読切小説
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因果応報
ざっ……ざっ……
荒れ果てた神社に一人の男が竹箒を手に落ち葉を集める音が聞こえる。
かつてこの神社は稲荷神を祀っており五穀豊穣、商売繁盛を齎すと言われていたため、多くの農家や商人が御利益を求めて参拝に訪れていた。だがしかし、この神社の現状を見るに今やその面影は無い。
祀っていた稲荷神様が何を思ったか神主である一人の男とその妻とともに姿を隠した為だ。
今までは禰宜様達が毎日欠かさず掃除をしていたために落ち葉や蜘蛛の巣、埃の類などは一つもなく多くの人が訪れる集会の場となっていた。しかし今では境内に植えられた樹が葉を落とし、参道に立ち並ぶ鳥居には蜘蛛の巣が張られ、お狐様の像には埃が積もり、人気が無くなった社は生気を失ったためかあちらこちらが壊れ始めてしまった様子が見受けられる。
無論しばらくの間は氏子たちが神主達の帰りの為に毎日のように掃除に励んでいた。その頃は祭神がいないにもかかわらず全盛期のように美しい出で立ちを見せ、人が本当に住んでいるかのような活気があった。

だが1年が経ち2年の終わりが訪れ3年の月日が流れ、光陰は矢の如く過ぎ去り気付けばもう干支が一回りしていた。そして、年月を経るごとに一人、また一人とこの神社から離れて行きついに残ったのはただ一人。齢二十五程にでもなるだろう掃き掃除をしている男だけが今でも祭神の帰りを待ち続け、田圃の手入れの合間を縫って訪れている。
されど人々に忘れ去られた社は一人では到底掃除しきれる広さではない。掃かれた場所には新たな落ち葉が積もってゆく。
その光景を見て諦めてしまったのだろう 深く肩を落としながら溜息を吐いて一旦集めた落ち葉を嚢に入れ竹箒を社の下へ片づけている。

そして時間が来たのだろうか男はそのまま社に柏手を打ち、背を翻して鳥居をくぐり抜けはじめる。
本来ならばこのまま手入れをしに田圃へ向かうのだろう、がこの日は違った。鳥居の合間、小さな祠のほうから女児の声が聞こえたためである。
普段はだれも近寄ることのない神社、そこで聞きなれない音を耳にした男は一端立ち止まり、何かを考えるしぐさをした後、里に女児を連れ返すために鳥居の隙間を抜けて祠へ向かってゆく。



「おーい。誰かいるのかー?いるなら親御さんも心配しているだろうし一緒に帰るぞー」

祠の周囲に男の声が響く。だが返事は無い。あるのは風が木の葉を揺する音と男の声の残響だけだ。……もしかしたら面白がって隠れているのかもしれない。そう考えた男は

「出てこないと置いてくぞー」
「早くしないと先に帰るよー」
「隠れてるならお兄さんの負けだから早く出てこーい」

等と大声を出しながら周囲の藪をかき分け、祠の裏へ回り、声の正体を探し続けている。
しかしいくら探せども先ほどの声の主は姿を見せず、男の農作業着が泥や葉っぱで汚れ、時間が進むだけであった。

「聞き違えたかなぁ?」

探しても意味がないと思ったためか「先程の声は何だったのか?」と首をかしげブツブツと独り言を呟きながらも、また鳥居のほうへ向かってゆく。その途中、男はふと空を見上げ太陽の位置を確認する。……空に輝く太陽の位置を見るに昼時だろうか?まっすぐ帰っていれば当に田圃へ着いている時間である。その事に気付いたらしい男は慌てて走り始めた。

だが、祠と立ち並ぶ鳥居の中間あたり、先ほどの場所から五十尺ほど進んだあたりでぶつかられたのか背後から腰のあたりにトスッと衝撃が走る。
予想外の事に慌てて男が飛び退き後ろへ振り返るとそこには男の記憶の中に佇む稲荷伸様をそのまま幼くしたような顔の狐の妖、尻尾の形に揺れる炎に青白い肌、そして体が宙に浮いている事から狐火だろう妖は頬を上気させ男をじっと見つめていた。
そして妖は目線が合ったことを確認し右手と左手の指を影絵にすると狐になる形で固定、顎の辺りまで手首を上げると

「コン♪」

一鳴きした。
童女らしい愛らしさを見せつけられた男は警戒心を緩めてしまい、そのまま笑って「コン」と返した。狐火はその返事に満足したのか口が笑みの形になって頷き、次の言葉を繋げる。

「お兄さん、私を気持ちよくして♥」

普通の妖の子供だと油断しきっていたか、記憶の中の稲荷神様の面影と重ねてしまったか、いきなり衝撃的な事を言われ動揺してしまったのだろう。その場で硬直してしまった男へと強気な笑みに快楽に蕩けた目を浮かべながらふよふよと漂い近付いてくる。そして残り三尺を切ったところでまた一言

「ねぇ、私のはしたないオマンコが精を欲しがってグチャグチャのドロドロになってるの♥はやくここにお兄さんのオチンポ捻じ込んでぇ♥ ♥」

そう言うなり先ほどまでは狐火のぼんやりと輪郭しか見えなかった裸体がくっきりと見えるようになり、自らの薄い胸と恥部を捏ねまわしながら息を荒げ嬌声を上げ始める。

「あ、ここいい♥ん、ぁ♥」

まだ慣れていなかったためだろうか?最初はただ擦っていただけのようなものからだんだんと自分自身の弱い場所を少しずつ少しずつ発見しそこを重点的に刺激するように、かつ目の前で痴態を見ている男を雄にするための扇情的な動きに変ってゆく。

「ねぇ♥見てるだけ……クォン♥、じゃなくて触ってよぉ♥」

そして我慢が出来なくなったのかだらしなく惚けた顔で媚びるような声を上げ、見せつけるように股を開き、年相応のぴったりと閉じた陰唇を両手で広げ男を誘う姿が年不相応に乱れる。開かれた陰唇の内部からは発情しているためか白く濁った液体が滴り落ち、雄を発情させるほどに濃い雌の匂いを放っている、が

「っ!!」

男は突如狐火に背を向け走り去ろうとした。しかし狐火は一瞥してすぐに後ろで揺れていた炎のような尻尾を振って男の体を絡め取り、逃げられないように押さえつける。
そしてまたふよふよと近づき、はぁはぁとこれから起こるであろうことに興奮して息を荒げ唾液を垂らす口を開き狐火は男の耳元でこう、囁いた。

「逃げちゃ駄目だよぉ♥そんな人にはぁ♥こうしちゃう♥ ♥」

瞬間、何本もの尻尾の形をした妖力が男の体を貫き、その場所から妖気の炎が全身に広がって男を雄に変えてゆく。下腹部にある陰茎が隆起し男の頭に桃色の霧がかかる。もはや男の頭には目の前の雌を孕ませる事だけしかないのだろう。眼は血走り、押さえつけられているにもかかわらずかくかくと小刻みに腰が動かそうとしている。

「あは♥やっぱりお兄さん、私の事を気持ちよくさせたいんだね♥ ♥いいよ♥そんな邪魔なもの捨てていっぱいちょうだい♥」

そう言うなり妖は雄の下半身にある邪魔なものを尾で破り捨て、露出させた。空気に晒された雄は頂点から汁をこぼし雌をよこせと脈打つ。そんな姿を見た狐火はより興奮を深くし、馬乗りになって雄の位置に雌を合わせた。そして

「たくさん気持ちよくしてね♥ぁ、♥ひぁっ♥ ♥っっっ♥ ♥」
「うっぐぉぉ!」

腰を勢いよく落とす。
人外の身、それも年端もいかぬ少女の膣を勢いよく貫いた雄は人ではありえないだろう絞まり方をする女陰により悶絶の声を上げる。一方の雌も自身の身を大きく広げられる快楽に酔い、生れてからずっと精がほしいとシクシクと悲しくて泣き続けていた子袋が今度は精を食べられると知り歓喜の涙を流しはじめる。

「ふあぁぁぁぁぁぁ♥ ♥これいぃ♥」

入れただけなのに自分で慰めていた時とは段違いである悦楽の大波が幾度も繰り返し狐火を襲う。初めて自身の指以外のものを受け入れ、狭い膣壁を太いものがこじ開け、子袋を押し上げられる被虐的な快楽を知った雌の目からは涙がこぼれる。絶頂の感覚からかこれまでは強気に笑っていた顔が快楽で蕩けた笑みに変わり、淫らに開かれた口からはダラダラと涎を垂らし続けている。だがこのままお預けは嫌だとまた泣き出した子袋を鎮めようとしたのか無意識に腰を上げ、降ろす。

「ひぁああ♥ ♥これ、すごい♥腰動かしておまんこごしごしするのきもちいいよぉ♥♥おにーさんも腰動かしてぇ♥ ♥ ♥」

自分自身の尾で男の体を完全に貫き、縛り付けている事を忘れてしまっているのか、下敷きになったままうめき声を上げ続ける男に腰を動かすように催促をする。狐火は急かしている間も手を男の胸に置き、快楽をむさぼるように激しく上下運動を繰り返す。
激しく擦れる膣は淫汁を撒き散らしながらも少しずつ、狐火自身も気づかないうちに男の肉棒から精を貪り、快楽を受け取る為だけに特化した雄専用の器官へと変化してゆく。

「あっ♥いい、こことってもいい♥ ♥」

専用となりつつある膣はもっともっと気持ちよくなれますようにと一番裏筋が擦れる場所へとコリッとしたものを浮きあげさせた。今まで他の膣壁と同程度にしか感じなかった場所に突然ジクジクと疼き続ける器官が出現しさらに狐火を性の悦楽へと熱中させていく。
浮き彫りになったいぼいぼは子袋の命令により一度、また一度と往復するたびにうねうねと雄に絡みつくように形を変化させてゆき、自身の感度を上げる。

「あ、ひ♥ああああああ♥ ♥」

浮きあがった突起物を刺激するため上下運動からのの字を書くように腰をくねらせていると偶然淫核と男の陰毛とが擦れて派手に嬌声を上げる。

「これきもひいぃ♥ ♥もっと♥もっとこしゅるぅ♥ ♥」

すっかり淫核の鋭い刺激にはまってしまったのだろう。先ほどの快楽の電流を再現する為に右手で淫核を刺激しながらも気持ちいい事の頂点を目指して腰を振り続け、一度動くたびに軽く気をやる。そのたびに膣は激しくうごめき気持ち良くしてくれる男の味を覚えながら一歩、また一歩と深い絶頂へと歩み続ける。しかしたまったものでは無いのは下敷きになっている男のほうか。未だに貫通しているように見える炎からは際限なく妖力が送り込まれ、蠢くたびに陰茎へはすさまじい快楽が走っているのだ。そして狐火が何十回目の絶頂かキュッと締め付けた所で

「う、ぐあああああああ!!!」
「ひゃあああああああん♥ ♥ ♥」

派手に決壊した。今まで初めて味わう雄の快楽に流されきった男はぷっつりと糸が切れ得たかのように力が抜けて気絶する。また、初めて味わう精に狐火も今までの絶頂全てを足しても足りないほどの深い絶頂を味わい、クテンと男のほうへ倒れた。その拍子に拘束していた尻尾が緩み、貫いた部分が抜けてゆく。



「あ、ふぅぁあ♥…ぁんっ♥ ♥」

繋がり続けている雄が気絶しているにも拘らず突如ピクリと跳ね余韻に浸る狐火に刺激を与えた。

今でこれだけ気持ちいいならこれからお兄さんに躾し続けられたら一体わたしどうなっちゃうんだろう♥

目の前のぐったりした男の事をぼんやりとした頭で考えているうちに今度は胸の辺りが温まってくる。

「ん♥これなにぃ♥ ♥」

だがそれは気持ち悪い熱さでは無い。むしろ春の日差しのように暖かな熱ではあるが気になって仕方ないのだろう。
原因を調べる為に靄のかかった頭で今したい事を考え始めた。

この男にもっと気持ちよくしてもらいたい。♥
もっともっとと疼く子袋に精を飲ませてもらいたい。♥

少しずつ、取り込んだ精が全身に行き渡ってゆき、思考を繰り返す度にだんだんと頭の中の霧が晴れ、胸の熱が大きくなる。
先ほどの狂うほどに激しい女陰の疼きは目の前の雄でだいぶ楽になった。ならばこの雄と触れ合えば胸の疼きもとれるはず。そう思い尻尾を使って男の体を浮き上がらせ抱きつく。

「あ♥ひあぁ♥ ♥」

しかし狐火の予想に反し胸の疼きは抱きつく前よりも激しく強くなってゆく。だが貪り尽したくなるような疼きでは無い。むしろ与え合いたくなるような……そう考えふと男の顔を見ると釣られて少しずつ、疼きだした唇が私も気持ち良くなりたいと自己主張を始める。

これ重ねるともっと気持ちよくなれるのかな…♥

「ん…ちゅ♥んん…ん、ふぁ♥ ♥」

思いついたことを試すために唇と唇を近付け、くっつけた。すると胸で燻っていた火が一気に燃え上がり、取り込んだ精とともに一気に全身へと広がる。全身に回りきった精は頭をすっきりとさせて狐火は新しく芽生えた感情を悟らせ始めている。

私だけじゃなくてこの男ともっと気持ち良くなりたい♥この男を今度は私が気持ち良くしたい♥
 未だに精をむさぼろうと強烈に締め付け蠢く膣が、男とともに気持ち良くなる為にやさしく抱きしめ愛を紡ぎ合う動き方に変わる。

このおとこだけのものになりたい♥ ♥
 繋がっている男専用になりかけだった膣がヒダを増しやさしく舐めまわし始める。また、子袋の位置も奥まで飲み込むことのできなかった浅い位置から奥まで突いた時に当たる位置へと移動し、より専用へと近付いてゆく。

このひととずっと一緒にいたい♥
 胸の暖かな炎と子袋の業火のような炎、独立していた二つの炎が複雑に絡み合って互いを吸収しあうように大きな炎として一つになり目の前の男が愛おしくて、欲しくてたまらなくなる。

このまま触れ合っていたい♥
 男と触れ合っている部分が弱火のように小さく熱を放ち、抱きついているだけでどんどん全身が気持ち良くなっていく。

この人が愛しい♥この人と幸せになりたい♥ ♥

そう自覚した瞬間狐火を構成していた欲情に燃える炎は愛情と愛欲の炎へと昇華し、狐火の全身を焼き焦がす。
だがもう炎を鎮めようとは考えていないのだろう。淫蕩な笑みとはまた違う太陽のような満天の笑みを浮かべた狐火は気絶している男へと全身をすりつけこの男は自分のものだと匂いを染み込ませている。
擦りつけるたびに青白い肌が暖かく幸せになってゆき、自分は運命の人と巡り合えたと口付をすると体全体が幸せになってしまう。

「お兄さんが起きたらちゃんと挨拶しなきゃ♥」

最愛の人が目を覚まし、先ほどの一方だけが精を欲し気持ち良くなるための乱暴な動きとは違った性交。これからもうすぐ間違いなく訪れるであろう二人で愛を深め、互いを気持ち良くする交尾を想像して初々しく赤面する。順番は逆になってしまったが初恋に目覚め恋をした相手と愛し合う日々、砂糖菓子のように甘いのに太陽のように永遠に続く蜜月を脳裏に浮かべさらに自身を構成する炎が勢いを増してゆく。

「……お兄さん、起きてくれないかなぁ。早く愛し合いたいなぁ♪」

きっとこの狐火は気絶している男と今よりも深い底なしの幸せを毎日毎日更新し続けるだろう。男もまた注ぎ込まれた狐火の妖力がようやく馴染んだ事により夫の覚醒を待つ妻だけが愛しく思え、妻だけと幸せで気持ちのいい毎日を送ることのできる体に変わっているのだから。
12/02/01 17:39更新 / ごーれむさん

■作者メッセージ
稲荷神様へ恩返しをしていたら愛しくて愛しくてたまらない嫁ができたようです。

流石御稲荷様。縁結びパワーぱねぇ。

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