連載小説
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昼間のお話。
「もうお昼近くじゃん。出るの遅すぎ〜」
リブが不満そうな声を上げながら車のドアを開け、助手席へと乗り込む。
「リブのシャワーが遅かったせいだろ?」
コウも負けじと事実で反論する。
「……わかってないな〜、もぉ〜」
もう知らないとばかりに席のシートを大きく倒すと、スマホを手にとり黙り込む。
「……いつものショッピングモールで良い?」
あえて何のことかは聞かない。これ以上、無駄に心労をふやしたくなかったからだ。
「いいよ〜、早く出して〜」
隣にいるリブは画面から目を離さず、手をぶらぶらと振るだけだった。コウは黙ってハンドルを握るとエンジンをかけ、車を駐車場から発進させた。



コウの家族は、元々は極々普通の人間の家庭だった。そんな家族が揃って魔物の一家となったのはとある旅行せいである。
 ある日、コウが生まれた年の夏の頃、当時8才だったレゼ姉は両親と揃って旅行に出かけていた。旅先は緑あふれる大自然の避暑地であり、一家が大いに羽を伸ばしていた時、人生の転機が唐突に訪れることとなる。絞りたての牛乳が飲める牧場が近くにあるという話を両親が耳にすると、せっかくなので見学しようと軽い気持ちで足を運んだのが、まさか人間をやめるハメになるとは当時、誰も思ってもいなかっただろう。
 いざ目的の牧場へと訪れると、辺りに人の気配もなく、せめて小屋の中にいるであろう家畜の姿を一目見ようと近づくも、動物がいた様子すらなかった。とんだ無駄足に一家が残念に思いながら、その場を後にしようとすると、小屋の近くにポツンと無人の販売所があったそうだ。淡い期待を抱いて一家が立ち寄ると、そこにはこじんまりとした小さな冷蔵庫に昔ながらの透明な瓶に入った目的の牛乳が置かれていたのだ。これ幸いとばかりに両親が傍にあった料金箱に小銭を入れ、冷蔵庫から牛乳瓶を取り出すと、両親とレゼ姉は揃って牛乳を頂いた。いわく、その牛乳はいままで飲んできたどの牛乳よりも濃厚かつ豊潤な味わいで、さらに飲んだ後の得もいえぬ、あえて言うなれば熱々の風呂上りに飲む牛乳以上の爽快さがあった。しばらく、一家が牛乳を美味しく飲みながら和気あいあいと感想を言い合っていたが、異変はその後に訪れる。
 あまりにも美味しい牛乳だったので、母がもう一杯とおかわりするのだが、そのまま二瓶、三瓶と夢中で飲み続け、気づけば十をゆうに超えていた。さすがに飲みすぎだろうと慌てて父が止めに入るが、時すでに遅く、顔を異常に紅潮させ、息は荒く、身体のあちこちから湯気を立ち上らせる母がいたらしい。尋常ならざる母の変化に父が心配そうに声をかけようとした時、母が向けてくる切なそうな瞳に気づいた父は、そのまま小屋の奥へと押し倒されたとのこと。
 その後のことは、レゼ姉は覚えていないと言うが、言わなくても分かることだった……コウ自身も詳しいことは考えたくない。ちなみに弟と残されたレゼ姉はひとりそのまま、牛乳を黙々と飲み続け、冷蔵庫の中身をすっかり空っぽにした頃には、幼いながらも大変見事なお乳をぶら下げ、おっぱいから母乳を豊かに溢れさせる立派なホルスタウロスに変貌したとのこと。以来、両親が夜な夜な妹作りにお盛んな折、母乳が欲しくて泣き喚くコウのお腹を満たしていたのは、他ならぬレゼ姉のお乳であるとのこと。こうして、赤ん坊の頃からレゼ姉のお乳を吸い続け、すくすくと育っていったコウであったが、今でもレゼ姉のおっぱいにお世話になっているのは変わっていない。コウが物心ついた時もそれが普通のことだと思っていたが、周囲から見れば好奇の塊だったし、人前で恥じることもなくレゼ姉のお乳に夢中で吸い付いていた幼い頃の自分を思い出せば、今でも悶絶ものだ。



モヤけた気分を変えようと、コウがカーオーディオを起動させる。しばらくすると、何度となく聞きなれた曲が車内に響きはじめた。
「ちょっと、うるさい。ボリューム下げて」
出発当初と変わらず、席に深く横になっていたリブはスマホに目を向けたまま、不満をぶちまける。
「はいはい」
コウは言われるがまま、オーディオの音量を下げる。気遣う兄貴に別段礼を言うこともなく、リブは相変わらずスマホの操作をつづけていた。
(全く……これが本当にあの『ホルスタウロス』なのか?)
ホルスタウロスは元来、穏やかな性格であると伝え聞いているが自分の姉妹を通じてみると、どうにも胡散臭い話だった。
 コウ達一家が魔物の都市に越して間もなく、コウと年子の妹であるラリスが生まれたのだが、どうみても外見は『ミノタウロス』で性格も穏やかとは程遠かった。(もっとも、それをラリス本人に言ってしまえば、間違いなくベッドの上で問答無用のマウントポジションをお見舞いされるだろうが。)背丈もすぐに追い越され、コウが10才になった時には年の離れた姉弟のように大きく差がつき、ベッドの上の主導権ももっぱらラリスとレゼ姉が握っていた。
 姉妹二人がかりでベッドの上で泣かされ、日々、搾り取られていたコウのもとに、さらに追い討ちをかけるように生まれてきたのが末のリブである。コウよりも6才年下という、少し年の離れた妹の誕生にコウ達家族は大いに喜び、皆からとても可愛がわれた。(それが後のリブの性格に災いしたのではないかと、コウは今でも後悔している。)両親ともども幼い頃からリブには甘かったため、お姫様のごとく育てられたリブは妖狐にも引けをとらぬほど、大変わがままで生意気な『ホルスタウロス』に育ってしまったのだ。肌の色こそ『ホルスウロス』らしい色白の肌だが、リブの地毛は『ホルスウロス』の特徴的な白を基調とした白濁としたものではなく、全身の体毛が黄金色に輝く金色だった。特に頭の金髪は、リブの生意気な性格をより一層映えさせ、憎たらしいぐらいによく似合っている。日々増長する末妹の態度とおっぱいに振り回されるコウであったが、リブのおっぱいが頭並みに成長する頃には、リブも上の姉二人を見習い、コウの精神面のみならず、精力面においても夜のベッドでガリガリと削るようになった。
 以降、コウはそれこそ干物になる勢いで三姉妹によってたかって子種を搾りとられるようになったが、その頃からレゼ姉が強い母性を持ち始め、歯止めの利かない妹達をたしなめるようにもなり、コウを含め、姉妹の母親役に積極的に回りだしたのだ。(おそらくは弟への強い独占欲から生まれた保護欲ではないかとコウは推測している。)唯一、元々は人間だったレゼ姉がかろうじて『ホルスタウロス』らしいというのも、コウにとっては非常におかしな話である。
 車が赤信号に捕まり、なんとなしにコウが隣に目をやると、シャワー後にキャミソールに着替えたリブが横になっていた。服の胸元から上乳側が大胆にこぼれており、若く、張りの強い乳房でできあがった山が二つ、天に向かって大きくそびえ立つ。はち切れんばかりに収まっている妹の乳房はキャミソールを強く引っ張り、谷間の空間を強調するように巨大なシワを胸元のド真ん中に作っていた。
「妹のおっぱいをチラ見して事故りました〜、とかやめてよね〜」
「……はいはい」
心眼とも言うべき妹の洞察力に、コウは降参するしかなかった。そもそも、必要以上に胸元の開いた服を平気で着ているリブを責めたくもなるが、胸のチラ見という男の立場としてはこれ以上面目のない自分が文句も言えるはずもなく、ただただ従うほかにない。そんなコウの心情を見透かしたように、リブは顔をニヤつかせながらスマホをいじり続けていた。
 ほどなくして、二人は目的のショッピングモールへと到着する。コウが駐車場へと車を止めると、待ちくたびれた様子でリブが助手席から降り、大きく伸びをした。
「んん〜〜〜……ようやく着きました、よっと」
「結構、遠いよね。ここ」
コウが車からカバンを取り出し、鍵をかける。瞬間、リブが腕を絡ませて、コウの右腕に極大な胸を寄せ付けてきた。
「それじゃ〜、出発〜♪」
リブがわざとらしく言うと、上機嫌に腕を前へと引っ張って歩きはじめる。
「待てって!引っ張るなって!」
慌てて静止を求めるが、当然、聞く耳を持たないリブは強引にコウを持っていく。そのまま二人は繁華街の人混みの影へと混じっていった。



「人が多いね〜。みんな夏休だからかな?」
相変わらずコウの右腕に身体と胸を預けながら、辺りを呑気に見回すリブ。
「夏休みなのは学生だけだよ……」
呆れたようにコウは言い放つ。
「兄貴は毎日が夏休みじゃん。いいよね〜」
「こいつは……」
ああ言えばこう言うのお手本をすぐ隣でやってみせるリブ。妹にいいように言われっぱなしの情けない兄ではあるが、口喧嘩で勝てる気もしないコウは口をつむぐしかない。
「…まぁ、確かに。いつもより人は多いかな?」
気を取り直して、改めて繁華街の人混みを眺めてみる。繁華街を歩く人達の服装は夏色に染まり、夏休みの影響もあってか、街をうろつく人々のなかには学生とおぼしき若い男女の姿が多く見受けられる。夏らしいのは繁華街に並ぶお店も同様のようで、お店の外にまで夏用の服やグッズが所狭しに並べられていた。特に、水着が売られている場所の周りには多くの人だかりができており、女子同士ではどれが一番可愛いかを、カップル同士では男女がお互いの好みを言い合い、和気藹々の雰囲気を作り出していた。ただし、繁華街で買い物を楽しむ女性は全員が全員、魔物娘だが。
 コウ達が越してきた場所は魔物が多く住む都市部であり、両親が元々住んでいた人間社会と比べても遜色なく生活できた。もっとも、幼い頃から魔物の住む都市で育ってきたコウには人間社会がどのようなものであるかは両親の伝え聞いた話でしか分からないが。ちなみに、その両親は姉妹が揃ってコウと結婚すると聞いた後、コウが高校を卒業した途端、家財、財産を全てコウ達に相続し、魔界の農村部へと引越し、新たな人生を夫婦ふたりだけで始めだした。やや放任気味で、かなりの自由人ではあるが、両親からすればやるべきことはやったということなのだろう。おかげ様で、姉妹達だけでやっていける生活基盤は整ったため、その点についてはコウはもちろんのこと、姉妹達も大変感謝している。
「おっ。これとか可愛くない?」
近くの洋服店に入ると早速、リブの目にとまったモノがあったようだ。もしかして夏用の新作水着かな、とコウが少々下衆な想像を働かせて妹の呼びかけに反応する。
「じゃ〜〜ん!どぉ?滅茶苦茶可愛くない?」
リブが嬉しそうにコウに見せ付けたのは、コウが所望していたリブの爆乳に似合うセクシーな水着ではなく……
「赤ん坊の……夏服?」
「そそっ♪これ、凄く良くない?」
「え〜っと……」
予想外すぎてコウは返答に困る。なぜ、数ある夏用品から選んだものがそれなのか。そもそもコウの家には赤ん坊はおらず、赤ちゃん用の服など不要でしかない。……今のところは。
「兄貴によく似合うと思うな〜。うん♪」
「似合うとか以前に、着れないんですが?」
「毎日おっぱい吸ってるし、でっかい赤ちゃんみたいなもんだから、余裕っしょ?あっ、どうせなら涎掛けのほうがいいか〜」
「お前なぁ……」
もはや呆れて言葉もない。一方のリブは手に取った赤ちゃん用の服を棚に戻すと、今度は涎掛けを本気で物色しはじめる。
「……それより、買い物は?お腹も減ったし、早く決めてほしんだけど……」
「えぇ〜、もうちょっといいじゃん。なんなら兄貴が私の寝巻きを選んどいてくんない?」
「いやいや……意味分かんないし」
「兄貴が私に着て欲しいヤツを選べばいいだけだって。実際に買うかどうかは私の気分次第だし〜」
「……サイズとかわからないんだけど」
「いつも揉んでるから、大体でわかるっしょ?まぁ、後から行くから売り場だけでも見つけといてね?」
それだけ言うと、リブは赤ちゃん用品の売り場の奥へと消えて行く。
「……本気でどうしろと?」
一人残されたコウはどうしたものかと途方に暮れる。昼食もとっていないせいか余計に頭が痛くなる。それでも、いつものことだからと無理矢理自分を納得させて、とりあえず寝巻きを売っている場所を探すことに決めた。
(さっさと決めてもらって、さっさとお昼にしよう)
多少、後ろめたい理由ではあるが、コウの本心に偽りはない。リブに置いてけぼりになる形で別れ、ひとしきり店内をうろついていると、いかにも寝巻きが置いてありそうな就寝用品の売り場らしき場所を発見することができた。
「それにしても、なんと言うか……」
売り場の近くに到着すると、異様な光景がコウの眼前に広がる。寝巻きの種類や品数が多いのは特段驚くようなことではなく、むしろ客としては喜ばしいところだろう。問題があるとすれば、売り場に置かれている寝巻きのほとんどが、どれもこれもセックスアピールを多大に含んだモノばかりだということだが。
「……これとか、どうみてもアウトだよね?」
すぐ近くにある子供向け……と言うより、幼児向けのサイズのランジェリーを手に取った。夏用のランジェリーということで生地は薄く、乳房が納まる部分には円形状の穴が二つ空けられ、さらには穴の部分を塞ぐようにカップ状の生地が紐によってランジェリーに結びつけられていた、が、紐を解けばカップ状の生地は外れ、完全に穴の部分を開くこともできた。絶対に就寝だけの目的で作られた寝巻きでないことは誰の目にも明らかであるが、それでもごく当たり前のように就寝用の売り場に堂々と陳列されていた。
(しかも、これで成人用のサイズだもんな〜)
魔物の都市で生まれ育ってきたコウだが、意外にも人間的な良識を持ち合わせていた。おそらくはコウ自身が幼かった頃からリブのお世話を他の家族に負けないぐらいにしてきたため、早いうちから兄としての自覚を持つことができたおかげだろう。当時、淫乱な淫魔そのもののレゼ姉とラリスに襲われるなか、可愛い妹を守らなければと、兄として奮起し、人間的な良識を身につけてきたのだ。……しかしながら、そんな兄として強い意志も、毎夜、他の姉妹と同様に淫魔の如く襲い掛かってくるリブの前に、絶滅の憂き目にあっているが。
(……せめて、普通の寝巻きを着てもらうか)
変態的としか言えないランジェリーを元の場所に戻すと、コウは比較的まともそうな寝巻きを売り場から探し回る。
「これとかどうだ?」
コウが選んだ寝巻きは、ピンクと白のチェック柄のパジャマであった。何の変哲もない、普通のパジャマではあるが、兄としてはとても素晴らしく無難な品物に思える。これならば毎晩襲われても……いくらかは穏やかな夜になってくれたらいいな、とコウは内心で切に願う。
「うわっ、何それ?地味すぎ〜」
不意に背後から現れたリブが、コウの背中にしなだれるようにして巨乳を押し付けながら抱きつくと、兄貴の選んだパジャマのチェック模様を指でなぞりだす。咄嗟ことに、コウの本音が口からでる。
「文句があるなら自分で選んでよ……」
「それにしても、これはないわ〜。マジでヒドイ」
嫌々とはいえ自分が選んだ物をこうも駄目だしされると、さすがに腹が立つコウであったが、リブは構うことなく不平を漏らす。
「まぁ〜、兄貴が私にこういうのを着て欲しいとか言ったら、それはそれで引くけどね〜」
そう言って、リブは先ほどコウが手にしていた幼児体系用のランジェリーを手に取ると、まじまじと見つめる。
「……見てたの?」
「別に〜?着て欲しいなら、着るけど?」
どうする〜?っと、リブは手にしたランジェリーをフリフリと揺らし、ほくそ笑みながらコウの顔を見る。正直なところ、コウがその商品を目にした時、変態的なランジェリーを身に纏い、ベッドの上で愛欲のままに乱れる妹の姿が頭のなかをよぎったのは確かだ。しかしながら、ここでその助平心を出してしまえば、一生ものの弱みになることは間違いなかった。兄としての威厳と男の性本能に板ばさみされ、良心の天使と色欲の悪魔がコウの脳内で激しいバトルを繰り広げる。わずかな間ではあったが、悩みに悩みぬき、ついに決を下す。
「……って」
「何?聞こえないんだけど〜」
「それにして……」
「ください、は?」
「それを着てください、リブさん」
「ん〜〜、しょうがないな〜♪愛しいお兄様のお願いだしね〜……あっ!支払いはよろしくぅ〜♥」
止めの一撃をコウに喰らわすと、リブは嬉々として自分の身体に合うサイズのランジェリーを探し始めた。
(やって、しまった……)
両手で頭を抱え、コウはその場にしゃがみ込む。自ら望んだこととはいえ、後になって強烈な罪悪感が湧き上がってくる。自身の脳内で孤立無援、獅子奮闘の抵抗をしていた天使も、魔界に染まれば淫魔と大差がなくなってしまうのか。元から地に落ちていた兄の威厳は、さらに底無しの沼へと沈んでいき、淫魔の待つ寝所へと堕ちていく。
(もうどうにでも……いや、まてまて、レゼ姉にはなんて言う?)
変態的としか表現できない寝巻き、もといランジェリーを、コウがリブのために、家計の財布から出費するのだ。レゼ姉にばれたその後のことなど、考えるだけでも恐ろしい。
「兄貴〜。ちょっと聞いてる〜?」
なおも長考を続けていたコウに話しかけるリブ。声を掛けられて、辛い未来図から逃げ出すようにコウが応答する。
「……なに?決めたの?」
「ちが〜う!!今から試着するから、覗いたら殺すって、言ってんの!」
既に試着室に入ってカーテンを閉めて顔だけ出して荒々しく言い放つリブの足元には、どう見ても普通とは言えない寝巻が何点も転がっていた。
「わかったから、早くしてくれ……」
セクシーなランジェリーを身に纏ってベッドで乱れるリブと、文字通り頭から角を生やして闘牛の如く怒りの狂うレゼ姉とで、コウの頭の中はぐちゃぐちゃになっており、もう何も考えたくなかった。
「ったく……返事くらいしろっての〜」
リブがぼやくように呟くと、音を出してカーテンを引き、きっかりと締め切る。しばらくすると、布が擦れる音が聞こえだす。なんとなく居心地の悪い時間が流れ、コウも落ち着きがなくなっていく。
「まじかっ!!ないわ〜」
「どうしたの!?」
突然、試着室で叫ぶリブに、驚くように返事をする。覗くなと強く言われたので、外から声をかけることしかコウにはできない。
「このなか、エッチ禁止だって!こんなに広いのに〜」
なんで〜、と抗議の声が試着室からだだ漏れる。色々と馬鹿馬鹿しくなったコウは、溜息をつくことしか出来なかった。



「お昼のパスタ、なかなか美味しかったね〜」
「だね。機会があったらまた行きたいかな?」
寝巻き選びあらため、ランジェリーを選び終えたコウ達は繁華街にあったパスタ屋で昼食を取った後、マーケットで食材を買い込んでから家路へと着いた。コウは車からリブのリクエストがふんだんに詰まった買い物袋を運び出し、ひとまず玄関に下ろす。
「はい。これでラストだから」
後方ではリブが残りの買い物袋を運んでくれていた。
「ありがとう。そこに置いといて、後はやっとくから」
「りょうか〜……あっ、シュークリームは先に冷蔵庫に入れとくね」
同じく玄関に買い物袋を下ろすと、持ち手の付いたケーキ箱を手にして冷蔵庫のある台所へとリブは急ぐ。シュークリームは車でコウ達が帰宅中のところ、リブが何か甘いものが食べたいとねだるので、たまたま目にしたパン屋で購入したものだった。パン屋はなかなかの盛況ぶりで、お店の前ではお客さんが長蛇の列を作るほどだった。お客様一名で長蛇な方もいらっしゃったが。
台所に向かっていくリブをそれとなく確認したコウは、傍にあった軽そうな青いレジ袋を両手で広げ、中を覗き込んだ。残念なことに、お目当ての品は厳重に包装されており、中身を見ることは叶わなかった。
「お〜、お〜。白昼堂々と妹の寝巻きを覗きとは……ヘンタイ♪」
「っぐ……」
いつの間にかピンクのオーバーニーが視界の隅にあり、コウはそのまま硬直する。ゆっくりと視線を上げていくと、オーバーニーを越えた先にはむっちりとした健康的な太ももが現れ、さらに上へとなぞると、今度は非常に肉付きの良い臀部がデニムのホットパンツにぴっちりと張り付いており、それでいて引き締まったお腹周りが露出しているのが確認できる。おへその谷を超え、さらに天へと視線を伸ばせば、巨大な膨らみを二つ納めたキャミソールが美しい球面を描き、頂上へと顔を仰ぐと、コウの真正面でリブが満面の笑顔で手を振っていた。
「はい、没収〜♪気になる中身は、また後でね〜♥」
一応、寝巻きと言うべきモノが入っているレジ袋をコウから取り上げると、足取り軽く、リブは二階へと上がっていく。
 試着室での騒動の後、長時間にわたる妹のランジュエリー選びに待ちくたびれたコウはその場を離れ、通りのベンチにひとりで座り込んだ。長いことベンチに座り込んでいたコウの元にようやく戻ってきたリブは、ご機嫌な様子で青いレジ袋を片手に揺らし、反対側の手でレシートをコウに手渡すだけだった。そのため、最終的にリブがどのような寝巻を選んだのかはコウは知らず、先の不貞はどんな寝巻きを買ったのかを気になっての犯行だった。おかげで新たな弱みをリブに作ってしまったが。
「あっ!シュークリーム食べたいからコーヒー淹れといてね〜、のぞき魔さ〜ん♥」
階段からひょいっとリブが顔を覗かすと、のぞき魔にコーヒーを催促する。
「かしこまりました〜……」
コウは溜息をひとつ漏らし、玄関に置いた買い物袋を台所へと運ぶ。冷蔵庫に買ってきた食材を整理しながら決まった場所へと入れると同時、末妹の言われたとおりにコーヒーの準備を滞りなくすすめる。
(後は、リブが下りてきたらシュークリームとコーヒーを出すだけっと……)
買い物も終え、家事もあらかた終わらしていたコウは、ひと段落できそうだと時計を確認する。早朝から色々とバタバタとしていたが、まだお昼の1時を少し回ったくらいだった。早朝から活動すればおのずと時間は余るものだなと、コウはひとまずソファに腰をおろしてリブを待つ。
(ちょっと、眠いな……昼寝でもしようかな?)
朝から家事と姉妹の相手でかなりの体力を消費し、リブの寝巻選びでは精神的な面も削られた。昼食後の一番眠い時間帯でもあり、自然とまぶたが落ちる。
(やば、意識したら……眠気が……)
どうしようもなく、うつらうつらと穏やかな睡魔がコウを襲う―

―ット、ット、ット、ット……

階段から足音がした。
その足音を聞いても、強い眠気に襲われていたコウはだらしかった。
「コーヒーできた?……って、兄貴おねむじゃん」
お茶の準備をしているはずのコウは、リブの目の前で今にも眠ってしまいそうに、こっくりこっくりとソファでうなずいていた。
「…………それなら♥」
いろいろ準備しなくてはと、せかせかと、それでいて静かにリブは行動を開始した。



「…っぅと。……寝て、た?」
時計を確認すると、長針が幾分か動いている程度だった。

「お目覚めでちゅか?コウちゃん♥」

甘ったるい声がすぐ近くからした。
我に返るように意識を起こすと、隣にはリブがいた、が―
「ぶぅっふぉ!!」
コウは噴いた。昼間に買ったであろう変態的なランジェリーを、リブがその身に纏っていたからだ。
リブが身に着けているランジェリーは、コウが最初に見つけた胸元に穴が開いていたもので、色はずばり黒である。お腹周りを覆う、うっすらと透けているレース状の生地は、いやらしさを倍増させるのに一役買う。肝心な胸元を隠す、ブラに相当するカップ状の生地は淡い桃色であったが、妹の豊満すぎるおっぱいを隠すのには少々役不足のようで、どうみてもカップに隠れていない面積の方が大きく、乳肉の大部分がはみ出ていた。あわせて下半身に履いている水色のパンツの下には、上半身と同じく黒のガーターをくぐっており、リブの白くてみずみずしい生足がよりいっそう映えた。
「はぁ〜い、コウちゃん♥おやつのシュークリームでちゅよ〜」
何事もないようにコウの口へと、シュークリームの端を指でつまんで運ぶ。口元にまで運ばれたシュークリームを、一度は躊躇したものの、優しく微笑むリブに応えるようにコウは頬張った。二度、三度、とシュクークリームを噛み締めながら、最後にリブがつまんでいる、残りシュークリームを丸ごと飲み込む。
「おいちいでちゅか〜?」
リブに聞かれ、コウは頭を揺らして何度も頷く。口の中にはとろける甘さでいっぱいだった。
「ふふ♥それならママのシュークリームも、コウちゃんにあげるね♥」
そう言って別の皿に盛っていたシュークリームをリブが手に取ると、シュークリームの横から人差し指と中指を突き刺し、再びコウの目と鼻の先に運ぶ。指を突き刺して破れたシュークリームからは、とろ〜りと甘そうなレモン色のカスタードクリームが漏れだしていた。
「はい♥召し上がれ♥」
リブの指が入ったシュークリームを見つめ、コウは一度、生唾を気づかれないように飲み込んでから白い指ごとシュークリームを咥えこむ。口内で潰れたシュークリームからはクリームが漏れだし、口の中が甘味で満たされていく。そのまま器用にシュー生地だけ剥ぎ取ると、一端リブの指から離れ、急いでシュー生地を飲み込んだ。
「ちゃんと残さず食べてね♥」
リブの指にはまだクリームがたっぷりと付いていた。コウは行儀悪く舌を伸ばし、指を舐めまわす。細い指先をなぞる様に舌先でしゃぶるが、途中で我慢が出来なくなったコウは直接指に吸い付いた。
「もぉ〜、コウちゃんったら、お下品〜♥お口がクリームでベトベドでちゅよ〜♥」
必死になってリブの指に絡むクリームにしゃぶり付いたせいで、コウの口周りにはクリームでべっとりと汚れていた。
「しょうがないでちゅね〜♥」
リブが涎でべとついた自身の指を舐めとると、頬を赤くさせながら手のひらでコウの頬をそっと包み、唇を覆う。軽い接吻を交わした後、リブの唇はコウの口周りに付いたクリームを求めて、這い回りはじめる。時折、唇が立ち止まっては、クリームを舌先で舐めとられ、強く吸われる。口周りを一周した後、今度は唇を這い回り始める。唇を強く据われるたび、リブの鼻息がそよ風となって顔にかかった。
「っ〜〜〜、っぁは♥はい、コウちゃん♥綺麗になりまちたよ〜♥」
リブが納得がいくまで舐めまわすと、唇を開放した。長い間、口を閉ざされていたコウの息は荒くなっていたが、それだけが原因ではないだろう。
「……今度はママとベッドで『お昼寝』ちまちょうね♥」
不意に抱きついてきたリブが耳元で囁くと、一際強く、ランジェリー越しに巨大なおっぱいをコウに押し付ける。ただの『お昼寝』ではないことは明らかだったが、コウは黙って頷いた。



リブに手を引かれるまま、コウはふらふらと階段を上っていた。
階段を一段一段上がるたび、ぷりぷりとしたお尻に深く食い込んだ水色のパンツがすぐ鼻の先で左右に振れ、パンツにあけられた小さな穴から飛び出ているリブの尻尾が自由気ままに跳ね回って、コウの鼻息と感情を高めていく。ほんのわずかだった魅惑の階段を上りきると、『お昼寝』をするため、ベッドのある妹の私室へとコウは案内された。ゆっくりとドアノブを手に触れ、焦らすように扉を開くと、リブは自分の部屋を惜しげもなくコウに晒す。
「……ちょっと、待って♥」
念願だったリブの部屋に入るなり、コウは待てをくらう。
「ベッドで『お昼寝』しまちゅから、ヌギヌギちましょうね〜♥」
リブがその場で振り返ると、コウの服を嬉しそうに脱がせはじめた。必要以上にくっつき、露出したコウの素肌を摩るように触れながら服を剥いでいく。シャツ、ズボンと順に脱がされ、肌を隠す最後の下着となったパンツにも指を入れられると、ためらうことなくずり降ろされる。
「あらあら♥」
痛いくらいに膨張していた肉棒は、パンツをずり降ろす際、前屈みになってできた妹の深い谷間に興奮して、さらにビクビクと震えていた。ズボンを脱がし終えたリブは嬉しそうに微笑むだけで、何も言わずにパンツをたたんで先に脱がせた服の上に乗せる。
「いいよ……おいで♥」
コウを置いて先にベッドに腰かけると、リブが自身の膝の上を叩いてみせる。部屋の入り口で裸にされたコウは、それを合図にベッドへと進み、頭をリブの太ももに預けてベッドで横向きになった。ベッドにはリブの匂いが移っているのか、太ももと同じ匂いに鼻腔をくすぐられる。
「恥ずかしくないから、ちゃんとママにお顔を見せてぇ♥」
リブに顔を抱き起こされ、コウが身体を仰向けに起こす。当然、コウの股間のものは天を向いた。
「もぉ〜コウちゃんってば♥『お昼寝』するだけなのに、おちんちんこんなに大きくさせて〜♥………しょうがないでちゅね〜♥」
リブが大きく育った肉棒を右手で握り締めると、ゆっくりと上下にしごきはじめる。二人だけの部屋にはクチュクチュとした卑猥な音が響いた。
「お漏らししないように、白いおちんちんミルク♥たくさんピュッピュッちまちょうね〜♥」
コウの顔を目を細めるように眺めながらも、しっかりと肉棒をしごきつづける。肉棒をしごくリブの右手は規則正しく、細かく動き、先端部分の飛び出た雁首には執拗に細い指を這いまわす。背筋には早くもむず痒い感覚が往復をはじめ、自分でもどうしようもなく肉棒に血と熱が集まっていく。溢れでる先走り汁と欲望に後押しされ、コウの片手がリブの変態的なランジェリーに包まれた爆乳を鷲掴みにすると、荒々しく揉みしだいた。力をこめておっぱいを掴めば、指の隅々にまでおっぱいの柔肉がどこまでもめり込む。先程から肉棒をしごく右手につられて揺れ動いていた爆乳は、コウにとっては禁断の果実そのもので、触らずにはいられなかったのだ。
「もぉ〜……ママのおっぱいは優しく揉まなきゃダメでちゅよ〜♥」
自制の効かないコウの片手をリブが左手で包み込むと、ゆったりとおっぱい全体を揺らすように揉ませながら円を描かせる。しばらく一緒になっておっぱいを揉んでいると、コウの片手はようやく落ち着きを取り戻した。
「本当にコウちゃんはおっぱいが好きでちゅね〜♥優〜しくならぁ♥好きなだけおっぱいモミモミしていいでちゅよ〜♥」
リブの許しを得たコウは、今度はそぉ〜っと、だらしなくリブの爆乳を揉みしだく。ランジェリー越しにでもはっきりとわかるほどおっぱいは巨大で重く、上げて落とせば、おっぱいは衝撃で大きく弾み、とても重厚だった。生意気なリブの性格をよく表したようなおっぱいで、どれだけ揉みしだき、ひしゃげさせても、ランジェリーに収まるおっぱいはツンと上を向き、大きく張り上がっていた。しばし、おっぱいの柔らかさと弾力を手のひらで堪能するが、さらなる欲求が身体の奥底から沸きあがってくる。もどかしいこの気持ちを伝えようと、コウは必死にリブの爆乳を揺すぶった。
「んん〜〜♥どうちたの〜?……♥」
全てお見通しのはずのリブは、それでも知らない素振りを続ける。一定のリズムで肉棒をしごいていたリブの右手はいつの間にか止まっており、人差し指を肉棒のくびれた部分に絡ませて、親指で尿道の入り口をクチュクチュと広げているだけだった。先端からは我慢汁がトロトロと垂れており、グリグリといじられる親指で先端全体に塗り広がっていく。焦らされつづけるコウと同様、絡めとられていた肉棒はリブの指の中で暴れ回って、さらなるおねだりをする。
「……そんなにママのおっぱい吸いたいでちゅか〜?」
泣きそうな顔で懇願するようコウの顔をにこやかな顔で見下ろしていたリブが、コウが渇望してやまない言葉を口にし、それを耳にしたコウは馬鹿のように口を開いて首を振る。
「……しょうがないでちゅね〜♥」
やれやれと言った風でコウの真上でぶら下がる、揉まれていないほうのブラの紐を解き始めた。のそのそと紐を解き、カップ生地を宙ぶらりんにすると、コウの頭を抱えて紐を解いただけのおっぱいへとリブが自ら近づける。
「はい♥召し上がれ♥」
待望のおっぱいを目前にし、興奮の極みにあるコウは恥も外見もなくおっぱいを隠す邪魔な生地を噛んで剥ぎ取り、 大好物のおっぱいを丸裸にする。すぐさま口をすぼませてリブの爆乳に吸い付くと乳首を強烈に吸引し、下品な音を部屋いっぱいに鳴り響かせた。
「ああん♥おっぱい♥おいちいでちゅか、ぅん♥」
激しく吸われ、コウの舌が乳首を這い回るたび、リブは声を弾ませた。おっぱいにはコウの荒々しい鼻息が途切れることなくかかり、くすぐったい感触がおっぱい全体に走り回っているのだ。反対側のおっぱいも紐を解いてランジェリーから球体を晒すと、再びコウの手をとっておっぱいを揉ませた。直に触るおっぱいはやはり柔らかく、揉めば揉むだけ、艶かしい弾力がコウの手のひらで気持ち良く反発した。口と手で柔らかなリブのおっぱいを思う存分堪能していると、ほったらかしにされていた肉棒が駄々をこねる赤ん坊のようにビクンビクンと跳ねていた。
「それじゃ♥おちんちんからえっちなミルク♥ドピュドピュちまちょうね〜♥」
期待にこたえるように、リブが肉棒をがっちりと掴むと、仕上げとばかりに肉棒を高速でしごきだす。親指の腹を肉棒の裏筋に当てたまま、なぞるように指全体で上下にしごきあげ、一気にコウを射精へと追いやりはじめる。裏筋を何度も擦られ、そのたびに尿道を駆け巡る快感から逃れようと肉棒が大きく跳ねた。ずっとでもこうしていたいと思ったコウは、少しでもこの心地良いひと時を伸ばそうと股間に力をこめて無駄な努力を始めだす。コウの身体が不自然に強張ったのを、膝枕をしていたリブはすぐに感じとり、同時に射精を堪えていることにも気づく。幾度となくコウの愚息を昇天させてきたリブには、すでにコウが我慢できる範囲をとっくに超えていることも見抜いてる。
「……コウちゃん、我慢してるでしょ?もぉ〜〜、いけない子でちゅね〜」
めっ、と睨んで叱りつけ、お仕置きをすべく、肉棒をしごく手をさらに早めた。肉棒をしごくリブの右手は残像が映りだすほど早くなり、上下するたびに我慢汁が先端から飛び散っていた。一刻も早く射精させようと、異常なまでに素早いしごきに、今にも暴発してしまいそうな肉棒はリブの手の中で何度も跳ねあがる。それでも、なおもコウはおっぱいに吸い付き、巨大なおっぱいを掴んだまま、込み上がってくるものを必死になって押さえこんだ。
「……意地悪しないで、ママに逝くとこ見せてぇ♥♥」
表情を柔らかくさせ、不意にリブが甘く囁く。
「んんっ!んんぅ〜〜〜〜!!」

―ドッビュゥゥゥゥ!ドッビュルゥゥゥゥ!

心の堰を外されたコウは、肉棒から勢いよく子種を宙へと飛ばした。
決壊した噴水のように先端から発射される子種は、天井にまで届きそうな勢いだった。射精の快感に酔いしれるコウの呆けた表情をリブはじっくりと観察しながら、射精で脈打つ肉棒を容赦なく絞りあげて射精を長引かせる。段々と射精の勢いが衰えても、リブの右手は休むことなく激しく動き、肉棒をみっちりと喜ばせた。無常に襲い掛かる肉棒への暴虐的な快感を受けてコウは腰を浮かせるが、リブは好奇の視線を向けるだけで絶対に右手の動きを止めようとはしなかった。
「えらいでちゅね〜♥たくさんおちんちんミルクでまちたよ〜♥」
射精を終え、敏感となった肉棒すらもリブは強烈にしごきつづけた。苦しそうに痙攣する肉棒から尿道に残っていた、わずかばかりの子種もきっちりとしごきあげると、ようやく右手の動きを緩めだす。口いっぱいにおっぱいを含ませて息を荒くさせるコウの身体には、自身が射精した子種が降りかかっており、特に、リブがいまだにしごいている肉棒はコウが放った子種でドロドロに汚れていた。
「コウちゃん♥気持ちよかったでちゅか〜?」
だらしなく恍惚の表情を晒すコウを、リブが優しい眼差しを向けて問いかける。
リブに全身をゆだね、たわわなおっぱいをむしゃぶりつきながらの射精は快感もひとしおで、まだまだ射精したいとばかりにおっぱいを揉む手の勢いを強めた。あわせて口内に含んだコリコリに固くなった若い乳首を凄まじい勢いで吸引し、射精してもなおも硬いままの肉棒をおっ立てることで、リブにおかわりのおねだりをする。
「もぉ〜〜♥本当に甘えん坊でちゅね〜♥」
夢中でおっぱいを弄るコウの頭を、リブがイイコイイコと撫でた。
「ちゃんと『お昼寝』できるようにぃ♥ママと一緒に頑張ってぇ♥おちんちんミルク♥ヌキヌキちまちょうね〜♥」
リブの右手がリズミカルに動きはじめると、再び肉棒には痺れるような感覚が疼きだした。



―ドッピュン!ドピュピュ!ドピュドピュ!

「でまちたぁ〜♥これで3回目のおちんちんミルクでちゅよ〜♥」
コウを赤ん坊のように胸元に抱きよせながら、リブは飽きることなく淡々と肉棒をしごきつづける。ときに優しく、あるときは根こそぎ子種を搾り取ろうと激しく肉棒をしごかれ、爆乳に吸いついていたコウは、リブに導かれるままにせっせと子種を漏らしていた。しごかれつづけた股間の周りは、リブの右手ごと泡立つ子種でドロドロに汚れている。
「すごいでちゅね〜♥コウちゃんのおちんちん♥おおきいままでちゅよ〜♥」
すでに3回も精を放ったはずのコウの肉棒は、おっぱい丸出しのリブのランジェリー姿に興奮しているのか、いまだにしごきつづけるリブの手の中で硬く隆起していた。すると、今の今まで肉棒をしごく手を全く止めなかったリブが、ついに肉棒から右手を離した。
「んん〜〜♥コウちゃんのおちんちんミルク♥とっても濃いでちゅ〜♥」
嬉しそうに子種で真っ白に染まった右手をぺろぺろと舐めまわすリブ。コウに見せ付けるように舌を出して子種を舐めとり、口をつけては吸い込んでいく。
「……でもこれじゃいつまで経っても、ママと『お昼寝』できないでちゅね〜」
どうしよっか〜、と困った風に、小声でコウに尋ねる。完全に虜となったコウは、身体をひねって顔をリブの股間に顔を埋めることで、返事をする。
「もぉ〜〜♥しょうがないでちゅね〜♥」
リブは膝枕を崩すと、名残惜しそうにするコウの頭を枕へとゆっくりと移動させると、コウの股間に跨った。
「……もう『お昼寝』はやめてぇ♥ママとエッチな、エッチな、『子作り』ちまちょうね〜♥」
子種でどろどろの肉棒を己の割れ目へとあてがうと、ためらうことなくリブは腰を落とす。子種ですっかり滑りが良くなっていた肉棒は、根元までずっぽりと柔らかに、温かい感触が広がる膣内におさまった。射精したばかりの敏感な肉棒は、トロトロの膣肉に溶かされるような快感に酔いしれ、早くも射精の準備をはじめるように狭い膣内で律動していた。
「コウちゃんのおちんちん♥ママのえっちなおまんこに♥はいっちゃった〜♥」
言い終わるや否や、すぐさまリブは腰を上下に振りだし喘ぎ声を漏らす。
腰が上下すれば肉ヒダが肉棒全体を擦りおろし、二人が繋がっている場所からはじゅぼじゅぼと、泡立つ肉棒がしごかれる音が漏れる。リブの膣内は肉棒を何度もしごくうちに熱を持ちはじめ、肉棒が火傷しそうになるほど熱くなると、膣奥に先端が到達するたび、子種を催促する子宮口が先っぽに吸い付いて熱いキスをお見舞いされる。
「頑張ってママが動くからぁ♥コウちゃんも頑張ってぇ♥元気なおちんちんミルク♥たくさんだちまちょうね〜♥」
身体を前のめり倒し、膝を浮かせることでよりいっそう早く腰を動かし、寝付きの悪い肉棒から子種を搾りとろうと淫らに膣内でしごきあげた。コウの真正面では、ランジェリーからこぼれ落ちたリブの若くて張りの強いおっぱいが、腰の振りに合わせてバチンバチンと下品にぶつかり合って弾ける。迷うことなく、コウははしたなく目の前でぶらさがるおっぱいを両の手のひらで支え、全体を揉みしだきつつ、指先で固くなった乳首を撫でまわした。リブの嬌声を子守唄がわりに、大好きな妹のおっぱいを好き放題揉みほぐせば、熱い膣内で掻きまわさている肉棒の硬度が増すのは当たり前のことで、強烈な尿意にも近い射精感がコウを煮えたぎらせていた。
「だして〜♥コウちゃんのおちんちんミルク♥ママのおまんこに♥いっぱいだちてぇ〜〜〜♥♥♥」
子種を待ち望んでやまないリブと同様、肉棒に向かって子宮が完全に降りきった膣内では子宮口と先端が噛み合う、瞬間―

―ビュゥーーーッ!ビュルルルゥーーーー!!!

コウが先端から精を放ち、子種を子宮の奥めがけて走らせた。
欲望にまみれた射精の間中、魔性のおっぱいから無理矢理両手を引き剥がしてリブの巨尻を鷲掴みにすると、力任せに股間に押し付けて孕ませ汁を流し込んだ。リブも絶頂に身を震わせ、お腹の奥に熱いものが流れ込んでくる感覚を歓喜の声をあげて受け入れる。
気が付けば互いの身体は汗でだくだくで、部屋には二人の荒い息しか音がなかった。
「いっぱいおちんちんミルクでまちたね〜♥気持ちよかったでちゅか〜♥」
なんとか息を整えたリブがコウの顔を覗き込むように近づける。射精後の満足感と虚脱感で心地良くベッドに横になっていたコウは、ただただ頷くだけだった。
「ママも気持ちよかったでちゅよ〜♥っ〜〜〜〜♥♥」
強引に唇を奪われるコウ。愛を確かめ合うような接吻ではなく、一方的に喜びを伝えるだけの口付けに、コウはひたすらに唇を吸われ続けた。
「ぅぁはん……♥ぼやっとしちゃだめよ♥ママとせっかく『子作り』してるんでちゅから♥ちゃ〜んと赤ちゃんができるように♥もっと濃いのぉ、たくさんドピュドピュちまちょうね〜♥♥♥」
つかの間の口付けの後、リブが腰を上下に刻んでパンパンと乾いた音を叩きだす。コウの両手から開放されたおっぱいは再び揺れだし、乳首にたまっていた汗がコウの胸板に飛び散った。なおも誘惑するようにリブの特大なおっぱいが自慢げに揺れるが、度重なる射精で完全に脱力してしまったコウは虚ろに眺めるだけで、股間のものを力強く勃起させることしかできなかった。
19/08/18 20:15更新 / 眠猫
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■作者メッセージ
【2015/7/26】誤字の修正
【2015/9/11】誤字の修正
【2016/1/22】誤字の修正
【2019/8/18】文章の訂正

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