読切小説
[TOP]
涙の海と恋心―彼女はいかにして心配するのをやめて彼を愛することにしたのか
 白波を蹴立てて、私−小月七海の乗るミサイル艇は海原を進む。空を見上げると、どこまでも青い空が続いている。海沿いの町に生まれ、海を守る職業に憧れた私にとって、海上自衛官という職業は天職だ。
 腕時計を見るともうすぐ任務が終わり、基地へ帰投する時間だった。私は潮風を胸一杯に吸い込み、艇内へ戻った。

「小月、そこいいか?」
 基地に帰り、私が昼食を食べていると同期で、恋人の美佐島君が声をかけてきた。彼は入隊した時から、私によく話しかけてきてくれた。そして、私につき合ってほしいと言ってくれた。自分の気持ちを伝えることが下手で、素直になれなかった私にとって、そんな風に言ってくれる男性がいたことは本当に嬉しく、告白された日は嬉しくて眠れなかった。彼との時間と、誕生日に彼がプレゼントしてくれた腕時計は、私の宝物だ。
 そして、彼は基地内でも隠すこと無く、私に好意を向けて話しかける。それはなんだか嬉しいと同時に気恥ずかしく、こうして二人でいるところを他の人に見られることもどこか恥ずかしい。
「ええ、美佐島三尉。どうぞ」
 その恥ずかしさを隠すために、声をかけてくれた嬉しさをできるだけ表に出さないように、素っ気なく言った私に、彼は苦笑する。
「おいおい、階級なんかより蓮太郎って名前で呼んでくれよ」
「ここは基地の中よ」
 睨んで言う私に、彼はくすくすと笑う。
――本当は、蓮太郎君って、呼びたいんだけどな……
 そう思っている私の胸の内を見透かしたように。
「わかったよ。じゃあ、今日勤務がはねたら、どっか飲みに行かないか? そこでならいいだろ?」
「どうかしらね」
 言いながら、自分の頬が赤くなるのを感じる。こんなに胸がどきどきして、頭が熱くなるのは、きっと人前だからだけではないのだろう。
 考え込み、食事をする手が遅くなる私と違い、彼はさっさと食事を済ませてしまう。それに気がつき、私も慌てて食事を食べ始める。彼はそれも、にやにやと笑いながら見ている。
「……何よ」
「別に? 小月はかわいいなって思っただけだよ」
「だから、そういうことは基地の外でやってよ」
 私はますます赤くなるのを感じながら、そう言った。周りもなんだかくすくす笑ってるし、ますます恥ずかしくなる。そして、素直に好意を表せる彼が―表しすぎているとも言えるけど―少しうらやましくなった。
               * * *
「七海、あのレストランのパスタ、うまかったな」
「うん。また食べに行こう」
 私と蓮太郎君は夕食の後、町を散歩している。バーも兼ねたレストランで食事をして、お酒を飲んだせいか、なんだか気分がいい。私たちは体の火照りをさますように、ぶらぶらと歩く。気がつくと私たちは大通りを離れて、寂れた公園に来ていた。
「少し休んでいく?」
 そう尋ねた私に、彼は頷いた。私たちはブランコに座り、しばらくそのまま黙っていた。
「なあ、七海。明日さ、非番だったよな?」
「うん」
 私が頷くと、彼は何かを決心したように、真剣な顔で私を見た。
「……あのさ。この後、俺の部屋に来ないか?」
「ん? いいけど、どうして?」
 彼は、何度か手をこまねかせ、深く深く息を吐いた。
「そのさ、俺たち、まだキスしかしたこと無いよな」
「うん……?」
 蓮太郎君は、一つ大きく息を吐いた。
「なあ、俺と寝てくれないか?」
 どくん、と胸が跳ねる。
「俺、七海のいろんなところが好きだよ。自分を律して、立派な自衛官してるところとか。すぐ真っ赤になってもじもじしてるところとか、すごくかわいくてさ。海のことを話す時の綺麗な目も、さらさらの髪も、君の内も外も、すごく魅力的なんだ。だから俺、君のことをもっと知りたいんだ。その、話すだけじゃなくて、その……」
 彼は言葉を濁し、口ごもり、また開こうとする。私の心はざわめく。気がつくと、私はブランコから立ち上がっていた。
「七海……」
 不安げに言う彼に目を合わせられないまま、私も口を開く。
「……ごめん、蓮太郎君。まだ、そんな気になれないの」
「どうして?」
 私をじっと見つめたまま、彼は私に尋ねる。その目に私を非難するような色は無く、私に拒否されたという悲しみと、疑問だけがあった。それが、私の胸を締め付ける。
「ごめん。怖いの」
 それだけ言うと、私はたまらなくなって歩き出す。彼はブランコに座り込んだまま、動こうとしない。公園の出口で、一度だけ振り向くとまだ彼は私の方を見ていた。胸を締め付ける、あの目を向けたまま。
「ごめんなさい……」
 私は小さくつぶやいて、公園を後にした。
                * * *
――ごめんなさい、怖いの。あなたと寝たら、もうこれまで通りの私たちじゃいられなくなりそうなの。
 どうして、きちんとそう言わなかったのだろう。どうして、彼にもっと自分のことを伝えようと、思えなかったのだろう。
 胸が痛い。頭が痛い。思考はぐるぐると回る。
――ごめんなさい、ごめんなさい。どうか、私のことを嫌いにならないで。これまで通りでいたかっただけなの。私のことをさらけ出すのが怖いの。もう少しだけ、待ってほしかったの……。
 都合のいい言い訳ばかりが浮かぶ。吐き気がする。思考は、ただぐるぐると回るばかりだった。

 気がつくと、私は寮に帰ってきていた。どさりとベッドに身を投げ出す。ここが1人部屋でよかった。ここでなら、1人でゆっくりと泣く事ができる。抱きしめた布団は、冷たかった。彼の温もりが、恋しかった。
――じゃあ、さっき彼と寝てればよかったじゃないの……
 心の中の私が、私のことを責め立てる。
――わかってるわよ、そんなの……
 ぼろぼろと涙がこぼれる。
「蓮太郎、蓮太郎……」
 彼の名前を呼ぶ。帰ってくるのは、静寂だけだった。
                * * *
 私は町はずれのあまり人が来ない砂浜に来ていた。ここも、彼と何度も来た思い出の場所。目の前に広がる海は、私の心のように黒くどんよりと濁っているように見えた。私は腰を下ろし、膝に額を押しつけて丸くなる。
 ――こんな時にも、私は海に来るんだなあ……。
 思い返すと、私は悩んだり心が曇ったりした時には、こうして海によく来ていた。私の臆病さも、消えてしまいたくなるような恥ずかしさも、不安も、悲しみも、何もかもを海は溶かしてくれるような気がした。
 泣きたくなった時には海に飛び込んで、自分の心の良くない物を全て海に溶かしてしまうのだ。故郷の海は、私の苦しみや悲しみ、不安を溶かした、涙の海だった。その故郷の海とつながっているこの海も、きっと私の涙が混じっているのだろう。
 ――泳ぎたいな……。
 私は立ち上がると、服を脱ぎ始める。上着も、スカートも、下着も全て。どうせ人が来ない場所だ。脱いだ服は岩陰に放り込んでおけば、盗られることは無いだろう。腕時計に気づき、外そうかとも思ったが、私はそれをしなかった。
――蓮太郎……。
 また涙が溢れそうになる。結局腕時計を身につけたまま、海へと飛び込み波をかき分けて泳ぐ。私の耳に入るのは波の音だけ。私はただただ泳ぐ。ぼろぼろと涙をこぼしながら。こうして、また海は塩辛くなるのだ。私の涙を溶かして。悲しみを溶かして。
 心の中の濁りが、海水に溶けて広がっていく。いっそのこと、私自身もこのまま溶かして、消してほしかった。

――こちらへ……

「え?」
 不意にした声に、私は思わず声を上げた。
――こちらへおいで、私のかわいい娘……。
 その声は、海の中から聞こえていた。
――怖れないで、私の中へいらっしゃい……。
 いや、正確には海の底から聞こえていた。海の中を覗き込むと、暖かい光が深いところで輝いている。
――さあ、おいで……。
 行きたい、という抗いがたい欲求が沸き起こる。私の心の、一番深いところに響いてくる優しい声。私は深く、深く息を吸い込んで、その光へと潜り始める。
 光は私が思ったよりも深いところにあり、私の肺からはどんどん酸素が奪われていく。
――もう少し、もう少しよ!
 私はどんどん息を吐き出しながら、深く深く潜る。
――さあ、がんばって! あと少し!
 声はだんだんと大きくなって、私を導く。そして、ぼこっと音を立てて私の最後の息が吐き出された途端、私の視界は真っ白な光に包まれた。


――おかえりなさい、かわいいかわいい私の娘……。
「あなたは……?」
 私は聖母のように優しく微笑む女性に話しかけた。
――私は海神ポセイドン……。あなたを、人の心と人の理の苦しみから解き放ってあげましょう。さあ、私に身を委ねて……。
 神様の手が私を包んだ途端、私の体は火がついたように熱くなった。
「あ、あああ、ああぁぁぁぁっ!?」
 そして、荒波のような快感が私の体を駆け抜けていく。私の蜜壺からはこぽこぽと蜜があふれ出し、涙と唾液がこぼれる。
――怖れないで、何もかもその波に流してしまいなさい……。
「ふあ、ぅあ……! んあぁぁん……」
 神様の声が響く。私の心の脆いところが荒波に打ち砕かれ、波にさらわれて無くなっていく。私の心を縛る鎖が錆びて砕け、消えていく。
――さあ、あなたの一番大切な人のことだけを残して、全て溶かしてしまいなさい……。私はあなたの全てを受け入れます……。
「あうぅん! あぁ、あぁぁぁぁ……! 気持ちいい、気持ちいいよぉ!」
 私の一番大事な人。私の愛しい人。私の、私の……。
「ああ、蓮太郎、蓮太郎! 愛してる! 私、あなたを愛してるの! 世界の誰より、大好き!」
 どうして伝えられなかったんだろう。こんなにも彼のことが好きなのに。心の底から、湧き水のように彼への思いがあふれ出す。
――大丈夫。あなたは人の心から、解き放たれました。もう、あなたの心があなた自身を苦しめることはありません。あなたに必要なのは、あなたの全てを彼にさらけ出し、彼の全てを受け入れること……。
 そう。もう私は恐れない。私の全てを、彼に知ってもらおう。私の内も外も、彼に見せよう。
 そう思った私に神様は微笑んで、私の体を一撫でする。すると、もう一度快感の荒波が私の中で起こる。
「うはぁぁぁっ!」
 どくん、どくんと心臓が跳ねる。私の肌は見る見る間に青く変わって、耳がぐっと伸び、尖った形になる。両脚と両腕、下腹部と胸の一部を魚のうろこのような物が包み、足は魚のひれのように変わり、体全体が魚のようにゆるゆるとしだした。太ももと下腹部に不思議な文様が表れ、胸元には錨と桜が組み合わさったマークが、左頬にはハート形の文様が表れる。ずるんという感触とともに、腰には肉付きのいい、魚のうろことひれを持つ尻尾が生え、そして最後に、頭から6本の尖った角が生えた。
「あぁ、うぁぁ……。あぁん……」
 快感に蕩ける私に、神様は優しく微笑んだ。
 ――さあ、お行きなさい、私のかわいい娘……。あなたの愛しい人を連れて、この海に帰っておいでなさい……。
「はい、お母様……」
 私がお母様に微笑むと、私の視界はまた白い光に包まれた。


 気がつくと、私は朝の海に浮かんでいた。いつも見慣れた海が、全く違って見える。胸いっぱいに潮風を吸い込むと、胸が高鳴るのを感じた。
――少し、泳いでみようかな。
 私はそう思うと、潜ってみた。海の中にはたくさんの魚が泳ぎ、ダンスを踊る。これまでに知らなかった海の中。私は心が向くままにあちこちを泳ぎ回ってみた。足や尻尾のひれで水をかくと、水の中を自由に泳ぎまわることができる。くるくると横向きに回ってみたり、前転をしてみたりといろいろなことを試してみる。この身体は私が思った以上に扱いやすいようだ。
 私が新しい身体の使い心地を試していると、一人の人魚が私に近づいてきた。
「おはようございます。ええと、貴女が七海さんですか?」
「ええ、そうですけど……?」
 私が答えると、彼女は私の手をぎゅっと握る。
「私、貴女のサポートをするようにお母様から申し付けられました、神官のマナと申します! どうか、よろしくお願いします!」
「え、ええと、マナさん? いきなり言われても私よく分からないんだけど……」
 私が少し驚いて言うと、マナさんは慌てて手を離して頭を下げた。
「あわわ、ごめんなさい……。ええと、私、シービショップっていうポセイドン様の神官をしてる種族なんです。それで先ほど、『七海さんはまだ魔物になったばかりで慣れていないだろうから、助けてあげなさい。そして七海さんの思い人の方を海で暮らせるようにする儀式を行うのです』とお母様からの御神託を受けたのです」
「んー、それで私のことを探してたのね?」
「そうです。ごめんなさい、驚かせてしまって……」
「気にしないで。じゃあよろしくね、マナさん」
「はい!」
 私が手を差し出すと、彼女は嬉しそうに握手した。

 しばらく話した後、私達は水中から海の上へと出た。静かに、静かに広がる美しい海。
「綺麗……」
 それ以外に、言葉が出なかった。波一つ無い、凪の海が朝日にきらきらと照り映える。そんな海を見ていると、何とも言えない幸せな気持ちで胸がいっぱいになった。そしてふと左腕を見ると、そこには愛しいあの人からのプレゼント。海をイメージした青い筐体と、白蝶貝で作られた文字盤の腕時計。
 ――ああ、蓮太郎。蓮太郎、会いたいよ。
 心の底から彼への気持ちがあふれ出す。
 さあ、陸へ行こう。そして蓮太郎と一緒に、この海へ帰ろう。命の始まり。全てを受け入れるこの海の底で、永久に愛し合おう。
 この海こそ、私の住処。私たちの、終の住処。私たちの愛し合う場所。今度こそ、彼の伸ばした手を拒んだりしない。
「さあ行きましょう、マナさん」
「はい、七海さん!」
 そう言って微笑んだマナさんとともに、私は岸へと向かい、尻尾と足のひれを力強く動かした。
* * *
「うわあ……、こんな距離をあっという間に泳いじゃった……」
 岸が近づいたときに時計を見た私は、思わず呟いた。人間なら1時間かかっても泳げるかどうかの距離を、私達は10分もしないうちに泳ぎ切っていた。
「それはもう。魔物と人間じゃ、体力が違いますから♪」
 マナさんは誇らしげに胸を張って言う。彼女は、魔物は人間と比べて身体能力やスタミナはかなり高いこと、特に私達海の魔物は泳ぐという事に関してはどんな魔物より優秀なことを教えてくれた。
「へぇー。確かに人間だったときには考えられないくらいすいすい泳げたけどねぇ」
「いろいろやってみるといいですよ。動きやすいって事は泳ぐときだけじゃなくて、エッチをするときもヤりやすいって事ですから♪」
「そうね♪」
――ふふふ……、蓮太郎とあんなことやこんなこと……♪
 そんなことを考えているうちに岸が近づき、わりと浅瀬になっていた。私はここからは立って歩こうと思って、腹ばいの姿勢から足をつけて立ち上がろうとした。と、私の足は足首が動かず、足先からくにゃりと内側に折れ曲がり。
「あらららら!?」
 そのまま、盛大に水しぶきを上げて顔を水面に叩きつけた。
「わああ、七海さん大丈夫ですか!?」
「うん、大丈夫。ああ、びっくりした……」
 慌てるマナさんに軽く手を上げて答える。
「駄目ですよ、気をつけないと。身体の構造が人間とは違うんですから……」
「だねぇ。うっかりしちゃった」
――なるほど、これまでとは違うって事をいろいろな意味で理解しないといけないのね……。
 改めて、自分が魔物になってしまったことを意識する。私はマナさんから人化の術を教えてもらって、人間に擬態した。するすると尻尾や角が縮んでいく感触は、何とも変だった。
――なんだか、妙な感じだなあ……。
 私は尻尾や角を無理やり服の中に押し込んだような、なんとも言えない気分で腰をさする。マナさんも不思議そうに自分の身体を見ていた。
「おおぅ、これが足ですか……。右と左に分かれてて、ちょっと使いづらいですねぇ」
「んー、そりゃ人魚の下半身とは違うだろうね」
 私達は顔を見合わせ、お互いに苦笑する。そして私達は陸に上がると、私は海岸に置いておいた服を回収して着込み、マナさんは魔法で作った陸用の服を着た。
「そう言えばさ、マナさん。私の恋人を海で暮らせるようにする儀式ってなにするの?」
 私はマナさんに気になっていたことを尋ねてみる。
「七海さんと恋人さんにえっちをしていただきます♪」
「……は?」
 思わず間抜けな声を出して聞き返す。
「えっとですね、七海さんと恋人の方がえっちをしまして、その時に発生する魔力を頂いて私が呪文を唱えます。その効果で恋人の方の御身体を海で暮らせるように作り変えるのですよ♪」
「……それはつまり、マナさんの目の前でヤるってこと?」
「はい♪」
 ……なんとまあ。私は嫌じゃないっていうか、考えるだけでもじゅんってきちゃうシチュエーションだけれども。
「それ私は超燃えるけど、彼が嫌がるんじゃないかなあ」
「そしたら押し倒して、私のことが気にならなくなるくらい気持ちよくしてあげればいいんですよぅ♪」
 確かに。今の私の体力なら、蓮太郎を押し倒すことも出来るだろう。考えるだけで、私の心は熱くなる。
――ああ、早く蓮太郎を押し倒して、私のものにしたい……!
「よぉし、じゃあ早速彼の所に行きましょう!」
「はい、七海さん!」
* * *
 数分後、私達は蓮太郎が住んでいるアパートに着いた。私は彼の部屋のチャイムを、ワクワクしながら押す。
――ふふふ、早く蓮太郎に会いたいな♪
 早く出てこないかともどかしく思いながら、扉の前で待つ。しかし、扉はなかなか開かなかった。私はもう一度チャイムを押して、待ってみる。それでも彼は出てこない。
「むー、おかしいなあ……」
「お休みなんでしょうか……?」
 そんなこと無いと思うんだけどなあ。自衛官であることもあって、彼はわりと早起きだ。少なくともこの時間には起きているはず。
「そうだ。ちょっと待ってね、マナさん」 
 私は携帯を取り出して、彼の電話番号を呼び出す。何度かのコール音の後、『もしもし……?』と眠たげな彼の声がする。
「蓮太郎、おはよ! ひょっとしてまだ寝てた?」
 電話の向こうで、一瞬息を飲む気配がした。……きっと、昨日のこと気にしてるんだろうな。
『な、七海……。ああ、うん、寝てたよ』
「そうだったんだ……。ごめんね、起こしちゃって」
『いや、いいよ……』
 蓮太郎の声が硬い。うう、そんなに構えられたら私も話しづらいよ……。しばらく、沈黙が落ちる。
「あのね、」
『あのさ、』
 話し出すのも同時。また二人とも話し出す機会をつかめない。ううう、早く蓮太郎に会いたいよって、伝えたいのに……。いや、待ってたって仕方ない。私から言わないと!
「あのね、蓮太郎。あなたに会って、お話したいことがあるの。すぐに会いたいの!」
 彼はしばらく黙った後、一つ息を吐いた。
『わかった。じゃあ、どこで会う? すぐに用意して行くよ』
「ううん、もう私があなたの部屋の前に来てるから、鍵を開けてくれてたらすぐ入るわ」
『え?』
 彼は驚いたように言う。彼のぽかんとしたような声に、私は思わずくすりと笑った。
「だからさ、今あなたの部屋の前にいるの」
『マジで? じゃあ、さっきのチャイムって七海が押したのか?』
「そうそう。ねぇ、早く開けてよぅ♪蓮太郎に早く会いたいの♪」
 甘えたように言うと、彼もくすりと笑う。
『わかった。すぐ開けるよ』
 電話が切れると、すぐに鍵が開く音がして扉が開く。
「蓮太郎! 蓮太郎、蓮太郎〜♪」
 私は顔を見せた蓮太郎に思わず抱きついて、頬ずりする。ああ、この暖かさ、この匂い! 私は胸がいっぱいになって、彼をぎゅっと抱きしめる。
「な、七海。どうしたんだ?」
 蓮太郎が少し困ったように笑いながら頭を撫でてくれる。私はもっと強く抱きしめて、彼にぴったりとくっつく。
「七海、ちょっと痛いぞ?」
「あう、ごめん」
 あらら、やりすぎちゃった……。私は一度彼から離れる。
「七海、そちらの人は?」
「私の友達のマナさん。一緒にお話しして欲しいことがあって、来てもらったの」
 私が紹介すると、マナさんはぺこりと頭を下げる。
「そうなのか……。それじゃ、二人とも上がってくれ」
 蓮太郎に促されて、私達は部屋に上げてもらう。私達はちゃぶ台を挟んで座った。
「それでね、蓮太郎。そのね……」
 私が口を開くと、彼は「待ってくれ」と片手を挙げて制した。そして、がばっと頭を下げる。
「七海、昨日はごめん! 俺、君の気持ちも考えないで、変なこと言ったりして……。本当に、ごめん!」
 言い終わっても、彼は頭を上げない。
「蓮太郎、私こそごめんなさい。あなたは私を求めてくれたのに・・・・・・」
 私は彼の手を取って言う。彼は顔を上げると、不安そうに口を開く。
「……七海、怒ってないのか?」
「もちろんよ。寮に帰ってから、あなたのことを拒んじゃったこと、すっごく後悔したんだから」
 私の言葉に、やっと彼はほっとしたような笑顔を浮かべる。私は一つ息を吐くと、彼の手をぎゅっと握る。
「それでね、お話したいことなんだけど」
「ああ」
 私の真剣な表情に、彼も真剣な顔になる。
「ね、蓮太郎。私のこと、どんなことがあっても好きでいてくれる?」
「もちろん」
「ほんとにほんと?」
「ああ。本当だよ」
 彼は私が大好きな、自信に満ちた笑顔で頷いてくれる。
――うん、きっと大丈夫。
 私はつばを飲み込んで、口を開く。
「あのね、蓮太郎。私、魔物になったの」
 ……ああ、さすがにきょとんとしてる。私は少しずつ、昨日の夜からの出来事を話す。彼と別れた後、悲しくてたまらなくなって泳ぎに行ったこと。そしてそこでお母様に導かれて、魔物になったこと。マナさんは私を助けるためにお母様が遣わした、神官の人魚であること。そして、儀式を受けて私と海で暮らして欲しいと思っていること。
 蓮太郎は信じられないという表情で、でも真剣に私の話を聞いてくれた。私の話を聞き終わると、彼は長いため息を一つ吐いて、口を開いた。
「……それで、七海は魔物になってどんな風に変わったんだい?」
「信じてくれるの?」
 私は思わずそう尋ねた。正直、こんなにすんなり信じてもらえるなんて、思っても見なかった。
「本当のことを言うと、半信半疑って言うところかな。だけど、七海はつまらない嘘をつくような人じゃない。……それに、マナさんの服ってちょっと変わってるじゃないか。何かあるんだろうなって思ったんだ」
 苦笑して言う蓮太郎に、私も思わず噴き出してしまう。
「むぅ、この服は神官としての身分を示すための大切な服なんですよ」
「はは、ごめん。けど、やっぱり俺にとって神官の服は珍しくってね。……まあ、自衛官の制服みたいなもんって考えれば同じようなもんかなあ」
「そういうもんなんじゃない? 海の仲間達には私達も『変わった服着てるなー』って言われてるんじゃないかなぁ」
 私がそう言うと、蓮太郎は「なるほどなぁ」と頷いた。
「それで、マナさんは人魚なんだよな。七海も人魚なのか?」
「ううん、違うよ。ちょっと待ってね、擬態を解くから」
 私はマナさんに教えて貰った呪文を唱える。だけど。
「な、何で……!? どうして元に戻れないの!?」
 角や尻尾は、早く体から出たいというように体の中から押しているのに! 力一杯、体の外へ伸ばそうとしているのに!
「どうして、どうしてぇ……!」
 思わず、私はぽろぽろと涙をこぼす。
「な、七海、落ち着け。もう一回やってみたら上手くいくんじゃないか?」
 蓮太郎に言われて、もう一度試してみる。だけど、やっぱり私は擬態が解けなかった。
「七海さん、ちょっとごめんなさいね」
 マナさんは私のおでこに、こつんと自分のおでこを合わせた。しばらく目を瞑ってから、「ふむ」と呟く。
「うぅん、どうやら七海さんの体の中の魔力が少なくなっちゃってるようです。擬態を解くためには魔力を補給しないと……」
「う〜ん、それじゃあ……」
「そうですわ、七海さん♪」 
 マナさんはにこりと笑って、蓮太郎に顔を向ける。
「蓮太郎さん、これから七海さんとえっちをして下さいな♪」
「え!?」
 蓮太郎はさすがに驚いて言う。
「あのね、蓮太郎。私達魔物は、男の人の精液から、魔力を得るの。だから、ね? 私とえっちして♪」
 じり、と私は蓮太郎ににじり寄る。彼は身の危険を感じたのか後ろに逃げようとするけど、マナさんがしっかり捕まえて逃がさない。
「ね、蓮太郎。怖がらないで。昨日は、あなたから私とシたいって言ってくれたじゃない」
「そ、そりゃそうだけど!」
 まだ何か言おうとしている彼の口を、私の唇で塞ぐ。舌を絡め、彼の口内を嘗め回す。
「ふふ、蓮太郎の唾、おいし♪」
 彼は真っ赤になって俯く。もう、かわいいんだから♪
「ね、蓮太郎。シよ♪」
「あ、ああ……。だけどさ、七海」
「ん?」
 蓮太郎はマナさんを指差す。
「あの、な。見られてる前だと、さすがにヤり辛いんだ」
 私は思わず噴き出す。
「蓮太郎。私と海で暮らせるようにする儀式って、マナさんが見てる前でヤるんだよ?」
「……マジ?」
「超マジ」
 うなづく私に、蓮太郎は顔を抑えると唸った。
「あー、せめて初めてはなあ。二人でシたいんだ」
 マナさんは「ふむ」と頷くと、最初の一回目が終わるまでは部屋から出ていると言った。
「それでは、ごゆっくり♪」
 そう言うと、マナさんはくすりと笑って部屋の外に出る。私達はベッドの上に座って向かい合い、見つめ合う。
「それじゃあ、七海……」
「うん、蓮太郎♪」
 私が服を脱ぎだすと、蓮太郎の視線は私に釘付けになる。
――ふふふ、蓮太郎♪見て見てぇ……♪
 私は体をくねらせながら、一枚一枚服を脱いでベッドの下に落とす。彼が見ている前で裸になるだけで、私の下の口はじゅんと熱くなり、とろとろとよだれを垂らしだす。
「えへへ、蓮太郎。私の裸、どうかな……♪」
「綺麗だよ、七海。うん、見てるだけでどきどきしてくる」
「ふふ、ありがと♪でも、見てるだけじゃなくて触って♪好きにして、いいんだよ♪」
 蓮太郎はふ、と笑うと自分も服を脱ぐ。彼のペニスはもう勃起して、見るからにカチカチになっている。
――あああ、蓮太郎のアソコ、おっきい♪おいしそう……♪
 私は蓮太郎の唇に、自分の唇を付ける。私たちはお互いの舌を絡めあう。胸がどんどん熱くなって、もうこのまま彼を押し倒してしまいたくなる。愛しい彼を組みしいて、じっくり味わって犯したい。そんな気持ちが、押さえられない。
 唇を離すと、私は彼に微笑む。
――もう、我慢できないよぉ・・・・・・♪
「ね、蓮太郎♪来てぇ・・・・・・♪」
 そう言うと、私は体育座りをしてころんと後ろに転がる。それから両足を左右に開いて、私は下の口を丸見えにした。
「はあぁ・・・・・・♪蓮太郎、おねがい。これ以上私を待たせないで♪あなたの素敵なソレで、私をめちゃめちゃにして♪」
「ああ、行くぞ、七海」
 ずぷ、という感触と一緒に、蓮太郎が私の中に入ってくる。じんじんと胸がふるえ、悦びでいっぱいになる。お腹の中が全部蓮太郎の肉棒で一杯になって、満たされている感触。
「んんん〜っ♪蓮太郎、おっきい♪気持ちいい・・・・・・♪」
「七海のナカも気持ちいいぞ」
「ほんと?嬉しい♪」
 彼が腰を動かし出すと、私のお腹の中を彼がこつこつとつついて、感じるところを刺激する。
「ん、んぁ♪やん♪」
 私の声に合わせて、蓮太郎はつんつんと私の膣を突っつく。お腹の肉が快感にふるえ、ちゅるちゅると蓮太郎に吹いつく。
「う、うお・・・・・・! 七海、もう出そうだ・・・・・・!」
――ああ、出して、出してぇ♪
 私はきゅう、と一際強くお腹を締めて、腰を一振りする。蓮太郎は声も出せずに、がくがくと腰をふるわせて精液を私のナカに吐き出した。
――甘いよぉ♪おいしいよぉ♪ 
 これまでに食べた、どんな甘味よりも上品で、とろけるような甘み。そう、どんなに上質な砂糖も、どんなに上質な花からとられた蜜で丁寧に作られた蜂蜜でも、これほどにおいしいことはないだろう。
――ああ、こんなにおいしい物があったんだ・・・・・・
 幸福感に目を閉じると、ぽろりと涙がこぼれる。そして、胸の暖かさが全身に広がっていく。すると私の体の中から早く出たいというように押していた尻尾が、ぴょこんと顔を出す。
「ぅあんっ♪」
 気持ちよさに声を上げると、尻尾はずるずると延びていく。それと一緒に、頭の六本の角も延びて、足はヒレに変わり、鱗が青く変わる体を包んでいく。
「あぁぁぁん・・・・・・♪」
 体が変化する心地よさに、私は蓮太郎につながったままイってしまう。蓮太郎はペニスを私から抜くと、私が体を起こすのを手伝って優しく抱きしめてくれる。
「えへへ、どぉ? 私、こんな風になっちゃったんだ♪」
 蓮太郎の胸に顔を擦り付けながら、上目使いで尋ねる。
「うーん、正直人間とはずいぶん違う姿になってるから、ちょっと驚いたけど・・・・・・。でも、うん、素敵だ」
「えへへへへ、嬉しい〜!」
 ベッドの上でぴょんぴょん飛び跳ねると、蓮太郎は苦笑した。
「随分と感情を表に出すようになったんだなあ」
「ふふ、だって女の子にとって素敵って大好きな人に言われることくらい嬉しいこと、無いんだよ?」
 これまでは素直になれなくて言えなかったけど、今なら違う。今なら、伝えたかったことを全て彼に伝えられる。私は小鳥が啄むようなキスを彼の頬に何度もして、すりすりと頭を彼の胸にすりつける。
「蓮太郎、好きだよ♪あなたが世界で一番大好き♪」
「ああ、七海。俺も君を誰よりも愛してる」
――ああ、嬉しい、嬉しいよぉ♪
 彼への気持ちが、押さえられないほど胸からあふれてくる。彼を押し倒して、私の体に溺れさせたい。彼をめちゃめちゃにして、私の体を思う様むさぼってほしい……♪私は体重をかけて、彼を押し倒す。
「七海? どうしたんだ?」
 蓮太郎はじゃれついていると思っているのか、くすりと笑って言う。もちろん、私はそれだけで済ませるつもりはない。ふふ、蓮太郎、あなたが悪いんだよ? あなたが私を愛してるなんて言ったりするから……。
「我慢できなくなっちゃったよぉ♪」
 もともとするつもりもなかったけど、私はそう言ってからおまんこを指で開いて狙いを定め、彼の肉棒をちゅるんと飲み込む。
「う、おぉっ……!」
「あはぁぁん♪」
 私のナカの肉がちゅるちゅると彼に吸い付いて、くにくにと愛撫する。止むことのない快楽に、私も彼もふるふると体を震わせる。
「うふふ、動くよ?」
 彼にそう囁いてから、私は腰を上下させる。ぱちゅん、ぱちゅんと水音が響き、滑りがよくなるにつれて、腰の動きも激しくなる。腰を回すようにくねらせ、彼のペニスに横方向への刺激も加える。それだけでなく、ナカの肉も吸い付かせたり、ちゅぱちゅぱと吸いつかせてから放すという動きを付け加えて、さらに責め立てる。
「あは、蓮太郎。苦しそうだねぇ……♪イきすぎて、辛いねぇ?」
 蓮太郎はがくがくと頷いて、目でもう限界だ、と訴える。でも、ね♪
「うふふふ、もっとも〜っと、絞ってあげる♪蓮太郎が何にも考えられなくなるまで、思いっきりね♪」
 蓮太郎がそんな、と言うように涙を浮かべて見つめる。ああ、蓮太郎、辛いんだね♪心が壊れちゃいそうなんだね♪
 私は彼をぎゅっと抱きしめる。粘液に塗れる私の体は、ぬちゅり、という音と共に彼の体を滑る。媚薬成分のある私の唾を飲み、愛液を逸物に受けている彼の体は、それだけで人間の神経が伝えられる以上の快感を受けて、がくがくと震える。
「いいよ、蓮太郎。壊れちゃえ♪ううん、私が、こ・わ・し・て・あ・げ・る♪」
 耳元で囁いて、膣をぎゅうっと締め、背筋を指で撫であげる。
「ひっぎ・・・・・・♪な、七海、七海ぃ♪」
 ナカで、びゅるびゅるという感触が分かるくらい激しく精液を吹き出して蓮太郎がイく。
「ああぁん、連太郎の熱いのがきてるよぉ♪おいしいよぉ!」
 甘い甘い悦楽に、私も気が遠くなる。
「蓮太郎、だぁいすき・・・・・・♪」
 私は心の底からの愛を囁いて、愛しい彼を胸に抱いて身を横たえた。
* * *
「ん・・・・・・」
 ざん、さああ、という優しい波の音がする。
――あったかい・・・・・・。きもちいい・・・・・・♪
 すん、とにおいを嗅ぐと、潮の香りと一緒に愛しい人の香りがする。
 暖かい手がさふ、と私の頭を撫でてくれる。
「蓮太郎・・・・・・」
 その手の持ち主の彼の名を呼ぶ。
「七海、起きたのかい?」
「うん♪」
 目を開くと、彼が優しく微笑んで私の頬を撫でてくれる。そして彼が膝枕をしてくれていたことに気がつく。
――あったかい・・・・・・♪ずぅっとこのままでいたい・・・・・・
 胸がほかほかとあたたかい。幸せな気持ちに、涙があふれ出す。
「七海?」
 彼が不安そうに言う。ああ、ごめんね、心配させて・・・・・・。
「蓮太郎、私幸せなの。こうして、あなたに甘えることができて、幸せすぎておかしくなっちゃいそうなの。あなたが好きって思うだけで、心がほかほかあったかくなるの。こうして、あなたに触れているだけで、胸が一杯になっちゃうの」
 あふれる思いが、口からこぼれ出す。私は一つ息を整えて、彼に告白する。
「蓮太郎、私はあなたを心から愛しています。どうか、私と永久にいてください。この海で一緒に暮らして、一緒に守ってください」
 彼は受け止めるように一度目を閉じて、口を開く。
「七海、俺も君を愛しています。君を悲しませるもの全てから守ると誓います。君の愛する、この海を守ると誓います」
 私たちはそのまま抱き合って、無言でお互いの気持ちを確かめ合う。
――さあ、結婚式を始めよう。
 私たちが向き直ると、優しく微笑むマナさんが石版に刻まれた祝詞を唱える。
「新郎、美佐島蓮太郎さん。あなたは小月七海さんを、凪の日も嵐の日も守り、いついかなる日にも支えることを誓いますか?」
「はい、誓います」
 彼が力強く宣言する。
「新婦、小月七海さん。あなたは美佐島蓮太郎さんを晴れた日にも雨の日にも包み、いついかなる日にも共にいることを誓いますか?」
「誓います!」
 そう、私は彼の手を離さない。離したくない。どんな時にも、彼と共にいる。
「では、私神官マナが海神ポセイドンの名において、お二人の婚姻を承認します。二人の気持ちに嘘偽りがないなら、誓いの口づけと、愛の儀式を交わしてください」
 私たちはお互いに向かい合う。彼の優しい微笑み、温かい手。この気持ちに嘘偽りなんてあるわけがない。
――蓮太郎。愛しています。ずっと、永久に♪
 私たちは口づけを交わし、そして抱き合った。
11/06/09 23:25更新 / ハルアタマ

■作者メッセージ
久々の投稿は初投稿作品のリメイクとなりました。ちょっとだけ変えるつもりが倍くらいの加筆になったので改めて投稿。
彼女のみの視点になったことで、暴走成分は先のよりも抑えられたような気ががががが。前に出したのとどっちがいいんだろーね。

「空から彼女がやってきた 」の続きも書きたいけど、Dエンジェルさんのとか、Dプリさんのとか、ウシオニさんのとか、書きたいのが確実に増えていくぅぅぅぅ、なハルアタマでした。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33