連載小説
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今日は楽しい抽選日♪
此処は魔界にある小さな会場。小さいといっても500人以上居ても余裕なほどの大きさだ。今、その会場内には総勢400名ほどの魔物娘達が今か今かと一人の人物を待ち続けている。会場内の奥には壇上が設けられ未だに来ない主賓を待つ。刻々と時間が過ぎていくかと思われたが皆が待ち望んだ人物が現れ出す。何故か会場の一番後ろのドアからだった。

「ごめんなさいね。こちらに帰ってくるのに手間取っちゃって・・。待たせてしまったかしら?」

現れたのはパーラーDE☆A☆Iのオーナーだった。オーナーは一通り出席者を見渡すと壇上へと歩き出す。壇上に立ったオーナーは軽く咳払いをし、本日の講演会の主旨を語りだした。

「皆さん、今日は私が手掛けているプロジェクト・DE☆A☆Iについての説明会に御参加くださりありがとうございます。まず始めに現在の出会い人数について説明させて頂きます。まだオープンして2回目ですが、既に契約者が四人ほど金貨の呪縛から解かれ幸せな日々を送っております。その為、今回はその補充要員の募集とさせていただきますので御了承くださいませ。そして今、皆様の胸もしくは衣服の一部に数字が書かれたプレートがあると思いますが失くさないようお願いします」

そしてオーナーは壇上の奥の壁にスクリーンのような物を映し始める。

「皆様には、これから金貨の呪縛から解かれた方の生活を御見せしましょう」

始めに映されたのはマンションの屋上で肩を寄せ合いギターを奏でる男性とそれに合わせるかのように謳っているセイレーンだった。二人は満足するまで演奏を続けた後、熱烈なキスを始めた。その様子を見ている会場内の魔物娘達からは溜息が漏れる。

「いいな〜、あたしも早く旦那様が欲しいよ〜・・・」
「情熱的なキスの後には何が始まるのかしら・・・ワクワク・・」
「あっ!ブラ外そうとしてる!」

早く続きが見たいと興奮しながらスクリーンに釘付けになるが画面が切り替わる。

「なんで替えるんだよ!続き見せてくれよ!」

あちらこちらからブーイングの嵐。しかしオーナーは我関せずにもう一人を映し出した。画面が切り替わった途端に会場内が一気に静まりかえった。そこにはちょうど本番中のメロウとその旦那が映っていたからだ。

「・・・ちょっと音声拾ってみましょうか」

そういうとオーナーはスクリーンを軽く叩いた。

「はぁ・・はぁ・・。ミリー、奥に・・奥に出してやるからな!」
「真一さん!早く!早く膣を満タンにしてぇぇぇーー!」

オープン初日にメロウの金貨を持ち帰った祭川 真一とメロウのミリーがひたすら繋がっていた。真一は座位の状態でミリーを抱き締めながら突いている。ミリーもそれに合わせて豊満な胸を真一の顔に押し付けながら喘いでいる。

「クッ・・ミリー、出すぞ!受け止めろよ!」
「あぅ・・あっ・・早く、早くだして!」
「ダメだ!もう出る!」
「ふあぁぁぁぁぁっ!来てるーー!中に出されてるーー!受精セックスいいーー!」

膣に出しきった真一は座位の状態から押し倒し、抜かずセックスの続きに入ろうとしている。ミリーを押し倒した真一はそのままジュポジュポと音が鳴るほどの勢いでチンポを出し入れする。ミリーは真一の体に両腕を回し離れないようガッチリと固定している。激しさを増していく中、スクリーンの映像は消された。

「だからなんで良い所で変えちゃうのよ〜〜〜!」

会場内からは不満の嵐。それでもオーナーはどこ吹く風。不満がピークに達しそうになった瞬間、オーナーが口を開く。

「皆様、この程度の事で不満が出るようではまだまだですわよ?次に映される映像を見て文句が出るのなら言ってちょうだい」

次に映されたのはどこかの道場だった。画面は道場の脇にある民家に移る。まるで民家の中を歩いているかのようなリアルな映像が映っていく。そして民家の居間にはドラゴンと若く逞しい青年が居た。ただこれだけを見れば普通じゃないか、と思われたが・・。

「・・・?えっ?・・・・えええええええええええええええええ!」

誰かが気付いたようだ。

「この人って超堅物で有名なリスナさんじゃないのおおおおおおおおお!?」

「ぇ!まじかよ!あいつってプライド高くて誰とも番になる気が無かったはずだぞ!」

「そ、そんな・・・あんな堅物が先に番になるなんて・・・」

「あっ!何かするみたいよ!」

映像に映っている二人が何か会話している。オーナーは先ほどと同じようにスクリーンを軽く叩いた。そして会話が拾われていく。

「なぁ、そろそろやらないか?」
(えっ!ヤっちゃうの!今からヤっちゃうの!)←魔物娘達の脳内
「ああ、そうだな。いい時間だし我もそろそろ体が疼いていたんだ」
(疼くほど我慢出来なかったの!もうヤっちゃうのね!?)
「今日はどうする?俺が思いっきり突いてもいいか?」
(逞しいチンポでおもいっきり突いちゃうのね!)
「うむ、今日は我は受けになろう。思う存分突いてくれて構わない」
(あのリスナが受けなんて・・。ドラゴンって意外にもMなのね!でも興奮しちゃう!)
「じゃあ、今日は俺の体力が尽きるまで付きあってもらうかな」
(ヤダ・・精液尽きるまでヤり続けるなんて・・・ジュルリ)
「我をガッカリさせないでくれよ、我が主よ。今日こそは我に逞しい所を見せてくれ」
(逞しいチンポを見せつけられながらヤられちゃうんだ・・ハァハァ)
「今日こそ一発で決めてみせるからな」
(えっ!?一発受精させちゃうって事!?)
「ふむ、期待しているぞ」
(リスナったら・・、濃厚一発受精が趣味だったんだ・・はぁはぁ・・)

向こうでの会話内容の真実はこうだ。一撃当ててリスナの名を教えてもらい番になる事。だが、魔物娘達にはそう聞こえてしまったようだった。脳内ピンクな感情は時として都合のいいほうに動く。オーナーはそれを初めから見越して映像を映していたのだった。そして映像の二人が服を脱ぎだす。だがそこで映像は切られた。本当はこの後、二人は道着に着替え道場で切磋琢磨するという現実。巧く映像を止めたオーナーは壇上で全員に聞き返す。

「さて、・・何か異論はありますか?」

巧く映像を止めた事によって魔物娘達は見事に騙されオーナーに尊敬の念を送り出す。自分もあんな風になりたい、早く番を見つけたい、等々の思惑がある魔物娘達。最後に見せつけられた衝撃の映像が興奮を高めていく。超堅物でも出会えたという現実に会場のボルテージが少しづつ高まりつつあった。そしてオーナーが今から始める企画の説明に入りだした。

「今日、この会場に御集まりの皆さん!今から一枚の紙を配りますので破らないよう、失わないようにお願いします」

オーナーが指を軽く弾くと全員の手元に33×33の桝目が入った大きめの紙が現れた。その桝目には数字がバラバラに書かれている。ランダムに書かれた数字の桝目を見ながら全員首をかしげている。

「今、御手元にある紙にはランダムで数字が書かれています。一枚一枚、パターンが違いますが気にしないでください。これより始めますは、ビンゴゲーム。貴方達が持っている紙に書かれた数字が選出され、それが見事に縦、横、もしくは斜めに揃った時、次回の出会い金貨の契約者となって頂きたいのです。今回の抽選人数は10名。そして補充要員として5名を選びたいと思っております。ここまでで何か質問のある方は居ます?」

「はいっ!!」

一人の魔物娘が手を挙げた。

「映像は3人しか映らなかったんだけど?」

「ええ、そうね。確かに3人だわ。残り一人は・・向こうからこっちに呼んじゃったから映す意味が無かったのよ」

「どこ!どこに居るの!?」

「あの子達なら・・今の時間はサバトに居るわね。まぁ、そういう事だからそろそろ始めましょうか」

手を挙げた子を納得させたオーナーは抽選の準備に掛かる。壇上の前に大きな箱を転移させ中を覗きこみ確認すると自分も一枚の紙を手元に出した。

「なんでオーナーが参加するの〜〜」

「私のは特別枠よ。まだ空き要員がある状態で私が当れば、私がランダムで会場から一人選出しちゃう♪その為に貴方達に数字が書かれたプレートを付けてもらっているんだから♪」

そして運命のゲームが始まりだした。33×33マスなんて多すぎる!と思いの貴方。こんなのはまだまだ序の口なのです。会場内では全員が真剣に自分の手元の紙に書かれた数字に祈りを込めていた。会場内が無音に包まれた頃、オーナーの宣言が始まる。

「私は〜、全ての娘達に最高の出会いと永遠なる性活を約束する事を誓い、これより公平に抽選会を開催致します!」

そう宣言すると会場が一気に盛り上がる。

「「オーナー!!オーナー!!オーナー!!」」

会場内が沸き立つ中、始めのボーナス数字が選ばれる。全員が固唾を呑みながら、1個だけでも!1個だけでも!と祈りを込めてボーナス数字を見守る。選ばれる数字は5個。縦横33マスならちょうどいい数だった。次々と選ばれる数字を見て一喜一憂する娘達。中には全部当った子や1つも入らず凹んでいる子、2つ3つ当って僅かながら安心する子と色々居た。

「ボーナス数字は出揃いました。これより本戦の突入開始です!」

そしてオーナーが箱に手を入れゴソゴソと中を掻き回す。この数字、本来なら33×33で1089マスとなる為、単純に考えれば箱の中には1から1089までしか無いだろうと考え、ちょっと御バカな子達は自分の数字に1090以上の数字がある事に気付いてない。少し賢い子達はとっくに気付いていたが。ランダムに書かれた数字の上限は1500。1500の内、1089が当り数字となるので確率は約7割ほど。そして今、運命の出会いの抽選が始まった。

「1個目は716番です!」

オーナーが番号を読みあげると当り数字が書かれている紙の数字マスが赤く染まっていく。幸先がいい子、全く当らず頭を抱える子、色々居る中、次々と数字が選び出されていく。始まりから3時間が経過した頃、休憩タイムになった。3時間経ったのに、まだ候補者が出ないあたり、どれだけ運が無いんだと思われるが数字が一個出る度に「ダメだぁ〜!」「やだぁ〜、2個しか無いよぉ〜・・」など雑談が多かったせいである。そんな風に時間を無駄に過ごし3時間。休憩タイムは自分のマスメをチェックする子やどっちが先に当りになるかを賭けているのも居た。休憩タイムは立食会。急遽、会場にセッティングをし、皆が皆、思いに耽りながら食事をしていく。未だ見ぬ夫を想像しながら。休憩も終わり、立食会の状態のまま抽選が始まる。

「これから後半戦に入ります。皆さん、出会いへの気合は充分ですかー?」

「「「オー!!!」」」

そして後半戦に突入するも雑談が多くなかなか進まない。そうこうしてる内に一人目のアタリが現れる。当てたのはナイトメアだった。おどおどしながらも壇上に近づきオーナーに自分の紙を手渡す。

「おめでとう!これで貴方も契約者よ。貴方には一年以内に確実に良い出会いのチャンスが訪れるわ♪」

「ぁぅぁぅ・・・あああああ、ありがとうごごごごごじゃいましゅ!」

噛み噛みしながら必死に話すナイトメア。そんな二人を嫉妬と羨望の眼差しが集中する。

「くぅぅぅ・・・、後3つなのに・・。何故当らないんだ!」
「待ってて〜、未来の旦那様〜。絶対に私のミルクを飲んでもらうんだから〜」
「ハァハァ・・・後1つで私の処女を貰ってくれる雄に出逢えるんだ・・」
「早く当って人間界で美味しい物食べたいなぁ〜♪」
「残り9人・・予備枠が5人・・。狭き門だな」

色々な思惑が飛び交う中、壇上ではナイトメアの子が球体に閉じ込められ小さくなっていき・・掌サイズになった時、オーナーが両手で包むように挟みこみ、両手をペタンと合わせた瞬間、手の中には一枚の金貨があった。それを全員に見えるように翳すと会場中に歓声が沸き起こった。

「私達も当れば・・あんな綺麗な金貨になって旦那様の元に行けるんだ・・」
「次こそは当ててやるぜ!」
「2人目のアタリは私だ!」
「処女を捨てれる・・処女を捨てれる・・処女を・・」

なんだか売れ残りっぽぃ感じの言葉も混じっていた気もするけど気にせず抽選は続く。ナイトメアの子を皮切に次々と当選者が現れ始めた。そしてとうとう10人目の当選者が出揃い皆一様にガックリと肩を落す。だが、まだ5名の予備枠が残っている。それに一縷の望みを託し必死にアタリを祈っている子達。10名の当選者は既に金貨となりオーナーの手元にある。オーナーは嬉しそうに金貨を小箱に納めると残り5名の予備枠の抽選を開始する。

「これから予備枠の抽選をするから望みを捨てないでね♪」

予備枠の抽選も順調に進み、一人、また一人と当選していく。予備枠とはいえ、確実に出会いを保証された子達は壇上で嬉しそうにはしゃいでいる。悦びに溢れた壇上に羨望の眼差しが集中する中、一人だけぐったりだらだらしてる娘が居た。会場の一番後ろのほうで青鬼がぐったりしている。

「どうせ・・どうせ私みたいな可愛げの無い鬼なんて・・」

誰にも聞かれない程度の小声で愚痴を零していた。手元にある紙は見事にバラバラに染まっていてアタリには程遠い。そしてラストの選考。アタリを引いたのはオーナーだった。

「あら?私がラストなの?ぅ〜ん・・・それじゃぁ、会場内から直接抽選しちゃうね♪」

そう言ったオーナーは残り386名のプレートを回収し、箱に適当に放り込む。

「それじゃ、最終抽選いくわねー」

全員がドキドキワクワク興奮するのに対して、あの青鬼はプレートを回収された後もぐったりしている。確率は1/386。当るわけが無い、と考え手元にあるバラバラに染まった紙を眺め愚痴を零す。

「私みたいな鬼なんかよりもフサフサモコモコのほうが人気高いもんね・・。誰も私なんか必要としないわ・・。うぅぅ・・・」

壇上ではオーナーが箱に手を入れ鼻歌混じりに中を掻き回している。そして何かを掴んだ瞬間、一気に手を引き抜いた。

「最後の当選者は・・・303番!303番の子は誰かしら?」

303番と宣言された瞬間、青鬼は驚きで棒立ちになったまま動けなくなっていた。回収された自分のプレートナンバーが303だったからだ。

「さぁ、303番の子は前に来てちょうだい」

一番後ろでぐだぐだしていた青鬼がカチンコチンに緊張しながら壇上へとゆっくり進む。そして壇上でオーナーに紙を渡した途端、オーナーの顔付きが変わっていく。ハズレの紙で驚く事があるのだろうか、と緊張したまま棒立ちのままだったが、オーナーの一言で緊張がほぐれていく。

「プッ・・・、アハハハハハ!おもしろいわね!これ見てよ!貴方のハズレ紙よ〜〜〜く見たらバラバラに染まった部分で ア・タ・リ と浮かびあがってるのよ♪これも何かの運命だったのかもね♪」

青鬼も自分のハズレ紙をよく見てみると、確かにア・タ・リという形に色が浮いている。この時ほど魔王様に感謝した事は無かっただろう。こんな単純な運命に気付かなかった恥ずかしさとこれから確実に逢える未来の旦那様との思いで顔が赤鬼のように真っ赤に茹で上がる。

「それじゃあ、貴方には今度新しく出す 華嵐 の看板娘をお願いしちゃおうかな。いいかしら?」

「ははははは・・・はい!おおおお願いしますーー!」

一番最後に掴んだ幸運が一番最高の幸運に変わった事に興奮しすぎて、体全体が真っ赤になって周囲からからかわれたがそれすらも嬉しさに変わってしまう。

「はい!今回の抽選はここまで!当らなかった子達は残念だけど金貨が無くなり次第何度でも抽選会を開くから諦めないでね」

そして会場は閉幕へと進む、と思われたが今度は当選おめでとう会に早変わり。ハズレた子達は次があるさ、と残念会も同時に開く。

「後一個だったのにニャ〜・・・」
「今回は外れたが次は当選してみせる!」
「私も後一個だったから興奮してオマンコじゅくじゅくになってたのに〜」
「つゆだくめ!そんな事では当選したら潮を吹いてしまうぞ」
「でも〜、そんな貴方も下着を既に3着交換してるのよね〜」

そんな微笑ましい光景を見届けたオーナーはそっと外に出て羽ばたく。もう少しだけでも留まりたかったが契約して金貨になった子達に少しでも早く出会いを提供する為、向こうへのゲートを開き飛び込んだ。

「私にも早く旦那様が出来ないかなぁ〜・・・」

そう呟くと同時にゲートが閉じ、何も無かったように静まり返る。そして出会いを求める子達の為に台をセッティングしていく。




















「明日も出会いがあるといいな」
13/05/15 20:42更新 / ぷいぷい
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■作者メッセージ
更新遅くてごめんなしゃい。最近暑かったので冷たいのを食いまくってたのですが、ちょっと食いすぎてトイレで唸る日々・・・。
そして次回!華の嵐はどこで吹き荒れる!純情青鬼が見せた接待行為!(嘘
もちろん冗談です

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