読切小説
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ヒミツのバイトは箱の中
都会の真ん中。
少年は途方に暮れていた。



長い休みを利用して、少年は思い切って一人旅に出ることにした。
前々から貯めていたお小遣いと、両親から少しの軍資金をもらって、都会に。

はしゃいで使いすぎないように。
そう釘を刺されていたのだが。

初めての大都会は、見るもの全てが刺激的すぎて。
しかも、今までに持ったことのない額の所持金を持っていて。

浮かれた少年は、食事や宿泊、細々な買い物で次々と散財してしまう。


気付けば軍資金は底を尽き。
帰るための交通費すら使い込んでしまっていた。

「どうしよう…これじゃあ帰れない…」

通常、両親に連絡するのが最も無難だろう。
しかし、両親は両親で別の場所に旅行しており、迎えには来られない。
それに、調子に乗って使い込んで帰りの交通費がないだなんて伝えたら。
どれだけ怒られるのか、怖くて連絡する勇気がでない。

タクシーを使い、到着してから代金を家で調達することも考えた。
しかし両親がいないため、家のお金の在処が分からない。
しかも、バレたら怒られるのは同じだ。

帰るだけなら、ヒッチハイクという手もあるだろう。
しかしこの都会でヒッチハイクをするにはかなり勇気がいる。
乗せてもらえるとは限らないし、乗せてもらえても善良な人間とは限るまい。


途方に暮れた少年は、路地裏を彷徨っていた。
せめて今夜宿泊する場所だけでも何とかしたいところだが。



ふと、路地裏の壁に目を向けると。
そう古くはないチラシが貼ってあった。

---
〜アルバイト募集のお知らせ〜

元気な若い男性大歓迎!

一日のみでもOK!

短時間高時給! 経験不問、年齢不問!

個人情報の漏洩は一切ナシ! 内緒で働けます!

是非お気軽にご応募ください!

事務所はあちら→

---


明らかに胡散臭いし如何わしい。
そもそも、会社名どころか仕事内容すらも書いていないではないか。

それでも、この条件は魅力的だ。
1日だけでも良く、短時間高時給、年齢不問で経験不問。
しかも内緒で働けるときた。

少年の通う学校はアルバイト禁止であるが、内緒ならば。
両親にもバレることなく、交通費を稼げるのではないか。

都合が良すぎて怪しいのは百も承知。
ダメで元々。
ダメだったときの恥ずかしさとかリスクは、多分ヒッチハイクとどっこいどっこい。

暫く悩んだ末、少年はチラシが示す事務所へと足を運んだ。



比較的小さな事務所。
人気のないところだが、建物は綺麗で、あからさまな危なさは感じない。

恐る恐るその中に入る。
幸いにも自動ドアなので、抵抗は少ない。

小ぢんまりしたロビーには、受付が一人。

青いローブを被った、褐色の女性。
綺麗な女性ではあるが、こんな都会でこの風貌は明らかに不自然だ。

と、少年はその受付の女性と目が合った。

「こんにちは。何かご用ですか?」
「あっ、あ…あの、その、外の…チラシを、見まして…」

少年は緊張で声が震える。
女性は流暢な日本語を喋っている。
少なくとも外国の危ない組織の支部とかではなさそうだ。

「アルバイト希望の方ですか?」
「は、はい」
「それはそれは、ようこそいらっしゃいました」

女性の態度が柔らかくなる。
伴って、少年も少し緊張を解いた。

「早速、面談を行いたいのですが、よろしいですか?」
「え…あ、はい」
「では、奥の面談室へどうぞ」

少年は受付の女性に案内され、事務所の奥へと歩いていった。
面談と聞いて再び緊張が高まるが、門前払いされるよりは良いだろう。



「人事部長、アルバイト希望の方です。さ、お入りください」
「し、失礼します」

少年は、小さな部屋に通された。
四角い机を挟んだ向かい側には、赤いローブで顔以外を隠した女性が座っている。
恐らく彼女が人事部長なのだろう。
彼女も褐色の肌に赤い瞳の、思わず見とれてしまいそうな綺麗な女性だ。
受付の女性は退室し、少年とその女性以外、人影はない。

「こんにちは。ようこそいらっしゃいました」
「こ、こんにちは」

人事部長が話しかける。
見た目よりも幼い、猫なで声に近い声だ。

「ふむ…あ、どうぞお掛けください」
「は、はい、失礼します」

少年が座る間、人事部長は少年の身体を品定めするように眺めた。

「いくつか、質問をさせていただきますね」
「はい」

そして人事部長はいくつかの問いかけを放つ。

「まず、体力はある方だと思いますか?」
「えっと、運動は、それなりに出来ますし…」
「なるほど。はい、ありがとうございます」

「次に…貴方は、閉所恐怖症ではありませんか?」
「閉所…?」
「えっと…狭いところとかにずっと入っていても大丈夫ですか?」
「あっ、大丈夫です」

「貴方は、このバイトを内緒にすることを希望しますか?」
「は、はい。できれば、誰にもバレないように…」
「ふむふむ」

「最後に、このアルバイトの情報を他の誰にも話さないと約束できますか?」
「はい、誰にも言いません」

最後の返答を聞くと、人事部長は満足そうな笑みを浮かべた。

「ええ、合格です」
「ほ、本当ですか!」

やけにあっさり。
しかし、願ってもない幸運だ。

「今日はどうなさいますか? もう夕方で遅いので、時間は過ぎてますが…」
「そ、その…実は、ボク、今日泊まるところが…」
「…それでは、今夜はここにお泊り頂いて。翌朝から早速働いて頂きましょう」
「は、はい」

思いがけず、今夜の宿まで得られた。
ちゃんと働けば、全てが丸く解決してしまいそう。

しかし、そういえばまだ業務内容を聞いていない。
聞かなければ。
そう思った矢先。



少年を、突然の睡魔が襲った。

(あ…れ…?)
「目が覚めたら、早速お願いしますね…」

朦朧とする意識の中で、少年は人事部長がローブを脱ぐのを見た。

その頭には、猫の耳が。
その手は、毛皮と肉球がついていた。

(猫の…耳…? どうし…て…………)

思考が途切れ、少年はそのまま眠ってしまった。

「…ふふふ、想像以上の大成功にゃ♪ あんな広告でも出してみるもんだにゃ♪」












少年が目を覚ますと、目の前は真っ暗だった。

息苦しくはないが、狭い場所であることを示す圧迫感。
どうやら立った体勢であるらしい。

どうやら、何かの箱らしきものに入れられているようだ。
内側の材質は柔らかいクッションで、上半身の動きには多少余裕がある。

逆に下半身は箱らしきものにすっぽり収まる形で固定されており、動かせない。
そして、股間のみにやや涼しい空気が。

(…………脱がされてる…!? 外に、出されてる…!?)

下半身の衣服は取り除かれており、股間、それも肉棒だけが箱の外に出ている。
外から見れば、恐らく箱から肉棒だけが生えているような形だろう。

混乱していると、人事部長の声が響いた。
少年は、自分がマイク付きのヘッドフォンをさせられているということに気付く。

「目覚めたかにゃ?」
「こ、これは、どういう、」
「何って、キミが応募してきたバイトだにゃ?」
「ボク、これから…こ、こんな格好で、なにを、させられ…」
「大丈夫、キミは特別何もしなくていいにゃ。そのままじっとしていてくれれば」
「え…」
「もうすぐ始まるにゃ。お仕事頑張ってにゃー♪」
「…あっ、あのっ、ちょっと…っ!」

少年が状況をつかめないまま、応答が途切れてしまった。
小鳥のさえずりのBGMが流れ始め、他の音が聞こえなくなる。


少なくとも、こんな状況はまともじゃない。
やはり危ない仕事だったのか。
少年は後悔するが、時すでに遅しといったところだ。

しかし、こんな格好でさせられる仕事とは一体なんなのか。
ヘッドフォンのせいで周りの音声が聞こえず、状況把握ができない。



その時。

少年の肉棒を、何者かの手が掴んだ。

「ひっ!?」

柔らかい手。
恐らくは女性の手だろう。

一体これから何をされるのか。
恐怖で身体が強張る。


その手は、まだ勃起していない少年の肉棒を上下に扱き始めた。
マッサージをするように、しかしやや激しく。

「あっ…♪」

自慰経験こそあるが、突然、こんな状況ともなれば。
思いがけず快感を与えられ、身体が反応しないはずも無い。

その手の中で、肉棒はすっかりガチガチに固くなってしまった。

すると、更に複数の手が、少年の肉棒に触れる。
いずれも女性の手であろうが、明らかに相手は一人ではない。

「はぁ…はぁ…♪」

未だにどういう状況なのか理解はできないが。
複数の女性に、肉棒を弄られているということだけは分かる。
箱の外の光景を想像すれば、興奮しないはずがなかった。

と、肉棒から手の感触が消えた。
それを認識した。次の瞬間。


「ひあぁっ♪」

少年は思わず喘ぎ声を上げる。

肉棒を、温かい感触が包んだ。
湿り気と粘り気のある、肉質の感触。
肉棒を這いまわる、柔らかな感触。

少年の肉棒を、誰かが咥え込んだのだ。

もちろん、少年にとっては初体験。
これまで味わったことのない快楽が、全身を駆け巡る。

「やっ…♪ あぁぁ…♪」

その口は、肉棒を咥えて上下運動を始めた。
その度に、舌先が裏筋やカリ首をねちっこく責め立てる。

少年の下半身は固定されており、身をよじって快楽を逃がすこともできない。
強烈な快楽に、少年が早くも限界を迎えるのも無理はない。

「あぁっ♪ だめっ、それ以上っ♪ でちゃうっ、イッちゃうっ♪」

肉棒がプルプルと震えだす。
相手方もそれで察したのか、上下運動が激しくなる。


箱の中に喘ぎ声を響かせながら、その時が訪れた。

「あぁぁっ♪ でるっ、でるでるっ、でるぅ♪ ぅああああ♪」

全身を震わせ、肉棒を脈打たせながら、少年は射精した。
感触からして口内射精。その口が精液を吸い、舐めとり、呑んでいくのが分かる。

「はぁ…っ♪ はぁ…っ♪」

少年は射精の余韻に浸る。
まさか、こんな形で射精させられるなんて。


と、肉棒に再び口内の感触が伝わった。

「ひぃっ!?」

しかも今度は、最初から激しい上下運動。
頬肉で吸い付き、ストローのように精液を搾りだそうとする動き。

明らかに、先程とは違う。
恐らくは、別の人物によるもの。

そんな思考より先に、射精したばかりの肉棒へと叩き込まれる強烈な快感が脳に届く。

「ひぅぅっ♪ だめっ♪ イッたばかりなのっ、やめてぇ♪」

少女のような喘ぎ声を出して懇願するが、肉棒への動きは変わらない。
恐らくはクッションが防音で、こちらの声も外側には届いていないのだろう。

先程よりも激しい快楽を、敏感な肉棒に一気に与えられれば。
二度目の限界まで、時間がかかるはずもない。

「だめぇっ♪ またでるっ、イッちゃうぅっ、んぅぅぁあああ♪」

少年は全身を痙攣させ、早くも二度目となる口内射精をさせられてしまう。
今回も、精液を吸われ、呑み込んでいく感触が伝わる。


ここに至って、ようやく何となくわかってきた。
これは、ひたすら精液を搾られる、Hなアルバイトなのだ。
わざわざ箱に入れられているのは、バイトを内緒にするための配慮だろうか。

すると、ヘッドフォンから再び声が響いてきた。

「そろそろ理解したかにゃ?」
「は、はい…ボク、これから、また、何度も…ひうっ♪」

返答している最中に、また何者かに肉棒を咥えられた。

「うちで働いてる従業員…主にグールたちの性欲処理のアルバイトなのにゃー♪」
「グール、って…んひっ♪」

聞いたことはあった。
グールといえば、砂漠の地方に住んでいるはずの魔物。

亀頭を飴玉のように弄られる快楽の中で、これが魔物の仕業であると漸く理解した。

「お昼休みまでのあと三時間、お願いするにゃ♪」
「さっ、三時間!?」
「グールたちだけじゃなくて、後で私たちも使わせてもらうにゃー♪」
「ま、待ってください、三時間も、持ちませんっ、んぅ♪」

再び応答が途切れ、身をよじらせる快楽に嫌でも集中せざるを得なくなる。
こんな快楽に、あと三時間も晒されてしまったら。
とても、身体がもつとは思えなかった。











あれから何度射精させられたろう。

いくつもの舌で同時に弄くり回されたり。
喉の奥まで咥え込まれて一気に吸い上げられたり。
ひたすら亀頭を舌先でなぞられたり。

十回から先は数えることもできないほど搾られ、少年は意識が朦朧としてきた。
これだけ責め続けられても、魔物に与えられる快楽には慣れるということができない。

そもそも、これだけ搾られても尚射精できてしまうのはおかしい。
魔物の魔力のせいか、或いは眠っているうちに精力剤でも盛られたのだろうか。

グールの口内に何十発目かの精液をぶちまける。
またすぐに、次が来るのだろう。



…しかし、それを最後にして感触がない。

(あ…れ…?)

訝しんでいると、突然、箱の側面に向かって、少年の身体に圧力が加わった。
恐らくは何者かが箱ごと少年を移動させ始めたのだろう。
どうも箱は押せば動くようになっているらしい。


しばらくすると、背中側から金属部品のカチャカチャという音が聞こえてきた。
どうやら、箱の鍵を開けているようだ。

少しして、箱の背面が開いた。
ヘッドフォンを誰かに外される。
そして、あの聞き覚えのある声。

「お疲れ様だにゃ。午前の部は終了、今から昼休憩にゃー」
「あ…………はい」

フラフラになりながら箱を出ると、脱がされていた下半身の衣服が置いてある。
人事部長―スフィンクスが見ている前で、それを履く。
散々搾られ過ぎて、もはや恥ずかしいとかそういう気持ちは浮かばない。



少年はスフィンクスに連れられ、社員食堂らしき場所へ向かう。

「その…お姉さんは、人事の人なんですよね?」
「新人研修係とその他雑用も兼ねてるのにゃ。人手不足なのにゃ」
「でも、グールさんとか結構いますよね?」
「グールじゃ限界があるにゃ。本能に勝てないのにゃー」

面談をしていた時はかなり口調を作っていたらしい。

食堂で昼食を摂っている最中にも、スフィンクスは少年に話しかける。

「内緒ってことで顔を隠させてもらってるにゃ。グールたちには不評だにゃー」
「お、大勢のグールさんたちに顔を見られるのは流石に、ちょっと…」
「そうそう。キミの正体は私たちみたいな一部の魔物だけが知ってればいいのにゃ」

そう言ってスフィンクスは、食堂の窓に目を向ける。
窓といっても外ではなく、向こう側も建物内部の空間であるらしい。
食堂は階層が高いところにあり、全体を見下ろす形になっている。

「ほら、見てみるにゃ」
「え?」
「さっきまでキミがいたとこにゃ」

少年が覗いてみると、そこは大きな機械を中心とした工場だった。
グールたちが、機械から伸びるベルトコンベアの周りで何かを作っている。

「これは、何を…?」
「そこは秘密なのにゃ。それより、グールたちを見てみるにゃ」

グールたちはアンデッドの割に随分生き生きしている。
魔物だけあって、いずれもスタイル含めて美人の部類に入るだろう。

「あのグールさんたちは、お昼休みしないんですか?」
「にゃにゃ。さっきキミがごはんあげたところだにゃ?」
「え?」
「キミ、あのグールたちに一人残らず精液飲ませたのにゃ♪」
「…あ…っ」
「取り合いで大変だったにゃ。休憩のために撤収するのも一苦労だにゃ」

先程まで、自分の肉棒を求めていたのは、あの綺麗な女性たちだった。
彼女たちは皆、自分の精液を…

そう思うと、あれだけ搾られた肉棒が、興奮によってまた固くなりだすのを感じた。

「んふふ、この分なら午後も大丈夫そうだにゃ♪」
「あ…あの、午後も、あそこで、あの人たちに…?」
「んーん、違うにゃ。午後はまた別の現場に行ってほしいのにゃ」

少年は、それを聞いて少し名残惜しく感じる自分に驚いた。
またあれだけ搾られたいだなんて、自分から望んでいたらとんだマゾじゃないか。
しかし否定しきれないのが辛い。

「別の現場って…?」
「私とか、アヌビス…受付の子たちみたいな事務方の詰め所だにゃ」
「え…」

受付の女性も魔物だったということは、別段意外ではない。
ただ、目の前のスフィンクスやあのアヌビスも、自分の肉棒を求めるというのは…

「そ、それは…」
「顔を見知ってるから恥ずかしい、にゃ?」
「ぅ…は、はい」
「それもアルバイトなのにゃ。社長も楽しみにしてるのにゃー」
「社長…?」
「うちの社長のファラオ様にゃ。社長も直々にお使いになるにゃー♪」
「えぇっ!?」

まさかそんな人まで来るなんて。
少し期待も混じった困惑の表情を浮かべていると、建物内にチャイムが響く。

「にゃにゃ、予鈴だにゃ。そろそろ準備するのにゃ!」
「え…あ、はい!」



二人は先ほどの控室に戻る。
少年はまたヘッドフォンを装着させられる。
スフィンクスに見られながらも下半身の衣服を脱ぎ、箱の中に入る。

(改めて思うけど…この状況、変だよねえ…)

箱の穴から肉棒を露出させられながら、少年は状況の異様さに閉口した。



しばらくすると、また箱ごと動かされる感覚。
相変わらず外の音は一切聞こえない。

箱が停止した。

ヘッドフォンから声が響く。

「今度は人数は少ないからさっきよりは楽だと思うにゃ」
「そ、そうですか」
「折角だから実況でもしてみるにゃー♪」
「えっ?」

実況とは一体?
困惑していると、スフィンクスの声がまた響く。

「にゃ。まずは受付嬢のアヌビスさんだにゃ。丁度昨日キミが会った人だにゃ」
「あ…あの人が…」

あの人ももちろん綺麗だった。
今からその人が、自分の…

想像を膨らませるより早く、柔らかな肉球の感触が肉棒に伝わった。

「あ…っ♪」
「受付は三交代制なのにゃ。みんな空いた時間に性欲処理をしたいのにゃ」

少し扱かれただけで、もう充分に勃起させられた。
あれだけ搾られた後とは思えない。食事にも何か仕込んであったのだろう。


また先程のように、咥え込まれる。
そう思っていると、亀頭の先に何かがあてがわれる感触があった。
唇、ではないようだが。

「あの、一体…ひうっ!?」

スフィンクスに尋ねようとすると、それは一気に肉棒を呑み込んだ。
明らかに口内ではない、温かく、キツい締まりの肉壁。

先程までとは違う感覚、しかし間違いなく快楽。
締め付けられた肉棒がピクピクと震える。

「ふにゃ、なかなか大胆にゃ♪」
「い、一体何が…んっ♪」
「アヌビスさん、お尻の穴でキミのちんぽ咥え込んでるにゃー♪」
「え、えぇっ…!?」
「大丈夫にゃー、汚くないにゃ♪」

所謂アナルセックス。
あの綺麗な受付のアヌビスが、自分の肉棒を腸内に受け入れている。
箱の外側の光景を想像するだけで、興奮が高まってきてしまう。

「受付嬢だから、口から匂いがしちゃったら困るってことらしいにゃ」
「そ、それにしても、こんな…んん♪」
「バイト相手だから本番は気が引けるにゃ? だからアナルだなんて、なかなか…♪」

アヌビスの腰の動きが激しくなってきた。
伴って、ギュウギュウという締め付けのアナルが肉棒を責め立てていく。

「んひっ、あっ♪」
「にゃはは、アヌビスさん、やっぱりアナルが弱いのにゃ? 顔トロトロにゃ…♪」

自身も喘がされながら、少年は箱の外のアヌビスの姿を想像した。
こちらに背を向け、後背位で腰を振りながら喘いでいるのだろうか。

その想像による興奮が、先程搾られた精液を再び溜め込ませる。
初めて味わうアナルセックスの快感に、肉棒もそろそろ限界が近い。

「あうぅ♪ もっ、出そう、ですっ…♪」
「にゃはっ♪ 出そうらしいにゃ♪ …『早く精液頂戴』って叫んでるにゃよ…♪」
「ひんっ、あぁ…♪」

あのアヌビスが、淫らに喘いでいる。
その事実と、益々激しくなる腰の動きが、少年を再びの射精へと導いた。

「あっ、でますっ、んっ♪ …ぁぁぁぁああ♪」


肉棒を脈打たせて、少年はアヌビスの腸内に精液を放った。
アヌビスの腸壁がビクビクと震え、快感を享受しているのが分かる。

「にゃはは、アヌビスさんも腰砕けだにゃ♪ この調子で頼むにゃよー♪」
「ひゃ、は、はい…♪」

肉棒が引き抜かれて少しすると、肉棒にひやりとした何かの感触があった。

「ひっ!? な、これは…?」
「除菌ティッシュで拭いてるにゃ。流石アヌビスさん、しっかりしてるにゃー」

丁寧に拭かれているうちに、少年の肉棒はまた元の固さを取り戻していた。



しかし、次の感触はない。

「…………他の人はまだ来ないみたいだにゃ」
「あ…は、はい」
「んー、じゃあ私が使わせてもらうにゃ♪」
「お、お姉さんがですか?」
「ずっと見てるだけじゃガマンできないにゃ! 喘ぎ声実況付きだにゃ…♪」

その声が終わらないうちに、先程とはまた違う肉球の感触があった。

「ん…♪」
「まだまだガチガチにゃ…♪ 楽しませてもらうにゃ♪」

その言葉の直後、少年の全身に、肉棒が口内に咥え込まれる快楽が駆け巡った。

「あひっ♪」
「はむっ、ちゅむっ、くちゅっ♪ んちゅっ、じゅぶぶっ…♪」

少年の耳元に、スフィンクスが肉棒をしゃぶる音が聞こえてくる。
淫靡な水音を間近で聞かされ、壁の向こうを想像するだけで肉棒の固さが増していく。

「お姉さ…っ、それっ、きもち…いっ♪ あぁぁ♪」
「んふふー♪ じゅぷっ、ちゅぽっ、むちゅちゅっ、ぐちゅ…♪」

グールたちの激しい責めとは違う、ねっとりいたぶるような愛撫。
舌先が肉棒の弱いところを的確に見つけ、なぞっていく。

「お姉さんっ、また…またっ、でちゃう…っ♪」
「いいにゃー…♪ んじゅぶるるるっ…♪」
「あぁっ、それっ♪ だめ、あぁっ、あぁぁぁぁっ♪」

快楽が昂ぶったところで一気に吸い上げられ、少年はたまらず射精させられた。
全身を震わせ、スフィンクスの喉奥に何発も精液を流し込む。

「んんーっ♪ んぐっ、んぐぅっ…♪ ぷはっ、美味しいにゃ…♪」
「はぁ…はぁ…っ」
「…………まだ、時間はあるにゃ。キミも、お口やお尻だけじゃ味気ないにゃ?」
「え…?」

肉棒はまだ固さを失っていない。
その肉棒を掴み、スフィンクスはマイク越しに囁きかける。

「私のおまんこ、味わわせてあげるにゃ…♪」
「そっ、それは…」

あのスフィンクスと、今から本番のセックスをする。
戸惑う少年は、亀頭に湿った肉質があてがわれるのを感じた。

「お姉さ…っ」
「本物、教えてあげる…にゃっ♪」


次の瞬間、肉棒が膣内に呑み込まれた。

「あ、あぁぁぁぁぁ♪」
「ふにゃぁっ♪ 熱い、にゃ…♪」

肉壁が、肉棒に吸い付く。
たっぷりの愛液が、肉棒を奥へ奥へと誘う。

これまでとは比べ物にならない快感。
魔物の膣が、敏感な肉棒に怒涛のように快楽を浴びせかけた。

「ひゃぅぁっ♪ お姉さっ、これっ、すごっ、ひっ、ひゃぁぁぁ♪」
「これが魔物のセックスなのにゃっ♪ あうっ、んぅ♪」

二度も射精した直後、朝からだともはや数え切れないぐらい射精している。
にもかかわらず、少年の精液はすぐに尿道を上ってきた。

「だめですっ、こんなのっ♪ すぐにっ、あぁっ、イッちゃうっ♪」
「イッていいにゃっ♪ 子宮の中に、精液ドクドク流し込むのにゃっ♪」

肉棒の根元まで、トロトロの膣肉に包み込まれて。
スフィンクスの子宮口が、亀頭に吸い付いて。

散々責められて敏感になった肉棒に、そんな快楽に抗えというほうが無茶だった。

「でるっ、でますっ、ボクっ♪ うっ、あぁっ、あ、あ、っあああああ♪」
「ふにゃぁああああ♪」

箱ごと揺れそうな勢いで全身を震わせながら、少年は子宮内に精液をぶちまける。
先程までよりも量、濃度ともに上回る精液は、あっという間に子宮内を埋め尽くす。

「あ…あぁぁ…♪」
「すごい…にゃ…♪ 想像以上だにゃ…♪」


長い射精が終わり、肉棒が引き抜かれる。
ヘッドフォン越しに聞こえるスフィンクスの声も、余韻で息が荒い。

「キミに頼んで正解だったにゃ…♪」
「はひ…ありがとう…ございます…♪」



しばらくすると、スフィンクスが再び声を上げた。

「にゃにゃっ、社長!」
「えっ!?」

とうとう、その社長が訪れたらしい。
スフィンクスの声も、心なしか緊張している。

「うにゃ? ヘッドフォンを? 分かりましたにゃ。社長に代わるにゃよー」
「え…」

どうやら社長自らヘッドフォンで少年と会話するつもりらしい。
少しして、初めて聞く声が耳に響いた。

「こんにちは。私が社長のファラオよ」
「こっ、こんにちは!」

艶めかしく、凜として、そして形容しがたい威厳のある声。
箱の中で思わず背筋を伸ばした。

「よく頑張ってくれてるわね」
「は、はい、ありがとうございます」
「今日だけで工場の能率が大幅に上がったわ。貴方のおかげね」
「そ、そんな、とんでも、ないです」

会話しているだけで、その圧倒的なオーラに気圧されそうになる。

「その仕事ぶりとやら、私自ら見てあげましょう」
「え…」

「私を、愉しませなさい」

その声は、ヘッドフォン越しでも脳髄の奥まで響き渡った。

この方に今からご奉仕を。
自分の全霊で、この方を喜ばせる。

思考が、身体が、肉棒が、その命に従うべく蠢く。


スフィンクスに膣内射精したばかりの肉棒は、再びガチガチになっていた。

「ファラオ様…仰せのままに…♪」
「よろしい♪ それじゃあ…早速…♪」

ファラオの膣口が亀頭に押し当てられた。
いきなり本番から入ろうとしている。

そして。

「それっ♪」
「あ…………」

膣が、肉棒を勢いよく咥え込み。



「…………ああああああああ♪」

快楽が脳に伝わるより、精液が漏れ出す方が早かった。

先程のスフィンクスの膣ですらかつてないほどの快楽だったのに、今回はそれ以上。
形容することすらできない快楽に、たった一突きで絶頂させられてしまった。

「あらあら♪」
「す、みま、せ、っ、ひぅぅぅ♪」
「一回や二回じゃ、終わらないわよね…♪」

ピストン一回につき一発射精させられる。
それほどの勢いで、絶え間なく、想像を絶する快感が少年にぶつけられた。

「あああ♪ あがぁぁぁ♪ ひぃぃぃ♪ ひぐぅぅぅうっ♪」
「凄い凄い、こんなに一杯出るのね…♪」

膣肉が、柔らかく絡みつき、しかし同時にしっかりと締め付け。
搾り取るように、吸い取るように、それでいて甘えるように。
肉棒全体がかつてないほど敏感になり、しかも全体を一気に責め立てられる。

少年の頭の中は、ほんの数秒で真っ白になった。
全身を激しく震わせ、箱を揺らすほどの勢いで次々に射精する。

「ひああ♪ いぐぅ♪ あぁっ♪ やあぁぁ♪ うあああああ♪」
「もう何も考えられない? それじゃあ、これで…ト・ド・メ♪」

ファラオが、少年の肉棒を、膣の一番奥、子宮口へと一気に押し込んだ。

「              」



「ああああああああああああああああああああ♪♪♪」

少年は、傍で見ているスフィンクスにすら聞こえそうなほどの猛烈な射精を始めた。
箱ごとガタガタと震え、消防車のホースのごとき勢いで精液が噴き出す。

「うぅっ、あああああっ♪ すごい…こんなの初めて…っ♪」
「ああああああああああああああ♪ ああああああああ♪」



十数秒後、射精はようやく収まった。
ファラオの下腹部はすっかり膨れ上がってしまっている。

ヘッドフォンを返却されたスフィンクスが、少年に声をかける。

「にゃにゃ…だ、大丈夫かにゃ…?」
「あ…………♪ あ…………♪」
「…ダメみたいだにゃ」

肉棒が引き抜かれる。
その最中にも、肉棒の中に残った精液が一滴残らず搾られ持っていかれた。

スフィンクスが箱を開ける。

「…あー、気絶しちゃってるにゃ…」
「あら、想像以上に気持ちよくて張り切りすぎちゃったわ♪」

箱の中では、少年が快楽のあまり気を失っていた。

「今日はこれ以上は無理だにゃ…」
「うん…ごめんね?」











しばらくして、少年は目を覚ました。

「気付いたかにゃ!」
「う…うーん…ここは…?」
「医務室だにゃ。社長が本気出しちゃって、キミ気絶しちゃったのにゃ」
「そ、そういえば…あう、まだ途中だったのに、ごめんなさい…」

リタイアさせられてしまい、申し訳なさで少年は俯いた。
すると、スフィンクスの肉球がそっと頭を撫でた。

「仕方ないにゃ。社長もやりすぎたって言うぐらいにゃ」
「で、でも…」
「気にしなくていいにゃ。それより、渡すものがあるにゃ」
「渡すもの?」

スフィンクスは、少し厚みのある茶封筒を少年に渡した。

「これは…」
「今日のバイト代だにゃ」

そういえばアルバイトだった。
最後のあまりの快感で記憶まで飛びそうになっていた。

中身を確認して、少年は当惑した。

「こ、こんなに…!? ボク、途中で気絶しちゃったのに…!?」
「ちゃんと頑張ってくれたにゃ。社長が気絶させた分の補償も込み込みにゃ♪」

帰りの交通費どころか、出発時の軍資金よりも多いぐらいだ。
もちろん、少年には充分すぎる。
むしろ、あれだけ気持ちよくさせてもらって、これだけお金がもらえるなんて。

「こ…こんなに、受け取れません…お金が増えてたら、バレちゃいます…」
「にゃ…確かに内緒にしきれないにゃあ…」

旅行に行って帰ってきたら軍資金が増えているのは明らかにおかしい。
アルバイトをしていたのがバレバレだ。

結局、ファラオとも相談の上、丁度いいぐらいの額を受け取ることにした。



数分後。
ロビーで、少年はスフィンクスとファラオに深々と頭を下げていた。

「ありがとうございました」
「それはこちらのセリフだにゃ。できればまたお願いしたいにゃ…」
「えっと、でも、ボク、帰らなきゃならなくて、そう頻繁には…」

ここから離れるのは名残惜しい。
スフィンクスにもファラオにもよくしてもらった。
そして何より、全員から極上の快楽を与えられた。
帰らないわけにはいかないが、後ろ髪を引かれる思いだ。

すると、ファラオが近寄り、声をかける。

「また機会があれば、ここで働きたい?」
「は、はい…機会があれば…」
「そうね…じゃあ、キミの家の近くにココを移動させちゃおうかしら♪」
「え…えぇっ!?」

「だって、ドアの内側は全部私がつくった空間なんだから」
「へ…?」

そういえば。
あの規模の工場や食堂は、明らかに建物の外観より広かった。

「建物のガワだけ借りてるんだもの。そっちにもいいトコロがあるでしょ?」
「あ、はい、たぶん…で、でも、いいんですか?」
「もちろん♪ 私たちももう一度貴方に逢いたいわ♪」

また、ココで働ける。
彼女たちに箱越しでも逢える。
そう思うと、少年の心が晴れ晴れとしてきた。

「もしよかったら、将来ココに永久就職しちゃう?」
「え、永久…就職…って…」
「私たちみんな、キミのモノにゃ♪」
「そうなった暁には、箱越しじゃなくって…ね♪」
「…………はい! 是非!」











少年が「永久就職」するまで、そう時間はかからなかった。
16/10/26 11:57更新 / 第四アルカ騎士団

■作者メッセージ
「相手の顔が見えないシチュエーション」
+「Hな奉仕をさせられるアルバイト」
+「色々な魔物に襲われる」
=「グローリーホールで性欲処理のバイトをさせられるおねショタ」

やりたいことを全部足してしまいました。12000文字オーバー、正直ごめんなさい。
式の中に「おねショタ」が含まれてない? デフォですから。

敢えて相手の顔が見えないシチュを魔物娘でやる理由。
その方が興奮するとか、本能のままに動く相手に顔バレさせないようにとか。
無理やり理由をつけるため、内緒のバイトという設定にしました。

ヒロインはスフィンクスともファラオともとれる感じに。
グローリーホールシチュに合わせて、魔物タグをヒミツにしました。
結果だけ見ると実はハーレム物でもあるという…

さらっと読めるタイプのエロも書きたいですね。
設定を盛ると文章量が多くなりがちです。極力擬音を排除する実験をするとさらに。

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