連載小説
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精と魔力・それによる変化
-精-
人間や魔物以外の様々な種族、特に人間の男性が多く保有する生命エネルギーである。
精は魔物達の魔力と呼ばれるものと非常に似たもので、「魔物の魔力」とはプラスとマイナスの関係にあたり、精がプラスでならば、魔物の魔力はマイナスである。
人間の魔術師の魔力もエルフの魔力も実はこの「精」であるが、精と呼ぶのは魔物のみであり、人間やエルフなど、魔物以外の種族は総じて「魔力」と呼び、「魔物の魔力」とは、あまり区別はされていない。
一部の魔物はこの精を糧としており、性交を通じてこれを得る。
彼女達は精を取り込んだ後、体内で「魔物の魔力」に変換する。
人間の男性は、この「精」を産み出す力を持っており、そのため魔物に精を奪われたとしても死ぬ事は無く、食事や睡眠で精を回復する事ができる。
この、精を産み出す能力を持ち、精を体内に保有しているため、「インキュバス」は魔物ではなく、本質的には人間とされているのである。



-魔物の魔力-
この「魔物の魔力」は人間達の「魔力」=「精」とは別のものであり、精とはプラスとマイナスの関係にあたる。
どちらも一般的には「魔力」と呼ばれ、あまり区別はされていない。
魔物の魔力とは、すべての魔物が体内に保有する生命エネルギーである。
通常の食事により魔物の魔力を作り出すほか、「サキュバス」などは、人間の男性から精を得て、それを変換し魔物の魔力を得る。
この魔物の魔力は精と比べ、魔物達の身体から発散されやすく、この魔力を浴び続けた人間の男性は、寿命が延びたり、性欲が高まったりするという。
また、人間の男性が魔物と交わる際、この魔力は魔物の鱗や角などで男性が傷つかないように保護されるほか、
男性の身体を保護、負担を軽減し、どれだけ激しく交わろうとも、どれだけ精を搾り出そうとも、男性が魔物達との交わりによって命を落とす事はないのである。
濃度の高い魔物の魔力を持つサキュバスによって、身体の中に魔物の魔力を注ぎこまれ、精と魔物の魔力の両方を体内に保有し、大きく性質の変化した人間の男性は「インキュバス」と呼ばれる。
また、この魔力が充満し、変容した土地は「魔界」と呼ばれる。



-魔物化-
人間やその他の種族の女性が魔物へと変化する事である。
「サキュバス」等に代表される能力で、女性に襲い掛かり、魔物へと変えてしまう。
女性も男性と同様、体内に「精」を持つ。だが、女性は男性と異なり、精を自ら作り出す機能が弱く、精を回復する際は自ら作り出すのではなく、周囲から集める事で補おうとする。
サキュバス等に襲われた女性は、「精」を全て奪われた後、入れ替えるように「魔物の魔力」を注ぎ込まれる。精が枯渇した女性の身体は、不足分を補うために精の代わりとしてその魔力を積極的に吸収し、やがて完全な魔物になってしまう。
魔界に長時間滞在した女性が「サキュバス」となってしまうのもこれと同様に、失った「精」の代わりに周囲から「魔物の魔力」を吸収してしまう事が原因である。
「ワーウルフ」や「ラージマウス」等による魔物化は、傷口から魔物の魔力を注ぎ込まれ、それによって溢れた精が追い出される事によって魔物化が起こる。
これらとは異なり、元々精が失われている死体に魔物の魔力が宿って魔物化する「ゾンビ」等のアンデッド型の魔物や、人間に寄生して細胞を変異させ魔物化させる「ローパー」等の魔物も存在する。

魔物化した女性は、基本的に人間であった時の記憶や性格を残すが、価値観や思考は魔物のそれに変貌してしまう。
人間であった時の感情の抑制や性に関する自制などすっかり忘れ、他の魔物と同様に性に奔放になり、気に入った男性に積極的に襲い掛かるようになるだろう。






11/05/25 00:12更新 / 健康クロス
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