連載小説
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‐遭遇‐ Encounter
どれだけ寝たのかわからないが、俺は目を覚ます

光輝「…」

しばらくして、足音が聞こえる…

光輝「…!」

人間にしろ魔物にしろ遭遇すれば位置を知らせられる可能性が高い…

光輝「…」

そのまま奥へ奥へと移動していく

光輝「…」

そのまま少し開けたところに着いたので天井の近くの出っ張りに座ることにした

???『この辺りに…』

白い毛皮のフードを被った魔物の少女が俺の居る開けたところに入ってきた

光輝「!!」

しばらくして、足音の主がその空間の真ん中辺りに来る

???『…』

彼女は辺りを見回すが誰もいない、まあ上に居るしな…

光輝「…」

本格的にまずいと思う、場所を変えねば…

???『あの…』

見つかったらしい、というよりは俺の方向を見ている

???『私は貴方を突き出すつもりはありません、降りてきてもらえませんか?』

光輝「信じられるとでも?」

???『…』

光輝「人間は争いのための道具扱いか保身のために動き魔物は自分達の手に負えないから封印しようとした、だからこそ俺は誰も信じない、力は裏切らないから」

???『そんなことが…』

光輝「ああ、俺がかつての親と呼んでいた男女も保身のために俺を軍に売った。」

???『!!』

光輝「そんな奴らを信じると思うか?」

???『なら、その場で構いません…』

光輝「…」

???『貴方も、人間ではないのでしょう?』

光輝「?」

???『私は…元は人間でした、雪崩で唯一生き残れたもののとはいえ死を待つだけの凍傷を負ったところを深淵の魔物に助けられて転生したんです』

光輝「…」


???『人間ではなくなった悲しみは…』

光輝「…」

そのまま彼女の目の前に落下して床に拳をめり込ませた


???『!?』

光輝「俺は、この力を使いこなさなければならない」

???『すごい力ですね…』

光輝「人間は争いのための道具として俺を扱った、魔物は自分達への被害を怖れるのは仕方ないにしてもな」

???『なるほど…』

光輝「結局自分達のことしか考えていないなと」

???『…』

光輝「じゃあな」

???『待って』

光輝「…」

無視して進む、ここに居ることを知られた以上誰かが来るかもしれない

???『私は貴方を突き出すつもりはありません』

光輝「いや、そうだとしても出入りしていたら怪しむ奴らも出てくる」

???『なぜそこまで一人になろうと?』

光輝「この力はまだまだ深い、もっと使いこなせるようになってから考えたいから邪魔が入らんようにしたい」

???『貴方は…一体…』

光輝「俺の肉体は既に生きた金属と呼べるものになっている、鍛練次第でさらに進化するなら先に行くまでのこと」

???『貴方の…名前は…』

光輝「名は捨てた、俺を軍に売った奴らのつけた名前なんて要らん」

???『名前がなくて寂しくないですか?』

光輝「いや、俺は俺だ、それ以上でも以下でもない」

???『…』

光輝「じゃあな」

そのまま飛び立つ、俺に関われば災難が起こるかも知れないから…





















光輝「ここにするか…」

また別の洞窟を見つけて入り、ある程度進んだところでカモフラージュの空間を生成して眠る、彼女になにもないと良いが…人間や俺を封印しようとした魔物がどうなろうと知ったことではないが彼女は俺を理解しようとした、それなら災難が来ないことを願うばかりだ…

続く
21/02/21 22:39更新 / サボテン
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■作者メッセージ
どうも、サボテンです。

次回に続きます

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