連載小説
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「英雄」
 紅の光が、辺りを包み、その光は近くにいた者は直視できないほど、まぶしい光だった。

 いや、それだけではない、風が、光を放つ者を中心に風が吹き、風はとぐろを巻いて、竜巻が発生していた。

 その風の前に魔物が放った矢など、全てが無力、風に乗ってはるかかなたに落ちてしまった。

 しかし、そんなことに魔物は、いや、その場にいた者すべてが攻撃の手を止め、その光景に見入っていた。
 

 その視線の先には、一人の男がいた

 男がつけているベルトの中央の石が赤く、腰の左右に位置している石が白く輝き、腰の左右の石から出る白い光は、まるで蛇のような細長い白の光の束となり、亀裂のように全身に走る。

 そして、光の亀裂は体中に広がり、全身が白い光に包まれる

 光はやがて収まり、男のボディラインをくっきりと表す

 光が収まると、所々表面に亀裂のような白く光り輝く溝がある、黒いインナーを纏っていた
 
 インナーといっても鎖帷子とはちがう、本来鎧の防御をより高めるためのものではなく、体に張り付く、動きを阻害しない為のものであり、防御力はそんなに高くないと見える、しかし、これは見ていた者には、そう見えるというだけであり、実際はそこらの鎖帷子よりも強力な物だ。

 たとえ、ドラゴンのブレスにも耐える耐熱性、雪女の氷の吐息にも耐える耐寒性、オーガの渾身の一撃にも耐える耐衝撃性、深海まで潜れる耐圧性などなど、あらゆる外部刺激から装備者を守る。

 それだけではない、光り輝く溝にはエネルギーが巡回し、装備者の筋力増強や、視覚、嗅覚、触角、などの神経を強化し、今の状態では4町さきの針の穴すら見える。

 この状態でも戦うことはできるが、これで完成ではない

 その証拠に、白い光の代わりに、ベルトの中央にある赤く輝く石が、紅に、光り輝き、辺りを包む。
 
 あまりのまぶしさに、魔物もその光景を見ることはできなかった。

 

 徐々に、光と風が弱まる


 そして、そこから一人の騎士が、姿を現す。

 最初に、この騎士が魔王軍に乱入した際は、白が基調の鎧を纏っていた、しかし、微塵もそこには面影がない

 鎧の脛あてや胸装甲などの装甲の基調は血のような、夕日のような、上等な葡萄酒のような、この世の様々な紅という色を複雑にあわせもった色と、インナーが露出している部分があるため、黒と赤の鎧だ。

 先ほどの白の鎧はスマートであったが、前提が鎧だ、身を守るものであり、機動性を犠牲にして防御力を得たのだ。故に、全体的に体の厚みも増え、実際よりもふた回りほど大きく見える。鎧らしい鎧だった。

 しかし、鎧が機動力を犠牲にするという物であるならば、もしも、先ほどの鎧を見ずに、これが鎧という前提が無かったら、身にまとっている物を何と表現して良いものか、その場にいる者には分からなかった。
 
 つなぎ目が大きく、インナーの部分が目立つ。インナーが露出している部分は多くは無いものの、黒であることも目立つ要因の一つで、それとインナーが覆っていない部分も関係する。

 なぜなら

 関節など、ある程度装甲でかばえるが、普通の鎧であれば完全に装甲で覆うことができない部分は、守ることをあきらめたように大きく露出し、足の付け根、ひざ裏、いや、それどころか本来は鎧で覆い隠せるわき腹なども、黒く、筋肉筋まで黒のインナーにフィットしているため見えた。

 曲線的なデザインであったが、所々、凹凸の激しい鎧となっている。
 

 主にプレートアーマ―などの鎧で覆う部分は同じだ、胸部と肩、ふともも、脛などは鎧で覆われている。
 しかし、凹凸が激しいのに、先ほどの白い鎧よりも薄く肌に張り付くような装甲で、プレートアーマーのような鎧とは、厚みも何もかもが違う、白い鎧の時に一番特徴があった肩であるが、薄く、肩に張り付くように覆っている。

 そして、何よりも異色を放っているのは頭部であった。

 頭部には、いや、この鎧にも少なからず鎧らしき部分は見ることができるが、頭部は鎧らしい部分が見当たらない。

 白い鎧には蜻蛉を摸したと思われる複眼や牙などが生えていたが、そんなものはない
 
 顎や顔の輪郭をつくっている部分は銀で出来ているのだろう、銀特有の輝きを持っており、それが時々光り輝いていた。

 そして、その銀で縁とられた兜だが、いや、兜と呼べるものなのだろうか、顔を覆っている物は金属ではない、まるで透き通った水晶のようだ、水晶のような透き通った物を顔に張り付けたように、形状は一見すると水晶でできた髑髏のように丸みを帯びている、だが、眼孔や呼吸の為の隙間すらない、起伏も少ししかなく、中央辺りが少し出っ張っているのが、鼻であろうか、一見すると表面から数ミリほどは透明だが、その下にあるはずの顔は濃い黒となっており、顔をうかがうことはできない。


 不気味だ、それがその場にいた魔王軍の魔物たちの感想であり、率直な、意見だった。

 ベルトの中央から出る赤い光が徐々に収まるにつれ、不思議なことが起こった。
 
 なにか、赤い花びらのようなものが、風に舞っていて、それが異形の騎士の周りを舞っている。

 その風に舞う赤い花びらが、騎士の首に巻きつくように集まっていく。

 そして、その赤い花びらが集まり、変化する

 それは、もはや花びらなどではない、長い騎士の腰まである、赤い布となり騎士の首に巻きつく、一般的にはマフラーと呼ばれる物だ。

ブォン

 顔面の、黒い水晶であったフェイスマスクの眼に当たる部分が、まるで、獣のような鋭い赤い眼光が光った。

 腕を組み、魔王軍と正面から対峙する。

「な、何者だ!!き、貴様ぁ!!」

 あまりに異様な雰囲気に魔王軍の一人が叫んだ。

「貴様らを地獄に送り返す者だ…覚えておけ!!!」

 異形の騎士は戦いを自らの存在を宣言した。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


 その宣言は開戦の合図にもなった、トウギが構える前に魔王軍の弓兵の矢が、再び一斉に降り注ぐ、魔物どもも頭使ったな、避けることはできない面で攻撃してきやがった

 『かわせるかい?泣き虫トウギちゃん?』

 「なめないでくれセルセ、今の僕にとってあんな矢を避けることは雨をよけるぐらい簡単だよ」

 からかうとトウギは少しだけ頭に来たらしい、むっとした声で答える。

 雨よける方が難しいと思うがな

 「それに…今の僕は…」

 トウギは一気に加速した、矢がせまるが、それよりも速く、速く加速していく

 なるほど…

 そして、そのまま一気に矢の着弾範囲を走り抜け、魔物どもがまじかに迫った時、地面をけって飛翔する。

 魔物どもは一瞬のことで呆気にとられている、そりゃそうだ、ただの人間にはこの距離まで術を使っても飛ぶことなど不可能だからな

 「サポートよろしく!!」

 『おう!!』

 少しの間を置き、空中に術を行使した壁を出現させる、壁といっても煉瓦などで出来ている物ではない、巨大な円状の青く透き通った壁で、周りには術に用いる特殊文字が回っている、本来は防御壁などと呼ばれ、術者を守るための高等術式


 「僕の名前はね、セルセ…」


 そのまま、防御壁をけり方向を転換すると、一気に魔王軍が陣を張る中程にめがけて降下する

 「僕は、騎士(ナイト)ォォォォォォォォォォォォライィィィィィィィィィダァァァァァァーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 絶叫しながら、敵陣の中央に突っ込む。

 辺りに着地の衝撃で土煙りがあがったが、視界はクリアになるように調節する、そして、一番近くにいたダークエルフ、まだ状況が把握できていない奴の顔面に体をひねり、裏拳を一発トウギはかます。

 ダークエルフは仰け反り、反射的に顔面を手で押さえたがトウギは更に体を一回転させ、顔をおさえている手ごと顔面に蹴りを、俗に言う後ろ上段回し蹴りをきめる
 もう一撃で決まりだ、だが、

 『後ろ!!』

 俺の声でトウギは横に跳ぶ
 一瞬の間を置き、さきほどまでトウギがいた場所にアックス、いや、やたら刃のでかいハルバードだな―が突き刺さり、ハルバードを構えたミノタウロスが突っ込んできた。ちなみに、さきほどとどめを刺そうとしたダークエルフは、運悪くそこに突っ立っていた為、ハルバードに真二つになった。

 「がははははははは、運がいいな!!!人間よ!!!いや、先ほど叫んでいた名前は騎士(ナイト)ライダーか?まぁ、どちらでも構わんが。私の名前はグレンティ・ロックハイナ軍曹!!!御覧の通り、貴様を殺す者だ!!!我が盟友、サイクロプスのゲティ・テンガイが作りしハルバード、ガドラの錆にしてくれる!!!がはははははは!!!」


 …………………うわぁ、濃いなこいつ

 だが、ダークエルフを真二つにしたのも事実、実力はなかなかだし、まだ序盤だ、力も温存しなければいけない
 
 ふむ

 トウギは構えを取って睨みあっていたが、トウギに助言する。

 『おい、トウギ』

 「なんだ、セルセ、あいつの弱点でも分ったか?」

 いやいや、俺はそんな魔眼持ってないし、ぱっと見で相手の弱点分かるようなら魔界行って魔物皆殺しにしてる、そうじゃなくて、と前置きしたうえで、

 『トウギ、奴は倒すな』

 はぁ、と思わずトウギは構えを解く、て、馬鹿、前見ろ前!!

 その気を逃さず、ミノタウロスのなんとかは突っ込んできた、だが、トウギは軽く体をひねってかわす、が、そのままミノタウロスはラッシュをかけてきた。

 かわし続けるトウギに助言する、俺の声はトウギにしか聞こえないから便利だな、このモード

 説明し終えると、トウギはなるほど、と呟き、実行

 方向を魔物の密集している方に向け走った

 「まてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 やっぱり猪突猛進の馬鹿だな、追いかけてくる。

 走っていく先の魔物はとっさのことで判断できて無かったらしいが、すぐに弓兵は構える、しかし、すぐ後ろを仲間のミノタウロスが走っているため発射はできない

 だが、後ろについてくるミノタウロスが仲間を巻き込むから攻撃しない、等と考えているだろうか?いや、考えていない

 その証拠に、魔物が密集しているところでトウギはミノタウロスの攻撃をかわし続けたが、かわすたびに主にトウギがかわしたハルバードの直線状にいた魔物が攻撃をくらい、上半身ごとふきとばされたり、頭から真二つにされたりと、結構悲惨な目にあってる

 ミノタウロスは周りのことを考えないだろうし、案外ハルバードは戦闘距離が長い武器だ、安全な距離だと思っても案外届いたりする、だから、その二つを利用し、このミノタウロスには仲間殺しをしてもらう、攻撃するより、今の状態ではよけたほうが楽だからだ

 「おらぁぁぁ!!ちょこまか逃げんな!!!バッタか、貴様はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 …このミノタウロス相当怒ってるな、こいつ。ちなみに『強化装甲』の異端者を束ねる強化装甲部隊の隊長の鎧はバッタを摸しているから、ある程度、トウギも似てる部分もあるかもな

 そんなことをしてると、更に攻撃は大きくなって、それに比例するように魔物に被害も大きくなる

 しかし、魔物どもも学習したのだろう、トウギとミノタウロスを囲むように円陣(ここでは運動会などでやるあれではない)をつくって、トウギが少しでも近付くと離れ、距離を一定に保っている。

 ふむ、もう少し、魔物どもに被害を出したかったが、これが限界か

 『やっていいぞ、トウギ』

 「…やっと、許可が出たか」

 トウギは逃げることをやめ、跳ぶとある程度距離を取り、ミノタウロスと対峙する

 ミノタウロスもそれに応じ、荒い呼吸を整え、突っ込んでくる、つか、最初から突っ込んでくる攻撃しかしてないな、こいつ

 「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 渾身の一撃と呼べる一撃をトウギに振り下ろす、速い、今までの攻撃のなかで一番速く、正確に振り下ろしてくる。

 勝った、という顔をミノタウロスはしていた、だが、

 トウギはその振り下ろしたハルバードを左の籠手で受け止めていた。

 そのまま、ハルバードの刃に亀裂が走り、こなごなに砕け散った。

 驚愕に眼を大きく開いたミノタウロスに一歩、近づくと、体を半回転させ、喉に拳を一撃、食らわせる。

 ベキンっという音と、骨を砕く感触が俺にも伝わった、つうか、籠手で受けるのはやめろ、めっちゃ痛いから

 ミノタウロスの首がありえない方向に折れ曲がり、その巨体が音を立て崩れ落ちる。

 『さて、もうひと暴れしますか』

 頷くと、トウギは地面をけるように加速、魔物どもの陣に戦いを挑む

―――――――――――――――――――――――――――――――――――



 人数は10人以下となってしまったラミア部隊の一人、新兵のレスティは、目の前に紅の眼光を放つ、異形の騎士が仲間たちを殺していく様をただ何もできずに見ていることしかできなかった。

 恐怖によって立ち竦んでしまったこともある、足がガタガタと震えが止まらない、だが、本当の理由はそうではない、美しいのだ。
 深紅の鎧、赤い眼光、そして、本で読んだジパングのサクラという花を思い出させるマフラー、全てが美しかった。ふと、これに似た騎士をどこかで見たことがあるような気がする、どこであったか?と思案してしまった。

 流れるように、川の流れのように体術を魔物に決め、次々と魔物を戦闘不能としていく、そして、自分の前に騎士がいることを頭でぼんやりと認識できた。

 その騎士の姿を見て、思い出した。

 幼少のころ、学者であった祖父の書斎で読んだ異界の戦士の話だ。

 何百年、という単位ではない、はるか古代、ある魔術が誕生した。
 その魔術とはこの世界とは違う、異界とこの世界をつなぐという魔術であったらしい。

 そして、この世界に飽きていた当時の魔王は、その異界に自分の臣下を連れ、その異界に住んでいる人間を狩るゲームを暇つぶしに行ったらしい。しかし、魔王はその異界で果てた。
 なんでも人間側の戦士が魔王やその臣下と戦い、魔王と臣下は戦いに敗れ、その異界に封印された、ということだ。

 現在は異界と通じる魔術はない、そんな魔術は世界の根底を覆してしまう、それ自体が創作の話という説もあるぐらいだ。

 だが、何度か遺跡などの発掘作業で、この世界では考えられない、人間も魔物も、神族ですら作り出せない物質や武器などが見つかることもある、学者の中には異界とを結ぶ魔術が存在していた証拠だ、という者もいるらしい

 そして、今目の前にいる騎士は、本の挿絵にあった、魔王や臣下を封印した異界の戦士の鎧に似ているのだ。

 思い出した、その戦士の特徴と名を

「……………人間の戦士、邪悪なる者あらば、焔の如く邪悪なる者を打ち砕く戦士あり、その戦士の名は…」

 最後まで言い切ることはできなかった、なぜなら側頭部に強い衝撃を受け、吹き飛ばされる感覚がレスティの最後に感じた感覚だった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 くそ、きりがない、魔物ども湧いてでてきやがる、どうする?

 トウギのスピードも落ちてきているし、動きも散漫になりつつある、息も荒い、やばいな
 それに大分攻撃もくらっちまった、まともな攻撃をくらえば次はこたえるぞ、この鎧はトウギの精などが循環している、つまり、トウギが弱まればこの鎧も弱まる、この状態ならまずい
 どうする?そんなことを考えたことがうかつだった

 気がつくのが遅れた、トウギは右から剣を構え走ってくるリザードマンに

 疲れていたのはトウギだけではなく、俺もだったようだ

『右から来る右だ!!!』

 どんっと衝撃が来た、剣は鎧を貫通はしていないが、無傷でもない
 トウギはリザードマンの顔面を思い切り殴りつける、

 拳はリザードマンの顔面にめり込み、リザードマンは絶命した

 だが、一体だけではなかった、それを合図に四方八方から剣や爪、牙をむき出しにした魔物どもが襲いかかってくる、やばい、あんなもんくらえば、疲労している鎧じゃ耐え切れるか微妙だ

 だが、トウギはリザードマンの顔面に拳をめり込ませていた為、簡単に抜くことはできず、反応できない、駄目か…ドチクショウ!!!

 ドドドドドドドドドドドドドドドンッ

 だが、魔物どもはトウギに剣や、自らの爪や牙を振り下ろす前に、兜などをかぶっていなかった個体は脳漿、胴体に何も装備していなかった個体は贓物などを辺りに撒き散らして横に吹っ飛んだ。

 横に吹っ飛んだ方向と逆の方向には、城門から3町ほどはなれた場所に、一発、二発の攻撃をくらえば消えてしまう防御術式を張ってバリケードをつくり、長銃を構えている。だが、その銃を構えている者に無傷な者は殆どいない、負傷兵ばかりで、血がにじんでいる布を巻き、銃を構えていた。近衛騎士団のみなさま方だ。

 トウギの攻撃による魔王軍の混乱にまぎれ、移動したらしい

 そして、城門からも銃声が聞こえ、魔王軍は二方向からの攻撃をくらい、まともに攻撃をくらった。

 兵の数からして少ないのは城門に配置されている兵だ、いまの射撃でそれほど倒れなかったが、効果はある。

『いまだ、トウギ!!』

 俺の声で我に返ったらしく、トウギは地面をけって飛翔

 今度は防御壁を使わずに城門に陣を張る部隊に降り立った。

「指揮官殿はどちらですか!!?」

 トウギが大声で叫ぶと、近くにいた兵士がトウギの頭を掴み、伏せろと叫んだ。

 伏せると今までトウギの頭があった場所に矢が音を立て通り過ぎた。

「指揮官殿はどこにおられますか?」

 トウギの頭を掴んでいる兵士はトウギの質問にあっちだ、という風に指をさす。

 礼を言い、腰を落としたまま兵が指をさした方に進む。

 そして、一人の士官用のフェイスマスクを纏い、即席の術式防御が貼ってあるだけのバリケードから長銃を構え、撃っている士官がいた。

「指揮官殿!!」

 トウギの声に反応し、休んでいた負傷兵に銃を渡し、しゃがみながら士官は近づいた。

「無事だったか、ラインバック騎士」

「指揮官殿もご無事でなによりです」

 指揮官はフェイスマスクを通してのためくぐもった声だ、だが、案外若いなという感想と、ラインバックって誰?と思ったが、すぐにトウギだとわかった。

 ローグスロー騎士団の騎士は本来の自分の名など分かるわけがない、幼少のころに名を育てた騎士につけられるのだが、それを本名と呼ぶ。しかし、騎士団に入団すると第一番隊から第七番隊までに分けられ、その際にあだ名(番号)、騎士団の中での名前がつけられて騎士団の中ではそのあだ名で呼ばれる。

 そういえば、トウギは最初、この奇襲のことを知っていたし、この部隊を待っていた、つまり、この城が陥落してからこの部隊に助けられたのか

 トウギは指揮官に敵の状況、人数、装備などを伝える、この位置からでは魔王軍全体の状況などを推測することすらできない。

 指揮官はどれだけの戦力がいるのかをいうと、まぁ妥当だなという風に頷きながら指揮官は聞いていた。

 そして、トウギは全てを考え、現状では勝算がほとんどないとないと告げた。

 指揮官もそれは分かっていたが、いざ堂々と言われると、少しこらえたらしい。どうするべきか、頭をかいていた。

 「しかし、一つだけ、勝つ方法があります」

 指揮官は少しトウギの顔を見た、トウギはその策を教える。

 「…そんなことが可能なのか?ラインバック騎士」

 「えぇ、理論上は可能です」

 と区切った。

 「が、成功したことがないのです、彼―セルセの負担が大きいのもありますが、十分なほどに『命の源泉』が足りません」

 それに、

 「時間がかかるものですから、その間に攻め込まれたら終わりです」

 策を聞いた指揮官は少しの間、空を見た。

 「…どのくらい時間が必要だ?」

 トウギは指揮官の顔を見た。

 「どの道我らには敗北しかない、それよりは君たちの作戦にかけてみる。安心しろ、我らとてただ無駄に日々を過ごしてきたわけでもない、もしもとて兵とともに死の覚悟もある、しかし、今のままなら犬死だ、それよりは君たちの策にかけてみる、どれくらい時間が必要だ」

 トウギはしばらく悩んでいたが

 「半刻ほど時間がいただければ…」

 それにしっかりと頷き、フェイスマスクで顔はわからないが、マスクの下で笑った気がする。

 「たったそれだけならば、大丈夫だ。君たちにかけるよ…さ、早く行きなさい」

 トウギは一礼すると、少し離れ、飛翔、そのまま城壁を乗り越え、外側にある堀に沈んだ。

 「セルセ、なるべき早くしてくれ!!」

 『ああ!!そのつもりだ!!!』

 俺は意識を外側に向ける、そのまま、意識を水に、溶かすように、溶けていくように意識をむける。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「いいんですか、あんな約束しちゃって、半刻なんてとても待てませんよ」

 トウギが城壁の外側に消えるのを見た指揮官のすぐそばにいた負傷兵が弾倉に弾を詰めながら言った。左肩をやられ、右腕しか動かない、今は弾を込めることぐらいしかできない。

 現に魔王軍は混乱から立ち直りつつある。

 援軍である本隊は、到着まであと八刻ほどかかるだろうし、その間に魔王軍は撤退も可能だ、それに弾薬もそろそろ底をつき始めた。

 こちらは負傷兵ばかり、対してあちらは無傷な兵もいる、先ほどラインバック―トウギが突入し、かなり暴れたが魔王軍の被害自体はたいしたことは無いだろう、しかし、魔王軍は混乱に陥った、そのため別な場所にバリケードを築き、部隊を移動させ、二手にわけることも可能だったのだ。

 それでも、魔王軍が混乱から立ち直り、部隊を突入させられたら殲滅される。それには、50を数える前に終わる、

 だが、

 何としても半刻ほど時間を稼ぎ、連中が部隊を殲滅できずにいたら勝ちだと、指揮官は兵にバリケードから銃口を出し撃ちながら答えた、それは自分にも言い聞かせるようであった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


 城門ともう一つ離れた場所に展開していた部隊に歩兵を突入させ、成功したようだ。
 突入した兵がバリバリと音を立て、防御術式を破っていき、人間と戦っていた。


 カミンティはこの光景を遠くから望遠鏡を通し、見ていた。

 あと、しばらくすれば、部隊再編が完了し城壁に陣を張る敵部隊にも突撃をかける。
 
 だが、心の中にはある疑問が彼女の心を穏やかな物とはしていない。

 傍らに立つ副官ラドルフもカミンティと同じ疑問を抱いていた。

 これで終わりなのか、という疑問だ。

 普通であれば、もうとっくの昔に終わっている戦いだ、なのに、あと少しというところで邪魔が入る、いくつか戦いをカミンティは経てこの地位についている。確かにこれほどの大部隊を指揮するのは初めてだが、基本は変わらない、なのに、何かが違う

 そんなこともある、という言葉でかたずけられるものなのか

 「何かが異常ですね」
 ラドルフは思っている頃をそのまま口にした。

 「そうだな、まるで敵の中に『神殺しの男』がいるようだな」

 「『神殺しの男』ですか?あの伝説の?」

 ラドルフは自分の上官の口にした『神殺しの男』、魔界で語られる伝説の存在、かつて人間界に神になる資格を備えた男が生まれた、しかしその男は神となる資格を備えておきながら神を殺しという伝説で、その男は首を切られても、業火の炎に焼かれても、絶対に死なないという男で、口頭のみで伝えられる存在だ、だが、その男がいた軍は何があっても破れなかったという伝説をもつ
 どこぞのダンジョンに聖剣が眠っている、などと大差のない眉唾な話だ。

 「確かに、そう考えると異常ではなくなりますね、しかし、伝説は塗り替えるものですよ、カミンティ少佐殿」

 その証拠に、と付け加え、再編が完了し、城門に陣を張る敵部隊に突撃を仕掛ける部隊と、敵陣を見た

 「敵陣は崩壊寸前です、あの中に『神殺しの男』がいても終わりです、部隊を突撃させま」


 「いけません!!!」

 ラドルフの声を遮り、後ろから声が響く。

 カミンティとラドルフが振り向くと、そこには先ほどまで天幕の中で休んでいた魔術兵、現在、3人が士官用の天幕で術の記号解析をしていたため、士官とともに散ってしまい、魔術兵の中で唯一の生き残りである最も若い、魔女がいた。その後ろには3人ほど衛生兵が付いて、まだ危険な状態であることを示唆していた。

 なぜ、この場所に連れてきたのか、という顔を二人ともしたため、衛生兵がどうしても報告したいことがあるといって、といった。

 荒い息をしながら、顔を青く染め、冷や汗を流しながら魔女はゆっくりと報告した。
 「ご、ご報告いたします、さきほどより、城壁の外、堀の、あたりより、すさまじい数の、精を、感じ、ます…ごほっぼっ…魔術兵で、しか、分からない、個々としては、微量なもので、私たちで、ないと感知でき、ませ、んが、なにか……あります……」

 それを言い終えると、魔術兵はその場に倒れた。
 
 だが、それを聞けただけで十分だった、敵は何か企んでいる

 問題はすでに歩兵が雄叫びをあげながら、突撃してしまったことだ

 引き返せ、命令ではなく、一人の兵を案じる将校としての声をあげる、しかし、兵たちは止まらない

 直後の、だめです、と魔術兵がつぶやきは誰の耳にも入らず、その直後、異常な精を、その戦場にいた魔物は確認した。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 最初、突撃している歩兵部隊は、違う場所に紛れ込んでしまったのではないか、と思った。

 なぜなら、日はすでに沈んでから何刻も経ち、辺りは星の光る夜であったはずだ、なのに、空は明るくなり、なんとも言えない優しい香りまでする。殆どの者は嗅いだ事のないにおいであったが、このにおいを嗅いだ事のある者は、このにおいはサクラの花だとわかったはずだ。

 それに、気がつけば、空が明るいのではない、空をほんのりとした薄いピンク色花びらが覆い、その花びらが風に乗って彼らを包んでいた。

 なんと美しい、魔物たちはその光景に今の状態を忘れ、見入ってしまうほど美しい光景だった。

 だが、すぐに異変に気がつく、体が動かないということに

 どんなに力を込めても、さきほどの光景に魅入られたように動かない、空を魔物たちは見上げていたが、その時になって、大手門の上に誰かいることに気がついた。

 それは、大手門の上から下を見下ろし、眼下の魔物を睨みつけていた。

 これから、突撃する城門、大手門の上に一人、立っている。先ほど魔物軍に突っ込んできた異形の騎士だ。

 だが、一人ではない

 この城を囲み、城壁は築かれているが、その城壁通路の上に、何百という騎士が立っていた。
 その騎士たちも、異形の騎士が纏っている鎧と同じものを纏っている、しかし、大手門の上に立ち騎士を除き、城壁通路に立ち見下ろす騎士たちは群青色の鎧を身にまとっていた。

 大手門の上に立つ騎士は、辺りを見回していた

 『なんとか間に合ったな』

 「そうだね」

 『じゃ、止めといくか』

 「うん」

 大手門の上に立つ騎士の足元に術式を発動するための巨大な円状の紋章陣(ここでは高等魔術や術式を使用する際にサポートするための補助術式)が出現、そして、軽く地面をけり術を作動し、轟音とともに飛翔する

 と、城壁通路の上にいた騎士たちも足元に紋章陣が出現、発動させ、跳んだ。

 先ほどよりも、いや、今までで一番高く、高く飛翔する。

 距離はどれほどになったであろうか、もはや、城壁も天守も主塔も飛び越え、鎧の一部か凍結を始めるほど高度を上げた。

 そして、目の前に防御壁が出現

 <モード・リベレイション>

 再び生物の声とは思えない声がした。

 防御壁を蹴り、向きを、魔物がいる方向に変え、蹴る

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 地上にいた動けない魔物はふと風と華びらがやんだことにきがつく、だが、依然として体は動けなかったが

 その代わり、自らの上空から、すさまじい音が聞こえ、花びらが個々に自分の上で円状に舞っていた。

 その音を聞き、花びらの舞いを見ながら、動けずにその場に立ち止まる魔物は皆同じこと、絶望に近い感情を抱きつつ思う

 これで終わりなんだ、と

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

「どりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 腰の左右に位置する石が輝き、その輝きが両足に集まり、足が光り輝く

 すさまじい速度で降下していく、花びらでつくられた地面に書かれる円が目印だが、俺には降下速度が速すぎて見えない。

 一瞬だけ、花びらのようなものは見えた、がその後、蹴りを入れる魔物―サラマンダーを見た

 その一瞬は、時が止まったようであった。

 その直後、蹴りをきめたサラマンダーのすぐ後ろに着地

 一拍をおいて次々と他の騎士も上空から蹴りを決め、着地した。

 俺は見えていた

 サラマンダーはすぐに後ろを振り返り、俺たちを見ると何が起こったのか分からない顔をしていた、だが、すぐに異変はあらわれる

 胸の中央に穴があき、その穴から亀裂が全身に走る

 そのまま苦しんでいたが、一瞬体が膨れ上がり、体が破裂した。

 しかし、血や贓物などは辺りに散らなかった、その代わり、体を構成していた物が、灰のようにこなごなに、先ほど舞っていた花びらのような、赤い灰となり、辺りに舞った。

 他の魔物も同様に破裂し、戦場を赤い灰が舞う

<ジ・エンド>

 その声とともに、俺の体は形を取り戻し、一瞬の浮遊感とともに地面に足がつく

 と、目の前にトウギが疲れ切った顔をして、前に倒れかけたが、すぐに駆けより、なんとか倒れずに受け止められた。

 バキィィィィン

 周りにいた、贋作の騎士たちが氷細工のように透明になってはじける

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 その光景をバリケードから近衛騎士団特殊部隊は見ていた。

 なんとか、敵戦力は減ったが、味方の被害も甚大、負傷兵ばかりであり、現に今もそこら中でうめき声が上がっている。

 一人の右肩を撃たれた負傷兵が、魔物たちの赤い灰と、先ほどまで風に舞っていた花びらを寝転びながら見ていた。
 その光景をみて、きれいだな、と思いながら、舞っていた花びらに、ろくに動かない手を伸ばし、一つ、花びらを掴むと、体の奥が温かくなるのを感じた。

 あぁ、なんて俺は、幸せ者なのだろう
 なんてきれいな光景何だろう
 こんな光景を見ながら母ちゃんのところにいけるなんて
 なんて俺は幸せ者なのだろう
 生きてて、よかった

 そう思うと、涙が一滴、頬に流れた。

 そのまま、眼を閉じ、眠いな、と感じながら深い闇の中に落ちていく



 が、

 「おら、いつまで寝ているつもりですか、さっさと起きてください」

 ガツンと後頭部を蹴られ、衝撃が走り、痛さのあまり頭を抱えて転げ回った。

 「なにしやがんだ!!」

 起きれば衛生兵の少女があきれ顔でこちらを見ている、とそこで気がついた。

 撃たれて満足に動かないはずの右腕が動く、それだけじゃない、全身が先ほどまで重く、疲れ切っていたが、まるで何時間も寝たような爽快感まである。

 「みんなそうですよ、重症、軽傷に関わらず傷が治って、それどころか全快になってます、なんでもこの花びらに触ると魔物は動けなくなって人間は回復するらしいです、すごいですね」

 ふと、自分の足元に転がっている兵がニタリと笑っていることに気がついた。

「……何笑ってるんですか?」

「いやぁ、お前さんが支給の制服じゃなくてひらひらのスカートだったらよかったのになぁ、と思ってな」

 もう一発、衛生兵の少女から強烈なけりが兵士の頭にきまった。

 転げまわっている兵に、少女はしゃがみながら手に持っていた長銃を渡す

「ほら、ちゃんとしてくださいよ、あと私を口説くならあいつら倒してからにしてください」

 長銃を渡され、その銃を確認しながら立ち上がる。

 総員、着剣!!部隊長の号令が聞こえる。

 長銃に着剣をつけながら軽く腕を回す。

「じゃあ、町に戻ったら飯でも食いに行きますか?」

 衛生兵の少女はにこりとほほ笑み、一言

「嫌ですよ」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 『強化装甲』の異端者の特徴に能力の成長性が挙げられる。

 第二形態、第三形態というふうに一種類しかないが別な形態に成長することもあれば、武器によって姿かたちを変化する者もいる。

 大概成長や新しい姿を手に入れる時は命の危機に陥った時や、現状では倒すことのできない敵に遭遇してしまった時などに力を手に入れるといわれているが、トウギは少し違う

 こいつが最初に乱入してきた際の重々しい鎧はカイ(0という意味)と呼ばれ、本来戦闘に適している形態ではなく、あの状態では特殊術式も使用できない

 こいつは普段の戦いなどで魔物の魂をベルトの中央に位置する石に封じ込め、それを原動力として戦う
 その時、カイよりは先ほどの赤い鎧に近い、軽装甲の白い鎧を纏って戦う
それが本来のこいつの戦い方であり、それなりに強い
 魔物の魂が多ければ多いほどこいつは更なる形態にもなると聞いたが、俺はカイと軽装甲の鎧しか見ていない。

 最初乱入してきた時、てっきりカイでも戦えるようになったのかと思ったが、やっぱり張ったりで、魔物の魂もつき、他の形態に変身できなかったらしい

 だから、こいつに魂を貸してやったのだ。

 こいつの形態の変化させる方法がもう一つある、これは異端者の魂をベルトの石にこめ、その異端者の魂を鎧とし、新たなる形態で戦う

 先ほどの赤い鎧、それ自体が俺だ、だから、こいつにアドバイスすることもできたし、鎧に二つの目がないから、全方位を見渡すことができた。

 それに、先ほどの騎士たちも俺が鎧となった、鎧の特殊能力だ。

 堀の水に少しばかり『命の源泉』を混ぜ、俺の意識を水に向ける

 そして、セン・ガンツテァを発動した

 本来、セン・ガンツテァは異なる器に意識を移す術式だが、自らの意識を異なる器へと定義し、満たす

 だが、本来セン・ガンツテァは意識を定義するだけ、器を定義する能力を持ってなどいない、しかし、『強化装甲』の能力はすごい、俺の能力も数倍上のものにしてしまう、例えば、普段であれば何分もかかる防御壁を軽く頭で考えただけで瞬時に出現させることも可能だ。

 セン・ガンツテァは水の器にはなることはできない、水は器を変え、特定の器がないためだ
 
 もともと、そんな能力は俺にはないが、数倍能力が上がった状態で発動すると、すごいことが起きる

 水の器を定義し、俺の今の状態を、つまりは鎧となった俺を纏ったトウギを複製することが可能となるのだ

 まぁ、意識は俺のものだし、トウギのように『強化装甲』の異端者ではない、かなり騎士としては贋作の、能力は幾分か劣るものだが特殊術式も使えるから、これが最大の特徴かもしれない
 
 ま、トウギが能力を解除してしまえば空気中に溶けてしまうのだがな

 

 俺の腕の中でいびきをかきながらトウギが爆睡している、たく、この馬鹿は…

 俺たちが騎士見習いの時、俺はトウギのこの技につきあい、そして暴走した、いや、危なく死にかけた

 この技はとにかく神経を使う、下手すれば発狂する可能性もある

 それに、ベルトに魂をこめるとは、俺を殺すことだ。
俺の頭を砕き、魂を具現化、そしてベルトに閉じ込める

回復能力がなければ死ぬ技でもある。

 トウギも、俺も危険にさらされる技だが今回は助かった、いや、助けてもらった、俺の負担が軽すぎる、たぶんトウギが肩代わりしたのだろう、こいつの力が成長していたからこれぐらいで助かったのだろうが、下手すりゃ死んでたな

 ま、とにかく

 「おつかれ」

 背後で近衛騎士団のみなさまが突撃し、その雄叫びと地響きが聞こえる。

 その音を聞きながらトウギを背負って、近衛騎士団の陣を目指し、歩く

 ふと空を見ると、月が出ていた

 まったく、なんで戦闘を終えるといつも月があるのか

 ま、この間と違い、赤い月ではなく三日月があった。

 やっぱり、俺はこっちのほうが好きだな…





戦いは終わった、しかし、終わりは新たな始まりである
これは、誰も語らない物語と物語の間
次回「幕間」
新たなる戦いの幕は、すぐに上げる
11/09/24 12:47更新 / ソバ
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■作者メッセージ
楽屋裏
セルセ(以下セ)「ん、あれ、本編終わったんじゃないのか、つかなんだここ?」
トウギ(以下ト)「ふふ、それはですね、作者が風邪で寝込んでしまっているから僕たちがまかされたんですよ」
セ「うぉ、トウギいたのかよ、つかこの作者が風邪ひくってどういう状況だ、学生の時、自転車操作ミスって橋から落ち、川に流されたのに怪我ひとつしなかった作者が風邪ひくって…」
ト「いや、なんでも台風がきてるから仕事が午前で休みになったらしいんですけど、帰りの電車賃をけちって暴風の中を自転車で突っ切っり、家まで帰ったはいいものの、風邪ひいたらしいです、バカですね」
セ「しかも、メモもあるぞ、なになに、『楽屋裏のキャラ崩壊、誤字脱字、文章表現の間違いなど、勘弁してください』…最初から逃げ腰じゃねーか、この作者!!!」
ト「まぁ、本文は元々完成していましたけど、この楽屋裏は下書きもないですからね、不安なんでしょ、作者のチキンぶりが表れていると思いますよ」
セ「…お前何気にひどい奴だな、作者のお気に入りだっていうのに」
ト「だって僕、本来は今回で死ぬはずだったじゃないですか、それを作者が近所のゲ○で○面ラ○ダーク○ガのDVD全巻借りて見たら、35話でボロ泣きして誕生したのが僕ですよ、もはや最初と別人らしいです」
セ「…言うなよそれ、つか、そろそろ時間無くなってきたぞ」
ト「最後にえーと、作者から『読んでくださってありがとうございます。ご意見ご感想お待ちしております、次回は少し遅くなります』」
セ「お前が閉めるの!!?俺主人公なのに!!?」
ト「ふふ、主人公が交代する話なんてよく聞くじゃないですか、あれを狙ってます」
セ「貴様〜〜〜!!!」
ガタガタ、ゴト、ガキィィン!!ガキャン、ボキィ
終わり

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