連載小説
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記録ファイル1
どうもこんにちは。先ずは自己紹介から・・・ガーディアンの船長こと「船長」です。本名?返答に困るな・・・。これが本名であると言えるし、ないとも言える。むしろ名前なんて無いのかもなー、っと、説明しておけとハンクから言われてたんだった。自分達はシックスラインズ。どこの国にも属さない、独立した軍隊国家だ。拠点は空・・・そのまんまの意味だよ、空に浮いてる。旗艦は先も言った通り「ガーディアン」と呼ばれる要塞級浮遊戦艦だ。こいつの設計は自分がやったんだ。凄いだろう?パーツもブロック単位(立方体がたくさん集まって出来たと思ったらいい感じかな?)で構成されており、必要ならば中心区画(コアパーツ。こいつの形状変換は構造上不可能だ。)を起点に形状変換も可能だ。どうやって浮いてるかって言うのは、反重力機構、イオンエンジンで浮力を作ってるから、だな。武装は多装ホーミングミサイル及びレーザー、粒子兵器(ビームですな。)、レールガン、辺りか。とまぁ母艦の説明ばかりしても始まらないな。今回は時空反転の実験でね、『穴』を作ることに成功したんだが、中に入った調査部隊が戻ってこないと。本当なら船ごと入って大規模スキャンで探し出したいところだが、穴を広げると大惨事になりかねない。だから近接格闘では負け知らずの自分に白羽の矢がたった訳だ。・・・1対500程度なら負けないぜ?とまあ荷物も確認、護身用兵装もオーケー、・・・行くか

そこは雪国だった・・・て、どこの「叙情歌」だ・・・っとみとれてる場合じゃない・・・!
「船長だ、聞こえるか?」
マイクつきカナルに喋りかける。
「ロナード、良好だ。そっちは?」
「一面銀世界だ、いや、白世界、かねぇ?ホワイトアウトが発生してて視界は最悪そのものだよ。」
「網膜に埋め込んだHUDは生きてるか?」
「大丈夫、体温、ガジェット残数、方角、全て生きてる。」
「IFF(味方識別装置、シックスラインズはピアス型IFFを採用)はどうだ?」
「近くに反応は無いな。通信が途絶したのは?」
「30分前。」
「離れてる可能性が高いな。移動する。」
「了解。」

15分歩くと、
『警告、体温がグリーンゾーンまで低下。』
「ロナード、体温が32℃を切った。」
「いくら特殊スーツ着てても早すぎるな。どこかに凌げる場所は?」
「無いな。救援物資を要請する。」
「・・・近くに人影、動物は?」
「サーマル、ソナーに反応無し、大丈夫だ。」
「・・・支援を許可。保温材及びテントを支給する。」
「りょーかい。」

上から来るぞ、気を付けろ!

テントを設置し、組み立てる。それだけの時間で手の感覚が完全に無くなった。光学迷彩を起動し、中に入る。・・・暖かい。箱の隅っこには魔法瓶が。ココアだった。支援パッケージを送ってくれた奴等に感謝しないと。
 こちら側としては異世界ということで他世界の時間の流れを狂わせたくないものがあるのだ。だからテントに光学迷彩が使われている。
 暖まったので外へ。吹雪は相変わらずだが、これはどうしようもない。
「捜索再開。テントを拠点としていく。」
「了解。無茶はするなよ?」
「あいよ。」

 寒い。寒い。凍えてしまいそう。毛皮を皮剥ぎされてとても寒い。暖めてほしい。
・・・あ♪ニンゲンだ♪暖かそう♪

ココアのお陰であまり寒くならない。いいことだ。・・・む?
「なあ、うちの強化バリケードが洞窟に張ってあるんだが・・・」
「突破を許可。ブリムストーンBC3の使用を許可する。」
「ええ!?あれは不味いって!」
「どうせ普通のブリーチングチャージ使ったって動作不良が落ちだよ。」
「・・・はぁ。」

 金属酸化物とアルミニウム、それに燃料を適切に調合すれば、2000℃で燃焼する。それは、現在地球上で考えうる全ての金属を溶かせる。(本来ならば、だが。燃料がアセチレンをその配分上組み合わせれなかったが故に温度を底上げ出来なかった)それをテルミット反応と言う。鉄道では線路の修理なんかに使われるな。それを四角に並べ、中央にC4で形成。・・・この組み合わせは、最強だ。ちなみにこれを、ヒートチャージと言う。まあ、炸裂まで時間は掛かるがね。

 ズガアアアアアン!!凄まじい爆裂音が響き渡る。同時に埃やら何やらが吹っ飛んできて思わず咳き込んだ。
「うえっほ!ゲホゲホ!・・・突破、完了・・・」
「お疲れ様。早速確認よろしく。」
「あいよー」

・・・何あれ、何あれ?ピカッドーンて!・・・知りたい、知りたい。

そんな馬鹿な。誰もいない?
「確認できず。」
「は、ちゃんと確認したのか?」
「ああもぬけの殻だ。」
「一体・・・っ!船長!後ろだ!」
振り向くより速く飛び退く。そこには・・・
 女性が、いた。
「何よー避けなくてもいいじゃない!」
「仕事柄そういうのが条件反射になっちゃってね。名前は?」
「シーラよ。」
ロナード「うちの部下じゃないな。オペレーター!」
『検索結果に該当はありませんでしたが・・・』
「捜索隊じゃない・・・か。」
「?」クビカシゲ
(かわいい。)
って、こんなことで時間潰してる場合じゃないな。
「なあ、ここらで変な服着た3人組を見なかったか?」
「知らないわ。それより・・・寒くないのその格好?」
「いや全く?」つ耐寒兵装(薄そうなピチピチスーツ)
「・・・そう。」
・・・何だ?この危機感。命が懸かってる訳じゃないが、何だか、なぁ・・・自分の大切なものがなくなりそうな予感。
ロナード「丁度いい、その生き物の生体調査も兼ねるか。」
おいやめろ。こういうときの嫌な予感って決まって当たるのよね。
16/02/01 00:12更新 / OVSV
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