読切小説
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魔界勇者ウィルマリナの甘美にして優美な一日
 寂しがり屋の子猫が親を呼ぶような声と、体のそこかしこに当たってくる何だか柔らかい感触で目を覚ました。
 見下ろした先、同じベッドの上で俺の身体に横から四肢を絡め、胸板に顔を擦りつけて甘え倒しているのは銀青色の短髪が印象的な美少女。元勇者にして魔界都市レスカティエの尖兵、ウィルマリナである。
 んふー、んふーと蕩けた声を出して、俺の胴に頬ずりし続けていた彼女は、すぐに抱きついていた相手の覚醒に気づいたらしい。目を見開いて俺の顔を見上げると、至極うれしそうな声で朝の挨拶をしてくれた。

「おはよ♪ ね、今日は私が、あなたを独り占めできる日なのよね?」
「ああ、そうだったな。他の女たちは、夜中まで帰ってこないらしいぞ」
「やったぁー! じゃあ日付が変わるまで、いっぱい構って、可愛がってねっ!」

 首元にむしゃぶりついて、顔にキスの雨を振らせ始めたウィルマリナは、初めて俺を独占できることに無上の喜びを感じているらしい。

 なぜ彼女が他のハーレム構成員を差し置いて俺を占有できているのか。話は数日前にまで遡る。

 その日、レスカティエは例によって例のごとく教会兵どもからの攻撃を受けていた。
 普通ならば俺や、俺の嫁達のなかで手の空いてる者が適当に迎撃し戦意を挫いた後、男に飢えた未婚の魔物たちがそれらを攫っていき防衛任務完了ということになるわけだが、その日はちょっと事情が違った。
 俺はいつものごとく朝から嫁たちを一列に並べて跪かせ、順に膣に挿入して微妙に相異なるそれらの感触を楽しんでいたわけなのだが、その列にウィルマリナだけが加わっていなかったのだ。
 別に俺とて、四六時中いつでもハーレムの全員を自分の近くに侍らせていなければ気が済まないというわけではない。
 その日の彼女の欠席も、まあ今は腹が減っていないんだろうな、くらいに思って特に気にしてはいなかったのだが、彼女の方は自分のいない間に俺が他の女とセックスするということが大いに不満だったらしい。
 なぜその朝ウィルマリナがセックスしに来なかったかというと、理由は単純。前の晩激しく犯りすぎたせいで、寝坊してしまったというのだ。
 他の女たちよりも大幅に寝過ごし、このままでは(性的な意味での)朝食を頂きそびれる、と俺の許へ急いでいるところに敵襲。精液飲むより先に敵を滅してこいと、我らが愛しき支配者、至尊の第四王女たるデルエラ様に命じられてしまい、空きっ腹を抱えて半泣きになりながら前線へ向かったのだと。

 が、ここで話を終わらせないのがレスカティエ。食事をお預けにされたウィルマリナはその餓え、悲しみ、そして身の程知らずにもデルエラ様へと武器を向けんとする教団兵への怒りを存分に振るい、いつもより多くやって来ていた征伐軍を一人残らず無力化してしまったのだ。
 もともと宗教国家だったということもあり、教団はこのレスカティエを奪還すべく、たびたび軍団を送り込んでくる。
 勿論、ただの人間であるそんな兵士共が、魔界に名だたる元勇者や天才魔女、稲荷神と化して無双の呪力を手に入れた元退魔師などに武力で叶うわけもない。
 聖地を奪回しようとする奴らの試みは、例えるならば野良犬が海に飛び込んで鮫を殺そうとするようなものであり、数の如何など問題にならず必ず失敗する運命にある。かくして、件の兵士たちは魔界都市へ攻めこんでくる端から倒され、魔物の良さをとっくりと知らされることとなる訳だ。
 最近では魔物たちの間でも「ちょくちょく教会領からに若い男がやってきては勝手に倒される、都合のいい都市がある」って言うんで、フットワークの軽い未婚の魔物娘や、魔物の中でも特に獰猛で狩りを好む奴らが伴侶を求めてレスカティエにやってきていることがあったが、それら求婚者の数が一時的にほとんど0になってしまうほど、その日のウィルマリナの活躍は目覚ましかった。
 他の女たちが旦那と遊んでいる間に、たった一人で敵の全てを退け、独身の孤独に震える若い魔物たちに夫を供給したということで、魔物と人間への惜しみない愛を注いでおられる我らが偉大なる領主様は大いにお喜びになられた。その活躍を称え、ウィルマリナの願いを何か一つ叶えてやろうとデルエラ様が仰った瞬間、彼女が返した言葉は、

「一日、私の恋人を独占したいです!」

 というものだった。

 そういう訳で、今日この城に居る俺のハーレム要員はウィルマリナだけ。他の嫁たちはデルエラ様の引率のもと、新たに魔界として生まれ変わらせるための土地を探しに行っている。
 最初はぶうぶう文句を垂れていた女たちも、デルエラ様に

「貴方たちも何か手柄を立てれば、こういう願い事をしてもいいのよ」

 と言われて、俄然やる気になった。
 報奨と功績を求めて旅立つ淫魔たちは、まるで飢えた狼の群れのようでちょっと怖かったが、それも彼女らの愛情の表れと思えば寧ろ愛おしい。

 働きを正当に評価され、望みの褒美まで与えられたことでウィルマリナの忠誠心は更に高まったらしい。
 調子はずれの鼻歌など歌いながら、艶めかしい肢体を俺の全身に擦りつけ、溢れんばかりの愛情と欲望を表現する彼女には、報奨を貰う前に見せていた不満の欠片も無い。
 愛し、統治するだけでなく働きに応じた評価を下すことでも俺達を率い導いてくれるデルエラ様の統率力とカリスマは魔界に並ぶ物が無いなあ、なんて主人愛に浸っていると、愛しき魔界勇者が口を尖らせた。

「むー。今、他の女のことを考えてたでしょう」
「他の女って……。違うよ、デルエラ様のことだよ」
「それでも嫌。今日は私だけのあなただって、さっき言ってくれたじゃない」
「言ったけどさ。デルエラ様はなんというか、別枠の人だろう」
「もう。言い訳しないの! 口ごたえするなら、無理やり犯っちゃうんだから」

 横向きに寝転がってお互いに向かい合う体勢をとっていた俺は、朝から早速発情し始めたサキュバスによって無理やり仰向けに寝かされた。
 俺の腰を跨いで膝立ちになったウィルマリナは、人間だった頃よりも遥かに硬く、力強くなった朝勃ちを見下ろして破顔一笑。

「あは、おちんちん。朝からこんなにしちゃって、いやらしいのね……
 このガチガチのえろちんぽ、今日は私だけのものなんだ……うふふっ、最高♪ 早速、頂いちゃうっ!」

 起きた時からもう濡らし始めていたのだろうか、前戯もしないのに早くもぐちょぐちょになった女性器を俺の亀頭に宛てがい、元勇者は一気に腰を落とす。
 無数の突起が織り成す不規則で複雑な構造は挿し入れられた肉の棒を貪欲に取り込み、飢え渇く空洞へと飲み込んでいく。当然のことながら、寝ている間に精の補給は普通されないため、サキュバスの女性器は起き抜けにこそ一日で最も激しい搾精力を発揮するのだ。
 起き抜けに硬いのをぶち込まれ、飢えた肉壷は粘っこい涎を垂らして歓喜する。柔らかい膣肉が瞬間的にキュッと締まり、反射的に先走りが漏れた。

「ん〜? もう我慢汁出ちゃった? そんなんで今日一日、持つのかな〜」

 揶揄するような言葉とは裏腹に、サキュバスは伴侶を感じさせられてとても嬉しいらしい。身体をちょっと前へ傾け、顔と顔を近づけると、膣の奥から愛液が流れ出るままに激しく腰を使い出した。
 ぷしゅぷしゅとエロい音を立てて陰唇から吹き出るヌルヌル粘液はまるで潮のようで、見ているだけでも酷く興奮させられる。それに加えて極上の締りと、甘やかな喘ぎ声や熱く濡れた吐息が責め立てるのだから、もう堪らない。
 強い圧搾力と素早い摩擦を両立させるサキュバスの両脚は強靭でありながら無駄な脂肪も過剰な筋肉も付いておらず、一個の美術品であるかの如く完成されている。見て楽しく、はめて楽しいサキュバスの肉体、その恵みを一心に享受する俺に、ウィルマリナが顔を寄せてきた。

「んふふ……ちゅっ
 んじゅる……ん、れろ……」

 赤く小振りで瑞々しい口が、俺を貪る。唾液で濡れ光る唇が顔の上を這いずりまわり、ちゅっちゅっと軽い音を立てながら頬や鼻の下、目尻の方まで啄むようにくちづけていく。親愛の証としてこちらの顔を舐め倒す彼女の様は小動物のようで、とても愛らしい。
 が、サキュバスのキスは単なるキスに留まらない。顔の上を舐め終えて未だ満足しきれないウィルマリナは、ふぅふぅと手負いの獣のような荒い息を吐きながら唇を合わせてきた。長い舌が口腔に侵入し、歯の裏や舌の付け根など自分ではなかなか触りにくい場所を丹念に舐め啜っていく。
 自分で触れられない場所を他人に弄られるというのは、俺自身の支配権を奪い取られるような気分で、とても心地良い。口と股間から同時に精気を吸い上げられるような陶酔感に浸っている俺を、ウィルマリナはひたすら味わってくれている。

「あん……ちゅっ。ふふっ、大好き……♪
 好き、好き、だーい好き。ちゅるるるっ……あなたの事だけ、愛してる……♪」

 盲目的な愛の言葉が胸を打つ。
 ひたすらに睦言を囁かれ、俺の心はウィルマリナへの愛情で一杯になった。かつて、勇者として祀り上げられ、人間への望まぬ奉仕を強制されていた頃と比べると、ただ愛に溺れる彼女の姿は何よりも美しく、そして自由だ。
 彼女にバレないよう密かに解放者たるデルエラ様に感謝しながら、俺はウィルマリナを抱きしめる。肉体と肉体を密着させ、全身で彼女の体温を感じてみると、感極まったらしき淫魔の肉筒が一気にうねった。

「ぐ……!」
「あふっ……! いい、これいい……! ぎゅって、して? 抱きしめたまま、中出し、してぇっ!?」

 愛情の応酬こそが、男なしに生きられぬ魔物娘を真に喜ばせられる。両手に力を込め、二度と離さぬとばかりにウィルマリナをハグする。胸板の上で豊満なおっぱいがむにゃぁと潰れる甘美な感触を味わいながら、上半身を引き寄せられてなお激しくなったピストンを楽しんでいると、もうすぐ限界が来た。

「ウィルマリナ……!」
「んあ、うん、お願い、ナカに……! このまま膣内射精、してぇっ!」

 いよいよ精がもらえる、となった淫魔の性器は男を搾るための動きを見せる。精細な膣襞があらゆる角度から亀頭粘膜を責め立てて、不規則な動きで一秒でも早く男を射精させようと尽力する。
 インキュバスといえども、本気のサキュバスには勝てない。ウィルマリナの望むまま、俺は愛人の一番奥に射精した。

「中に、中に出すぞ……!」
「あああいいっ! きて、きてるぅ……! せーし、私の奥まで……!」

 根元まで咥え込まれた肉棒は、狭い膣の中でどくどくと脈打っては濃い子種を噴く。俺以外の男を知らない膣と子宮が、今日も求めるものを得られた歓喜に狂い、射精する端からさらに精を貪ろうとする。今まさに精液を出しているところの尿道口を膣壁で擦られ、俺は悶絶した。

「うおぉ、ウィルマリナっ……!」
「美味し、せーし美味しい……! 私の、これ私の……! 誰にも、あげない……!」

 ぼうっとして淫靡な彼女の狂態に、ただ俺は翻弄され続けた。



 小一時間後、俺たちは大きな机の据えられた食堂へやって来ていた。
 確かにインキュバスやサキュバスは、人間や動物の様に物質からしか栄養を摂取できないわけではない。が、だからといってそれは淫魔がモノを食べないということを意味しない。今も俺とウィルマリナは、一回ホールの机に座って朝食を摂らんとしているところなのだ。
 と言っても、凝った料理を作るよりは、その分の時間でベタベタイチャイチャチュッチュしていたいのが魔物。朝ということもあり、栄養補給を簡単に済ましてしまうべく、俺は食料庫から虜の果実を4つ取り出してきた。
 一人2つもあれば十分だろう、と持ってきた内の半分をまだ立ったままのウィルマリナに手渡す。実を受け取った彼女は、すぐに食いつかず、ちょっと思案気な顔をした。

「どうかしたか?」
「んふふ。良い事思いついちゃった。
 ねえ、この椅子の上に座ってみて」

 何やら分からないが、とりあえず言われたとおりにしてみる。と、俺の目の前へと移動した彼女が右手に持った虜の果実にかぶりついた。
 新鮮で瑞々しい果肉を二口三口齧り、数回咀嚼した後飲み込まずにこちらへ向き直る。座った俺の方を見下ろしながらゆっくり顔を近づけて来られると、ようやく相手の意図が読めてきた。
 嫁の狙いが分かれば、それに合わせて行動するのが夫の努め。くいと首を反らせ少し唇を開くと、ウィルマリナが彼女の端正なそれを俺のものへと合わせてきた。
 赤ちゃんの肌のように柔らかい唇から、俺の口内へと噛み砕かれた果肉が流れこんでくる。もともと、人間性を蝕むほどの絶大な美味を誇る虜の果実は、愛しい淫魔の唾液と混じり合って更に香り高く、芳醇かつ官能的な味わいとなっていた。
 唇と唇を激しく、情熱的に合わせての食事。細かく砕かれ、ウィルマリナの唾に塗れた果実を俺の口へと流し終え、ついでに一分ほど普通にキスもして、ようやく彼女は口を離した。

「……んじゅじゅじゅっ……ぷはぁっ……。にひひひ。美味しかった?」
「ん、ああ……ちょっと、びっくりしたけど。美味かったよ、どっちも」
「そっかそっかぁ。まだまだあるから、全部私が食べさせてあげる。今日のご飯は全部、私からの口移しって事にしましょ」

 尻尾をゆらゆら揺らして、淫魔は心底嬉しそうだった。


 そんな風にして、小一時間かけてお互いに口移しでご飯を食べさせあった後。またしても椅子に俺を座らせ、ウィルマリナは言った。

「さーて、ご飯の後には歯磨きだよね」

 インキュバスやサキュバスは、そう頻繁に歯磨きなんかしなくても、別に虫歯になったり口臭が強くなったりはしないのだが、もうそろそろ俺にも彼女の考えは読めてきている。黙って口を開くと、どこまでも上機嫌な元勇者が飛びついてきた。

「えっへへー。そうそう、いい子だねー」

 背中の羽をパタパタさせて、ウィルマリナが俺の口に吸い付く。有無をいわさず舌を差し入れ、唇の裏から頬の裏、歯茎や舌の表面まで、念入りに清められてしまう。

「はじゅじゅじゅ、ちゅっ……ちゅ、ちゅ、きゅぅぅぅっ……」

 意思あるもののように自在にうねり蠢く淫魔の舌は俺の口腔を隅々まで這いずりまわり、あるはずもない舌苔や歯周病などを探して粘膜の全部を味わい尽くす。
 歯と歯の間にさっき食べさせられた果実の欠片が残っていたりすると、逃さず舌で舐めとり、唾の音がじゅるじゅる言うのも構わず自分の口へと運んで食べてしまう。
 淫魔の舌が口の中へ入ったり出たりするだけで、男にとってはもう堪らないくらい狂わされてしまうというのに、更に柔らかい唇で口の周りをはみはみされると、もう全身がカッと熱くなってしまう。
 いやらしすぎるキスで口と口の間、いやらしい水音を立てられ続けると、その音が頭蓋骨を通じて脳の中にとても大きく響いてしまい、思考の全てがウィルマリナのエロくて長い舌に塗りつぶされていくような感覚すら覚える。
 たっぷり10分はくちづけられ、息が詰まりそうになった俺をようやく彼女は解放してくれた。どろっとした唾が二人の唇の間で糸を引いているのが、なんだかとても淫靡。

「……ふう。綺麗になったね」
「ああ。ありがとうな」

 ちょっと息を切らしながら答えた俺に床の上、ぺたんと座り込んだ彼女が投げかけた言葉は。

「じゃあ、今度は私に歯磨き、してくれる?」

 断ることなど、到底不可能だった。



 そんな風に、いっちゃいっちゃべったべたしながら俺は昼までウィルマリナと過ごした。
 他の住人が残らず出払ったこの城は、常に喘ぎ声や水音や叫び声の響き続ける普段と違ってとても静かだ。
 サキュバスにしては珍しく、俺を独占できているウィルマリナはそれほど頻繁に体を求めてこない。それよりも、朝にじっくり楽しんだ口移しとか、キスの歯磨きのような所謂イチャラブ路線な遊びを専らご所望であった。
 まあ、頻繁に求めてこないとはいってもそれはあくまで魔界の基準であって、彼女が俺とセックスしたがらないというわけではない。現に今も、昼食代わりの精を求めて熱心に俺のものをしゃぶってくれているところなのだから。

「あむむっ……んぐっ、ぅじゅ、じゅじゅじゅっ……ほふぅ」

 物質的な栄養補給をさほど必要としない俺たちは、昼食は別に要らないかと思っていた。
 決まった時間に決まった回数食事を取らなくとも、ずっとセックスしていればなんとかなるのがサキュバスやインキュバスの良いところ。今日は朝に虜の果実を食べたし、昼は何も無しでいいかと思っていたところ、

「ご飯が食べたい!」

 とウィルマリナに言われ自室の椅子に座らされ、下着を降ろされたのだ。
 こっちの方の食事なら、我々魔族は決して食い飽きない。お口の恋人を喜んで受け入れた俺は、熱心に男性器を口に含んでは頭を振って、ぷるんぷるんの唇で竿やカリ首をはむはむしてくれる美少女に、一層深い愛情を抱いた。
 上品で小さめな彼女の口腔はインキュバスの男根を含むにはあまりに小さく、頑張って口を開き喉を反らし、口内の容積を確保しようとしてもなかなか陰茎の根元まで収めきる事が出来ず、頬にちんこの形が浮き出る程にきゅうきゅうな感じだ。
 そんな状態で力任せに顔を俺の股間へ押し付け、竿の付け根まで一気に舐めしゃぶり愛撫しようとするものだから、亀頭の先の方は口を通り越して喉まで達してしまう。
 気管の入り口、少し固めの肉を勃起しきった肉槍でガンガン突かれて、しかし淫魔はフェラチオを止めず、えずいたりすることも無い。
 むしろ口の奥までを大好きな生殖器で満たされることを喜んでいるらしいウィルマリナは、強く息を吸い込んで頬をすぼめ、尿道から精液を吸い上げるような強烈な刺激を加えてきた。
 ぷぱっ、ぷぱっと下品な破裂音が唇と肉棒の間から響くのも構わず、口淫に耽る恋人はいっそう顔を股へと寄せ、喉の奥で粘膜を味わったかと思うと一気に頭を引き、バキュームフェラで我慢汁を吸い上げながら唇や頬の裏、そして舌で竿をしごき立てる。手を膝に置いたままそんな淫乱な奉仕をしてくれているのが愛しくもあり、いやらしくもあった。

「んっ……! ぐぽっ、じゅぽっ、おっ、じゅるるるるっ……!」

 ご飯が食べたいなんて言いつつも、こうして俺を感じさせるために必死になってくれているウィルマリナを見ていると俺は何よりも満ち足りた気分になれる。愛し愛されることこそ生命の本質であり、それ以外のことは全て瑣末にすぎないという魔物の思想の正しさを認識するのは、こういうタイミングだ。
 色々な種類の愛情が一気に心の中へ沸き起こり、俺はヘッドバンギングして精子を搾りださんとしている彼女に手を伸ばした。
 フェラチオ奉仕を頑張ってくれている彼女の邪魔にならない程度に、そっと青い髪に手を触れ、その下、丸っこくて小さめな頭を優しく撫でる。
 親が子供を可愛がるときのような穏やかな愛撫で、ウィルマリナの興奮は異常に高められてしまったらしい。フェラチオ中にヨシヨシされ、いい子いい子された彼女はその表情をダラしなく緩ませ、心底嬉しそうな顔でラストスパートに掛かった。
 柔らかくて繊細な魔界勇者のサラサラヘアー、その優美な触感を掌で楽しみつつ、俺はそろそろ限界が近いのを感じていた。
 インキュバスになると一日に何回も射精できるようになるが、人間だった時とは違って射精すればするほど射精しにくくなるということはあまり無い。二回目だろうが三回目だろうが四回目だろうが、その日初めての射精と同じくらい長く耐えて、同じくらい多くの精液を出すのが普通だ。
 そんな訳で、俺がもうそろそろ射精しそうだということも彼女はとっくに気づいている。目を三日月型に歪め、唇の端からタップリとよだれを垂らしながら甘露を待ち望み、尿道の吸い上げをきつくする。じゅぽじゅぽじゅぽっと淫らな音を立ててカリ首まわりをペロペロされると、もうだめだった。

「出るよ、ウィルマリナっ……!」
「んぅ! んぐっ、く、ごくっ……! う、ふ、あふ……! あぁ、おいひ……! こえ、すきぃ……! んぐっんぐっ、けぷ……!」

 喉奥のさらに奥、食道から胃へ直接流しこむようにして出されたザーメンを、淫魔は餓えに任せて飲み込んでいく。
 何度射精しても薄くならず、濃厚なままのドロドロ精液をいとも容易く嚥下し、白くて嫋やかな喉をこくこくさせて精臭に酔うサキュバスはまさに淫靡の一言であり、その艶姿に見惚れながら俺は彼女に精液を飲ませ続けた。

 一頻り精液を出し終わり、それでまだ収まらない俺の剛直を、精飲し終わってようやく股間から口を離したウィルマリナがうっとりした目で見つめる。その双眸は今まで以上の欲望と愛に燃え盛り、彼女の淫魔たる所以を強く感じさせる。唇の端っこに俺の陰毛が張り付いているのが、また俺の欲望を高めてくれた。

「何回出しても、まだまだ全然萎えないのね。素敵……! このおちんぽ、だぁいすき♪」

 明るく言って彼女は、唾と汗と精液でベタベタになった陰茎に頬を寄せる。綺麗な顔や肌が汚液に塗れるのも気にせず、そのまま頬ずりをし始めた。
 赤ちゃんのそれのようにぷにぷにで、若さと瑞々しく強く感じさせる淫魔の頬は射精直後の男性器にとってちょっと強すぎるくらいの刺激をもたらす。ふわふわほっぺに抱かれる甘い感触と、端正な顔立ちの美少女自ら顔をザーメンで汚していく、その余りの淫蕩さに俺は首筋が熱くなるのを感じた。

「はふふ。おちんちん、また硬くなったよ? 頬ずりされて感じちゃったのかなぁ?
 もー、やらしーんだから。エロエロで節操無しなおちんぽには、チュウしちゃうっ」

 頬から顎までをどろどろにして、ウィルマリナが啄むような軽い口付けをくれる。
 目尻を下げて、竿にキスマークをつけようとでもしているかのように、ちゅっちゅちゅっちゅと口唇愛撫してくれる。
 あんまり楽しそうに肉棒をペロペロしてくれるものだから、俺はついどうでもいいことを訪ねてしまうのだ。

「なあウィルマリナ。そんなに、俺のちんこ好きか?」
「えぇー今さら何言ってるの。好きに決まってるよー。だいだい、だーい好き。これがあたしの生きる理由だもの。愛してる、なんて、いくら言っても言い足りないよ」
「そ、そうか……じゃあ、俺のちんこと俺と、どっちが好きだ?」

 自分でもちょっとどうかと思える質問も、ウィルマリナは笑い飛ばしたりせずにちゃんと答えてくれる。抑圧と自制が如何に人間の心を蝕むものか身をもって知っている彼女は、自身の思いを吐露するのに一切の躊躇いが無い。

「どっちか、なんて。そんなの決められないよ。どっちも好き、としか言えないんだから」
「そういうもんかね?」
「実際そうなんだから、仕方ないじゃない。
 硬くって長持ちして、ぶっとくて熱くて、何回でも膣内射精してくれるおちんちんも大好きだし。
 優しくてかっこよくて、包容力があって話が面白くて、気遣いができて判断力があって、カリスマと魅力に溢れていて、私のことを心から愛してくれるあなたも、もう二人で一緒に死んじゃいたいくらい大好きだし。
 魔物娘は愛する旦那さん無しには生きられないものなんだから。あなたも安心して、余計なこと考えずに愛されていてよ。ね?」

 流れるように愛と賞賛の言葉を語られ、さすがの俺もちょっと赤面した。
 反射的に顔を背け、赤らんだ顔を見られまいとするも、そんな事で淫魔の目から逃れられるはずもない。珍しく照れた俺を見て、ウィルマリナがとてもいやらしい、ニンマリとした笑みを浮かべた。

「あぁーもう! 照れちゃって、かーわいいなぁ! スリスリしちゃうぞっ」

 座ったままの俺の腰へと抱きつき、全力で股間へ顔を擦り付けるウィルマリナ。
 さっきしてもらった頬ずりと比べて、今回はかなり荒々しい抱擁。髪を振り乱して肉棒に頬を押し当ててくる。
 と、ぶんぶんと激しく振られる頭につられて乱れ舞う髪の一房が、不意に亀頭を撫でた。
 細くて艶やかで、シルクのように滑らかな髪の毛で敏感な部分を軽く擦られるという余りに予想外の刺激で、一瞬目の前が白くなった。臨戦態勢の肉茎が脈打ち、透明な先走りがじわっと漏れでてくれば、何が起こったかはサキュバスにも当然伝わってしまう。

「……え? 髪の毛、だよね? 私の髪で擦られるのが、よかったの?」
「え、ええとだな。その……」
「へーぇ。澄ました顔しちゃって、実は髪フェチだったんだ? サラサラの髪の毛で擦られて、射精したかったんだ?」

 他の女が知らない俺の弱点を知ったという興奮からか、ウィルマリナのテンションは急上昇。ショートヘアーを屹立に絡め、本格的に俺を感じさせにかかった。
 活動的な短髪が印象的な彼女だが、サキュバスの魔力によるものか、あるいはもともと長さに余裕があったのか、青い髪はまるで触手のように男性器にまとわりつき、根元から締め付けて強力に刺激する。
 細い毛髪で竿から亀頭まで巻きつかれるのには、キツそうな見た目とは裏腹に痛みは全くなく、むしろ非常に気持ちいい。
 人間だった時から潤いと輝きに富んでいたウィルマリナの髪は、淫魔と化すことでその美しさを完成させた。その煌きはさしずめ金剛石を織り込んだシルク、その滑らかで官能的な手触りはさながら高級なベルベット。
 そんな素晴らしすぎる髪に絡め取られた男性器が至福を感じぬわけがない。我慢汁をだらだら垂らして、綺麗な髪を汚していく他無いのだ。

「すごい、かっちかちじゃない。これ、そんなにいいの? 私の髪、好き?」
「ああ、これ、いいよ……!」
「そうなんだ……じゃあ、いっぱい髪コキしてあげる。出したくなったらいつでも、髪の毛にかけていいからね」

 たっぷりと髪の毛を巻きつけ、その上から淫魔は男根を握り締める。ちょっと強めの握力が細い髪を竿へ食い込ませ、痛み一歩手前の鋭い感覚を性器へ与える。思わず息を飲んだ俺をもっと悶絶させるべく、ウィルマリナは手を動かし始めた。
 髪越しに掴んだ肉茎を右手で擦り立てる様子は手コキによく似ているが、もたらされる性感は手や指で弄られる時のものとは異なっている。
 繊細で精細な感触は爪と同じ種類の物質からなるとはとても信じられない程で、どちらかと言うと手コキよりも、前に一度だけやってもらったパンティーコキの方が近いように思えた。
 しかし、鈴口のあたりを嫋やかな髪の先が掠り神経を直接摘まれるような衝撃を感じた時、俺はこのプレイを他の何かに例える必要はないと悟った。
 男性器に接触する面積が小さいため、髪の毛から与えられる圧迫は他の何よりも強烈で、独特の良さがあるのだ。人間同士でやる分には力の加減が難しく、よほど上手くやらねば双方ともに痛いだけで終わりそうなこの性戯も、サキュバスとインキュバスなら何の問題もなく楽しめる。
 カウパー氏腺液でべたついて、てらてらと下品に光る美しい髪を見ていると、もう我慢がならなくなってきた。今すぐにでも、元勇者の綺麗な頭を俺の精液で汚しつくしたい。女の命とまで言われる髪の毛を、種付けして犯し尽くしてやりたい。ある種凶暴な衝動に任せて、俺は言った。

「ウィルマリナ、もう出るっ……!」
「いいよ、射精して……! 私の髪に、精液かけて、どろどろにして……!」

 催促の言葉と共に右手がきゅっと握りこまれ、竿の真ん中辺りから亀頭粘膜までが髪の毛の筒で押しつぶされた。肉と髪の擦れる激しい感触に耐え切れず、俺は彼女に向かって射精した。

「ひやっ……! わわ、こんなにいっぱい……! そんなに良かったの……?」

 ウィルマリナが驚くのも無理はない。フェラチオの時と同じ、いやもしかしたらそれより多いかもしれない量の精液が噴きでて、淫魔の顔と髪へ降り注いだからだ。
 間欠泉のように、とは紋切り型の表現だが、とにかくそれぐらい濃厚で多量の白濁がウィルマリナの顔を汚していく。閉じられた瞼や小さな鼻、物欲しげに開かれた唇などには勿論、髪の毛にもタップリと子種は撒き散らされる。前髪をゲルで汚し、目を開けられないくらい顔射されて心底嬉しそうな彼女は、眼や鼻の精液を手で拭っては、口に運んで美味そうに飲み下しながら言った。

「たっぷり出たねぇー。満足したかな?」
「ん、凄く良かったよ。またその内、してくれるか?」
「いいよいいよー、大歓迎だよ。こんな変態プレイ、きっと他の誰もやってくれないもんねー。私なら、いつでも髪コキしてあげる。顔射も髪射も、あなた限定でやり放題だよっ。髪の毛犯したくなったら、我慢しないですぐ言ってね」

 彼女の言う通り。髪コキまでならともかく、髪射まで喜んで受け入れてくれる女は他にはなかなか見つからなさそうだなあと、俺は素直にウィルマリナの献身を受け取っていた。

 そんなこんなで夕方。
 あとしばらく、日が完全に沈み切る頃にはデルエラ様たちが帰ってくるだろう。僅かに残された二人だけの時間を悔い無く過ごすため、ウィルマリナは俺にまとわりつき続けていた。
 セックスはもう朝からたっぷり楽しんだし、やりたくなったらまたいつでもできるし、と淫魔らしからぬことを言い、恋する乙女は布団の上で俺に抱きつく。二人下着姿のまま、互いの肌と肌の感触だけを味わうのも、たまには悪くない。

「んーふふっふーん。すーりすり〜。うりうり〜。ほらー、もっと可愛がりなさいよぉ」

 胸板に顔を擦りつけて甘えてくるウィルマリナの仕草は、今よりはるか昔、俺たちが主人と使用人という関係の煩わしさにとらわれず接することの出来た頃の様に無邪気で愛くるしくて、豊満で妖艶な淫魔の身体にはやや不釣り合い。
 しかしそもそも、彼女はまだ17歳。成人もしていない若者の身で、勇者としてその背に世界の命運やら人々の幸福やら魔王討伐の使命やら、重すぎる荷を背負わされ続けてきた彼女だ。
 魔物と化すことでそれらのしがらみから解放され、やっと自由になれた少女がたまに幼く振舞ってしまうくらい、なんという事は無い。むしろ、精一杯甘えさせ、楽しませてやる事こそが、夫たるものとして当然の義務だろう。
 そもそも、ネコのように喉を鳴らし、子犬のようにすがりついてくる美少女を構わず放ったらかしにできる男なんて、なかなか居ない。ただ愛情をもって、俺はウィルマリナの喉をそっと撫でた。
 白い首元を指先で軽くくすぐってやると、あふーん、という喘ぎともため息ともつかない声をあげて元勇者が屈服した。俺の首に両手を回して、鼻を擦りつけ舌で俺の顔を舐めてくる様は完全に犬そのもので、尻のあたりから千切れんばかりに振られる尻尾が生えていないのが不思議なくらいだ。
 一切の苦悩と苦痛から解放され頼るべき伴侶も得て、ひたすらに生の歓喜を享受し続けるウィルマリナの姿こそ、人魔問わず全ての意識あるものが目指すべき境地だと、俺は思った。
 そしてまた、それをもたらして下さったデルエラ様こそ、迷える者、弱き人間たちにとっての救世主であると。
 ウィルマリナだけではない。ミミルも、サーシャもプリメーラもメルセもフランツィスカも今宵も、皆人間社会の理不尽な犠牲となって苦しんでいた所をあの紅い眼の王女に救って頂いたのだ。
 いわば彼女らは、人間という旧世代の欠陥を補うべく供出された人身御供。その彼女らを救い解放し、更に高位の存在へと引き上げて下さった魔物の力、これを愛と呼ばずして何とするか。
 今日もあの慈愛に満ちた御方は、より良く、より美しく生まれ変わらせるための場所を探しに行っておられる。
 デルエラ様自身は、しばらく此処レスカティエに腰を据えるつもりだと言っておられたから、次の、今日見に行かれた場所は別の妹様か姉様にでも提供して差し上げるのか、それとも何十年か後の楽しみにとっておく御積りなのか。
 どちらにしても、魔王閣下とその王女様方がこの世界に存在してくださる限り、人間を思って行動してくださる限り、この世は良くなり続けるのだ。人間は魔物というより上位の存在と統合することによって、より完璧で、完全で、完成された種へと導かれるのだ。
 安心の余り静かな寝息を立て始めたウィルマリナの髪を撫でながら、インキュバスとサキュバスによる、歓喜に満ちた未来を夢想していた。 
11/10/26 19:08更新 / ナシ・アジフ

■作者メッセージ
魔界化と魔物化を全肯定したくて書きました。
読者さんの中にある「あなた」やウィルマリナのイメージと食い違わないか、もっとレスカティエネタが増えるまで待ったほうがいいか、なんて不安に思ったりもしましたが、どこからともなく聞こえてくる
「どうして諦めるんだそこで!」
「大丈夫! 分かってくれる人はいる!」
という熱い声に突き動かされ投稿することになりました。

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