連載小説
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超常の輪舞曲
「お兄さ〜ん、到着したよ〜?」

貨物と一緒の部屋で寝ていると、船員の一人が僕に目的地についたことを教えてくれた。

「ああ、ありがとうございます」
「おはようさん。旅客用の部屋が空いてなかったとはいえ、貨物の場所で寝かせてすまなかったな。あまり良く眠れなかったろう?」
「いえ、十分眠れましたよ。それに謝ることはないですよ。僕が無理を言って乗せてもらってるんですから」
「そう言ってもらえると助かるよ」

それじゃ、俺は仕事に戻るよ。
そう言って、船員はどこかに行く。
仕事中だったのに起こしてくれたのか……
すまないことをさせてしまったな……
申し訳なく思いながらも、僕は部屋を出て、船の甲板に移動する。
甲板に到着すると、更に淵の手すりの方へ近づき、少し強めの日差しを浴びながら、船の進行方向を見る。
雲ひとつない青い空に空よりは少し濃い青をした海、その先に、一つの街が見える。
とりあえず、到着したら市場にでも行ってみようかな。
この街で、何が起こるとも知らず、その時僕は呑気にもそんなことを考えていたのだった。
第一楽句〜邂逅は自然な流れで〜11/06/03 21:17
第二楽句〜彼女の“家”は騒がしく、明るく、そして暖かく〜12/04/28 00:36
第三楽句〜初日は驚きと笑みと、そして少量の影を〜11/06/16 22:12
第四楽句〜朝とサバトと、おつかいと少女と〜11/07/08 22:29
第五楽句〜楽しい時間は早く過ぎ去り、そして彼女が現れる〜11/07/13 19:24
第六楽句〜訪問者は彼にとってのなんなのか〜11/08/09 21:31
第七楽句〜夜は暗く静かに過ぎてゆく〜12/08/21 22:41
第八楽章〜なぜ彼の者は追われるのか〜11/12/20 21:15
第九楽句〜優しく、残酷な力〜12/02/03 22:02
第十楽句〜それぞれの示す選択肢〜12/04/19 11:06
第十一楽句〜選択と助力、そして希望〜12/08/21 22:47
第十二楽句〜つかの間の休息〜12/06/07 18:15
第十三楽句〜超常の輪舞曲〜12/08/21 22:51
最終楽句〜奏者と魔女と聖女の関係〜12/08/21 23:18

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