連載小説
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   流石に恥ずかしい、との事で並んで歩く事になった。

「ご、ご主人様に抱き上げられながら街中を行くなんて……、『繋がりながら』の次ぐらい……、ほあぁっ!? ち、違います! 公共の場でやるべき事じゃないですよ!? いくら何でもーー」

   いや、俺そこまで言ってないんだけど。
   つーか冷静になってみると俺何やってんだ。あんまりにも嬉し過ぎて俺の中の何かがボルテッカしちゃったのか。反物質はヤバいって。せめてクラッシュイントルードにしなさい。装甲(ふく)だけで済むから。
   そんなこんなで今、フィネアが住むマンションの前まで来ていた。
   そーいやさ。

「いかがなさいました?」

   前聞いたけど、ここって君の職場の親会社が経営してるんだよね?

「はい。中に住んでいるのは職員とその家族でございます」

   て事はさ。
   この、エレベーターに書かれてる数多くの名称から察するにさ。中に住んでるのって……。

「……ご想像通りです。くれぐれも、私から離れないでくださいね? 一応私達は思い人持ちの男性を襲う事を控えるとしても、見境ない者は本気で襲って来ますから」

   りょ、了解。俺だってフィネア以外に襲われたいとは思わないし。

「お、襲っ!? そそそそんな事ーー、な、なくは、ない、です、が」

   だよねー。一番最初に攻撃仕掛けてきたの君からだし。

「うぅ……」

   エレベーターが地上から離れていく光景を流し見ながら、クールとクールの間に挟まれる総集編のように、衝撃のあの日をトレスする。
   ……いきなりズボンを下ろすわ、俺がひるみモーション入ってる内にワンモア入れてきて手コキし始めるわ、終いには自分から乗ってくるわで。アレには本気で驚いたわー。

「……申し訳ありませんでした」

   あいや、怒ってる訳じゃないよ? そうでもしなきゃ恋愛童貞の俺には君と距離を詰める事なんて出来なかったと思ってるし。……むしろアレが夢だと最後まで思ってた俺の方が失礼だろう。
   そこでさ。あの時、初めて俺の息子にアイサツした時の感想聞かせてくれないかな?

「えっ!? ……そ、それは、その……」

   タイムリミットはあと5秒。はい、4、3、ヒャア我慢出来ねぇゼロだ!

「ちょ!?」

   はいどうぞ!

「ーーただ、『欲しい』と……、そう思いました」

   え、一言?

「……昔から、ご主人様となる人物の精はどういう味なのか、という事やご主人様との夜伽を前にするとどうなってしまうのか、と考えていました」

   うーむ、お嫁さん志望の夢見る乙女のような発言……じゃないな。魔物版夢見る乙女、的な?

「『この方の匂いに、ずっと包まれていたい』、『待ち焦がれ、はしたなくもこの身を貫かれる事を待ち焦がれてしまう』、『専用の雌として、孕ませられる事をただ望むようになる』。そんな、いろいろな感情が湧き上がって来るのでは、と、あなた様の無防備な姿を見て我慢が出来なくなる直前まで思っていました。ーーですが」

   ですが?

「精の香りを直接感じて、頭が真っ白になってしまったのです。余計な思考を全て吹き飛ばしてしまうくらいに強烈で、圧倒的で。……残っていたのは、心の底からの、飾りない願いだけでした」

   なるほどー。……俺のチンーコ、そんなに君にクリティカルヒットしたのかー。きゅうしょにあたった、こうかはばつぐんだ! ってか。俺さっきからテンパってない? 大丈夫? 不審者っぽくない?
   エレベーターが到着を知らせる電子音を鳴らす。チンーコの話の途中に『チーン』って音は何か作為的な物を感じるなぁ。

「も、もちろんそれだけでなくご主人様に付き従いたいという気持ちも本心です! 決して身体だけが目的ではありませんからね!?」

   大丈夫。微塵も疑ってないから。でなきゃ俺は逃げてる。
   本当に、感謝してるよ。強引にでも俺に気持ちを伝えてくれて。
   下らない偏見や勘違いを捨てさせてくれた部屋へ繋がる扉を通る。鍵が閉まり、完全に邪魔の入らない二人だけの空間になった今、この感謝の気持ちを全力で伝えよう。

「ーーきゃっ!?」

   靴を脱ぐより先に、フィネアを押し倒す。当然、頭をぶつけさせないように下に手を敷いておく事を忘れない。

「ここで、ですか……?」

   違うよ。
   『ここから』、だよ。
   自分勝手で寂しがり屋で、ヘタレな俺が、君が居ないのに側に居る、と錯覚するには、それはもう徹底的にならなきゃダメだからさ。

「……ご主人様」

   あ、いや。もちろん嫌なら嫌と言ってね? 流石に君の嫌がる事はしたくないし。

「ーー私も、同じです」

   控えめに、おずおずと伸びた細い指が、俺の服を掴む。

「私も、ご主人様の存在を錯覚するなんて、生半可な回数じゃ到底無理です。……何故ならーー」

   従者らしく、遠慮がちではある。しかし、どうしても耐えられません、と告げる彼女は、俺の目の前で、今。

「ーーあなた様を感じる度に、次が、またその次が、際限なく欲しくなって仕方がないのですから……♪」

   清楚で淫靡で、清らかで艶やかな、美しい雌の顔をしていた。

「んんっ……♪」

   そんなフィネアを穢したくて、染め上げたくて、甘えたくて、何もかもを委ねてしまいたくて。俺は無意識の内に桜色の唇に口付けしていた。
   舐るように、吸い取るように、自分と彼女の唾液を混ぜ合わせるように。夢中になってキスをした。
   フィネアはと言うと、口の端から歓喜を漏らし、悶えながら俺の求めに応えてきた。吸えば吸うほど甘みを増す舌を貪欲に動かし、こちらの歯を一本一本磨くように舐め尽くしてきた。

「んぁぁっ……♪」

   永遠に続くと思ってしまう感触。しかし、まだまだまだまだ足りない。こんな程度じゃ、離れた一秒後には消えてしまう。

「ふはぁ……っ♪」

   唇同士を離し、再び顔を合わせる。
   混ざった唾液が二人の間で線となって伸びるが、重力という現実に引き離され、切れた。
   すでにお互い息が荒くなっており、こちらの股間には臨戦態勢で早く出動命令を寄越せとうるさい愚息がいきり勃っている。おそらく、彼女の股下も既に覚悟完了状態だろう。無尽蔵の欲望をありありと映す紫色の妖しい瞳から、それが痛いほど伝わってくる。
   だから俺は、彼女に言った。
   明後日から、貰った薬を飲まなきゃならないな、と。
   一瞬だけ惚けた表情になった後、言葉の意味を理解した彼女はすぐさま淫らな笑みを浮かべ、応えた。
   個室を出る直前に自身に掛けていた認識阻害の魔法を解き、本来の、魔性の美しさを呈する姿に戻り、エプロンを下にずらし、中に着ていた黒い質素なワンピースの胸元ボタンを一つ一つ、焦らすように外していく。
   中に着ていたコルセットを緩ませた途端、襟首より下が外気に晒される。
   そして、

「……ご存分に、私の全てを貪り尽くして下さいませ、……ご主人様ぁ……♥︎」

   期待に躍る胸元を完全に露出させ、主人であり、獲物でもある俺の前に、その身の全てを供物のように捧げてきたのだった。

   ・・・

   身体を起こし、自分からズボンのファスナーを下ろすと、中からグロテスクな怒張が『俺の出番かっ!?』という感じでイェアと飛び出てきた。

「ご主人様ぁ……♪」

   既に受け入れ態勢万全のフィネアが、リミットオーバー寸前のそれを見て、媚びた声を発してくる。
   この体勢は……、アレだな? アレをして欲しいんだな? 望む所……!

「んぅっ……♥︎」

   服に絞られ、本来の大きさより強調された禁断の果実、おっぱいを両手で鷲掴み、谷間を少し広げ、ホットドックにウインナーを挟むようなイメージでフィネアの柔肉というパンに俺のウインナー(意味深)を挿し込んだ。
   それはあまりにも、何というかその、……言葉で表現出来なかった。
   オパーイとオパーイの間にチンーコを挟んでいる。文章にすればたったそれだけだというのに、何故こんなにもいやらしく、そして心が和むのだろうか。
   おっぱいは誰もが赤子の時に触れる、母性の象徴とも言える部位。男にとって己の分身である生殖器をそれで包む事により、母親に抱きかかえられているようなそんな気に、

「あぁっ♪ そ、そんな、乱暴ですよぉ……っ♪ もっと、形が変わって、あなた様の跡が残るくらいぃ……♪ 強く乱暴にしてくださぁい……♪」

   知るかバカ! そんな事よりセルフでパイズリだ!
   むにむに。

「くぅうっ♪」

   ぐにぐに。

「やぁぁんっ♪」

   こりっ。

「ひあぁぁぁんっ♪」

   ぐりぐり。

「あっ、あ、ああっ♪」

   ……ヤバい。楽しい。
   粘土やスライムなんて目じゃないくらい簡単に、握った形に変形する。
   さらにただ柔らかいだけじゃなく、返ってくる確かな弾力によって、この大振りな果実に触れているという事が目を瞑っていても分かるのだ。絶妙、という単語はこの為に存在するんじゃないかと思うほど、俺の手にフィットする。
   それだけじゃない。身を捩るフィネアの表情が、声が、動作がこちらの指を上手く誘導し、お互いにとって良いモミングにしているのだ。
   おまけに、握った跡の赤くなった肌が余計に加虐心を湧きたててくる。流石、人類史始まってから男を魅了し続けてきた悪魔の実……!

「あんっ♪ ごしゅ、じん様ぁっ♪ 私、の、おっぱい、どう、ですかぁ……っ?」

   オパイ、オパァァァァァァイッ!
   もはや言語は不要なり……! こんな至高の果物を身体で味わえるだなんて、もはや感激を通り越して絶頂寸前!

「えっ? ーーにゃぁぁぁっ! おち、オチンポで、わた、私のえっちな乳首ぃっ♥︎  そ、そんなに、はげ、激しくこすっちゃぁっ、い、イっちゃいますぅぅぅっ!」

   ふぉぉっ!? 突き出したフィネアの舌が、激しく前後するカメの頭にぴちゃぴちゃと当たって……! ぬぅっ!? 次は舌を回して頭全体をテラテラとコーティングっ!? 抽挿が捗る……っ!

「ふぅぅんっ♪ ご主人様のぉっ、オチンポぉぉっ♥︎ びくって、びくって動いてますぅっ♥︎ カチカチで、とってもいい匂いがしますぅぅっ♥︎」

   どっちだ!? 出されるならどっちがいい!? ステキおっぱいを提供してくれたご褒美に選択制にしてあげよう……!

「くちっ! 私のおくちに、ごしゅじん様のせーえきっ! いっぱい流し込んでくださいぃぃぃっ♥︎」

   口か! ならば俺の腰よ、前へ進めっ! たとえその先、腰が使えなくなろうとも……!

「んぶぅっ! ーーんん、む、んんん、むぅぅ、ぅぅぅっっっ♥︎♥︎♥︎」

   本日1発目の新鮮な生臭いアレが、フィネアの美麗な唇を割って口内を盛大に染めていく。射精の感触と眼下の光景、そしてその事実だけであと3発は抜ける。いや、今抜けてる最中なんだけどさ。

「ぷぁっ! あっ、ああっ! くぁぁああ……っ♥︎」

   しかも、射精の快感による痙攣で腰が引け、口から抜けた。勢いの弱い噴射が彼女の顔目掛けて降りかかり、情欲まみれの顔に黄味帯びの粘液が塗られていく。これ以上視覚で俺を愉しませるというのか……!
   だが一度ステイステイステイシス。さっきからテンションおかしいぞ俺。
 ここはクールに、じっくりねっとり彼女の感触を、

「ひぁ、あっ……♥︎ か、お……っ♥︎ 顔中、ごしゅじん様ので……いっぱい……♥︎」

   恍惚とした表情のまま放心状態になっているフィネアの上から一度退いて、上体を抱き起こす。そんな彼女を見て、俺は熱くなった自分を切り替える為に大きく深呼吸をした。

「ーーひぎぃっ!? ま、ご、ごしゅ、じん、さ、ま、まだ私、イったばかりーー、んあぁぁぁっ!!」

   結果的に、発情したフィネアの吐息を100%吸い込む事になった。ちょっとヒャッハー状態に。
   ちょっと意識が朦朧としていたようなので、強烈な目覚ましをと思い強めにオパーイを握る。ほらほらー。メイドが主人よりねぼすけなんてダメじゃないかー?

「おっぱいぃぃっ! ぎゅって、ぎゅぅぅぅっ! ごしゅじん様にぃっ! ごしゅじん様の手の形にぃっ!!」

   これがいいんか? お? お?
   数週間前まで女の子に触る事すら出来なかったってのに、随分と調子こくようになったなぁ、俺よぅ。

「はいぃぃぃっ! わた、わたし、おっぱいイジメられて悦ぶ恥ずかしいメイドですぅぅぅっ! きゅぅぅぅんっっっ♥︎」

   ついに理性が削れてきたのか、ロングスカートの中で股をこすり合わせ始めている。こっちとしても気持ちが早るが、もうちょっとイジメていたい。好きな女の子にイタズラしちゃうのは男の子って事だよね。子って歳じゃねぇけどな。

「ら、ダメぇぇぇっ♥︎ またイっちゃ、イっちゃう! 御主人様ぁっ♥︎ ごしゅじん様ぁぁぁっ♥︎」

   ティクビをこう、こね潰すように、ね?

「イ、クぅぅぅうううぅぅぅうううぅぅぅっっっ♥︎♥︎♥︎」

   背筋を張り、だらしなく口を開け涎を垂らしたまま、俺の従者は本日2度目の絶頂を迎えてしまった。

「あっ……、はぁぁ……っ♪ ……申し訳、ありませぇん……♪ ご主人、さまぁ……♪ 私、ばかりぃ……♪」

   気にするんじゃない。そんな、淫乱体質な君にラブしちゃってるんだからさ、何というか、むしろこう、もっと痴態を見せて欲しい所だね。

「本当、ですかぁ……? もっと、やらしくなっても……、よろしいのです、か……?」

   そうしてくれないと困る。
   俺の中に『フィネア』という女性の感触を、焼印のように一生消えないくらい、俺を求めて、俺だけを愛してくれなきゃ嫌なんだ。その代わりといっては何だけど、俺は君の身体に、生涯通してどうやっても消せないくらいの傷を、愛情という牙で付けていくから。

「消せない……、愛……♥︎ ご主人様の、愛の、証ぃ……っ♥︎」

   ああもう、顔から火炎放射状態だよ全く。汚物は消毒消毒っと。何てクサい台詞を吐いてるんだキャラじゃねぇだろ。
   まあ、いいか。こんな、自分で言ってて呼吸困難になりそうな言葉だけど、それでも喜んでくれてるようだし。

「私は今、とっても幸せです……♪ ーー私が夢見た『理想的な従者』とはちょっと違いますけど、……あの日恋をして、待ち焦がれて、受け入れてくれて下さった貴方と、今こうして愛し合う事が、嬉しくて、幸せで、ーーもう、私は……っ♥︎」

   ……うん。俺も、この上ないくらい幸せ者だ。
   世の男共、せいぜい羨め。こんなにも可愛くて、綺麗で、エロくて、幸せにしてあげたい子を嫁に出来るとかさ、凄くね? これから先、どんな凄い漢が来ても幸せ自慢なら負ける気がせん。
   よーし。フィネア?

「どうかされましたか……?」

   今日と明日の間、ちょっとしたルールを設けようか。

「ルール、ですか? それは破れば何か罰が……?」

   そんな感じ。ああ、そんなに構えなくていいって。
   内容は簡単。『お互いに我慢、遠慮は禁止』っていうものさ。

「が、我慢禁止ですか……?」

   メイドらしく在ろうとして無理に澄まし顔を保とうとしなくていい、って事さ。どんなにみっともなく乱れてもいいし、好きな時に自分から襲っていい。俺もそのつもりで犯るから。
   むしろそうしなかったら『おしおき』だ……!

「……お、おしおき……ご主人様からの、おしおき……っ♪」

   ちょ、喜ばないでよフィネアさん! ルール設けた意味なくなっちゃう! というか君、前々から思ってたけど結構マゾっ気あるよね!? 

「……ふふっ、冗談ですよ♪ ルールの件、かしこまりました。今日と明日は、あなた様の従者ではなく、一人の女として振舞わせて頂きます……♪」

   よーし、成立成立。
   という訳で先手必勝……! この完全なメイド装束を合体には影響がない程度に脱がす……! 半脱ぎってロマンだよね……!

「きゃぁんっ♪ ご主人様の手、くすぐったいですよっ? ーー服を脱がすというのは、こうするんです♪」

   ……ん? 何か下半身がスースーするな。

「ほぉら……♪ ご主人様のオチンポが、これでよく見えますね♥︎」

   早い……! どう脱がすか試行錯誤している内に脱がされていた……! 超スピードとか(以下略)。
   流石は真・メイドサーヴァント。本気で襲う気になったら俺ではどうにも出来ん。
   だが負けぬ! ここで引いては男が廃る……!何としてでも半脱ぎにするんだ、俺……!

「ーーふふふっ♪」

   あ、丁度腕が俺の首の後ろに通って、背中に手を回しやすくなった。今の内にコルセットの結びを完全に解いておこう。
   お、腰が浮いた。ついでにロングスカートがたくし上げやすい位置に。ドロワーズ脱がしてしまえ。この、ドレス下部分が分離したようなレースのヒラヒラは一体何だ? ええい、これもキャストオフだ。
   ブーツとソックスは……そもそもこの鳥脚じゃ履けないな。いやまあ、これはこれで常にこういうブーツを履いているような視覚効果があるから構わないってかフィネアらしくていいんだがな! だがぱ、ぱ、パンティーだけはこの手でーー、なにィ!? ガーターベルト、だと……!? ちょっと待て、どうやって履いてーー、ああ、なるほど。鳥脚と人の股下の境目に引っ掛けるように着ているのか。何でかは意味が分からんが、ガーターベルトのデザインに憧れを持っていた身としては実にグッド。わざわざ腰を上げて見やすくしてくれてドーモ。これで簡単に脱がせる。
   ……いやいやいや、いろいろスムーズ過ぎだろう。まさかこの子、主人の望む事を先読みして身体を動かし、気付かれないように誘導しているというのか……!?

「あはぁ……♪ ご主人様に、脱がされてしまいました……♪」

   無意識!? メイドって、いや、キキーモラってスゲェな。身体が常に主人の一歩先を予知している……!
   ええい、ならばその誘い、乗ってやろうじゃないか!

「あんっ♪」

   膝立ちのまま彼女のロングスカートを完全に押し上げ、細い腰を両手で左右から掴み、抱え上げる。目の前に、涎を垂らす犬のように愛液を漏らす裂け目が表れ、そこに凶悪なくらいに膨張した愚息を当てる。

「ん……っ♪ ご主人様のオチンポと、私のオマンコ、キスしてるみたいですね……♪」

   これでキスなら中まで挿れればディープキスだねー。入口付近で激しく動けばフレンチキスかな?
   まだ入り口に触れているだけというにも関わらず、鈴口を通して伝わる刺激は長く我慢出来るものではない。超早漏がどうにか早漏程度になった事もあって即座に暴発する訳じゃないが、聴覚視覚嗅覚触覚味覚全てを溶かすこの状態には5秒と持たない。

「ーーはあぁぁんっ♥︎」

   だから、俺は強引に彼女を貫く事にした。少しでも強く、フィネアを味わいたいが為に。
   さて、本日一発目、行くよー!

「はいぃぃぃっ! 何度でもぉ♥︎ お好きな、だけっ、私の中に、射精してください、ませぇっ♥︎」

・・・

   とまあ、そんな感じで始まった今日を、俺達は動く度に逐一交わりながら過ごす事にした。
   つーか俺、順調に人外になってきてるなぁ。両手両足で数え切れないくらいヤってるのに一向に枯れる気配なしとか、AV男優も失禁するレベルじゃね? 出しても出しても萎える所か、より性欲強くなってく気がする。インキュバスマジパネェ。
   玄関で3回。玄関からリビングに向かうまでの道のりで6回。2回は正常位で、次は騎乗位。それから歩きながら立ちバックで1回、途中で壁に手をつかせて膝を持ち上げた状態のまま残り2回。
   お茶にしよう、という事で向かったキッチンで後ろから3回。途中で穴を間違えてアナルに挿れてしまったが、これはこれで締め付け凄くて、強制的に搾られる感触がしてナイス。
   リビングに戻り、椅子に腰掛けるとそのまま上に乗ってきたので続けて3回。向きを反転させて4回。途中で何度もキスをした。
   洗濯物を取り込んでいなかった事を思い出し、外に出ようとしたフィネアをその場で抱き上げ、物干しのあるベランダで1回。続けてフィネアの身体を外に向け、3回。このマンション、敷地外から中の音を聞く事が出来ないらしく、どれだけ派手にセックスしても住民以外には聞こえないらしい。フィネアも最初は恥ずかしがって両手で顔を覆っていたが、どうやら途中で吹っ切れたみたいで隠語を叫びながらヘブン状態になってしまった。最終的に雲一つない青空に向かって失禁してた。その時の放心状態なフィネアといったら、もう、ね? 室内に戻ったら頭抱えてたけど。
   洗濯物を取り込んだ俺達は、1回休憩する事にした。既にパンパンなフィネアの膣内に俺の愚息を収めたまま、二人抱き合ってソファーに転がり込んだ。途中、BINKANなマイサンは動いてないにもかかわらず暴発してた。フィネアも『絶頂続きでおかしくなりそうです』、って言ってた。
   日が落ちる辺りで身体を起こし、ここで始めて昼食を食べてなかった事に気付いた。なので夕飯ついでにフィネアを頂こうと思い、先に彼女の身体を洗う事にした。何か変な気がするが、食材はちゃんと洗わないとね! ついでに一緒に欲情まみれの浴場に入る事に。
   ずっと繋がってた事もあり、フィネアの少しぽっこりとしてた下腹部から盛大に俺の汁(性的な意味の)が溢れ出てきた。その時ちょっと寂しそうな顔をしてたので、もう一度レギュラー満タンにすべく給油口(意味深)にノズル(意味深)を挿入し、いろんな体位で計6回。どうやら後ろの穴についても覚醒したようで、先ほど抜いた時に床に垂れて液溜りとなってた俺汁を四つん這いになって舐めてる所を攻める事になった。そこまで欲しいか? って聞いたら『本当なら瓶詰めにして元気ドリンクにしたい所なんですから』って言われた。まあ、我慢禁止令出しちゃったし、こっちとしてもその時の光景が嗜虐心モリモリだったから一向に構わんのだが。
   ドロドロの身体を洗い、向かい合って秘所を接続したまま身体を拭き合いリビングを素通りしてベッドルームに向かう。その間、ずっと彼女の心臓の鼓動を聞いていて、思わずこっちもハートビートがハリーアップしてしまう。数時間前から恥ずかしさを通り越した行動をしてるのに、何と言うか、初々しいというか、期待膨らむドキドキ感というか。恥ずかしくなってしまう。
   ベッドに倒れ込み、手を繋ぐ。指を絡めて、握り合う。
   上気した彼女の顔は、交わってたからか。それとも、湯に浸かったからか。どちらにせよ、夕日に彩られた彼女の裸身は、肉穴に入ったままの肉棒をより硬くそそり立たせる。
   二人とも無言のまま見つめ合って、一切動かないまま吐息を吸い合って、繋いだ手から、貫き貫かれた秘所からお互いの全てを感じ合う。
   ここに居る。ここに在る。それを確かめるように、じっくりと。
   好き。愛おしい。その事を再確認するように、ねっとりと。
   日が落ちて暗くなっても、動かなかった。これは我慢していたからじゃなく、こうしていたかったから。激しく求め合うのもいいけど、こうして互いの脈動を感じ合うのも、繋がっている事をより実感出来るからいいね。
   夜が深まり、月明かりが部屋を照らし始めたのを合図に、ゆっくりと俺は腰を動かし始めた。それまでの乱暴な交わりで耕していた肉壁が、肉ヒダが、迎え入れるように剛直を奥へ進ませる。愛液溢れ出る最奥へ辿り着くと、フィネアは瞳をそっと閉じた。
   彼女の誘いに応じるように、俺は顔を近づける。
   熱い。溶けるように熱い。そして、胸焼けしそうなくらいに甘い。それなのに、一切嫌とは思わない。そんな、不思議な味。
   思えば初めてかもしれなかった。
   最初のそれは、主人と従者のもので。
   次のそれは、いきなり過程をすっ飛ばして雄と雌のもの。
   だから、これが初めてだろう。
   俺と彼女は、この時初めて、恋人同士の蕩けるようなキスをしていた。
   そこからはいつも通り、いや、いつも以上に激しくなった。
   その体勢のまま3回。抜かずに上下を交代して2回。身体を起こしてオパイを虐めながら2回。ベッドに寝かせ、揺れる尻尾が丸見えのオシーリを突き上げさせてからの4回で、内2回は肛内。衛生的に大丈夫か、と思ってたが、魔物の身体にそんな人間の常識が通用するはずがなく、菊門の中は超綺麗だった。何つー神秘。
   二人揃ってベッドに倒れ、休憩。その時に枕元の本棚に、正確には中の本のタイトルを見てちょっとイタズラ心が芽生え、中からイチモツを抜き『とある命令』をしてみた。
   対面に座り、抱かれていた時以上に顔を真っ赤にしながらフィネアは事に及ぶ。あれだけ激しく交わってもなお物欲しそうにヒクつく貪欲なヴァギナに指を当て、おずおずと弄り始めたのだ。
   本棚の、明らかに正気の沙汰じゃない題名の官能小説を見た俺の命令はこうだ。『普段、どんな風にオナニーしているか見せて欲しい』、というもの。性欲が抜きん出て強い彼女の事だ。おそらく自慰も凄まじいのだろう、と興味を持ったのだ。
   最初こそ遠慮がちに動かすだけだったが、主人である俺に見られているという事がスパイスになっているのか、徐々にエスカレートしていった。クリトリスを摘まむ事や胸を揉むだけでなく、指を根元まで挿れ内部で爪を立てたり、トロトロと溢れ出る精液と愛液を中でしきりにかき混ぜ、その指を口に含んだりと、非常に興奮を覚える淫猥な光景だった。
   しかし、いつまで経っても彼女は絶頂を迎えなかった。息が荒く、快感に身を任せ切った表情になっても、視界に入る俺の肉棒に注視する度にその顔が切なく歪み、自慰行為がより激しくなっていく。
   フィネアのその表情を察し、俺も彼女と同じように自らの肉棒を扱き始める。フィネアと身体を重ねるようになってから久しく行っていないそれは、一人だったならば酷く虚しいものだったろう。
   しかし、彼女に見られているというならば別だ。交わるよりは快感が薄いが、これはこれとして悪くはない。合体する方が絶対気持ちいいけど。
   お互いに高まり、エクスタシーを迎える。ようやく迎えた快楽に打ち震えるフィネアの裸体に、黄味を帯びた粘液が飛び散っていく。その度に彼女はほう、と甘い吐息を漏らしていく。身体に付着したそれを指で掬い、丁寧に舌の上に乗せていく。ゼリー状の精液を全て回収すると、舌を口内に収め、歯の隙間まで丹念にそれを塗り込んでから、もう一度舌を見せつける。ドロドロとした液体に包まれた舌をまざまざと晒し、浅ましさを感じさせるその様子は、もっと欲しい、と催促するようで、ペニスを硬く尖らせる。
   抱き締め、座位のまままた繋がる。そして、彼女の身体のあちこちを舐め回し、弄った。
   桃色の髪を撫でれば安堵の表情を浮かべ、垂れている耳に刺激を与えるとその度に小さく震える。耳の裏に触った瞬間、嬌声を上げて仰け反ってしまった。
   首の付け根や肩甲骨を舐める度、手首から生えている羽毛に触れる度、表情がより淫らに染まっていく。
   トリレッグも独特の感触で、ザラザラしてる所もあるかと思えばツルツルもしてて、まるで熟して種がパンパンに膨れたトウモロコシのような触り心地。
   今まで交わる事しか考えていなかった彼女の、魔物の身体に触れ、さらに愛しさが増していくのが実感出来た。
   どうやらそれはフィネアも同じようで、先ほどからしきりに背中や尻などに手を回し、触れてきている。耳たぶを弱く噛み、甘えるように身体を摺り寄せてきている。
   そんな風に、今まで知らなかったお互いの身体を隅々まで味わい尽くし、今まで以上にじっくりゆっくり腰を動かし、何度も、何度も身体を重ねていく内に、時間は過ぎていく。
   そして、朝日が登った。
14/10/23 22:23更新 / イブシャケ
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■作者メッセージ
寒い。眠い。忙しい。頼むから実家で休ませて。
どうも、イブシャケです。
最近書いてる最中にチンーコが自己主張してきていろいろ困ってます。まあ、自分が襲ってるor襲われてる場面妄想しながら書いてるから仕方ないね♂

何か1話から読み直してて感じたんですが、フィネアさん。メイド要素薄くなってきてませんかね? 淫乱メイドがただの淫乱になる日もそう遠くないなぁ。

さてさて、もうこの作品も終わりが近いですよー。あと2回、とは言いましたがひょっとすると面倒になって一本にまとめて終わらせるかもしれません。さっさと終わらせないと考案してる次回作が色褪せて書くの面倒になっちゃう……! まあ、2本同時に書けって話ですがね。

そんな感じで、次回もまた読んでいただけると幸いです。
ではでは。

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