連載小説
[TOP][目次]
順応
彼女はスライムに跨がらせられ以前として微弱な愛撫を絶えず受け続けている。
そのか細く白き腕は頭上でスライムに拘束され、足は大股に開かれふくらはぎ辺りからはスライムに飲み込まれている。
ボロボロの服に隠れた華奢な身体に似合わぬ大きな乳房が身悶える度にぷるんと跳ね上がり何処と無く扇情的な雰囲気を醸し出している。


「アリシア、無事か!?今そいつを取っ払って...」
「リーメル...逃げて...んぅう!?♥」
「アリシア!?」
「逃げて!逃げてぇ!早くぅぅぅぁあ♥」

先程から必死に「逃げろ」という言葉を連呼しながらスライムに抗っている。
親友の苦しそうに悶える姿を眼にしている俺はそんな言葉を聞く気はさらさらなかった。

「バカ野郎!こんな状態のお前を置いて一人逃げれるかよ!待ってろ、こんなもん今引っぺがして助けてやる!」
「そんなっ...♥事言われたら...🖤もう...ダメ...抑えれない...嫌っ...♥」

跨がっているスライムに手を掛け引っ張ろうとしたその時、無数の触手のようなものが俺に向かって伸びてきた。

「くおっ...!」

必死に引きちぎろうとしたが抵抗虚しく衣服は引き剥がされ、触手の引っ張る力のままに俺の体はスライムの中に取り込まれた。
俺を取り込んだスライムは急激に変形し、俺を側面から頭を出させ、下半身は下腹部のみを上部に露出させる、所謂ブリッジを軽く組んだ姿勢で固定された。

「ぐっ...アリシアッ...待ってろ...今助けてやるから...」
「リーメル...イヤッ...違うの...私...!」

不覚にも、親友の衣服がはだけた瑞々しい裸体を見て下半身の隆起を抑えることが出来なかった。このスライム共からも何かを充てて来ていて高まりを止められない。俺の上半身は固定されている故、喋れる事以外は本当に為すがままとなっている。

彼女はそんな俺の肉竿を見ないよう必死に体を捻って抵抗している。
今もなおスライムの愛撫は容赦無く続いているが、必死に歯を食い縛り耐えているようだ。

彼女のそんななけなしの防衛戦にスライムは情けなど掛けるはずもなく

「あっ...やっ...♥やめて...やめて!お願い!こんな形じゃ...嫌っ!」
「アリシアッ...」

動けぬ彼女を無理矢理持ち上げお互いの陰部を充てて...

「違うの...リーメル...これはちがぅうぁぁぁぁあああ!!?」
「ぐっ...アリシア...んぐぅ...!」

...彼女に負荷をかけ、一気に腰を落とさせた。
彼女の秘部から、血が滴り落ちる。純潔が、たった今消え去った証。
望まぬ交わりが、始まってしまった。

「こんな...形じゃ...んぅ♥違う...違うの...違うのぉ...🖤」
「アリシアッ...くそっ...くそぉ!!」

消え入りそうな声で、違うと自らを罰するように言葉を重ねていく。
その間にもスライムは容赦無い上下運動を強要し彼女を俺に向けて叩きつけてくる。
俺はたださめざめと泣きながら襲い来る来る彼女を、スライムから絶えず放出され続ける興奮作用を受け、劣情の化身を固く強張らせて受け入れる事しか出来なかった。


「はぁ...こんなになってまで拒むなんて...見ちゃいられないわね...アリシアも、アンタも。はい寄生スライムちゃんも一旦ストップ」


どれ程の回数を押し当てられた頃合いだろうか。
突如後方からレッドスライムがやって来て、ピンクのスライムに手を付けぽそぽそと言葉を投げ掛けると、外部からの圧によって強制的に行われていた性交が鳴りを潜め
、秘部同士の結合は別たれた。

「お前...レッドスライム!?クソ、更に魔物かっ!」
「やっ...めちゃ...やっ...♥...あれ、リン、ちゃん...?」

「お二人ともお久し振り。二人を何とか引き合わせようとした遠征は、半分成功みたいね」
「...どういう事だ?」
「元々この襲撃を決行しようとした切欠として、ちょうど今アンタとエッチしてるその娘が絡んでいるのよ」
「えっ...や、やっぱり...」

淡々とした様子でプルプルとふらつきながらレッドスライムは言葉を紡いでいく。

「その時はずっと虚ろな歩みをしていてね、自暴自棄というのかしら。魔物に変えようと襲ってくるスライムなんかに内情を打ち明けてしまう程に、この娘の精神は限界を迎えていたの。

村の為に我慢しなくてはいけない。でも、そのせいでどれだけ願おうとも想い人と結ばれる事はない。しがらみなど一切無い貴女達が羨ましいとも。
何度もこの森の奥にフラフラと立ち寄っては、私の前でアンタの名前を漏らしながらひどく泣きじゃくっていたわよ」
「アリシア...そんなにまで...」

知らず知らずのうちに村ぐるみの婚姻、貴族という天秤に量りようもない相手、アリシアの両親の決定と重なり、敵わない事象と勝手に飲み込んでから俺は無意識にあいつの事を避けてしまっていたのかもしれない。

「気付いてやれなくて、ゴメンな...」
「リーメル...私は...」
「フフッ、話は終わってないわよ?
元より魔物が羨ましいって嘆いてた彼女に、しがらみも全て塗り替える大サービスの魔物化を提供してあげたってわけ♪」
「ち、違う...私は、あの森でただ...」

くそっ...何となくわかりかけちまった。
アリシアは優しい奴だ。スライムに内情を話したことで今回の騒動が起こっちまった事に心を痛めてるんだろう。
だから自責と後悔から「違う」と逃避して無意識に自己防衛しちまってるんだ。

「でも、この騒動のお蔭でアリシアちゃんも晴れて想い人と繋がれてチャンチャン♪の筈なのに、どーして拒んでいるのか...」
「それだけ人間が高尚で思慮深いって事だ。低俗なスライム共にゃわからんだろうけどな」
「あら、言ってくれるじゃない。でもそういうのは高尚でも何でもなく単なる意地っ張りっていうのよ」

以前としてスライムに取り込まれ情けない格好をした俺達を嘲笑うようにレッドスライムは近付き、鼻先にちょんと指を突きつけてくる。


「ごめんなさい...ごめんなさい...何から何まで私のせいで...私が...」

そんな折、先程から項垂れていたアリシアから突如堰を切ったように大粒の涙が溢れ出した。

彼女から今にも舌を噛みきってしまいそうな雰囲気を醸し出している。
真相を直視し自責と真っ向から向き合ってしまったのだろう、止めどなく贖罪の言葉が口から零れ悔恨の念がありありと浮き出ていた。

「あ、アリシア、気にすんなって、ほら、まあ、あー、魔界化も悪くないってか...その...」
「沢山の人が犠牲になったのに、そんな風に構えられないよ!!」
「...すまん」
「そりゃまそうよねー、でも、犠牲って言い方が私にはナンセンスに聞こえるなぁ」

徐にレッドスライムが持っていたであろう...紫色のスライムが表面に張り付いた黒い球体が取り出された。

「この娘はね、さっきまで人間だった女性のものなの。ああ悲観しないでね、最終的にこの姿になりたいって願ったのは彼女自身だから」
「に、人間が...食べられ...!」
「アンタ、これ以上話をややこしくさせるんじゃないわよ...この娘が最後何を思っていたか、アリシアちゃんに繋がったスライムから伝えてあげるわ」

アリシアに寄生したスライムは押し当てられた球体をスルスルと取り込んでいった。
すると先程まで愚図っていた彼女の様子がピタリと止み、糸が切れた人形のように力無く佇む状態となった。

「だ、大丈夫か、アリシア!」
「へーきよ、少し思考をスライムの細胞を通してリンクさせたから、それに体が対応して少し麻痺してるだけ。すぐ戻るわ」
「...くそっ」

アリシアが心配というのもあるが、完全に動けない状態でレッドスライムに生殺与奪を委ねているこの状態に改めて憤りが募る。ただ彼女が謎の球体に身を任せている姿を指を咥える事さえ出来ず見ている他にないのだ。

...しばらくすると彼女の頬が徐々に赤らめていき目はとろみ口元は緩んでいく。先程までしとしとと泣いていた彼女は何処へやら、次第に表情が恍惚に染まっていく。

「アリ...シア...?」
「ねぇ...リンちゃん...村のみんな...こんな風に思ってくれてるの...?」
「もっちろん、皆魔物娘になれて幸せーって口を揃えて言ってるわよ」
「そっかぁ...皆...楽しんでるんだぁ...キモチイイの...私も我慢しなくてイイんだぁ...♥」

心の枷が外れたのだろう。恍惚と扇情に崩れる表情に何処と無く安堵の意が見てとれた。そんな様子に以前としてピンチなのだが何処かホッとする。

しかし、そんな自らを律していたものが取っ払われたとすると...後に残るは魔物としての本能のみになるのは明白だ。

「ねえリーメル...私と改めて...シよ?♥」
「お、おい!しっかりしろ!」
「リーメルぅ...♥ずぅっと貴方とエッチする日を待ちわびてたの...貴方と知り合えてからずっと、ずっとぉ...♥」
「ま、待て!気を確かに持てアリシア!こんな形での情事はお前も望んでないはずだ!」
「リーメルと繋がりたくて、1つになりたくて、ずっと...ずっと...1人で慰めてたの...どんな形でもいいの...リーメルとなら...♥」
「アリシア...」

俺の声ももう届いていない。直前の性行の快楽を前にして歯止めが効かなくなっているのだろう。
完全に、魔物と化してしまった。

「フフッ、それこそ魔物娘たる健全な姿よ。ではお邪魔虫は退散させてもらうわね。アンタ達の行く末を案じてたら男見つけ損ねちゃったし」
「ま、待て!元に戻す何かはないのか!?」
「アンタも意地っ張りねぇ...そんなものはないんだから、観念して魔物として楽しんじゃいなさいよ。そんじゃねー」

そう言ってレッドスライムはずるずると村の奥地に身を沈めていった。



「リーメル...私達も1つになりましょう?もう私達を阻むものは何もないもの...♥」

いつの間にか彼女は吊られた拘束から解放され、両手足共に自由な状態で、自らの意志で俺に迫ってきた。
その姿は獲物を前にした肉食獣もかくやといった様子で舌舐めずりをしながら俺を真っ直ぐ見据え待ちわびた欲望を体現するかの如く秘部を滴らせ男根に擦り付けてくる。

相変わらず俺は四肢をスライムに埋もらせているので抵抗すら許されず彼女のなすがままだった。

「こんな事になってごめんねリーメル...でも、もう我慢が出来なくなってきちゃった...♥」
「...あぁ、どこかで俺もお前とはこうなりたいとは思っていたしな...こんな形でってのは不本意だが...」
「りょーおもいだったの♥ならもう♥いいよね♥いいよね♥」

どれ程の欲求を身に宿せばこうなるのか。彼女からの発する言葉から最早人間の理性など欠片にしか感じられない、言うなれば盛りのついた獣のようだった。

「あはぁ♥ごめんっもう、我慢、無理っ♥」
「ああ...一思いに頼...ぐぅっ!?」
「んぁぁぁ♥キモチイイのきたぁぁぁぁぁ♥」

熱い...!先の交わりは焦燥から気付かなかったが、こんな頭ん中を色欲一色に染め上げられちまうような快感だったのか...!

彼女も既にうっとりとした様子で肉棒を膣に収められた余韻に浸っている。が、直ぐに満足できないといった様子で、先とは違い自らの意思で腰を打ち付けてくる。
途端にスライムにも動きがあった。俺の腰辺りのスライムが急に持ち上がり、さながら俺自身も腰を振るう形となり、抽送をよりダイナミックなものへと昇華させていく。

「がっ...腰が勝手に...!」
「スライムちゃん♥いいでしょ♥わたしがっ♥ほんとぅにシたいこと♥させてくれるんだぁ♥」
「ぬぅっ...最初のスライムによる性行も...お前の意思だったのか...」
「違うっのぉ♥あのときは必死にめぃわくかけないよぅっ♥抑えてたのにぃ♥リーメルが優しぃことばをかけるんだからぁ♥おさえられるわけないよぉぉ♥」

ぱちんぱちんと尻肉がぶつかる音が鳴る度彼女の表情は快楽を露にしていく。濡れそぼつ蜜壺から陰茎を引き抜きまた押し当てる。こちらもスライムから圧をかけられ彼女のピストン運動に加担する。
彼女の大きな乳房が上下運動の度に激しく暴れ、男としての欲望をこれでもかと刺激してくる。
何度も何度も繰り返し繰り返し、俺も我慢の限界が訪れた。

「やぁぁ♥もうダメっ!くるっなにか来ちゃう♥ぞくぞくきちゃううう!♥」
「ヤバい...俺も...もう...出ちまう...アリシア、引き抜いてくれっ...!」
「だめっ♥きてっ♥はじめてのおマンコにっ♥孕ませ汁♥いっぱい来て♥キてぇぇ♥」

放出が近付くにつれ危機意識から抜くよう促したが全く聞き入れようとしない。それどころか更に音を響かせ勢いを増し腰を落としてくる。
彼女の膣内も精液を受け入れる準備が整ったかのようにきゅうと締まり、愛液が絶えず漏れだしている。

「ぐっ...ダメだ...もう...出るっ!」
「くるぅ♥イくううぅぁぁああああ!!♥♥♥」

頭にパチパチと白い稲妻が弾ける。
かつてない程の射精感に思わず身体がビクつき目の前が真っ白になる程だった。

彼女は繋がったままくたりと前へ全身を倒し俺の顔が近くにあるスライムへ全体重を預けた。潰れたスライムが透けて潰れたおっぱいが眼前に現れるものだから、こちらとしてもかなり目のやり場に困った。

「はぁ...良かったよぉリーメル...♥これからもずっと一緒だからね...♥」
「あぁ...そうだな...」

人間時代には叶わなかったアリシアとの繋がり。これが叶っちまったってんだから、魔物化っても悪くはないのかもな...

「...あれぇ?まだ堅いよリーメルぅ?私とのエッチ、そんな良かったんだぁ♥」
「ば、バカっ!また腰を動かし始めるやつがあるか!」
「でもぉ、リーメルのココは『まだいけるよー♪』って主張してるみたいだよ?♥」

...一部やっぱ人間の時の方がいいと思うが。あの優しげだった人間時代には考えもしなかった淫乱度合いだ。
しかし、スライムに取り込まれてからいつも以上にギンギンなのは知覚してたが、まさかこうまで収まらない程とは...

まあ、いいか。どうせ親友は魔物になっちまって俺も魔物の支配下だ。このまま交わり続けても誰も咎める者もない。
スライムにあった復讐心も魔物に対する理解を深めちまえばこんなに馬鹿馬鹿しいこともない。
クイーンの言う通りなのが癪だが、本能のままに気持ちよくさせてもらうとしますかね。

「...オーケーわかった、どうせ動けないんだ。2回戦目と洒落混もうじゃないか」
「あはぁ♥2回戦ぽっきり?そんなんじゃあ全然足りないよぉ🖤」
「いいだろうとことん付き合ってやらぁぁぁぁ!!」
「きゃぁんリーメル素敵ぃ♥」


結局この夫婦が結合を解いたのは時計が一周半した、次の日の正午だった。
18/06/11 07:56更新 / もにもとに
戻る 次へ

■作者メッセージ
クイーンスライム「くぬぬ、わらわは皆を扇動する事に力を入れすぎて」
レッドスライム・リン「二人の仲を取り持つよう動きまくってたら」
両者「オトコを獲得し損ねたじゃない!!」

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33