11日目(上)
「さて…そろそろ来るか?」
結局あの後何の音沙汰無く、次の日が来た。
「そもそも、女になるって一体何を…」
呟いた瞬間、チャイムが鳴らされる。
「…まあ、とりあえず見てみるか」
あまり期待はしていないが、機嫌を悪くするのでさっさと出迎えに行く。
「ケントー!来てやったぞー!」
「今開けるっての」
鍵を開けた瞬間、ぐいと思い切りドアが引っ張られる。
「おはよう!どうだこれ!」
「…」
何が起こったか理解できず、硬直する。
「おーい?何か言えよー」
手を握られぶんぶんと振り回される。
その勢いで、ようやく言葉が出て来る。
「誰だお前!?」
「ははん。いいだろ?これ」
何という事でしょう。
某テレビ番組のナレーションの言葉が脳裏をよぎる。
元々男子の中でも高くなかった身長はさらに低くなり、女子の平均程になっている。
童顔で腕白っ子という感じだった顔はそれとなく面影を残してボーイッシュな少女のものに。
体は全体的に丸みを帯び、少し出るところは出て発育途中の少女という感じに。
ショートパンツから伸びる足はほっそりとして滑らかになっている。
あと何故か尻尾生えてる。
総評。完全に女の子。というか魔物っ娘である。
「…なんだ、夢か。そうだな。うん」
「残念ながら…というか有難いことに現実だ。その証拠に…」
手を掴み胸に強く押し付けてドヤ顔で見上げてくる。
ふにょんとした感触と少し押し返してくる弾力が服越しに伝わってくる。
「俺以外の奴がこんな事するかよ?ん?」
「…本当にハルなんだな?」
「勿論!」
「なら…いつも通りの扱いで良い訳だな」
「…ん?お?」
「じゃ、勉強だ。入れ」
「待て待て待て待て」
狼狽えた様子で手を引っ張って引き留めようとして来る。
「なんだ」
「いや、ここはさぁ…こう、何をしても良いんだよな?みたいなさぁ!」
「漫画の見すぎだ」
「じゃ、じゃぁ…!」
ぐいと服を上げて、胸を露出させようとしたので慌てて止める。
「おま、何してんだ!」
「こ、これで…」
顔を真っ赤にして涙目でこちらを見てくるのに耐えきれず、一先ず引っ張って家に入れて玄関を閉める。
「お前なあ」
「だ、だってさぁ…」
唸りながら不満を訴えてくる。
「何だよ」
「こう、ほら、せっかくお前のために女になった訳じゃん?」
「…」
お前が勝手になったんだろという言葉は飲み込んだ。
「なのにさぁ、そんな冷たいとさぁ…俺の事…っ、嫌い、なのかって」
声に嗚咽がまじり、目に涙が浮かんで来るのが見え、慌てて言い繕う。
「い、いや。あれだ、どう接して良いか分からなかっただけで…」
「じゃ、じゃあ、俺の事嫌いな訳じゃないよな?な?」
「そりゃ…そうだが」
「…へへ」
何が嬉しかったのか、急にニコニコし始める。
「だよなぁ、そうだよなぁ?」
「…訳分からん」
「気にすんなって!じゃあ、俺部屋行くなー。飲み物よろしく!」
「…おぉ…」
会ってから数分。
ころころと変わる良く分からない態度のせいで異様に疲れた。
「つーかあの涙目、演技だったのかよ…女って怖ぇ」
「…で、説明は?」
「んー?」
ベッドに腰掛け、両手でコップを持ってジュースを飲んでいたハルがこちらを見てくる。
完全に小動物だ。特にリスとかあの辺りの。
「何がよ」
「どうやって女になったんだよ」
「そう言われてもなー」
ハルが足をぶらぶらさせているのを横目で眺めつつ、ジュースを啜る。
触ると気持ちよさそうな太ももに目を奪われていると、ショートパンツの隙間から下着が見えて思わず目をそらしてしまう。
「ケントは、アルプって知ってるか?」
「…あー」
確か、男が魔力を溜めたときに女になっちまう奴とかそんなだった気がする。
「インキュバスの亜種みたいな…」
「ん、まぁ合ってるな。とりあえず、人の体に魔力が溜まったら魔物になる訳じゃん?大まかに言えばだけど」
「おう」
「で、うちの妹が魔女だっての知ってるだろ?」
「ああ」
何度か会ったが、ハルと同じように小動物という感じの子だった気がする。
まぁ魔女というのはそういうものなのかも知れないが。
「それでちょっとこう、色々相談したら、こうなったと」
「…とりあえず、親友が女になったって考えればいいだけだろ」
「ん。そういう事だな!」
飲み終わったコップをテーブルに置いて、ごろんとベッドに寝転ぶ。
「おい。お前なぁ」
「いーじゃんか。ちょっとぐらい。あ、あとジュースおかわりー」
ごろんごろんとベッドの上を転げ回りながら無遠慮におかわりを要求してくる。
「…待ってろ」
「さんくす!」
びしっと敬礼するハルを置いて、台所に向かった。
「…アレは駄目だろ…」
先程のベッドの上を転げまわっていた様子を思い出す。
そもそも面影があるとは言え、殆ど親友と別人の女子が自分のベッドであれだけごろごろしていれば、興奮しないはずがない。
勃っているのがバレそうだったのでおかわり要求は助かった。
そもそも、正直な話男の時でさえ反応しかける時もあったというのに、女になられるとさらに酷くなりそうだ。
…もし、今からでも襲ったらどうなるだろう。
初めてで怯える様子を無視して組み伏せ、後ろから思い切り突き込んだらどんな反応をするだろうか。
好意を寄せられているのは確定なので、あの小動物のような目に涙を溜めて、終わるまで必死に耐えて、終わった後静かに涙を流しながら…
「…馬鹿か。くそっ、魔力にでも中てられてんのかな」
そこまで考てから、邪念を払うように頬を叩きさっさとジュースの準備をする。
「まぁ、どうにでもなるだろ。早く持ってかねーと文句言われるしな。うん」
誤魔化すように独り言ちるが、ハルに対する劣情はしばらく消えそうに無かった。
仕方ないので、勃っているのがバレないよう願いつつ、部屋に戻る事にした。
結局あの後何の音沙汰無く、次の日が来た。
「そもそも、女になるって一体何を…」
呟いた瞬間、チャイムが鳴らされる。
「…まあ、とりあえず見てみるか」
あまり期待はしていないが、機嫌を悪くするのでさっさと出迎えに行く。
「ケントー!来てやったぞー!」
「今開けるっての」
鍵を開けた瞬間、ぐいと思い切りドアが引っ張られる。
「おはよう!どうだこれ!」
「…」
何が起こったか理解できず、硬直する。
「おーい?何か言えよー」
手を握られぶんぶんと振り回される。
その勢いで、ようやく言葉が出て来る。
「誰だお前!?」
「ははん。いいだろ?これ」
何という事でしょう。
某テレビ番組のナレーションの言葉が脳裏をよぎる。
元々男子の中でも高くなかった身長はさらに低くなり、女子の平均程になっている。
童顔で腕白っ子という感じだった顔はそれとなく面影を残してボーイッシュな少女のものに。
体は全体的に丸みを帯び、少し出るところは出て発育途中の少女という感じに。
ショートパンツから伸びる足はほっそりとして滑らかになっている。
あと何故か尻尾生えてる。
総評。完全に女の子。というか魔物っ娘である。
「…なんだ、夢か。そうだな。うん」
「残念ながら…というか有難いことに現実だ。その証拠に…」
手を掴み胸に強く押し付けてドヤ顔で見上げてくる。
ふにょんとした感触と少し押し返してくる弾力が服越しに伝わってくる。
「俺以外の奴がこんな事するかよ?ん?」
「…本当にハルなんだな?」
「勿論!」
「なら…いつも通りの扱いで良い訳だな」
「…ん?お?」
「じゃ、勉強だ。入れ」
「待て待て待て待て」
狼狽えた様子で手を引っ張って引き留めようとして来る。
「なんだ」
「いや、ここはさぁ…こう、何をしても良いんだよな?みたいなさぁ!」
「漫画の見すぎだ」
「じゃ、じゃぁ…!」
ぐいと服を上げて、胸を露出させようとしたので慌てて止める。
「おま、何してんだ!」
「こ、これで…」
顔を真っ赤にして涙目でこちらを見てくるのに耐えきれず、一先ず引っ張って家に入れて玄関を閉める。
「お前なあ」
「だ、だってさぁ…」
唸りながら不満を訴えてくる。
「何だよ」
「こう、ほら、せっかくお前のために女になった訳じゃん?」
「…」
お前が勝手になったんだろという言葉は飲み込んだ。
「なのにさぁ、そんな冷たいとさぁ…俺の事…っ、嫌い、なのかって」
声に嗚咽がまじり、目に涙が浮かんで来るのが見え、慌てて言い繕う。
「い、いや。あれだ、どう接して良いか分からなかっただけで…」
「じゃ、じゃあ、俺の事嫌いな訳じゃないよな?な?」
「そりゃ…そうだが」
「…へへ」
何が嬉しかったのか、急にニコニコし始める。
「だよなぁ、そうだよなぁ?」
「…訳分からん」
「気にすんなって!じゃあ、俺部屋行くなー。飲み物よろしく!」
「…おぉ…」
会ってから数分。
ころころと変わる良く分からない態度のせいで異様に疲れた。
「つーかあの涙目、演技だったのかよ…女って怖ぇ」
「…で、説明は?」
「んー?」
ベッドに腰掛け、両手でコップを持ってジュースを飲んでいたハルがこちらを見てくる。
完全に小動物だ。特にリスとかあの辺りの。
「何がよ」
「どうやって女になったんだよ」
「そう言われてもなー」
ハルが足をぶらぶらさせているのを横目で眺めつつ、ジュースを啜る。
触ると気持ちよさそうな太ももに目を奪われていると、ショートパンツの隙間から下着が見えて思わず目をそらしてしまう。
「ケントは、アルプって知ってるか?」
「…あー」
確か、男が魔力を溜めたときに女になっちまう奴とかそんなだった気がする。
「インキュバスの亜種みたいな…」
「ん、まぁ合ってるな。とりあえず、人の体に魔力が溜まったら魔物になる訳じゃん?大まかに言えばだけど」
「おう」
「で、うちの妹が魔女だっての知ってるだろ?」
「ああ」
何度か会ったが、ハルと同じように小動物という感じの子だった気がする。
まぁ魔女というのはそういうものなのかも知れないが。
「それでちょっとこう、色々相談したら、こうなったと」
「…とりあえず、親友が女になったって考えればいいだけだろ」
「ん。そういう事だな!」
飲み終わったコップをテーブルに置いて、ごろんとベッドに寝転ぶ。
「おい。お前なぁ」
「いーじゃんか。ちょっとぐらい。あ、あとジュースおかわりー」
ごろんごろんとベッドの上を転げ回りながら無遠慮におかわりを要求してくる。
「…待ってろ」
「さんくす!」
びしっと敬礼するハルを置いて、台所に向かった。
「…アレは駄目だろ…」
先程のベッドの上を転げまわっていた様子を思い出す。
そもそも面影があるとは言え、殆ど親友と別人の女子が自分のベッドであれだけごろごろしていれば、興奮しないはずがない。
勃っているのがバレそうだったのでおかわり要求は助かった。
そもそも、正直な話男の時でさえ反応しかける時もあったというのに、女になられるとさらに酷くなりそうだ。
…もし、今からでも襲ったらどうなるだろう。
初めてで怯える様子を無視して組み伏せ、後ろから思い切り突き込んだらどんな反応をするだろうか。
好意を寄せられているのは確定なので、あの小動物のような目に涙を溜めて、終わるまで必死に耐えて、終わった後静かに涙を流しながら…
「…馬鹿か。くそっ、魔力にでも中てられてんのかな」
そこまで考てから、邪念を払うように頬を叩きさっさとジュースの準備をする。
「まぁ、どうにでもなるだろ。早く持ってかねーと文句言われるしな。うん」
誤魔化すように独り言ちるが、ハルに対する劣情はしばらく消えそうに無かった。
仕方ないので、勃っているのがバレないよう願いつつ、部屋に戻る事にした。
13/11/05 01:01更新 / ポレポレ
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