連載小説
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僕と妻のじゅうの約束〜ジャイアントアントさん〜
ジャイアントアントさんとの約束





いち【朝、仕事に行く前にキスして欲しいぞ】

「毎日欠かさず、一日頑張るぞって意味でチューして欲しいな。」

「もちろん。良いに決まってるよ。」

「そう言うならしっかり朝起きて欲しいのだが。」ジトメー

「仕事の関係で仕方ないんだよ。海外のクライアントと通話するのに相手の現地時間に合わせなきゃいけないから。深夜に仕事する時もあるし。」

「むぅ…。なら今チューしてくれて良いぞ!」チュッ

「いや、なんでそうなるの…んっ!」チュッ




に【マッサージの時に腹≠くすぐらないで欲しい】

「仕事終わりにマッサージをしてくれるのはありがたい。」

「好きでやってるから、気にしないで。」

「いやな、人間の部分ではなく昆虫の腹の部分なんだが、毎回くすぐってないかな?」

「い、いえ。そんなことは無いですよ。」

「何故どもるのか。」アヤシイ

「…ごめん、さわり心地が良くてつい。」

「全く、イヤらしい目的でもなく触るのは禁止だ!」

「そんな…。」ガクッ,ナキメ

「禁止撤回だ!」




さん【セックス時、触覚を弄るのをやめて欲しいぞ】

「おわかりの通り敏感だが、それは働く等の活動で使うためだ。エッチなことに利用してはいけないと種族で言われているのだ。」

「でも、君は凄くトロケた顔になるし…。ホントにやめちゃって良いの?」

「むぅ…。確かに狂うほど気持ちいいんだが。いや、ダメだ!」

「そうなの?」サワリー

「あっ///やっぱりダメじゃない。」トロッ




よん【荷物を持つとカッコつけなくて良い】

「買い物に行くといつも重いものを持っては途中でヘバりそうになるだろう。私の種族は力持ちだから気にせずに持たせてくれればいいものを。」

「男には尊厳ってものがあるから!」エッヘン!

「尊厳ねぇ。『も、申し訳ないのですが、こちらだけもって貰えませんか?』…尊厳ねぇ。」

「モノマネはやめてもらおうか。」

「なら、今度から尊厳とやらを見せてもらうことにしようか。」

「たった今、この話には関係はないのですが思いつきました。車買いましょう!!」

「はぁ…。」




ご【お互い仕事で疲れているのだから気を使うのはやめて欲しい】

「デスクワーク全般だからそこは良いんだって。ご飯くらい俺が作るよ。」

「そうではない。知っているか?人体で一番エネルギーを使う器官を。」

「もちろん、アソコだよね?」

「そう、脳だ。デスクワークといってもクリエイティブな仕事をしてる以上私と変わらん疲労であろうて。」

「脳だったか…。てっきりアレかと。」ボソッ

「どうかしたか?」

「いやいや!たぶん、僕の頭は思った以上に軽いから大丈夫!」




ろく【ホルスタウルス印のミルクは飲まないで欲しいぞ】

「前に言ったのだが、この前飲んだであろう?量が減っていた。」

「すみません、飲んでしまいました。」

「一応、私というものがいるのだからな。他の魔物娘の乳を飲むというのは…なんだ、その、妬けるぞ。」

「(可愛い)」ニッコリ

「なんだその目は。何か朗らかとしているがこちらは真面目な話を…」

「分かった!なら、今度から口移しで飲ませてよ。滋養強壮効果もあるんだしさ、それなら良いでしょ?」

「口移し…。まぁ、私が与えている感じになればそれはそれで良いか。」

「そんなこと言われたら君のミルクも飲みたいな♪」

「直球で言われると少し照れるな。」カァァ




なな【甘味を食べるのを我慢して欲しい】

「二人で食べようと言って買った甘味を先に食べでいるであろう。残っているのは良いんだが出来れば一緒に食べたい。」

「少し仕事で息詰まると、どうしても糖分が欲しくなるんだよねぇ。」

「そ、そうなのか。なら、仕方のないことであるから私が我慢するとしよう。」ショッカクシュン

「(今度から是が非でも我慢しよう。)」




はち【ちゃん付けで呼んで欲しい】

「仕事も土木建設だし、力もあるが私も一応メスだ。出来れば女性扱いを望んでいる。」

「割としっかりレディとして扱ってるけど…。」

「今のままでは足りないのだ。試しにちゃん付けで呼んで欲しい。」

「〜ちゃん。」

「…これも照れるな。止めておくとしよう。」ポッ

「絶対止めません。」キッパリ

「何故かここ一番の固い意志を感じるんだが。」




きゅう【汗のついた服を弄ぶな】

「一日中動いて汗が染み込んでるんだぞ?普通なら嫌悪感を抱くものだと思うが。」

「フェロモンムンムンの作業着は手放せないね。味わい深いよ。」ウンウン

「その発言は聞かなかったことにするが、ならば私を直にかけば良かろうて。自分の作業着に嫉妬はしたくないのだ。」

「嫉妬しちゃうんですね。」ニッコリ

「先程からしているその目をやめい。むずかゆいぞ。」

「今度からは直に君を愛しますよ。」




じゅう【離れないで欲しい】

「働くことは好きだし一種の生きがいだ。しかし、二人でいる時ほど大切なものはない。」

「ほうほう、その心は?」

「…家にいるときはベタベタしてくれて良いぞ。」

「ん〜、その言い方はどうなんでしょうかね。」

「はぁ…。一緒にいる時は全てを放ってでも私と居てくれ。」テレテレ

「仰せのままに、お姫様。」

「毎日土まみれで帰ってくる姫もどうかと思うな。」







「僕は土まみれでも輝いて見えてるしね。そんなもので君の容姿や品格は落ちたりしないよ。むしろ、生き生きしてるからより綺麗に見える。」

「くっ…ここぞと言うときの文句は流石というべきか。ならば、行動で示してもらおうか。」ダキッ

「もちろん!あっ、汗かいてますねぇ。ミルクの話もあったし、なんならこのままお姫様を女王様にしちゃおっかな♪」ギュッ

「それも悪くな、んっ、こら。嗅ぐな。あっ、やめ…///」

これが妻とのじゅうの約束
18/06/21 20:51更新 / J DER
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■作者メッセージ
古参の魔物娘さんも良いなぁと思いでた妄想ですね。
正直、難しかったですが生活環境等も設定されているため“現代”の設定では出ないような方向性がかけると改めて感じられました。

約束シリーズは書きやすくてすぐにあげられてしまうのですがやはり、長めの文章を書かないといけないとも思うので次から2作品は普通に書いたものをあげたいと思います。

宜しければ、以前の物もお読み頂けると幸いです。

では最後に皆様の余暇のお供になれることを願いましてー。

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