連載小説
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‐南十字星‐ Southern cross
それから俺は南に向け飛んだ、さらに空気が冷えてきたのを感じるがかじかむ感覚は感じず冷たさが心地良い…

光輝「オーロラ、見られるかな…」

自然や動物は平等だ…俺を兵器として利用したり手に負えないからと軟禁しようとしたり封印しようとはしない…

光輝「お、あれは…」

ペンギンやアザラシがいる…

光輝「…」

それを眺めて、俺は冷気を体内に取り込んでいく…

???『貴方が…』

光輝「…?」

声のした方を振り向くと、アザラシの魔物らしき存在がいた

光輝「で、どうする?俺を捕まえて引き渡すか?」

???『いいえ、周りには私たちしかいないし貴方もそれは望んでいないでしょう?』

光輝「まあ、望んでいるわけはない」

???『私はグロリア、セルキーという魔物よ』

光輝「…親にさえ裏切られた俺の名前に意味はあるのか、わからん」

グロリア『何があったの…?』

光輝「聞いてないのか?」

グロリア『信じたくないわ…』

光輝「それが事実だ、武力行使に屈した親に売られかけた存在。それが俺だ」

グロリア『本当だったのね…』

光輝「ああ、これで満足か?」

グロリア『まるでここの氷山みたいね…』

光輝「…かもな」

グロリア『でも、ひとつだけわかったことがあるわ』

光輝「?」

グロリア『もともとは非情な人ではなさそうね…』

光輝「??」

グロリア『それどころか優しさを残せているわ』

光輝「???」

グロリア『貴方のように力を得てそんな目に遭えば普通なら何人か死んでるはずよ…』

光輝「ああ、俺は「化け物」ではあっても人殺しの「兵器」にはなりたくない」

グロリア『「化け物」ねぇ…』

光輝「…」

グロリア『まあ、貴方の位置を私たちからは知らせないから居たければ居たら良いわ…』

光輝「…」

そのまま俺はまた自分の身体から金属の空間を作り寝ることにした、寝ながらも冷気を体内に取り込みながら…





















光輝「…」

それからオーロラや流氷を眺めて過ごす、時が経つにつれて姿を変えていくのはみていて楽しい…

光輝「…」

グロリア『楽しい?』

光輝「まあ、新鮮だな」

グロリア『そう…貴方は人間と魔物には心を閉ざしたみたいだけど動物や自然にはそうでないみたいね』

光輝「少なくとも人間や魔物みたいに相手の意思を無視して強行しないしな」

グロリア『確かに、もう少し様子を見るべきだったかもしれないわね…』

光輝「もう手遅れだ、あのときに全てのことは決まった」

グロリア『…』

それから数日して、俺はオーロラのなかに飛び込んでみることにした

光輝「んぉ!これが電磁波か??」

そのままオーロラも一部を取り込む…

光輝「さて…」

これからどうしようか…俺は考える

グロリア『せっかくどこへでも行ける力と機動力あるんだしどこにでも行けば良いじゃない、貴方を縛るのは魔物でも人間でもそう簡単ではないもの』

光輝「…そうするか」

いろいろな自然を見て回ることにしよう、俺にはそれができるんだから…

続く
21/02/17 14:59更新 / サボテン
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■作者メッセージ
どうも、サボテンです

次回に続きます

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