読切小説
[TOP]
大百足な彼女
「……」


ゴゴゴ…


なんて威圧感でしょう。僕、佐竹アザカ(さたけ あざか)は雑誌が一冊置いてある丸テーブルの前に正座してます。


「あっくん、これはなんですか?」


問いかけるは、新卒二年目の僕より二つ年上の恋人、間内恵麻(まない えま)さん。腰まである薄い紫色の髪、今は力強いが普段は少し弱々しい目元、整った口と鼻、惚れた贔屓目を差し引いてもとても綺麗です。


「えーっと…その〜」


そんな彼女、恵麻さんは人間ではありません。
頭には二本の、これまた紫色の触覚、首もとには先端から少し液体で濡れている百足の顎肢がはえています。


そう、恵麻さんは大百足という魔物娘の種族。現代において、魔物娘と人間はかなり友好的ですが、そんな中の例外である大百足は牛鬼と並ぶくらいの恐怖の対象になります。


と、言うことで、恵麻さんの下半身は人間なら本来あるべき二本の足はなく、その代わりに大きな百足となっています。
それが原因か、稀に知り合いなどから脅されてつき合っているのではないかなどと心配されることもあるのですが僕は恵麻さんが心から大好きです。


「あっくん、何故黙ってるんですか?何か言いたいことはないんですか?」


ちなみにあっくんとは僕、アザカのことです。


「いや〜、そのですね…これは単なるマンガ雑誌であって、決して恵麻さんが考えてるようなことには使うものではないというか…」


そうだそうだと目の前の話に意識を戻します。
今僕は一冊のマンガ雑誌を理由に大好きな女性とは言え、やはり怒ると怖い大百足に説教をされています。
まぁ、ただの少年週刊誌であり、いたって普通のものなのです…。
が、問題はその巻頭についている「グラビア」でした。
高校生くらいの人間の女の子と、それよりは少し大人びているぬれおなごという種族の魔物娘の二人が水着を着てそれぞれポーズを決めているものです。
これといって18禁的要素は強くなく、男性にとっても軽い目の保養程度のもの。
しかし、魔物娘、特に大百足などの嫉妬深い種族にはそれすらも妬みの対象になってしまいます。


「この際、この本は捨てると言うことで大目に見ます。しかし、それでもなお大きな問題が残ります」


「はぁ、と言いますと?」


そういって僕が返すと恵麻さんは一層まじめな顔をして言いました。 


「人間のほうですか?それとも、このぬれおなごのほうですか?」


……?
首を傾げているのはもちろん僕です。恵麻さんの言いたいことがいまいちよく理解できません。 


「それはどういう意味ですか?」 
 

「…はぁ。あっくん!こちらは真面目なお話をしているのです。茶化さないでください。人間とぬれおなご、どちらの水着姿に引かれて買ってしまったのですか?」 

…やっぱりよく分からなかった。


「そういうのはありませんよ?」


昔よく読んでいた雑誌で、なんとなくコンビニに行ったついでに購入したものである。グラビアなんて全く眼中になかった。
 


「そんなはずありません!やっぱり、ビキニですか?確かに殿方はビキニと聞けばそれだけでオカズになると聞いたことがあります」


なりません。


「でもでも、変態さんなあっくんのことですからこっちの濡れおなごの着物型のものが…」


「え、恵麻さ〜ん。僕の話も聞いていただきたいのですが…」


「いや、確かに私はビキニなんて似合うくらいの胸はありませんし、和服が似合うくらいの上品さも持ち合わせていません。でもでも、こんなことが…よりにもよって両方とも私が着れないもののグラビアなんて…陰謀!?陰謀なの?いったい誰が…私とあっくんの仲を引き裂く人…ブツブツ」
 


…っと、このように他人よりもほんの少し嫉妬深くヤキモチ焼きな彼女は一回自分の世界に入ると簡単には戻ってきません。こうなると、分岐点はあるのですが結局同じ結末を迎えるのです。


「あの〜…」


「あっくんは誰にも!!誰にも渡しません!!!」


やはり。僕を誰にも渡さないという信念から興奮気味に丸テーブルをバンバン叩きます。さらに百足の部分が激しく動いているわけで。これはマズい。


「恵麻さん落ち着いて!」


僕がそう言ったときはすでにおそ過ぎました。勢いよくテーブルを超えて恵麻さんが僕の元へとやって来ました。


「のわっ!」


「ふふふ…犯人はすでに分かりました。始末するのは後にして今はあっくんを私色に戻すのが何よりも先決です。」


喋りながら僕の体をぐるぐる巻きにする。百足の最後の部分の顎肢がチキチキと音を立てている。
始末とか不穏な言葉が聞こえてきましたね。
これは聞き逃せません。僕も訴えかけようとします。


「ちょ、ちょっと待って!」


「待てません!あっくんがこれで何回オナニーしたかは分かりませんが、その分汚れてしまっているということです!!そんなこと…耐えられるはずもありません!今すぐ私色に染めてあげます!」


これから行うことを想像し既に恍惚の表情の浮かべている恵麻さん。


ズブッ


鈍い音とともに顎肢が僕に突き刺さります。ドクドクと媚薬成分たっぷりの大百足の毒が注入されるのが分かります。こうなったらもうダメ。
別にセックスをするのは構いません。恵麻さんは僕を好いてくれてのことですし、僕も恵麻さんが大好きです。でも、そんな僕も譲れない部分はあります。


「恵麻さん!聞いてください!僕はその本で自慰をしたこともなければ恵麻さんと出会ってから恵麻さん以外で射精したことはありません!これだけは分かっていてください!」


大百足の強力な神経毒に意識朦朧としながら最後の力を振り絞って僕は訴えます。


「…本当ですか…?」


悲しそうな顔をする僕の恋人。結局、配慮の足りなかった僕が招いたことです。大百足の恵麻さんと付き合うと決めたときに嫉妬をさせない意識でいたのに…。凄く申し訳なくなりました。
淫毒が体に回るのを感じつつ、なるべく穏やかに声を出します。


「もちろん!本当です。知ってますよね?毒が回りきったときの僕を?」


そう、この毒は僕をおかしくします。おかしくと言っても悪い意味ではありません。ただ…少し恥ずかしい言動を起こさせます。
「あっく…」と恵麻さんが声を出しかけますが…




「お姉ちゃん!!!」




驚かれましたか?
何故かはよく分かっていないのですが僕は大百足の毒を受けると幼児化、そして姉萌えになってしまうのです。
原因不明であるとヴァンパイアのお医者さんからも言われました。
そう言えばあの時も大変だったなぁ。
例のごとくその医者に、いやヴァンパイアに恵麻さんの嫉妬心が発動して大変でした。そんなわけで意識はしっかりあるのですが自分のコントロールができません。というか、毎回心が緩んで恵麻さんに甘えたくなってしまうのは事実です。


「お姉ちゃ〜ん。」


顔を恵麻さんの胸に押し付けつつ左右にうりうりと揺らして擦り付けます。こんなの普通の女性相手ならドン引き必至ですね。
だがしかしbut!
僕の最高に可愛い恋人は大百足です。



「あっく〜んお姉ちゃんが良いの〜?しょうがないなぁ〜よしよし♪」


そう言いつつ、満面の笑みでギュッと抱きしめてくれるのが優しい恵麻さんです!
正直、この状態の僕の方が恵麻さんとは性行為の時はうまく行くのかもしれません。


「おっぱい〜、お姉ちゃん早くぅ〜。」


「はいはい、あっくん甘えん坊さんねぇ」


二人ともノリノリですね。実際普段の僕も相当甘え気質なのでうれしい反面なにやら複雑な感情を抱きます。


「はぁい、いっぱい飲んでね〜。」


「わ〜い」


何の躊躇いもなくダイブしました。しかし、この柔らかさ、匂い、ほんのり甘い味が僕をダメにしていきます。
ここで注記!僕はマザコンではありません。


シスコンです!!!!


はい、すみません。


「んはっ、はぁ〜Hな弟を思っておねぇちゃん嬉しぃよぉ」


「僕もおねぇちゃん大好き〜」 


これは本心ですが、にしても若干モラルに欠けます。
近親相○はいけないことです!


「はぁ、んぁはぁはぁ、そんなにお姉ちゃんのおっぱい好きなのぉ?」


「うんうん違うよ」


幼児僕がフルフルと首を横に振ります。


「えっ?」


少し疑問を浮かべた顔でおね…恵麻さんが悲しそうな顔をします。
頭の触覚がシュンと垂れてしまっています。


「僕は〜お姉ちゃんが好きなんだよ〜
おっぱいも好きだけどお姉ちゃんのだからだよ〜」


「あっくん!!」


一気に機嫌が戻ったようです。今まで以上におっぱいを顔に押しつけてきます。
百足の部分がチキチキと世話しなく動いています。こんなわかりやすい恵麻さんが僕は大好きです。


「お姉ちゃん、そろそろ僕の破裂しそう…」


「うん、お腹にあっくんのカチカチのオチ×ポくっついてるよ」


恵麻さんがその白魚のような指で僕のアソコの先をなでてきます。そしてゆっくりと我慢汁を竿部分に塗って自らの膣にあてがいました。


「あっくん、おねだりは?」


妖艶な顔で問いかけられたら無視は不可能です。


「僕は大好きなお姉ちゃんのオマ×コでイきたいので僕のオチン×ンお姉ちゃんのオマ×コにいれてくださぁい」


ズブッとお姉ちゃんの秘部に僕の肉棒が埋まっていきます。ちなみに秘部…恵麻さんの性器は人間の部分、下腹部と百足の部分との間に存在します。


「んはぁ、あっくんのオチ×ポお姉ちゃんのオマ×コにピッタリはまっちゃってるよ〜」


「お姉ちゃんの中いつもより暖かいよぉ」


ぎゅっと締め付けてくる感覚、この感覚があるので僕も恵麻とのセックスを拒否するとこはできません。


「んはぁ、はぁ、あっくん激しっ」


「お、お姉ちゃん、ん、きもちぃ、腰止まらないぃ」


「気持ちぃ?あっくん気持ちい?お姉ちゃんのこと好き?」


「大好きぃ〜〜、はぁ、はぁそろそろ出ちゃいそう、お姉ちゃん膣内で、中出だして良い?」


「きてぇ、お姉ちゃんをあっくん色に染めてぇ!はぁぁぁぁあ!!」


ドクドクと恵麻さんの中に僕の精子が注がれていきます。恵麻は僕の背中に手を回しキツく抱きついて子宮で精子を受け止めます。


「はぁぁ、お姉ちゃんに、お姉ちゃんに全部頂戴、お姉ちゃんにあっくんの全部頂戴」


ここで僕も幼児から戻ります。特殊な反応を起こす分、通常大百足の毒が切れるのは10倍早いらしいです。


「はぁはぁ…く、はぁ、え、恵麻さん」


「な、何ですか?」


息を整えながら僕は恵麻さんと向かい合います。


「マンガ雑誌で誤解を生んでごめん、愛しています。これからも僕と一緒にいてくれますか?」


「はぁ、私も愛しています、アザカ君♪」


呼び方も姉弟から元に戻り、いつもの柔らかい笑顔で僕の顔を撫でてくれる恵麻さん。その笑顔は僕の何にも変えられない宝物です。


…その後、僕はアザカのまま恵麻さんと二回戦に入りその夜だけで七発やりました。お察しの通り、僕は恵麻さんとセックスを重ねており、インキュバス化していることから絶倫となっています。
翌日、日曜日のお昼…


「あっく〜ん!!」


合い鍵で家のドアを開けながら、機嫌のいい恵麻さんの声が聞こえます。


「は〜い…うわっ!どうしたんですかその格好!」


恵麻さんはワンピース型の水着をきていました。


「これでしょ!あっくんの好み!これしかないのよ!なぜなら…」


と、ワンピース水着になったときの理論を語っています。 
そして、百足の部分がチキチキといつもの音をならしています。 
どうやら、またやる気…いや、ヤる気満々の恵麻さんが暴走を始めそうです。
ということで、今回はここくらいにしておこうと思います。


「あっくん!…大好き!!!」


がばっと恵麻さんが勢いよく抱きついてきます。 


「僕も…僕も大好きです!」


17/07/26 19:53更新 / J DER

■作者メッセージ
料理屋の方で納得できるのもが出来ず三本没にしてしまい、現実逃避として書きました。
元々現実逃避でSSを書いてたのに、それの現実逃避とは人間は愚か極まりないですね。

大百足は数多いる魔物娘の中でも一番好きな娘です!
これを書いてるときは幸せ一杯でした。(なお現実)
下らない余談はここまでとして。


最後にここまで読んでくださった方々に御礼を申し上げ皆様の余暇のお供になれる事を願いましてー。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33