読切小説
[TOP]
クァン歴史書『トウタク討つべし』

クァンの首都、ラクヨン。
ここにある宮廷の一室、豪勢な装飾をふんだんに使われた部屋で、一人の美男子が杯に注がれた酒を飲んでいた。
杯を仰ぎ、最後の一滴まで飲んだ彼は杯を机においてふぅと息を吐いた。

「さ、もう一杯どうぞ♥」

「いや、もういいよ『リカク』。あんまり飲みすぎると頭がフラフラする」

その男の横には、胸元が開いて太ももスリットの大きくあいたチャイナドレスで見るだけで男を盛らせてしまうような女性が酌をしようとしていた。そのリカクと呼ばれた女性の頭にはピンと立った三角形の耳と、腰から数本の金色の尻尾が揺れていた。彼女は妖狐であった。

「ダメよぉ。貴方はもっともっとカッコ良く、魅力的になるの。この虜の果実酒をたくさん飲んでね・・・酔っ払っちゃったらぁ、私を襲って覚ませばいいのよぉ♥」

リカクは男にすり寄り、その豊満な胸元に男の頭を引き寄せて男の頭と股間をなで始めた。男は過剰に恥ずかしがることもないが、酒のせいなのか顔は赤らんでいた。

「うぅむ・・・でもそれではまた政をせずに日を明かしてしまいそうだからなぁ・・・」

「やぁん♥一日中可愛がってくれるなんて、だ、い、た、ん♥」

「お前が毎回離してくれないんじゃないか」

その時である。
リカクの耳がぴくんと跳ね、リカクが男から離れた瞬間、その目と鼻の先を高速回転する剣がかすめていった。

「チッ・・・感づかれた」

「・・・ノーコン」

部屋の入口を見ると、投擲フォームでいる黄の毛に黒の縞のある人虎の女と、煌々と燃える両腕を組みながらあきれ顔でため息を吐く火鼠の女がいた。

「ちょっと『カユウ』!!貴女、私を殺す気!?」

「我のいない間に女狐が我が主にいちゃついている様子を思ったら、殺意が湧いたのは認めよう」

「遠回しに殺す気だったって肯定してるわよねぇ!?」

カユウと呼ばれた人虎とリカクが口論を始めた横で、火鼠は男の横に行ってじっと男を見た。

「・・・・・・」

「お帰り、『カクシ』」

「・・・うん」

「報告してくれる?」

「・・・賊が、民とつるんで、魔物娘を売買・・・カユウとそいつらぶっとばして、売り上げ没収・・・囚われてた魔物娘たちは開放して・・・うちの男兵たちとお見合い中・・・あと、売買に関わってた奴らは男女構わず・・・魔物兵に相手させてる・・・」

「そっか、ありがとう。偉い偉い」

男は立ち上がって、自分とほぼ同じ身長のカクシの頭を優しくなでた。するとカクシは、男の手を取り、じっとその目を見つめる。

「・・・もっと、いいご褒美が欲しいぞ」

「・・・例えば?」

「・・・ん」

するとカクシは目をつむり、唇を突き出す。いわゆるキス待ちであった。
男はふっと微笑み、その唇に・・・


「抜けがけするな、女鼠」


そのまさに唇が重なりそうなときに、カユウの拳がカクシの横顔にめり込み、カクシは側転しながら壁に叩きつけられた。ちなみに男は一瞬何が起きたのか理解できず、目をしぱたかせて立っていた。一人吹き飛ばされたカクシは頭を押さえながら立ち上がりカユウを刃物で刺すかのような鋭い目で睨んだ。

「・・・痛い」

「本気の八割ほどで殴ったからな。我だって早く主と閨でくんずほぐれつあっはんうっふんひぎぃはぎぃしたいと言うに抜けがけされてたらそれは怒る。誰だって怒る」

「カユウ、いつも思うんだけど、その言い回しなんなの?」

「主も主だ。長い長い遠征で『あるじにうむ』が切れた我を差し置き鼠と先に始めようなど・・・」

その時、さっきまで男が立っていた場所には誰もいなかった。
バッと三人が部屋の入口を見ると、男を軽々と抱っこした四肢を黒い毛で覆われた熊耳娘、レンシュンマオが部屋を出ようとしていた。

「今日のお仕事がキリついたの〜。だからご主人様ぁ〜、い〜っぱい遊ぼ〜」

「えっと、あの、ちょっと・・・」

「「「『カブンワァァァァァァァァァッ!!!」」」

リカク以下3人が叫ぶと、レンシュンマオが彼女らを見、キョトンとした。

「・・・あれ〜?カユ〜ちゃんとカクシちゃん、帰ってたの〜?」

「我らに気づいてなかったことは置いておき!貴様、主を抱っことかうやらまけしからん!!」

「刹那的に視線外したの見計らって攫ってくんじゃないわよこの泥棒熊!!」

「・・・渡せ・・・さもなくば燃やす」

3人口々に言うと、カブンワは頬をぷっくりと膨らまして男をぎゅっと抱いた。

「やだぁ〜。リカクちゃんに押し付けられた仕事だってやったんだも〜ん。ご主人様は、私と遊ぶの〜」

「ふざけるな!仕事量で言えば賊一団をほぼ一人で鎮圧した我が先だろうが!」

「・・・このバカトラが荒らし回った分と・・・賊と民と捕縛された魔物娘の処理を・・・一手に担ったカクシが・・・先・・・」

「その貴女達を適材適所に派遣したのは私の指示でしょうが!貴女達を含めた日程を組むまで私が相手よ!」

ぎゃんぎゃんと四人が口論を始め、実際に拳を使った喧嘩にもなりそうな仲、カブンワに抱っこされたままの男が手を挙げた。


「・・・4人一緒じゃダメか」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

クァンは『人尊魔卑』の考えの強い国であった。
人尊魔卑とは、人が上に立つべきとし、魔物は人に使役されるべきだとする考えで、国の方針として魔物を低く扱うことが多かった。遠い地から取り寄せた魔を弱める武具を使って捕らえ、まるで奴隷のように扱う風習が強かった。
この4人の魔物娘に囲まれた男、トウタクはそんな環境に生まれながらその風習に疑問を抱いた武家の若き青年であった。
彼は人と魔は共存すべきだと強く思い、自分が主導をとって世を変えるべきだと思った。それ故に、彼は魔物娘を自分の部下として多く登用して働かせ、魔物娘を下に見る『カンガン』と呼ばれていた地位のものを追放し、さらには帝に嫁として自分の娘を献上して魔物娘を良しとさせた。
帝は妻にゾッコンとなり、トウタクに政を放り投げた。そのトウタクの仕事を、部下四人が分担して国を親魔へと導いているのである。

そしてその部下たちへの褒美は・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『ぺちゃ…にちゃ…』

「んあ・・・ん、んぅ・・・」

大きな天井つき寝台に大の字になったトウタクの肉棒を、カクシが舐めていた。自分の唾と先走りでベタベタになったそれを、舌と頬をこすりつけて舐めるものだから、カクシの綺麗な顔も粘液をぶちまけたようになっていた。

『ちゅぱ…ずるっ…』

「ん〜♥んじゅ、じゅるるる♥」

その竿を舐めるカクシの下で、トウタクの玉を口に含んで飴玉のように舐めしゃぶるのはカブンワである。時たま口を開けて舌の上で転がしたと思えば、それの付け根に口も鼻もぴったりつけて口の中でもごもごさせている。

「れるっ・・・カブンワ、もう少し離れろ・・・トウタク兄の、咥えにくい」

「ん〜、わらひらっへ〜こふひんはまのはまはまへ、あほふのひ〜ひそはひひ〜」
(私だって〜ご主人様のタマタマで、遊ぶのに〜忙しい〜)

「あぁら、喧嘩するくらいなら代わりなさいよ。貴女たちより、私ひとりの方が気持ちよくさせられそうだわ」

そういうリカクは、トウタクの右胸に頭を預け、指でトウタクの乳首を、尻尾で腹や右腕をさすって愛撫していた。ただ尻尾でさすられるだけでも、その毛からトウタクには快感が伝わっていた。

『グチャグチャ、ビチャビチャ!』

「ハァッ、アッ、ム・・・ジュルルル、ズゾゾゾ!」

トウタクの左腕はというと、カユウがその腕を自分の胸に挟み込んだ上で、指を音を立てて舐めすすり、自分の手で秘所をかき回して自慰をしていた。先までは凛々しい顔つきだったのだが、よだれを撒き散らしながらトロンとした目で愛しい夫の指を舐める顔から発情しているのは明らかだった。

「・・・うっ!」

四人からの責めを受け、無言で耐えていたトウタクに一度目の限界が訪れる。
それを素早く察知したカクシは、竿を舐めるのをやめいきなり肉棒を口に咥えこんだ。
瞬間、トウタクの腰が跳ね、カクシの喉奥に突き刺さったソレから白濁液が放出される。
いきなり結構な硬度をもったものが喉に突き刺さり、さらにそこから粘性の高い液体が出たら普通はえづくものだが、カクシは両腕をトウタクの腰に回し、目を細め喉を鳴らしてそれを飲んでゆく。

『ビューッ!ビュルルルルッ!』
『ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ!』

「あ〜、カクシちゃん、ずるい〜」

跳ねた衝撃で玉から口を離してしまったカブンワは、指をくわえて羨ましがる。白濁液を飲み干したカクシは音を立てて尿道に残った汁をも吸い上げながら肉棒を口から抜いた。吸い上げたそれを口の中でくちゃりくちゃりとしながら、カクシは幸せそうに微笑んでいる。

「む〜・・・いいもん。私ももらうから〜」

トウタクの少し硬度を失い始めた竿が、今度はカブンワの豊満な乳に挟まれて頭だけ見える状態になった。
カクシの唾でべたついたそれを、カブンワが柔らかく変形する自前の桃のような双乳でしごいてやるとすぐさまガチガチに張り直した。

『むにゅうぅぅぅ♥』

「4人の誰よりも大きな私のお乳、気持ちいいでしょ〜?うふふ〜♥」

マイペースなカブンワの囁きに、カクシがぴたりと咀嚼をやめ、嫉妬じみた視線を向けた。(かく言うカクシも並ほどはあるのだが)
しかし他3人と比べると圧倒的ボリュームと柔軟性、それに加えた張りの良さを持ち合わせたカブンワの巨乳によるパイズリは、トウタクのモノに元気を持たせるどころか、あっという間に第二波を出させる結果となった。

「あ〜、ビクビクしだした〜。うふふ〜♥ご主人様ぁ、た〜くさん出してねぇ♥」

さらにカブンワがパイズリに加えた左右乳のリズミカルな揉みを加え始めたことによりに、トウタクは容易く白濁液を放出してしまった。それはカブンワの顔に当たり、大きな乳の谷間に落ちて白く粘ついた小池を作った。

『ビュルルル…ぼた、ぼたた…』

「あ〜ん、もったいな〜い・・・ん〜♥」

『じゅぞぞぞぞぞぞっ!!』

カブンワは乳を持ち上げてその谷間に溜まったものを、下品な音を立てて吸い上げた。だいたい吸い上げた彼女の胸と口周りには白く粘ついた跡が残った。

「ん〜・・・おいし〜♥」

「・・・うっ、うがぁぁぁぁぁぁっ!!!もう我慢できん!!!」

そのカブンワの様子を見ていたカユウが、カブンワを突き飛ばしてトウタクの腰の上に跨り、トウタクのモノを掴んだ。

「あっ!ちょっとカユウ!次にトウタクの精をもらうのは私の番よ!」

「喧しい!発情に加えて二人の情事を見てこの我が最後まで待てるか!いざ、主のモノをいただく!!」

発情にできる限り耐えたのだろう、形振り構わなくなったカユウはまだ硬さのあるうちに、トウタクのそそり立つそれを自らのワレメにあてがい腰を落とした。ズドンという音がカユウの耳にうちから響き、待ちわびた快楽にカユウは背をそらした。

「あ、あっ・・・♥は、はいったぁ・・・主の、モノぉ・・・♥」

「ひっ、ひどいわぁ!順番が違うわよぉ!トウタク、そうでしょう!?ねぇ!?」

衝撃と快感にピクピクと身を震わせて止まっているカユウを見て、先をこされて泣きそうな声でポカポカとトウタクを叩きながらリカクが抗議する。
するとトウタクはリカクの頭を撫でたあと、自分の方に引き寄せ、その唇を奪った。

「うむっ・・・んんぅ♥」

一瞬驚いたリカクだが、すぐに目を蕩けさせ、進んで舌を絡ませ始める。それと同時に、トウタクが下でありながらもカユウに激しいピストンをお見舞いし始めた。

『パンッ!パンッ!パンッ!』

「ふひぃっ!?あ、あるじっ!?はげひっ、激しいぃぃっ!ちょ、ちょっと待っ、くひぃぃぃっ♥」

カユウが腰に揺られ、四人のうち2番目に大きな乳を大きく揺らしながら喘ぐのを横目に、トウタクはリカクと熱い口づけを交わしながら、形の整った乳をもみ、既に濡れそぼったリカクのワレメに指を突っ込んでかき回し始めた。
下半身はカユウを責め、上半身ではリカクを可愛がっていた。

『ズパン!!ズパン!!ズパン!!』

「ふひぃぃぃっ♥あ、あるひっ、お許しくださっ♥おひぃぃぃっ♥」

『じゅる、じゅるるる…』
『ずぷっずぷっずぷっ!!!』

「ん、んぅぅ♥んぅぅぅ〜♥」

激しさと優しさのそれぞれを虎と狐に与えるうちに、三人の限界が近づく。カユウは雄叫びに近い喘ぎをあげ、リカクは甘えた声で応える。

「おっほぉぉぉぉぉぉっ♥あるじ!イキます!いきまずぅぅぅぅぅぅっ♥♥♥」

「んぅっ、あっ、あぁっ、トウタクぅぅぅ♥♥♥」

『ビュッ、ビューーーッ!!ビュルルルルルーーーッ!!』
『プシッ、プシャァァァァァァッ!!!』

片や肉壺に白濁液を、片や肉壺から潮を吹き出させて絶頂を迎える。共に達したカユウとリカクは、くたりと倒れてしまった。

「・・・トウタク兄ぃ・・・」

「ご主人様〜♥」

その二人と入れ替わるように、今度はカクシとカブンワがトウタクに擦り寄ってきた。二人の目は羨望に輝いており、期待をしているのが見え見えであった。

このあと、二人が絶頂した上で、さらにもう1周全員が満足してから、やっとトウタクは眠りにつくのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

歴史とは、勝者のみが記すことを許される。
これから数年後、別大陸から来た教会軍と手を組んだ民兵にクーデターを起こされたトウタクは4人とともに遠い地へ追放され、教会軍の綴るクァンの歴史書に『暴君』として名を残す。
しかし、それから幾年か経ち、魔王軍が霧の大陸を平定した際に4人の嫁を持つインキュバスが統治権を与えられるのは、また別のお話・・・
15/03/21 02:52更新 / ganota-Ez8

■作者メッセージ
ひっさしぶりのエロSSだぜ!ハッハッハッ!どうなんだろうこれ

久々に三国〇双7やってた時にピキィーンって思いついたネタを書き上げました。勢いって大事。
元ネタを調べる前に読んだ方がいいと思われます。特にトウタクのモデルの董卓。もはやモデルじゃないし。恋姫〇双レベルの改変だし。元ネタ、酒池肉林を地で言うデブキモオッサンだし。使いやすいキャラだけどな。

これからもちょこちょこ頑張れたらいいなぁ

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33