読切小説
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痩せたいんです!
ある朝

ホルスタウロスのハツネは、ふがっ、と中途半端な呼吸のせいで起床した

金色に輝く瞳を半眼に開き、見慣れない天井を見据える

すっぽんぽんの極上ボディを揺らし、むっくり上半身を起こした

見回すと、ちょっと立ち寄った『休憩所』の一室であることを思い出す

(あ、寝ちゃったんだ…)

ふあぁ、とあくびをして、茶色いセミロングヘアーを手櫛でちょいちょいすいてから、傍らに眠る少年を見下ろす

人間の○学生男子である彼…ヒロタカはハツネの交際相手…恋人である

年齢のわりに持ってるモノが素晴らしく、昨晩だって七回戦も…

ムラッ

(思い出したら、えっちしたくなってきちゃった…)

ほんの一ヶ月前まで生娘だった自分はどこへやら

初体験から毎週末、ヒロタカとデートしてはえっちをしている

回数の基準なんて知らないが、多いんじゃないかと自覚してはいる

だが、愛する人との蜜月の心地よさは、一度味わえば半ば中毒になるのは致し方ない

とかなんとか、自分に言い訳して、昨日は八回戦直前に気絶するように寝てしまったヒロタカの体を揺する

「ひー君、起きてー」

ひー君、とはハツネが考えたヒロタカのあだ名である

「朝だよー」

揺する、揺する

しかし、ヒロタカはむにゃむにゃ言うだけで、一向に覚醒する気配はない

これにはハツネも頬を膨らます

と、ヒロタカの股間を見やる

あら、朝の生理現象中

自己主張の強い棒が、布団の下で起立している

これを見逃さぬハツネではない

「…疲れてるみたいだし、ひー君は寝てていいかな」

疲労の要因がなんか言った後、布団をめくった

勃起した男根が現れると、すかさず握った

真横で座ったまま、しごいてやる

熱を持ったそれは、数時間前に激務を終えたとは思えない鉄人ぶりを見せている

ハツネの手は、仕事先の牧場の野良仕事のおかげで少し力が強い

きゅっきゅ、と適度に強く握ったり、緩めたり、と緩急をつけてやると、ぷくぅ、と一回り大きくなった

直後、激しく跳ね上がった男根から、真っ白な液が飛び散る

濃くて粘りけの強い精液は、一本の筋を作るように射出され、さながらうどんのようだ

「ひー君のっていつも同じくらい濃ゆいよね…ぜつりん、ってゆーのかな?」

かもしれない

手にかかった精液を舐めとり、さて次は、と体勢を変える

うんうん唸っているヒロタカのことなどお構いなしに、お尻を彼の頭の方へ向け、口は目標の棒へロックオン

寝起きで四つん這いは苦しいので、下敷きにしているヒロタカに体重を預ける

さあ、二回目の快楽へレッツゴー、という時に

その言葉がヒロタカの口から出た

「重い…」

ぴた

しゃぶろうと思った口が、体が止まった

一時停止

なおもヒロタカはむにゃむにゃ

今のは寝言、寝言なのだ

だから嘘ではないのだ

ハツネは一時停止したまま

ずーん、と落ち込んだ


────────────


その日の夜

ハツネを含む、牧場で働くホルスタウロス達四人がシェアしている一軒家のリビングに、住人全員が集まっていた

各々、ソファーやチェアに座り、中央のテーブルにはおつまみが色々ある

「デブ、って言われたのか?」

年長さんのホルスタウロスが電子タバコをくわえている

「言われてないですぅ…えぐぅ…」

一方のハツネは涙が止まらない

一日で一年分くらい泣いた

「じゃあいーんじゃねーの、ヒロタカボウヤはポチャ専なんだろ」

「そーゆーんじゃなくて、そーゆーんじゃなくてぇぇえうぅぅぅ…」

「泣き止めよ」

年長さんの後頭部に漫画汗が垂れる

「でも、先輩どころじゃなくて、ホルスタウロスは全員お肉が付きやすい体質ですからね」

一番年下の後輩ちゃんがウーロン茶を煽る

「美味しくなるしね〜」

ハツネと同期の子がさらりと恐ろしいことを言う

「カルビとかの話じゃなくて、ほら、テレビでも出てるじゃないですか、ホルスタウロスのグラビアアイドル」

たしかに、魔界との交流が盛んになってから、魔物の芸能…人?も増えてきた

中でも、ホルスタウロスやサキュバスは官能的な肉体をしているとかで、よくモデルさんなど、テレビや雑誌に出る仕事をしている

「あぁいう子だって、バスト大きいけど、ウエスト60以下はないですよ、ヒップだってバストとイコールくらいですし」

「うぐうぅぅぅ…」

「だから泣き止めってんのに」

どうやらホントにそーゆーんじゃないらしい

詳しく聞いてみると

「あのですね、ひっく、あのですね、ホテル出た後、牧場に行くバスのバス停に行く前に行ったご飯屋さんに行ったらぁ…」

「あ、ごめん、待って待って、わかんない、どこ行ったって?」

「バス乗る前にご飯食べに行ったそうです」


────────────


件の発言で気を落としていたハツネさん

心配したヒロタカは、きっとお腹が空いているんだ(決して馬鹿にしてるわけではなく、交際相手の性格や単純さ、あるいはバカ度をよく理解している、ということ)と感じ取り、モーニング割引のある喫茶店に誘った

レトロで味のある外観、そしてそれを裏切らない内装に少し調子を盛り返したハツネは、席に着く前からメニューを開いていた

注文を終え(ヒロタカ約400円、ハツネ約1000円)、話題は天井付近にあるテレビから流れる情報番組に

ヒロタカは身をねじる形で見ている

「今日は一日中晴れるみたいですね」

「うん、草が美味しくなりそう…」

今日、これからやる作業のことを考えると、就業前に満足感が得られそうだ

(牛さんのエサに、馬さんの放牧、豚さん小屋のお掃除…あ、お掃除は同期ちゃんの番だったかな)

とかなんとか思っていると

『ここからはエンタメ情報をお届けします!まず○○スポーツの一面記事…』

「えんため?」

理解できていないハツネに説明するため、ヒロタカは顔だけを彼女に向けた

「芸能ニュースですよ」

「げいのう…」

「…えーと、テレビに出るタレントさん関連の…」

「た、たれ…」

ヒロタカは説明を諦めた

(だってよくわかんないんだもん)

ぷぅ、とハツネは膨れっ面

またテレビの方に顔を戻した彼の視線を辿ると、アナウンサーが、ボードに貼られた新聞を棒で指したりしている

あるいは、テロップ付きのVTRが流れて、より情報に信憑さが増す

今は、魔物のラミアの女の子のグラビア写真集が発売されるとかで、イベントが開かれたとのことだ

「あ、この人綺麗ですよね」

唐突に、ヒロタカがそんなことを言った

「えっ!…う、うん、そうだね、ほっそりしてるし…」

蛇の部分はべらぼうに重いのだが、股関節から上は人間と変わらず、魅力的と言えば魅力的…らしい、同じ魔物のハツネにはいまひとつピンとこないが

それより、少し動揺してしまった

ヒロタカが他の女性を褒めたからだろうか

(い、いけないいけない!私の方が年上なんだから!ヤキモチなんてみっともないよ!)

頭をぶんぶん振り、煩悩を退散させようとする

幸い、ヒロタカの視界に入ってないので、変な目で見られるなんてことはない

店員からは視線を感じるが

しかし!

「僕、この人けっこう好きなんです」

「んなにゃっ…!」

変な声が漏れた

「トーク番組とかでも面白いし、飾りっけがないし、自然体な所が…」

「そそそそ、そう?あっ、でもね!ラミアって変温だから、体温が低い朝は弱いんだよ!」

「へぇ、そうなんですか、ラミアの知り合いがいるんですね」

「えっ!…い、いや、魔物なら常識っていうか…」

「あ、そうですよね、学校では他の魔物もいたでしょうし…そっかそっか…」

ヒロタカは何かを納得し、頷いていた

一方

ハツネの顔は変だった

喜怒哀楽が全部入ったっぽい顔なので、子供がテキトーに書きなぐったみたいな、そんな画である

そして、そんなハツネにヒロタカのとどめの一発が

「そうそう、この人の話ですけど、見てわかる通りすごい細身で、憧れますよね」

「……………………………え」

「?…あ、えーと、体が細くって、憧れてて…」

ヒロタカは何かを勘違いしていた

「………………………………細い…」

カタカタカタ、と震えながら、右手で服越しに自分のお腹の辺りを摘まんだ

ぶに

「!!!!!!!!!」

肉まんを掴んだみたいな感触

お餅のようにむにょりと伸びた皮と肉

顎がカチカチ言う

「それから、何ていうんでしょうか、身近な感じ…あれ、ハツネさん、どうしたんですか?」

ここでようやく、ヒロタカが異変に気づいた

全身が青ざめて、まるで悪魔っ娘のようなハツネに、急に心配になる

「だ、大丈夫です…か?」

具合が悪くなったのだろうか、と、席を立ち、ハツネの背中を撫でる

「………………店員さん」

割りとはっきりした、ドスの効いた声でハツネは店員を呼んだ

ただならぬ雰囲気に、店員の女の子も即座に来た

「…私のお料理…全部キャンセルで…」

「えっ、ハツネさ…」

「その代わり!精進料理をください!」

「どど、どうしたんですかハツネさん!」

ヒロタカは相当びっくりしたようで、どもってしまった

「大丈夫ー!大丈夫だよー!私は大丈夫ー!ひー君は食べて!いっぱい食べて!大きくなれないよ!」

あははははは!と、端から見ればヤバイ人と化した彼女に戸惑い、ヒロタカはご飯をまったく食べれなかった


──────────────


「…………え、笑っていいの?これ」

年長さんの目が点になっていた

「笑いどころですよ、笑ってあげましょう」

後輩が見当ちがいのアドバイスをする

「そうか、あは、あははは…」

苦笑

「ひどいですよぅ、真剣に話したのに…」

真剣に聞こえなかったんですからしょうがない

「つっても、肉減らしたいならダイエットしかないだろ、運動も食事も制限してだな…」

それがハツネにさらなるダメージを与えたんだかどーだか、テーブルに突っ伏し、わっと泣き出してしまった

「もうイヤぁ!こんなお肉、焼肉屋さんに卸したいくらいだよぉ!」

「いや、引き取ってくんないだろ」

ホルスタウロスのぜい肉

たしかに引き取りにくい

「あらぁ、それなら私がぁ…」

前掛けとフォーク、ナイフを完備した同期ちゃんを見て、さすがにギョッとする

「や、やだなぁ、同期ちゃん、冗談…冗……談…あれ?冗談だよね…私も同期ちゃんも…あれ?なんか言ってくれない?なんか言ってよぉぉぉ!」

ジリジリ近づいてくる同期ちゃんから全力で逃げようとする

と、のんびり屋な種族性を持つと言われているホルスタウロスらしからぬ俊敏な動きを見せたのだ

目を丸くした後輩ちゃんが、同期ちゃんを抑えにいく

「そういえば、先輩って運動神経良いですよね」

「あぁ、放牧の牛を牛舎に戻すのもこいつが追ってるし」

ということは

「ダイエットには十分な運動してんのにその体じゃあ…しぼるんなら相当ハードなダイエットしなきゃだよな」

年長さんの指摘に、ガーン、となるハツネ

脳裏に断食をしているガリガリの仏教徒の姿がよぎる

「そ、そんな…ひー君の憧れボディになりたいのに、ダイエットしたくない…これがジレンマ…!」

ずいぶん弱いジレンマですね

「でも、細い体が好きなんでしょ、ひー君さん」

「ん、最後輩の言う通り、そのままじゃ愛想尽かされてもおかしくない…」

「それだけは死んでもイヤです」

即レス

やいのやいのと言ってても、やっぱり痩せなきゃの意思の方が強い様子

「あ、それならぁ…」

と、フォーク、ナイフを置いた同期ちゃんが閃いた

奇行はあるものの、策士たる同期ちゃんの案は一見の価値がある

光明を見出だしたハツネは、さっき逃げ出したのもどこへやら、かぶりつくように前屈みになる

「激しい運動をするしかないわよねぇ」

その後、ごにょごにょごにょ、とハツネに耳打ちする

ハツネはギョッとして同期ちゃんと視線を合わせた

同期ちゃんは話を終え、小首を傾げながら、にこ、と微笑んだ

いつものタレ目がもっと垂れた


────────────


翌々日

お昼過ぎに、ヒロタカはハツネに呼び出されて児童公園に来ていた

送られてきたメールには

『動きやすいカッコで来てね』

とあったので、学校のジャージを着てきたのだが…

深緑をベースに、右胸に白いラインが三本、左胸には校章がある

ズボンは際立った特徴はなく、左の股関節の辺りに校章がある程度だ

「お待たせ〜」

てとてと、とハツネがやってきた

ぴっちりしたタンクトップに、ぴっちりしたスポーツパンツ

サングラスまで掛けて、見た目はいっぱしの市民ランナー

「こんにちは、…どうしたんですか、急に?」

挨拶もそこそこに、当然湧いていた疑問をぶつける

「え?い、いや、今度の市民マラソンに出ようかな?なーんて…」

質問の対応準備をしていなかったため、適当な理由をつけた

しかし、特に考えなしだったので

「来週ですよ?今からやったって、『完走に意義がある』くらいじゃ…」

こういうお粗末なミスをする

「い、いいの!優勝狙ってるわけじゃないし…、さ、行こ行こ!」

強引に追及を逃れ、走り出すハツネ

その走り方は、牧場の草地に慣れた、お世辞にもきれいじゃないフォーム

「…『出ることに意義がある』…かな」

認識を改めたヒロタカであった

などと、少し馬鹿にしてしまったが、さすが力仕事をこなすだけあって、スタミナは上々

一時間走ったが、ヒロタカの方が先にへばってしまった

「大丈夫?ひー君?」

息は荒くなっているものの、まだまだ余裕があるようだ

「す、少し休んでいいですか?」

○学生と大人の違いはあれど、男の自分がリタイアなど、たいへん恥ずかしい

「うん、いいよ」

おそらく、特に気にしていないハツネは快く頷いた

道路にベンチはないので、建物の塀に背を預ける

その目前にハツネが、ほっほっ、と変な声を出しながら足踏みしている

…実は、休みたいと言ったのは疲れたから、だけではない

ちら、とハツネの上半身を見る

どこで見つけたんだか、かなり大きいスポーツブラを着けたにも関わらず、その巨乳は、走る際の足踏みの上下動によって、たよりなくぷるんぷるんと揺れている

視界の端でそんな光景があるのに気づいてから20分間、股間が元気になったままだった

「ひー君、元気になった?」

「はい、まあ…いえ、そうでもないかも…」

走れるか、という質問だったのに、思わず股間の報告をしてしまった

「…じゃあ今日はもうやめにする?」

「えっ」

急に?と面食らい、ポカンとする

ちょっと棒読みだったのが気になるが

「だってひー君疲れちゃったみたいだし、無理させるのもなぁ…って」

「そんな!それじゃ申し訳ないですよ!」

いくら一日目とはいえ、頑張ろうとしている恋人に迷惑はかけたくない

すっくと立ち、大丈夫アピールをする

「うーん…、あっ、そういえばこの辺、うちのシェアハウスの近くだー」

また棒読み

「え?あ、ああ、そうですね…」

電柱の番地を見て、以前お邪魔した時のことを思い出す

「せっかくだから、休んでいきなよー」

すごい棒読みだ、犬が四足で歩いてもつまづくほど棒だ

「男子禁制じゃないんですか?…い、いいならいいですが」

「いいのー、いくのー」

胡散臭さ100%

だが、へろへろなのは事実である、水を飲ませてもらうくらいはいいだろう

シェアハウスに着くと、ハツネが鍵を開ける

自分とヒロタカが入ると、さっさと鍵をかけてしまう

実家から離れて暮らす女性の性というやつだろうか

くる、とヒロタカに向き直ったハツネはニコニコしていた

「さっ、シャワー浴びよ?」

「帰ります」

ハツネの脇をすり抜け、ドアのロックを解除…

「あーあーあー、えーえーえー!なんで!?何が悪かったかな?」

慌てて鍵をかけ直し、ハツネはドアにへばりつくようにして、ヒロタカの行く手を阻む

「…………棒読みの理由はそれだったんですか」

ジト、と呆れた目で見つめられ、びくぅ!となる

「い、いいいいや!?そんなことは…」

動揺しまくり

事実上の自白を聞いて、ため息をつかれた

背も向けられ、視線は当然外れる

「………体を求めてくれるのは嬉しいですけど、何もこんな遠回りなことしなくても…」

いや、そう言ってくれるのはいいのだが、それでは『意味があまりない』

「…ひー君」

うつむいて、名を呼ぶ

「はい?」

こちらを向かないまま、リアクションをした

好機

「ごめんなさい!」

ゴッ!とヒロタカの首の後ろに手刀が入る

「ふぐっ!」

一発でヒロタカの意識を奪った

膝を折って、ドサリと前のめりに倒れた

うつ伏せから仰向けにひっくり返し、彼の胸に耳を当てる

「…よし、生きてる」

ちょっと恐いことを言った

ひょい、とヒロタカを持ち上げ(魔物は力持ちなのだ)、風呂場に連れていく

なんだか殺人事件のようだ

そして自分も彼もすっぽんぽんにし、ゴートゥバス

まずは、汗を洗い流す

ヒロタカを床に寝かせ、自分はその傍らに膝立ち、上半身を起こす

起こした体はハツネの左膝で支え、右手にシャワーノズルを持つ

髪の毛もぐっしょり濡れているが、後で洗ってやるとしよう

ちゃぱちゃぱ、とシャワーを当てて、滝のような汗を、自分も一緒に洗う

「よーし…」

これで準備万端

何故か脱がす前からビンビンだった男根を握り、しごき始める

「んっ…」

気絶していながらも、短く嬌声を上げるヒロタカは、堪える意志が無いからか、瞬く間にイッてしまった

びゅるびゅると発射された精液は、リクライニングシートに座っているような体勢の彼の胸に掛かった

「またこんなに…ひー君ってひとりえっちしないのかな?」

ハツネの頭にどうでもいい疑問が湧く

まあとにもかくにも、まだまだヒロタカの息子さんは遊び足りない様子、剛直はなおもそびえ立っている

それに答えるべく、ヒロタカの上半身を寝かせ、彼の下半身の上に仁王立ちする

そして、ゆっくり腰を降ろし、途中で男根を握って、こっそり買ったローションを塗りたくり、方向を操作して

一気に挿入した

「うっく…ぅぅぅん!」

ちょっと滑らかに入り過ぎたため、男根は容易に最奥へとたどり着いた

自分がある程度操作したのだが、不意打ちとも言える挿入に、ハツネも簡単に絶頂してしまった

「はぁっ…はぁっ…う、動かないと…ひぅっ!?」

びゅるっ…びゅるっ…

まったく動かないまま、挿入からやや間を開けて射精された

またしても不意打ち

ピストン運動をしようと持ち上げかけた腰が、足から力が抜けたために落ちてしまった

「やっ…あぁ…動かないと…動かないとぉ…」

必死に腰を上下しようとするが、力ない足腰、性行為中のふやけた頭と体では、ゆっくりのたのた、と微塵も勢いが感じられない

だが、ヒロタカの男根は硬さを保ち、そろそろと行ったり来たりする

「ひゃあぁ…ひー君の…ガチガチだよぉ…」

自分の膣内で感じてくれている

それを理解した頃、腰は大きく動き、自分に食い込んでいる肉欲の塊を奥へ奥へと引きずり込もうとする

かと思えば、カリ首ギリギリまで引き抜き、再び子宮口と鈴口を口づけさせるほど挿入する

幾度となく繰り返していると、太ももの付け根が微かに悲鳴を上げた

筋肉が脳に反乱を起こしかけている

それもそのはずか

ヒロタカにまったく動いてもらわずに、ピストンをしたことなど無い

抜けないように気を遣いながら、体を上下させる

スクワットの要領で、だ

「ふっ…ふっ…イッちゃう…イッちゃうよぉ…」

どうあっても去来する快楽に耐えられず、幾度となく軽い絶頂を繰り返していたが、また激しい絶頂を迎えられる

そう思うと、体は止まらない

ストロークを大きくし、快楽を増幅すると、瞬く間に体に電流のようなものが走った

同時に、男根も、ちぎらんばかりに締め付ける…

どびゅるっ!びゅるるるぅ!

「ひきゃあぁぁぁ!だめっ!ひーきゅん!つづけてイッちゃう!イッちゃうよぉぉぉぉ…!」

直後、ハツネの体が反り、横になっているヒロタカとの直角90度を越える

しばらく絶頂の余韻に浸っていたが、目的を思い出し、はっと体を持ち直す

そして、ヒロタカと目が合った

「…あ」

「…ハツネさん、何をしてるんですか?」

下半身はまだぬっぷり繋がっているのだが、ヒロタカには余裕があるようだ

「あ、えっと…これは…その…」

どうやって説明したものか、と目が泳ぐ

ヒロタカは怒っているようだった

「いきなり人を叩い…殴る?して、本当に痛かったんですからね」

「き、気絶してなかったの?」

「してました、たった今、気持ちよくて目が覚めたんです」

まっ!理想的な起床だこと!

「というより、謝るより先に、気絶してなかったの?とは…ハツネさんは僕をサンドバッグか何かだと?」

「あっ!いやいやいやいや!ご、ごめんねごめんね!痛かった?」

「だから痛かったと…もうその件はいいです、何故こんなことを?」

ハツネの膣がシオシオと緩んでいく

「…えー…」

「話してくれないならいいです、ハツネさんのこと、少し嫌いになっちゃいますから」

!!!と、頭の上に真っ赤なエクスクラメーションマークが飛び出る

「や、やだやだ!これ以上嫌いにならないでぇ!」

早くも涙目で、わぁん、と泣いてヒロタカの頭に抱きつく

ハツネの方が背が高いので、胸が口を塞いでいる

それを手でのけつつ、訝る

「これ以上、って何のことですか」

「ふえ?」

腫れやすいのか、目許がもう真っ赤である

「だ、だって…ひー君はスリムな女の子が好きみたいだし…、私お肉があるし…ひー君のタイプじゃないのに、嫌いになられちゃあぁぁぁぁうぅぅぅぅぅ…」

喉から泣いてしまった

びえぇぇぇ…、と涙と鼻水がいっぺんに出て、ハツネの顔はぐしゃぐしゃに

もう目の前が見えなくて、ぼんやりしてて…

「何か勘違いしてないですか?」

ヒロタカの拍子抜けな声が聞こえた

「…?」

くすん、とちょっと泣き止み、不安そうな上目遣いでヒロタカを見据える

「僕は別に、細身の女性が好きだとかではないですよ、むしろハツネさんのような肉付きの女性の方が、母性的で好きです」

「ふえ?…だって、この前ラミアの女の子のこと…」

テレビのことを覚えていたらしく、ヒロタカも合点がいったようだ

「芸能人の好き嫌いですよ?恋愛の話じゃありません」

「えっ」

「そもそも、交際している女性が目の前にいるのに、他人のことを異性として好き、とか言いますか?」

「…あ」

ハツネも理解してきた

ふぅ、とヒロタカのため息が胸にかかる

「…で、その勘違いがどうしてこういうことに?」

こういうこと=えっち

「…運動」

「……………………え」

「ダイエットのための運動…」

「さっき走ったじゃないですか」

あれは運動ではないとでも

ハツネは首を左右に振る

「お友達がね、えっちは激しい運動だから、きっと痩せるって…」

同期ちゃんの話の続きには、えっちがあったのだ

「はあ…」

「ひー君にお願いするのもなんだか変だし、ダイエットのこと知られたくなかったし…つい延髄切りを」

恐ろしい、つい、である

「…事情は全て飲み込めました」

あら、急に名探偵みたいな言い方

そして、瞳がキランと光った

「おしおきをさせてもらいます…」

「えっ!おしおき!?」

びくぅ!と体を持ち上げたハツネの膣から、ヒロタカの男根が、ぬぽん、と抜けた

中に出された精液が、開栓されて溢れだした

「当たり前です、理由は関係ありませんが、ハツネさんは暴力を振るいました」

そうですね、大人が○学生に延髄切りをしました

「よって、ハツネさんは有罪…」

ヒロタカの顔が陰を帯びてて恐い

ガタガタ震えるハツネに、刑の執行が!

「四つん這いになってください」

「…え」

よつんばい?

わけがわからないながらも、もそもそと四つん這いになる

「お尻をこちらに向けてください」

「う、うん…」

これから何が起こるのかドキドキしながらも、丸出しの下半身を彼氏に見せている

興奮して、股間がさっきよりぐっしょり濡れてくる

「ね、ねぇ、ひー君、どうするの?」

期待が高まり、訊いてみるが

ヒロタカの返事はない

「あ、あれ?ひー…」

振り返りかけて

ぬぶ

「くぅんっ!?」

膣内に異物が侵入した

いや、異物と言うほど未確認なものではない

短期間の内に何度も何度も出たり入ったりしたもの

「お、おちんちん…!?」

今までは騎乗位しかしてこなかったので、上下の別はあるが間違いなく、愛しい人の肉棒である

ぴくぴくと震えている

「は、はい…後ろから…入れたかっ…くっ…」

びゅっ!

「ひあぁっ!」

挿入していくばくもしない内の射精に、体が悦ぶ

「あっ…く…ハツネさ…締め付けすぎ…」

ヒロタカの息遣いが膣内の窮屈感を物語っている

だが、ハツネには、もうとっくに余裕がない

「やあぁぁっ!これっ!これぇっ!ウシさんみたいぃっ!きもちいいよぉ!」

まだ動いてもいない、挿入しているだけなのに、絶頂に達し続けている

「ひゅごい!これひゅごい!おちんちんがひゅごいとこあたってるぅ!ごりごりしてるっ!りゃめぇ!イッちゃうぅぅ!」

びくんっ!と痙攣し、明らかに強く絶頂している

手で握られているように強力に締め付けられるも、ヒロタカの肉棒はなんとか堪えた

「はぁっ!はぁっ!ハツネさん!動いていいですか!?」

懇願するが、動けばどうなるかくらい、容易に想像ができる

一方のハツネは、もう考えてる暇はなかった

「うんっ!いいよぉ!うごいてぇ!もっときもちよくしてぇっ!」

もはや拒む理由もない

ヒロタカの腰がゆっくり動き始める

快感は既にあるので、後はすぐ果ててしまわないようにするだけ

長い一突きの間に、何回絶頂したか、ハツネにはわからない

ただ一つだけ…

(こ、こんなの、すぱーとかけられたらぁ…どうなっちゃうのぉ…)

少しだけ不安だった

どこか後戻り出来ない所に行ってしまうんじゃないかと…

そんな考えは、予想通り掛けられたスパートに掻き消された

ヒロタカの我慢が限界を迎えたのだ

ゆっくりだったピストンが、スピードを付けていく

体勢が崩れそうだったのか、ヒロタカはハツネの背中に倒れた

落ちそうになった体を、胴に回した手で支える

と、ピストン運動がしやすくなった

支えができたため、腰が半ば独立したのだ

もちろん、肉棒がハツネの体をいじめやすくなった、ということだが

「やっ!あっ!あんっ!んっ!ふぅんっ!」

高速の出し入れに、もう堪えるなど不要、受け入れるだけだ

「うあぁぁぁっ!出ますっ!ハツネさんっ!」

言葉通り、棒が一回り膨らんだ

ギチギチに締め付けていた膣内も、射精を促す運動をする

「うんっ!うんっ!ウシさんみたいにえっちしてるわたしにぃっ!いっぱいらひてぇっ!」

言うや否や

膣内で精液が爆発したように飛び出した

どびゅるるるっ!どびゅうぅぅぅぅ!

それまでの射精が偽物だったかのような、超大量の精液

子宮まで飛び込んだそれらは、容積いっぱいに満ち、少し許容を超え、柔らかい壁を押し広げた

「あ…あ…いっぱい…おなか…ふくらんでる…」

だらしない顔で、舌を垂らし、さらに精液も股間から垂らしながら、液体でたぷんたぷんになったお腹を撫でた



─────────────



風呂場で、二人は仲良くノックダウンしていた

「腰が…痛い…」

ハツネは四つん這いが崩れた形で、息も絶え絶え

「同感…です…」

一方のヒロタカは、彼女と真逆に、仰向けに倒れていた

「十回戦までやったのは…さすがに無謀だったかな…」

つい、気持ちよすぎてやってしまった

「…ハツネさん、お腹…すごいことになってますよ…」

ほとんど中に出したので、ヒロタカの絶倫が力を発揮、ハツネのお腹は、いや子宮は、完全に精液に沈んでいた

「うん…だからこうすると…ひゃっ」

ぐ、と膨らんだお腹を床に押し付けると、押し出された精液が、まるで射精のように噴き出した

「…あるんですね…こんなこと」

「ひー君がすごいからいけないの」

そんなこと言われても、である

動けない二人は、横になったまま、回復を待つ

「…ね、ひー君」

「はい?」

こちらを向いてはいないから、ひどく聞き取りづらいが、呼ばれたことはわかった

「…ダイエットした方がいい?」

今更の話である

「しなくていいです、ハツネさんは、今のままでも充分魅力的ですよ」

「…ホント?」

不安だからか、聞き直された

しかし、ヒロタカは嫌がらずに言ってくれた

「はい、本当ですし…大好きですよ、ハツネさん」

大好き

大好きだそうだ

大好きときたもんだ

「え、えっへへへへ…だ、大好きだなんて、そんな…」

あ、調子に乗った

「と言っても、健康的に生活しないとだめですよ」

はーい、と返事をしたハツネだが、なんだか嫌な感じがする

少なくとも、初めて会ったときよりは肉がついている

生活にやや問題があるかもしれない

あまり信じたくない第六感が働いた


──────────


一週間後、マラソン大会当日

「なんで私、マラソンやってるの」

ハツネはぶつくさ言いながら走っていた

本気でやるはずのなかった大会にエントリーしてあった…

本気で嫌だ

かなり前にアフリカの選手が先に行った

ぜはー、ぜはー、と35キロ地点を通過するハツネ

「頑張ってくださーい」

沿道でヒロタカが自転車に乗って、メガホンを手に応援している

「おしおきは終わってなかったんですからねー」

「あ、やっぱり」

薄々感づいていたが、ヒロタカのおしおきはハードだった

それがちょっと快感なのはまずいだろうか

(走っているのもなんだか興奮するけど、大丈夫かな…)

ヒロタカのバックで、危ない一面を花開いたハツネであった
13/05/27 10:47更新 / フルジフォン

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