読切小説
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貴族ロリエルフを買う
 ゴウマーン家の跡取り、ダラク・ゴウマーンは、貴族という恵まれた生まれに甘え、あぐらをかいていた。
 自分の機嫌だけで路頭に迷わせた人間は数知れず。
 強き者に媚びへつらい、弱き者に鞭を打つ。
 保身と金が全て。そんな男であった。
 憎まれっ子世にはばかるとは言ったもので、ダラクは齢二十にして、貴族界でそれなりの地位についていた。
 懐は温まり、ぶくぶくと豚のように太った。

 ある日、彼は何十人もの従者を連れ、馬車で城下町へ降りた。
 向かう先は、奴隷商店。ダラクは、自分の思い通りに弄ぶことのできるおもちゃが欲しかったのだ。
「いらっしゃいませ……。これはこれは、ゴウマーン様」
 ダラクが馬車から降りると、店主が両手を揉みつつ店から現れた。目尻の下がった、おっとりとした印象を与える女である。年は三十に入るかどうかといったところ。
「おい、女」
 ふんぞり返り、ダラクが言う。
「俺は奴隷を買いに来た」
 分厚い唇を、唾液に濡れた舌で舐める。下衆な笑みを浮かべる。視線が、店主の後ろのケージをめぐる。
「おお」
 彼の視線が、一点で止まった。店主の真後ろ、その中にいる、色白の少女。
 彼女の年は、店主の半分にも満たないだろう。幼さがまだ残っていた。
 白いシャツ、白い短パン。少年のような無垢な衣装であったが、彼女からは女の香りが漂っていた。
 ダラクの表情を、店主は素早く察知する。
「さすがゴウマーン様。お目が高い」
 手を揉む。
「あれは、エルフか」
 店主が頷く。
 ダラクが住む国は、異種族を受け入れていない。エルフも例外ではないため、本来ならば、ダラクは即座に王に報告する義務がある。
「なあ女。エルフをこの国に置くのは、まずいよな」
 目を細める。
 店主は、全く悪びれもせず言う。
「ええ、確かに、そうでございます。しかし……」
 店主が笑った。その表情は、ダラクの背筋に寒気が走るほど、おぞましく、恐ろしいものであった。
「エルフの肢体、味わってみたいと思いませんか?」
 店主はダラクの視界の横に移動する。ケージの中の、エルフがよく見えるように。
 ダラクと、エルフの視線が交わる。エルフの瞳は、退廃的な闇に覆われているかのような、黒であった。瞳孔が大きく開き、破滅的な美しさを持っている。
 ごくりと、ダラクの喉が鳴った。
「なあ、買った奴隷は、どう扱ってもいいんだよな」
 確認を取るように、彼がつぶやく。
「ええ、もちろんでございます。契約が決定した瞬間から、奴隷は、お買い上げ頂いたお客様のものでございます」
 どのような命令を下してもかまいません、店主が微笑んだ。
「つまり、あんな年端も行かない幼子の身体を、貪っても……」
「はい、結構でございます」
 ダラクの瞳が、獣欲に光った。

 ◆ ◆ ◆

「きゃっ」
 ダラクは自室へ帰ると、抱きかかえていたエルフをベッドへ放り投げた。
 彼女のズボンの裾がめくれ上がり、しなやかな太ももを外気に晒す。
「うへへ、もう待ちきれん」
 言うやいなや、ダラクは真紅の衣服を脱ぎ払った。でっぷりと現れる腹。
 カボチャのように膨らんだ半ズボンを引きちぎるかのように下ろす。露わになった白タイツの下で、彼の陰茎はすでに硬くなっていた。
「お前は奴隷だ。俺に買われたんだ」
 だから、と続け、彼は怯えた目を見せる彼女の眼前に、勃起した陰茎を近付けた。
「奴隷は、主に、奉仕をするんだ。お前は女だ、だから性的な奉仕をだな……」
 鼻息を荒くし、ダラクが喚く。
「フェラチオをしろ」
 エルフの鼻先に、包茎の余り皮が触れる。
「おら、早くしろよ」
 眉を寄せ、ダラクが低く唸る。
 ぷるりと、エルフの小さな唇が震え、徐々に開いていく。
 次の瞬間、彼女の虚ろな瞳は、喜色に鈍く光った。
「んはぁ……♥」
「えっ」
 ダラクが驚く間もなく、彼の亀頭は彼女の口内に吸い込まれていった。
「んじゅれるっ、じゅるるるるるぅ」
「お、あ、あ゛っ、あああ゛ぁっ!」
 バチン、とダラクの脳内が白い光で弾けた。
「んっ、んふぅ……♥」
 次の瞬間にはもう、彼は彼女の口内にありったけの精液を放っていた。
 口に含むと同時に、唇で包茎を剥き下ろし、暖かく湿った舌で、敏感な粘膜を傷つけることなく、繊細に、しかし確かな刺激を持って愛撫する。
 彼女の口技は、奴隷商店で鍛えあげられた、人智を超えた技巧であった。
「あっ、はっ、はっ……」
 ダラクは、腰を震わせながら、全身を弛緩させた。大きな音を立て、背中から倒れる。巨大なベッドの上で、彼は大の字になった。
「んちゅっ、れるっ、れるっ……」
 エルフは、うっとりと瞳を濡らしつつ、いまだ精液が漏れ出る亀頭を優しく、丹念に舐める。
「はぁ、ご主人様ぁ」
 ため息をつくと、熱い息が亀頭にかかり、ペニスがぴくりと大きく震えた。
「ご主人様の精液、とーっても、美味しいですよぉ……」
 そう言うと、彼女は裏筋にキスをした。
「ちゅっ、おちんちんさま、美味しい精液、ありがとうございます。ちゅっ」
 二度、三度、キス。目をうっすらと閉じ、頬を染め、愛おしげにキスをする。
「じゃあ、次は」
 彼女が立ち上がると、静かに、艶めかしく衣服を脱ぎ去った。
 彼女の身体を、西日が照らす。陽光に煌き、彼女の白い肌は、さらに映えて見えた。
 いまだ力が入らないダラクの巨体をまたぐように立ち、股間に両手を添える。
 くぱぁ……。大陰唇を押し広げると、粘液が割り開かれる音を立て、ダラクの眼前にエルフの膣内が晒された。
 とろりと淫蜜を滴らせ、彼の腹を濡らす。
「奴隷のおまんこで、ご奉仕して差し上げます」
 そう言うと、彼女は膝立ちになり、ゆっくりと腰を下ろした。
「んんっ、ご主人様のおちんちんさまが、入って……」
 ずぷり、と音を立て、蜜に濡れきった幼膣はいとも簡単に陰茎をくわえ込んだ。
「……っ、おっ……!」
 ぱくぱくと、まな板の上の鯉のように、ダラクは口を開けたり閉めたりした。
 ダラクは、貴族の資金力に物を言わせ、今まで何人もの女を買った。国で一番の娼婦と一週間つながりっぱなしというプレイもやったことがある。
 ありとあらゆるセックスを行ったという自負があった。
 しかし、この奴隷の膣は、そんな今までの性生活を全て吹き飛ばすほどの名器だった。
 幼い見た目の通り、とてもきつかった。しかし、痛みを全く与えず、ひだがぴったりと隙間なくまとわりつき、彼女の心臓の鼓動に合わせてとくんとくんと上下する。
 彼のペニスの弱いところが、余すところなく同時に責められる快楽。彼は生きながらにして、天国を見た。
 柔らかな白い光の中に、奴隷の顔があった。
――少女のくせに、なんて顔をしてるんだこいつは……。
 彼女の顔は、初めての男性器の圧力に、恍惚の表情が張り付いていた。
 力なく口を開き、喉から咆哮のように絶頂声を漏らす。唾液が垂れ、糸を引いて滴った。
「おひんひんしゃまぁ、ひもちいぃ……♥」
 とろとろにとろけきったイき声を聞きながら、ダラクは生きながらにして、死を意識させる絶頂とともに、精液を幼い奴隷の膣内に放った。

 ◆ ◆ ◆

「ほらほら、ご主人様。ご主人様の大好きなフェラチオのお時間ですよ」
 奴隷エルフのリイナがそう言うと、主人のダラクはぱっと顔を輝かせた。
 リイナがベッドの上で、膝立ちになる。ダラクは彼女ので仰向けになり、両脚の間に彼女が入るように、大きく股を広げた。
 彼はすでに全裸になっており、陰茎は天井に向かってそそり立っている。
「はぁ……まったく、ご主人様は本当にこれがお好きなんですね」
 小さく呆れたようにため息をつくが、彼女の瞳は喜びに光っていた。
「本当、こんなにすっごい匂いをして……。とっても美味しそうなんですからぁ……はぁむっ」
 いつも通り、唇で包茎を剥き、亀頭粘膜を舌で咀嚼する。
「はぁぁ……」
 ダラクが何度も小さく震え、だらしなく口を開く。
「あむあむ。れるじゅるっ」
 舌をひたりと亀頭に這わせ、丁寧にしゃぶる。
「リイナぁ、いいよぉ、きもちいいよぉそれぇ……」
 早くも、ダラクが限界を伝える。
 彼が彼女を買ってから、既に二年が経過していた。
 初めての性交から、彼はすっかり彼女の虜になってしまった。
 それからの彼は、今までの堕落ぶりからは信じられないほど、清廉潔白な男になった。
 一番の理由は、リイナの境遇だ。
 両親を教団騎士団に殺され、天涯孤独の身となった彼女。そんな境遇の魔物を一人でも減らすために、彼は尽力したのだ。
 彼の働きもあり、今ではすっかり、彼の住む国は魔物に寛容になっている。
 それもひとえに、彼の政治力と、奴隷商店の店主である刑部狸のおかげである。
「はぁい、そのまま、とろっとろの顔をしながら、とろっとろの精液、いっぱい出しましょうね♥」
 喉の奥を叩く精液を感じながら、あの日からわずかに成長したリイナは、ダラクに買われたことを、運命に感謝した。
14/02/04 00:22更新 / 川村人志

■作者メッセージ
俺の創作意欲の源が怒りであると、改めて自覚した。

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