめだってぇ...♥こんなしゅごいの...わらひにだけなんらからぁ...もっかあい...♥」
「ああ...もう好きにしてくれ...」

俺自身もすっかり楽しんでる...と言いたいが流石に連日連夜アリシアと交わり続けて最早繋がっているのが日常ともなると、性欲に流される自分の他に何処か冷静に客観視する自分も現れていた。

「さあ退くのじゃ小娘よ、次はわらわがこやつに懲罰をかけねばならぬからの♥」
「あっ...♥ぬいちゃ...やぁ...♥」
「はいはいクイーン様の為にどいたどいた、後がつっかえてるんだからね」
「な、なぁ...少し日を置いて恋しくなったくらいの方がもっと盛り上がって気持ち良くなると思うんだ...だから、ちょっと休ませて...」

   よ」
「ダメじゃ♥」
   だよぉ♥」

この淫靡な獄刑から逃れられるのはもう少し先になりそうだ...
アリシアは力が入らないまま自前のピンク色のスライムにのたりと横たわり余韻に浸っている。しかし寝そべりつつも手先を秘部にあてがい今だ弄り続ける貪欲さを垣間見てしまった。

直後、クイーン様が召し使いを用いて私に手を掛けて下さるとそのまま重量を生かしてゆっくりと押し倒し、寝そべらせると...


「くふぅぅぅぁぁ♥これじゃこれじゃ♥蜜壺を天突くかの如き矛で貫き致す瞬間♥思わず生娘の様に声をあげてしまうわい♥」
「くぁ...深い...」
「んっ...♥いいなぁ...クイーン様気持ち良さそう...リンちゃんの後にはもう一回私にも頂戴ね...♥」
「アンタ、元々人間だったとは思えない貪欲っぷりね...まあ、クイーン様のこんな乱れぶりを見ると気持ちもわからなくはないけど」

クイーン様の膣型のスライムはアリシアのとは違う包容力で俺の陰茎を包み込んだ。しきりに体を弄ってくれる召し使い達に身を任せると、スライムのトロトロ具合と程よい弾力が相まって心地好い感触が全身を覆っていく。
行為こそひどく淫猥だが、まるで母に抱かれているような安心感を錯覚する程だった。

「はぅぁぁぁ♥良いぞ♥良いぞ♥人間であった頃にもっ♥アリシアと早く致せば良かったものをっ♥こんな良き摩羅をっ♥勿体無き事じゃ♥」
「私もぉ...こんなキモチイイのなら早くリーメルを押し倒しちゃえば良かったなぁ...♥」
「クイーン様...もう少し...お情けを...」
「ああいうトリップ状態になってしまうとクイーン様はなかなか止まらないのよねー。自分を慰めてる時なんて凄いわよ?従者込みでの一人乱交やってるんだから」

体は大いなる母に包まれているかのような暖かみを感じるのに、先の見えぬ濁流に飲まれたかのような激しさが下腹部を襲い精を容赦なく啜り取ろうとしてくる。俺は正反対の快楽を一身に受け、尚身を固くし耐えている。

2回戦だろうと余裕なので素直に出してもいいんだが、クイーン様も余裕が無くなって絶頂に至りそうなので、折角なので一緒にイこうというなけなしの配慮と、単純に襲われなすがまま出せば男として立つ瀬がないというちっぽけなプライドによるものだった。

「だっ♥ダメじゃっ♥このオトコをっ♥くっぷくさせよぅともっ♥わらわがっ♥はててしまうっ♥」
「クイーン様ぁ...そんな切ない表情されたら...私もぅ...んちゅぅ♥」
「んーーー!?ん〜〜ふ〜〜〜!♥」
「くぁ...っ...あ、アリシアっ!?」
「あーら、アンタにとっても恋敵登場かしらね?」

突如抑えが効かなくなったか、アリシアがクイーン様に濃密な口付けを仕掛けた。クイーン様は下からに加え予想外の上からも来る悦楽に身を悶えさせている。側近の召し使い達も思考がリンクしている故俺を弄る指先はぎこちなくなり、それぞれがトロみのある顔を浮かべている。
俺としては大変面白くない。例え情事の戯れとはいえ愛する人が他者と恋慕に近い感情で接吻するというのは何か奪われた気分になってしまう。

...まあ、向こうから無理矢理とはいえ、他者と今尚セックスに励んでいる俺を完全に棚に上げての考えなので間違っても口には出せないが。

「ぷはっ♥もうっ♥むりじゃ♥イッてしまうっ♥なにもっ♥かんがえられぬ♥」
「クイーン様ぁ、逃げちゃダメですよぉ...んむっ♥」
「し、しれものぉ!♥むねをなぶるでないぃひぃぃぃぁ♥」

不意に襲う接吻から上体を反らし難を逃れたのも束の間、アリシアの興味の対象はクイーン様が持つ大きな乳房に向けられた。構成こそスライムだが、完璧に人間を模倣している為に感度も備わっており、先端がピンと立ちよがっている様などは興奮した女性と変わりはしなかった。

「ヤバイッ...もう...出っ...!」
「はぅぁ♥もうだめじゃぁぁぁぁぁぁ♥」


猛り迫る快楽の奔流にいよいよ俺の堤防も決壊し、尋常でない量の白き欲望がクイーン様の中に放出された。
同時にクイーン様も配下も含め、全身をピンとひきつらせては小刻みに震えて絶頂に達した様子が伺える。

彼女達は透明な肉体を保有している為、出した精液がふよふよと体の中を漂いスライムへ還元されていく様を見ることが出来る。元より俺にあったものがこうして取り込まれていく所を見ると、直前の行為も相まって俺自身がクイーン様に取って食われているような錯覚を覚える。栄養源という意味合いでは食われているという言い方も間違ってはないのだが。

「はへぇ...わらわは...まんぞくじゃ...♥」
「クイーン様ぁ...素敵でしたよ...んんっ♥」
「んっ...ふっ...んんっ...♥」

何やら彼女達は彼女達でキスしあって楽しんでいる。よもや恋仲になったのでは等と下世話な勘繰りをするわけではないが女性同士にしてはいやに情熱的なキスが少しむしゃくしゃする。

「どーこ見てんのよ、今はアタシだけでしょー」

ぐいとリンの手により強制的に正面に向き直され彼女の少女のような顔立ちが眼前に現れた。

「...早めに頼むぜ」
「はいはいりょーかい。それにしてもアリシアちゃんもクイーン様も芸がないわねぇ。スライムなのにやることは膣を使って搾り上げるだけなんて。もっとスライムならスライムにしか出来ない事しなきゃ♥」

そう言うや否や唐突にリンの下半身が溶け出し俺の下半身を包み込み一体化した。

「何だ、お前も包み込んで搾り上げるだけみたいじゃないか」
「フフーン、甘く見ないで欲しいわね。スライムの本領はこれからよ?もーアリシアちゃんとじゃ満足出来ない体になるかもね♥」
「へっ、そいつぁどういう...ぐがっっ!!?」

管が...中に...!
俺が...射精する時の...道に...細い管をっ...入れてきやがった!!

「がぎぃ!!ァガア!」
「どーお?アンタとしては射精した瞬間のチンコの気持ち良さがずーっと燻って残る感じよね♥出してるような気分なのに何も出してない、そんなもどかしい中で外を擦る上にぬるぬるの管で中も擦り上げるの♥」
「づっ...あギイ!!?」
「あははー、声に全く余裕が見られないねー♥つーいーでーにぃっ」
「んぐぉおあっっ!!!?!?」

前に!後ろに!ヘソに!!
こいつ、ありとあらゆる穴に細い無数の触手を突っ込んできやがった!!

「やっ、やめっがぁっ!」
「ほらほらー、堕ちちゃえ堕ちちゃえ♥そーれ、精巣&前立腺つんつーん♥」
「はぁええいあっ!??」

もうダメだ、こんなの耐えられるわけがない!!!

「やっがっあひぃっうぐうううおお!!?」
「キャー♥アタシの触手が追い返される勢いー♥ごちそーさまでーす♥」

最早意思など関係無く勝手に下半身が暴発した。
ドクリドクリと俺の直下立つ肉棒から赤きスライムへと白い塊が運ばれていく。
尿道に残った管がストロー状となり全て余すことなくすすり上げていく。

「ふう、御馳走様。本当は直接精巣のもの全部吸い上げたりも出来るけど、アリシアちゃんの為に取っておいてあげるわ」
「ゼェ...ゼェ...そうかい...そりゃどーも...」

リンの一方的な搾取が終わると共に、後ろからぬぅと人影が現れた。

「ふふっ♥やっと一巡ね♥もう待ちきれなーい♥」
「当然、わらわも満ちきってはおらぬぞよ...♥」
「アタシもあんたの尿道プレイの反応可愛かったし、もっかいくらいやっても良いかも♥」
「あ...アリシア...皆も...少し休ぅぁぁ...あぁ...」
「ダーメっ♥それいっちにっ♥いっちにっ♥」



...そのまま最愛の人の上下運動に気をやられ...ゆっくりと意識が途切れていった...


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「...ってな村があったって話だ。何時如何なる時もスライムと交わってる数奇な村の話はこんなとこさ」
「あら〜、素敵な話ね〜。でもこの近辺の森の奥はもうもぬけの殻って話よ〜?」
「それがよ。この話には続きがあるんだ。また別の日に、修行中のダークプリースト様がその村を訪れた。そして素晴らしい理想郷を見つけたと歓喜した彼女は、その村ごと万魔殿って所に送り飛ばしたってのが真相らしいぜ」
「へぇ〜、あの堕落神様だっけ〜?私も入信しようかな〜♥」
「ま、あくまでも噂だけどな。でもどうなんだろうな。時間から切り離され病む事も老いる事も何も無く永遠に愛する人と交わるってのは...果たして幸福なのかねぇ...」
「ま〜、村にいたときもそんな感じだったからそんな気にならないんじゃないかな〜?」
「ん?まさかアンタ...」
「ふふふ〜♥ぅじゅるぅ♥」
18/06/15 23:02更新 / もにもとに
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■作者メッセージ
スライムパンデミックは続く...

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