読切小説
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あたし達に明日はない?
 俺は、夜の街を彷徨っている。金をふんだくる獲物を見つけるためだ。
 こう言うと、俺の事を遊ぶ金欲しさにカツアゲするDQNだと思う人もいるだろう。そんな気楽な立場だと良かったのだが、残念ながら食い物を買う金と寝る場所を借りる金を手に入れるためだ。
 まあ、俺の人生は終わってしまったようなものだ。せいぜい暴れてやろうと思っている。「俺たちに明日はない」と言う昔の映画があるが、今の俺の立場はそんなものだ。

 事の起こりは、父が母の顔をフライパンでぶん殴った事だ。その日、父と母はいつも通り罵り合っていた。仕事から帰ってきた母が、酒を飲んでいる父を罵った事でケンカが始まった。ろくに稼げないくせにビールを飲むなと父を罵ったのだ。そのとき父が飲んでいたのは「第三のビール」だったが、それはともかく父は母に怒鳴り返してケンカになった。その挙句、父は母の顔をフライパンで殴ったのだ。
 母の顔は元からひしゃげているが、だからと言ってフライパンで殴る事はやり過ぎだろう。立派なドメスティック・バイオレンスだ。母は、警察を呼ぶと喚き散らしていた。
 もっとも父は、警察が来る前に俺達が住んでいる市営住宅から出て行った。それきり、父は行方不明だ。ここから母と子の生活が始まるかと思えば、母は俺を捨てて出て行ってしまった。俺は、十七歳にして親の保護を失った訳だ。
 その後、俺は親戚に相談しようとしたが、親戚は話をろくに聞かずに電話を切った。俺の存在は、親戚にとっては迷惑だという訳だろう。次に、青少年問題に取り組んでいるNPOに相談した。こちらは真面目に応対してくれて、俺の親戚と話し合ったり施設への入所手続きを試みてくれた。
 このままいけば穏当に済んだかもしれないが、俺は問題を起こした。強盗と傷害をやらかしたのだ。

 俺が犯罪者として歩き始めた第一歩は、本屋での出来事からだ。俺は馬鹿の癖に本を読む事が好きであり、その日も本屋に寄っていた。そこで態度の悪い初老の夫婦と出会ったのだ。本屋の中だと言うのに大声で話し、アルバイトの店員に横柄な態度を取っていた。身なりは良さそうだが尊大なジジババ夫婦に、最低賃金ギリギリしかもらっていない若いアルバイト店員は謝り続けていた。
 俺は、素知らぬ顔でその夫婦の側によって様子を窺った。そのジジババは、保守を自称する「オピニオン誌」を手に取ってレジへ向った。これは素晴らしい光景である。愛国者の老夫婦は、「甘やかされてだらしない」若者を懲らしめて下さったわけだ。これは若者の一人として、一つ挨拶をしなくてはならない。
 俺は、老夫婦を追って店の外へ出た。時間は夜であり、外はわずかな照明だけで暗い。俺は、暗闇に紛れて夫婦の跡をつけた。老夫婦は、駐車場に止まっている良さそうな車に乗り込もうとしていた。愛国者にふさわしい豊かな生活をしているらしい。
 俺は、普段持ち歩いている特殊警棒をカバンから取り出し、夫君を後ろから殴った。夫君は喚き声を上げると、俺につかみかかって来る。さすが愛国者、勇敢である。俺は、敬意を表して一切手加減する事無く御老人の頭と顔を特殊警棒で繰り返し殴った。愛国者も年には勝てないのだろう、血の泡を吹いて地面に倒れた。
 細君の方を窺うと、喚き散らしながら逃げていくところだ。俺の暴行を見ていた通りすがりの者もいたが、彼もただ見ているだけだ。情けない事に、この老愛国者を助ける者はいないらしい。
 俺は、倒れている御老人のポケットを探った所、革製の立派な財布が出て来た。俺はありがたく頂戴した。愛国者たる者が貧しい若者に恵んでやっても、八百万の神は罰を当てないだろう。その場を去って、離れた物陰で財布を見ると五万円もあった。俺は感謝しながら金を抜き取り、財布をドブ川に放り込んだ。
 そのまま、俺は夜行列車に乗り込んだ。犯罪者としてあての無い旅へと出たわけだ。さすがに俺の面倒を見てくれたNPOには悪いと思い、一時下車したところでお礼と謝罪の手紙を出した。それ以外には俺が気にする人もいなかったので、俺は悠々と旅を続ける事にした。

 さて、そろそろ俺が出会ったキチガイ魔物女の話をしよう。あの魔物娘のせいで、ただでさえおかしな方向へ向っていた俺の人生は、修正不可能なほど暴走、迷走したのだ。
 逃亡後の俺は、人を後ろから殴って金を奪いながら旅を続けた。ナイフも持っていたが、幸い使わずに済んだ。「幸い」などと言うと俺の事を偽善者呼ばわりする奴もいるかもしれないが、俺だって人殺しは避けたい。殴り倒して金を奪う事が出来れば、俺には十分なのだ。
 奴と会った日は、いつものように獲物を探していた。時間は夜であり、襲撃には適した時間だ。俺は、歩きながら話している二人の中年女に目を付けて、後を付け始めた。
 その二人は、会話から察するにバブル女の成れの果てらしい。昔は派手に遊んで男に貢がせていたそうだ。だが、今は遊ぶ事も少なくなり、男も貢いでくれないらしい。その中年女達が言うには、男が女に貢ぐ事は当たり前らしい。それなのに今の男は甲斐性無しばかりで、男として存在価値が無いらしい。
 俺はふと疑問に思った。この女達のような者を物乞いと言うのではないだろうか?だが、この女達はやけに偉そうだ。物乞いと言ったら失礼かもしれない、御乞食様と言うべきだろう。
 この御乞食様達は、若いころ着たフランス製の服や、若いころ食べたフランス料理の話を始めた。俺とは縁のない、何とも優雅な話である。俺は、この御乞食様から金を恵んでもらう事にした。そうしている内に、二人は三叉路で分かれた。
 俺は、話の主導権を握っていたうるさい女の方を選んだ。うるさい奴を暴力で黙らせる事は美徳だからだ。俺は、女の履いているハイヒールを見ながら跡を付けた。人をつけるには、靴を見ながらつける事が基本らしい。俺は人通りのない所に入った所で、その女の頭を特殊警棒で殴った。女はギャーギャー喚いたが、繰り返し殴っている内に黙り込んだ。結構な事だ、うるさい女が沈黙する事は美徳だ。女の悲鳴を聞いて一人の中年男が覗きに来たが、速やかに立ち去った。俺を恐れたと言うよりは、この女を救う価値が無いと判断したのだろう。何せうるさい中年女だ、まともな男だったら救ったりしないだろう。
 俺は女から金を奪おうと屈み込むと、嗅ぎなれた悪臭に襲われた。その女は、殴られたショックで糞を漏らしたのだ。バブル女の成れの果てをクソメス豚呼ばわりする者がいるが、この女はまさにクソメス豚だ。いや、女性に対して失礼過ぎる呼び方だな、御糞御雌豚女史とお呼びしよう。日本語としておかしい気がするが、気にしてはいけない。何せ俺は、「学ぶ気力を失った現代の若者」なのだ。正しい日本語など求めてはいけない。
 俺は、御糞御雌豚女史から金を戴く為にハンドバックを漁った。ブランド物らしき財布の中にあったのは、千円札五枚だ。この女が豊かだったのは昔の事らしい。分不相応なブランド物を着ているために、貧乏暮らしをしているようだ。あるいは男が自分に貢ぐ事が当然だと思っているから、金を持ち歩かない事にしているのだろうか?いずれにしても俺にとっては不愉快な事だ。金を奪った後、俺は特殊警棒を握り直した。この御糞御雌豚女史にお仕置きしなければ気が済まない。
 その瞬間に、俺は頭に衝撃を受けた。誰かに頭を殴られたらしい。俺は、注意を払っていたにもかかわらず気配を感じ取る事が出来なかった。意識を失う瞬間に見た物は、炎のような物と黒い犬のような物だ。

 気が付いた所は、どこかの廃屋らしかった。持ち主が放置している空き家が問題になっているが、その類らしい。埃の溜まっている床の上にクッションが置かれ、俺はその上に寝かされていた。俺の体には毛布が掛けられている。
 俺は体を動かしたが、上手く動かせなかった。どうやらロープのような物で手を縛られているらしい。
「気が付いたようだな」
 低い女の声がした。声の方を見ると、闇の中に光る二つの赤い炎が見えた。気を失う瞬間に見た、あの炎だ。炎の方から声がしたのだ。炎は、ただの炎と違い意志を持つかのような存在感が有る。
「何を怯えている?」
 笑いを含んだ低い声が掛けられた。やはり炎の方から聞こえる。
 俺は、自分を落ち着かせようと努力しながらも、怯える事を抑える事が出来ない。正体不明の者に、こうして拘束されて見下ろされているのだ。しかも不気味な炎を伴って。
「灯りは無いが、あたしの炎で回りは見えるだろ」
 その女の言う通り、次第に相手の姿が分かってきた。人間の女の体と獣の体の混じり合った姿をしていた。顔は人間の女と似ているが、犬のような耳が頭についている。手足は人間というより大型の狼の様であり、体中に濃い獣毛が生えている。尻を見ると、巨大な犬のような尾が付いている。これらを見れば、女が人間では無い事が分かる。だが、最も女を人間離れさせているのは目だ。炎を思わせる赤い光を放つ目は、人間の物であるはずが無い。焼き尽くすような赤い目は、瞬きもせずに俺を見つめていた。
 女は低く笑うと、俺に近寄って来た。俺に伸し掛かって、炎の眼で俺を覗き込む。
「さて、これからどうするか分かるか?」
 俺は何も答えない。
「拉致、監禁の次は、凌辱、調教と相場は決まっているだろ。言って置くが叫んでも無駄だ。この辺は空き家ばかりだ。この辺を通る奴は、空き家で何が起こっても見て見ぬふりをするのさ」
 女は、俺に覆いかぶさって来た。

 魔物女は、俺の服をはだけ始めた。ジャケット、セーター、シャツをはだけて、俺の胸や腹をむき出しにする。魔物女は俺の胸に顔を埋めようとしたが、顔に移動して俺の唇に吸い付いた。唇を吸い込むような激しい吸い付き方だ。
「まずはキスをしないとつまらねえ」
 魔物女は、俺の顔の臭いを嗅ぎながら舐め回す。発情した犬の様に、俺の頬を、首筋を、耳を舐め回す。魔物女の熱い息が、顔に吹き付けられる。魔物女からは濃厚な肉体の匂いがしてきて、俺を包む。
 魔物女は、顔を下に移して俺の胸を舐め回す。胸板を犬がじゃれる様に舐め、乳首を舌で弾く様に舐る。顔を左に移し、俺の腋に鼻を付けて臭いを嗅いだ。
「きつい臭いがする。嗅いでいるとマンコが濡れてくるぞ」
 魔物女は、舌を広げたり丸めたりして俺の腋を執拗に舐め回す。くすぐったさに身をよじってしまうが、魔物女は俺を抑え付けながら舌を腋に這わせ続ける。腋から横腹へと舌を這わせていき、くすぐる様に舐め回す。身をよじる俺を楽しそうに抑えながら、腹を舌と手でくすぐり続ける。
 魔物の女は、ついに股間に顔を寄せた。ジーンズとトランクスを、舌なめずりしながら引き下ろす。俺のチンポに顔をすり付け、鼻を押し付けて臭いを嗅ぐ。
「臭いチンポだ、ちゃんと洗っているのか?食っちまいたくなる臭いだ」
 魔物女は、俺のチンポに舌を這わせ始めた。唾液のたっぷり乗った肉厚の舌で、俺のチンポの亀頭を、くびれを、裏筋を舐めていく。鼻で竿を擦りながら、袋を口の中に含んで金玉を舐め回す。俺のチンポは、硬くそそり立って身悶えする。
「味も濃いな、本当に喰っちまうぞ」
 魔物女は、金玉を舐めしゃぶりながら笑う。金玉から口を離すと、俺の亀頭を口に飲み込んだ。そのまま口で竿を扱き、亀頭を舐め回す。右手で太腿を撫で回しながら、左手で金玉を揉み解す。
「サービスしてやるよ」
 魔物女はそう言うと、自分の胸を手でつかんで俺のチンポを胸の谷間に挟み込んだ。柔らかい胸の肉で俺のチンポを扱き始め、魔物女の胸の上に生えている獣毛が俺の亀頭を愛撫する。魔物女は、俺のチンポをパイズリしながら先端を口の中に含んだ。固い乳首で俺のチンポを刺激しながら、裏筋を舌で責め立てる。
 俺は、耐えられずに精液をぶちまけた。俺のチンポは、こらえ性も無くザーメンを魔物女の口の中に吐き出し続ける。俺のチンポから腰へ、脊髄へと快楽が走り、俺の体は歓喜に震える。得体のしれない魔物女が相手だが、快楽に肉体は弱いのだ。耐える事など出来ない。
「臭くて苦いザーメンをたっぷり出しやがったな、この野郎。」
 魔物女は、口の周りを舐め回しながら笑う。魔物女は、自分の胸を俺の顔に押し付ける。柔らかい感触と共に、様々な物の混ざった臭いが俺の顔を覆う。
「さあ、今度はあたしを舐めるんだ。まずはお前のチンポを挟んだ胸を舐めろ」
 俺は、言われたとおりに胸を舐め回す。臭いだけではなく、濃厚な味がした。俺の頭の中は、臭いと味で侵食される。
 魔物女はしばらく胸を舐めさせていたが、体を動かして右の腋を俺の顔に押し付けた。独特の酸っぱい匂いが、俺の顔を襲う。
「今度は腋を丁寧に舐めるんだ。舌を隅々まで這わせるんだ。あたしだってお前の腋を舐めてやったんだからな」
 俺は、言われたとおりに腋に舌を這わせ始めた。しょっぱさの中に苦みのある味だ。匂いと味で俺の頭はおかしくなり、まともに物を考える事が出来ない。俺は女の命令に従い、剃った後のざらついた感触のする場所を舐め続ける。
 俺の顔から腋が外され、新鮮な空気を吸う事が出来た。だが、次の瞬間に濡れた物が俺の顔を覆い、別の匂いと味が俺を凌辱する。
「もう我慢が出来ねえ、あたしのマンコを舐めろ。お前の汚いチンポをしゃぶってやったんだ、出来ねえとは言わせねえぞ」
 俺の顔は、古いチーズのような匂いが染み込み、しょっぱさと酸っぱさの混ざり合った味が口の中に染み込む。俺の顔から、口から二度と匂いと味が取れないような気がしてくる。マンコの濃い毛が俺の顔を蹂躙し、毛の奥にある肉襞が俺の顔を犯す。俺は、この時に凌辱とはどういうものなのかはっきりと分かった。
 俺は、舌を動かして濃厚な存在感を持つマンコを舐め回す。俺は、何故マンコを舐め回しているのだろうか?脅されたからか?欲情したからか?馬鹿になった頭で考え続ける。
 突如、魔物女のマンコに痙攣が走り、女の口から獣じみた呻き声が響きだす。次の瞬間に温かい液がほとばしり、俺の顔を襲った。俺の顔は、女の放った液で覆われ、濡れそぼっていく。
「へへっ、あんまり気持ちいいから潮を吹いちまった」
 女は、どこか虚脱したような声で言う。女のマンコは、びくびく痙攣し続ける。痙攣はゆっくりと収まっていき、やっと魔物女のマンコが顔から離れる。顔は液で濡れ、視界が定まらない。頭はぼんやりとして、状況を上手く把握できない。
 俺のチンポが温かい物に飲み込まれた。同時に快楽が俺の下半身を襲う。
「勃たせる為にしゃぶってやろうかと思ったけれど、その必要は無かったな。あたしのマン汁はうまかったのか?」
 魔物女は、笑いながら俺の腰の上で跳ね回る。俺の体も意志もまともに働かない。匂いと味と快楽で、俺の体も頭も馬鹿になってしまっていた。ただ、匂いと味と快楽の渦が、俺の周りで、そして俺の中で暴れまわっている。渦の中には炎の眼をした魔物女がいる。
 俺は最早こらえようという気持ちは無く、ペニスを弾けさせた。渦の中心にいる女に向かってザーメンをぶちかます。俺の目の前で、世界が渦とザーメンと炎に覆われる。白と赤とそして黒が世界を覆う。そして世界は闇に覆われていく。俺が闇に沈む瞬間に聞いたものは、魔物女の哄笑だ。

 俺が覚醒したのは、辺りが明るくなってからだ。やっと辺りをはっきりと見る事が出来る。廃屋らしく汚れてはいたが、造りは丈夫らしく崩れそうにはなっていない。壊れている所も少なく、汚れも埃以外には目立った物は無い。
 俺は、服を着せられて毛布をかぶった状態になっていた。俺は起き上がろうとしたが止める事にした。体は疲れ切っており、だるい。それでも周りの状態は確認したくて、顔だけは動かす。
 魔物の女は、俺の左側にいた。日中の光のおかげで、昨日はよく分からなかった魔物女の姿が分かる。女はダークグレーの肌をしており、体の所々を黒い獣毛で覆われている。耳や尾は犬の様であり、獣毛に覆われた手には紫の爪が生えている。人間離れした姿だが、女の顔は人間の若い女と同じ様な顔だ。彫りが深くて整った顔だ。だが、人間ではありえない炎のような赤い目をしている。魔物女は豊かな胸と尻、そして引き締まった腰を強調する黒皮のジャケットを着て黒皮のパンツを履いていた。
 魔物娘の存在が公表されてから七年になる。人間離れした姿の者も、今では見慣れたものだ。それでも、こうして拘束された状態で見ていると恐れを感じる。
「あれくらいで気絶とはだらしがないな。きちんと調教してやらないとダメだな」
 女は、ペットボトルのコーヒーを飲みながら笑う。
「人の襲い方も素人臭い、あれではすぐに捕まるぞ。あたしが仕込んでやるよ」
 俺は、必死に頭を働かせようとした。この女は何を言っている?仕込むとは、何を仕込むつもりだ?
「ケチな強盗はよせ、稼ぎはたかが知れている。もっと金のある奴を襲って、思う存分殴ればいいだろ」
 俺は、何も言わずに女を見つめ続ける。
「お前をあたしの部下にしてやるよ。稼ぎは比べ物にならないほど良くなるぞ」
 女は、唇を歪めて笑う。
「言って置くが、お前に拒否権は無い。逃げようとしても無駄だ。お前は、あたしの部下兼性欲処理係だ。たっぷりと仕込んでやるよ」
 俺は一言も言えずに、戯言を言いながら笑う魔物女を見つめ続けた。

 俺は、その日から魔物女の部下兼性欲処理係となった。逃げようとしたが無駄だった。女の能力は俺よりも上だ。逃げ出そうとするたびに、体が動かなくなるまで犯された。
 それからの日々は、訓練とセックス尽くめの日々だ。昼は近くにある廃工場跡で、武器の使い方や格闘術を仕込まれる。夜は、廃屋に戻ってセックスの技術を仕込まれる。心身ともに疲れていたが、魔物女は止めてくれない。
 魔物女の名はヒルダと言い、ヘルハウンドと言う魔物だ。ヘルハウンドは魔犬と言われ、凶暴な事で知られている。俺はヘルハウンドの名は知っていたが、具体的な事は良く分かっていなかった。一緒に暮らして戦闘訓練とセックスを繰り返す事で、この魔物女が狂暴である事は嫌と言うほど分かった。
 ただ、戦闘とセックスの訓練は次第に苦しく無くなっていった。ヒルダの動きに付いて行けるようになり、精力も異常なほど増した。ヒルダによると、魔物娘である自分とセックスを繰り返す事でインキュバス化して強靭になったらしい。つまり、俺は人間を辞めさせられて魔物となった訳だ。
 ヒルダに無理やり魔物化させられた事はむかついたが、魔物になったこと自体は喜んだ。俺は人間が良いなんて思っていないし、強くなれるのならば魔物になる事は歓迎だ。
 俺が魔物化した時に、ヒルダは自分の素性を話した。ヒルダによると、彼女は元刑事だったそうだ。何でも、逮捕した闇金業者を拷問にかけた為にお尋ね者になったらしい。その闇金業者のせいで、自殺したり気が狂ったり風俗に沈んだ人達が居るそうだ。闇金業者の癖に黙秘権を使う事にヒルダはブチ切れて、裸にひん剥いて縛り上げ、股間の毛に火を付けた挙句、ケツの穴に爆竹を詰め込んで爆発させたそうだ。
「『どうだ、ナイアガラはきれいだろ。神○川県警を舐めるな!』と言いながら火を付けたら、奴はひいひい泣いていたぞ」
「憲法第36条、公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。これ知っているのか?」
 俺は呆れながらヒルダに言った。
「あたしは現代の特高警察だ。超法規的存在なんだよ」
 特高警察は超法規的存在では無いだろと反論したが、あまりにも馬鹿馬鹿しくて力が入らなかった。
 お尋ね者となったヒルダは、全国を逃げ回って来たらしい。貧困ビジネスで大儲けしていたNPO法人の代表から巻き上げた金が有るため、逃走資金は十分あるらしい。だが、豪遊したくなったために強盗をやろうとしているそうだ。その強盗の助手として俺が選ばれたわけだ。
「あんたは何で刑事になろうと思ったんだ?」
 俺は、根本的な疑問を口にした。こいつの言動は刑事とはかけ離れている。
「西○寿行の小説を読んだからだよ。妻を犯された刑事がショットガン片手に復讐の旅に出て、ホットパンツの女がバックでやられる。いいねえ、燃えるぜ!」
 警察の職員採用の基準はどうなっているのだろうか?人事の職員の更迭を行った方が良いのではないだろうか?
 こんなキチガイ魔物女の助手兼性奴隷にされてしまったわけだが、俺は積極的に協力する事にした。どうせ俺の人生などたかが知れている。だったら、派手に暴れてやろうと思ったのだ。

 ヒルダの選んだターゲットは、派遣会社の元社長だ。そいつは銀行に金を預けずに、自宅に金を隠しているらしい。そいつを奪おうと言うのだ。
 その元社長は、派遣社員を使い捨ての道具にしてぼろもうけした男だ。派遣社員を見下す製造業へ派遣した事はまだ良い方だ。無資格の者を産業廃棄物処理場へ派遣したり、暴力飯場に派遣したりした。賃金のピンハネは組織的に行われ、派遣元会社の掃除や荷物整理をスタンガンで脅しながら無給でやらせた。その挙句、不景気になると即座に派遣社員を放り出したのだ。放り出された人達の中には、自殺した人達やホームレスになった人達もいる。
 その派遣会社社長は儲けるだけ儲けると、会社を潰して悠々と引退生活を始めた。高級住宅地に豪邸を建てると、派遣社員の血を絞って稼いだ金を豪邸に隠したわけだ。
 その高級住宅地は、警察が巡回している上に警備会社が警備に当たっている。しかも、その社長はボディーガードを雇っている。
 普通に考えたら襲撃は無理だろう。ところが、ヒルダはその警備会社の者と繋がっているのだ。ヒルダは警備会社の制服と身分証明書を二人分手に入れており、ヒルダが襲撃する時は元派遣会社社長宅のセキュリティーシステムを切る手はずになっているのだ。
 警察が巡回に回ってくるのは二時間ごとであり、その間に済ませればよい。ボディーガードは三人であり、そいつらを警備員に化けた俺達二人で制圧すればよい訳だ。俺とヒルダは現場の近くに下見に行き、また警備会社の協力者から情報を貰っていた。
 俺達二人は、シミュレーションを元に訓練を行った。訓練を行いながら心構えを叫ぶ。
「あたし達の前に立ちふさがるものは何だ!」
「敵だ!」
「だったらどうする!」
「暴力で倒す!」
「そうだ、それでいい。あたし達の野望の王国を築くぞ!」
 そうして決行の時までに備えた。

 俺達は、夜の九時にターゲットの家に着いた。その時間は、ターゲットは女達と乱交をやる時間だ。ボディーガードは二四時間を交代で勤務する。この時間には一人は寝ており、残りの二人が警備に当たっている。
 俺達は裏口のベルを鳴らしてボディーガードを呼び出す。出て来たボディーガードに、セキュリティーシステムに異常が生じたのでチェックさせてほしいと言う。ボディーガードは、俺達の制服と身分証明書で信用して邸内へ入れた。ヒルダの燃える眼は、今は普通の黒目になっている。ヒルダには、眼の炎を隠す能力もあるのだ。邸内へ入った所で、俺達はボディーガードを消音装置つきの拳銃で撃つ。ボディーガードは、無言で崩れ落ちた。銃弾は魔界銀製であり人を傷付け無い仕組みだが、衝撃でしばらくは動けないだろう。
 邸宅はコロニアル様式の豪邸であり、主だった部屋に置いてある家具は北欧で造られた物らしい。収奪したからこそ、これだけ贅沢が出来るのだ。もっとも邸宅の主の趣味は悪い。イギリスの植民地で用いられたコロニアル様式の家と北欧製の家具は合うのか?
 ヒルダと共に、残りの二人のボディーガードの所へ向う。ヒルダの嗅覚は、それぞれの臭いを嗅ぎ分ける事が出来る。まず、寝ているボディーガードの所へ襲撃を掛ける。俺達がドアを開けた事で目を覚ましたが、銃弾を叩き込まれてまた眠りへと落ちた。
 残りのボディーガードは、風呂場の前にいる。風呂の中でターゲットの男は女達とやっており、風呂の前で番をしている訳だ。俺達の姿を見てボディーガードは声を上げそうになったが、銃弾を叩き込む方が先だった。風呂の前に来ると、中の様子を窺う。風呂のドアは防音の造りらしく、ボディーガードの倒れた音は聞こえなかったらしい。ヒルダはドアを開けて中へ飛び込み、俺も後へ続く。
 中には一人の男と三人の女が、裸で広い浴槽に入っていた。一人の女が男の頭を胸で押さえながら肩を揉み、二人の女がそれぞれ男の右足と左足を揉みほぐしている。一人の中年男を、若くて美人の三人の女がご奉仕をしている。見事なまでにハーレムプレイを楽しんでいるのだ。
 男は弾かれたように身を起こし、女達は悲鳴を上げる。俺達は、何も言わずに銃弾を叩き込んだ。男は風呂の中に沈んでいった。

「人間の性、悪なり!人間、この度し難きものよ!」
 ヒルダは、裸にひん剥かれて縛られている四人の男と三人の女に言い放った。この場面だけ見れば、ヒルダの方が度し難く見える。
「さて、そこの元社長。金の在りかを吐け」
 ヒルダのストレートな要求に、元社長は無言のままだ。
 ヒルダは俺に頷き、俺はそれに応えて用意を始めた。一辺五十センチ位の正方形の口の空いた空き缶を設置し、その中に灯油を染み込ませた布を入れる。そして空き缶の両側に椅子を設置する。社長の足の拘束だけ外すと、その椅子の上に立たせた。
 俺は、元社長にビデオカメラを向ける。それを確認すると、ヒルダは空き缶に火の付いたタバコを放り込んだ。たちまち炎が立ち上り、股を炙られた元社長は椅子の上で踊り始める。初めは無言のまま耐えていたが、ついに耐えきれなくなって悲鳴を上げ始めた。
「お慈悲ーッ!助けて、許してッ!助けてえ!」
 俺は撮影しながら空しくなった。若い女が裸にされてSM拷問を受ける姿は絵になるだろう。だが、中年オヤジでは見苦しいだけだ。とても見られたものでは無い。それなのにヒルダは楽しげに拷問を行っている。
 幸い、この拷問は途中でやめた。元社長は、「お慈悲!お助け!」と喚くばかりで金の在りかを吐かない。ヒルダも中年オヤジの裸踊りには飽きたようだ。俺は心底ほっとした。
 だが、これはまだマシだったのだ。ヒルダはさらにとんでもない事を始めた。巨大な注射器のような物を持ち出すと、その中へ牛乳を入れ始めた。ヒルダに聞くと、馬用の浣腸器だそうだ。そして元社長を四つん這いにさせると、ケツの穴に浣腸器を突き刺して牛乳浣腸を始めたのだ。牛乳をケツ穴に入れ終わると、ゴム栓をした。
 俺は、このシーンも撮影していた。悪夢のような撮影だ。裸の中年男が床を転げまわって、「ギャオッ!ゲエッ!」と喚いているのだ。中年男の腹は、妊娠したように膨れ上がっている。これも若い女にやれば、もしかしたら絵になるかもしれないが、この中年男では撮影する方にとって拷問になる。
 この拷問によって、社長は金の在りかを吐いた。ワインを収納している地下室の中に金庫が有るのだ。金庫の暗証番号を聴いた後、ヒルダは社長の言葉を確認に行った。現金と有価証券、宝石を確認して、ようやくヒルダは元社長のゴム栓を引き抜いた。
 この時の事を、俺は描写したくない。何が悲しくて、中年男のケツの穴から糞交じりの牛乳が吹き上がる様を描写しなくてはならないのだ。しかも俺は、その様を撮影していたのだ。俺は、この後しばらく夜うなされる羽目になった。
 俺とヒルダは現金と宝石を運び出し、有価証券は社長の前で燃やした。社長はアヘ顔をさらしたままピクリともしない。その後で俺達は、ボディーガードと女達のケツの穴にブランデーを浣腸した。直腸はアルコールを吸収しやすいため、ブランデー浣腸すればしばらく動けないだろう。浣腸器は普通の人間用の者だ。その上で猿ぐつわをかませて拘束し直した。元社長だけはケツが糞まみれだから、鼻を抑えて無理やりブランデーを飲ませて猿ぐつわをした。ブランデーを飲んだ後も、元社長はアヘ顔をさらし続けている。ボディーガードや女達も、ご丁寧にアヘ顔をさらしている。
 俺達は、糞の臭いのする部屋からさっさと退散した。

 俺達は隠れ家へ帰ると、手に入れた金を勘定し、撮影した動画をネットに投稿した。その後で、協力者である警備員達に札束を渡した。警備員の中には、不安定な雇用で働くワーキングプアが大勢いる。彼らは、金持ちを守る事に使命感など持っていない。会社よりも金をくれる者につく。
 俺達は、自分の金を懐に納めると贅沢な生活を始めた。高級ホテルに泊まって、優雅な生活を始めたのだ。だが、これは俺にとっては羞恥プレイだ。俺はヒルダに服を着せられたのだが、その服と言うのが白のスーツにピンクのシャツ、赤いネクタイと言う代物だ。ヒルダに至っては、男物の紫のスーツに赤いシャツ、豹柄のネクタイを締めている。その上に鰐皮の靴を履いて、金の指輪やブレスレットをはめている。これでは「極悪が○ぼ」だ。ホテルの従業員は引きつった笑顔を浮かべ、他の客は目を逸らしている。
 ホテルのルームサービスで暴飲暴食をしながら二人で踊る毎日だ。ヒルダはトリュフやフォアグラを手づかみで食べ、ドンペリや貴腐のワインをラッパ飲みしている。下品とかそういう以前の問題だ。室内のマホガニー製の家具達が、俺達を無言で責めている様な気がする。
 食うだけ食い、飲むだけ飲んだらあとはセックスだ。結局、ヒルダにとってはセックスが一番楽しい事なのだ。俺も、セックスを楽しんでいる事は確かである。何で出来ているのか俺には分からない高級ベッドに飛び込み、二人で格闘じみたセックスに励むのだ。

 俺達は、ホテルのベッドで毎日やりまくった。まずはお互いの顔を犬の様に舐め回す。以前はキスから始めていたのだが、もう舐め回すくらいしないと物足りない。顔の隅々まで味わい、唾液を染み込ませてやる。俺が黒い獣毛に覆われた耳に舌を這わせると、ヒルダは笑いながら俺の耳を甘噛みする。
 その後はお互いの体の好きな所を舐め回す。俺は、ヒルダの胸にむしゃぶりつき、胸の谷間に顔を埋める。そこには汗がたまっており、濃厚な匂いを嗅ぎながら汗を舐め取る。やる前はお互いに体は洗わない。相手の体の濃い匂いや味を楽しみたいからだ。
 胸をしゃぶったら、腋に舌を這わせて腋汁を舐め取る。胸とは比べ物にならない濃厚な匂いと味がするのだ。剃り残しのあるくぼみに濃い汁が溜まっており、それを舐め取っている内に俺のチンポは滾り勃ってくる。ヒルダも俺の腋を好んでいて、鼻を突っ込んで臭いを嗅ぎ、舌で隅々まで蹂躙する。
 俺達は、互いの体中の匂いを嗅ぎ、舐め回した。首を、腕を、腹を、背を、腰を、太腿を、膝裏のくぼみを、足の指を舐め回した。場所によって匂いや味は違い、その差を体に叩き込んで楽しむのだ。
 メインとして楽しむ場所はお互いの股だ。俺は、ヒルダのマンコに顔を埋めてきつい匂いを嗅ぎ、濃い味を味わう。引き締まった腹筋と筋肉の発達した太腿に挟まれた股は、濃い茂みで覆われている。茂みに顔を埋めて口と舌でかき分け、舌で肉襞を舐め回し、唇でクリトリスを食む。吹き上がるように湧いてくる濃厚な液は、茂みと俺の顔を濡れそぼらせる。
 ヒルダは、俺のチンポに鼻を押し付けて臭いを嗅いだ後、亀頭やくびれ、竿を舐め回す。特にくびれを執拗に舐め回し、味わい尽そうとする。あまりに激しくむしゃぶりつくのでチンポが顔に当たるのだが、ヒルダは自分から顔をペニスに擦り付けてくる。ペニスが顔を蹂躙しているのか、顔がペニスを蹂躙しているのか分からない。ヒルダはチンポに頬ずりをしながら、金玉を口に吸いこんでしゃぶる。
 俺は、マンコだけでなくヒルダの尻も舐め回す。引き締まって良い形をしている尻に舌を這わせ甘噛みをする。汗で光沢のある尻肉の中心には、物欲しげにひくつく窄まりがある。窄まりの皺は黒い毛で覆われており、俺は毛を舌で弾きながら皺を一本一本舐めてやる。尻の穴の匂いも味も、俺は慣れてしまった。尻の穴を舐めてやると、ヒルダは尾をぱたつかせて喜ぶ。
 ヒルダも俺の尻の穴を執拗に舐め回す。金玉をしゃぶり、蟻の門渡りに舌を這わせると、尻の穴を嬲る様に舐め回す。唾液で入り口を解すと、奥へ奥へと舌を潜り込ませてくる。前立腺の裏まで舌を侵入させると、前後左右に舌を動かして射精を司る器官を犯すのだ。ほとんどの場合この時に精液をぶちまけ、ヒルダのダークグレーの顔と胸を白濁液で汚す。
 俺達は、相手の体の全てを貪り、蹂躙しようとした。俺はチンポで、ヒルダはマンコで相手の全身を嬲った。俺は、ヒルダの彫りの深い美貌を隅々までチンポで嬲った。額に、瞼に、頬に、鼻に、唇に先走り汁や精液で濡れたチンポを擦り付けて汚す。固い黒髪をチンポに巻き付けて扱き、手足や胸の上の獣毛にペニスを擦り付けて堪能する。胸の谷間、上乳、下乳、横乳、乳首にペニスを這わせ、擦り付け、その感触の違いを知り尽くす。濃い匂いと味がする両方の腋に、ペニスを擦り付けたり扱いたりして、互いの臭いを染み込ませ合う。尻と太腿にペニスを擦り付け、場所によって感触がどう違うのかを体感する。その際に、豊かな獣毛に覆われた尾を嬲り、俺のペニスに付いている液を染み込ませた。
 ヒルダは、濡れそぼった厚い毛に覆われた股を俺の顔に押し付け、顔の隅々まで汚した。俺の鼻は肉襞の中に飲み込まれ、鼻の穴は強烈な臭気のする液で凌辱される。胸や腹にマンコを擦り付け、溢れ出る液で俺の体をぬめり光らせる。腕や足もヒルダの股で蹂躙され、匂いを放つ液を塗りたくられる。ヒルダは俺を四つん這いにさせると、俺の尻に股を擦り付けて来た。ヒルダは涎を垂らしながら、俺の尻をマンコで堪能していた。
 こんな事をしている内に、ヒルダの体中が精液で汚れ、俺の体中は愛液で汚れた。それらの液は、互いの体を濡らしている汗と混じり合い、部屋中に充満するほどの臭いを放った。俺とヒルダは、汚れてきつい臭いを放つ互いの体に興奮し、さらに汚し合う。俺はインキュバスとなり、人間離れした精力を手にしている。その上に、虜の果実やサソリの魔物娘ギルタブリルの毒液と言った媚薬を飲んでいるのだ。ヒルダを汚す精液はいくらでも湧いて来る。
 チンポをマンコの奥に突き入れながら、俺とヒルダはきつく抱き合う。対面で交わり合えば、精液でぬめり光るヒルダの顔や胸、腋が見える。バックで交われば、精液で汚れて光る尻と精液で所々が玉になった尾が見える。騎乗位で交われば、ヒルダの顔や胸、腋に付いた白濁液が汗と交わって飛び散る。駅弁で交わる時は、ヒルダの精液まみれの顔を見ながら、ヒルダを抱えて部屋の中を歩き回った。駅弁の時にヒルダは、鼻の穴から精液を垂れ流しながらアヘ顔をしている。対面や駅弁の時は、白濁液で汚れたヒルダに顔を近づける為、頭がふらつくほどの臭いを叩き付けられる。いずれの交わりでも、精液で白く汚れた黒髪や黒い獣毛が見えた。
 俺は、ヒルダの穴と言う穴に精液をぶち込んだ。マンコはもちろんの事、口や尻の穴にあふれるほど精液を吐き出した。鼻の穴にまで精液をぶち込んでやる。鼻と口が白濁液で汚れ、大股を開いた状態で固体のような精液を前後の穴からあふれ出させているヒルダを見ると、散々出した俺のペニスはまた固くそそり立つ。そして俺は、再びヒルダに飛び掛かり、ヒルダも負けずに飛びかかってくる。
 俺とヒルダは、毎日獣以下のセックス狂いとして互いを貪りあった。

 賢明な読者は、もうお気づきだろう。こんなやりたい放題の日々が続く訳が無い事を。
 その日の俺とヒルダは、格闘じみたセックスを追えて抱き合いながらベッドに横たわっていた。俺は、精を出し切りヒルダを汚し尽した満足感を味わいながら寝ていた。傍らのヒルダの感触と体温が心地良い。充満する濃厚な性臭も、俺には香水に思える。
 突如、轟音と共にドアがぶち破られた。俺とヒルダは跳ね起きる。次々と黒っぽい戦闘服のような物を着た連中がなだれ込んでくる。
 ヒルダは瞬時にベッドから跳ね上がり、乱入者達に襲い掛かった。たちまち銃声と物の壊れる音、怒号が交差する。俺は、ヒルダの様には動けない。セックスで力を出し切っているのだ。ふらつきながら立ち上がり、何とか拳銃を構える事が出来る。侵入者に照準を合わせようとするが、目が霞んで上手く出来ない。
 ヒルダは、狭い室内を縦横無尽に駆け回り、拳銃と格闘で敵を倒していく。セックスをしまくったのに、まだ力が残っているらしい。裸で激しい動きをするヒルダは、筋肉の躍動感が伝わり美しい獣に見える。体の所々が生渇きの精液で汚れているにもかかわらず、いや、むしろそのために官能的な美しささえある。
 俺は、朦朧とした意識をはっきりさせようと力を振り絞り、敵に銃弾を撃った。ヒルダと俺を倒そうとする敵へ拳銃を撃ち続ける。そんな俺を見て、ヒルダは俺に微笑みを向ける。
 乾いた音と共に、ヒルダの体が弾かれたように震えた。ヒルダは、腹を抑えて呆然とした顔をする。
「なんじゃこりゃぁあ!!!」
 そう叫ぶと、ヒルダは床に倒れた。
 俺は、拳銃を撃ちながらヒルダへと走り寄ろうとする。俺の右胸に衝撃が走った。弾かれて後ろへ叩き付けられる俺の体に、次々と衝撃が走る。
 床に転がる俺の眼に、腹を撃たれながら起き上り、戦い続けるヒルダの姿が見えた。ヒルダは、俺の方へと来ようとする。ヒルダの体に次々と銃弾が叩き込まれ、ヒルダは床に倒れる。俺は、ヒルダの黒い体を見ながら闇へと落ちて行った。

 当たり前の事だが、この時に死んでいたらこの手記は存在しない。つまり俺は死んでいないのだ。俺に打ち込まれた銃弾は魔界銀製であり、俺の命を奪ったりはしない。
 ヒルダも生きている。魔界銀製の銃弾を七発も打ち込まれながら戦い続けたと言うのだからすさまじい。改めてヒルダの化け物ぶりを実感する。
 俺達に銃弾を叩き込んだ連中は警察官だ。俺もヒルダも警察に追跡されており、ついに御用となった訳だ。俺は一人で強盗をしていた時から、ヒルダは容疑者を拷問にかけた時から警察に追跡されていた。警察は俺達が合流した事を掴み、元派遣会社社長から金を奪った事も嗅ぎつけた。そして俺たちの居るホテルも特定した訳だ。
 警察は、日本中に緻密な組織網を張り巡らせている。明治維新以前から引き継がれたノウハウの蓄積もある。そこに魔物娘達が警察に参加し、彼女達の優れた能力やノウハウも融合した。今の日本の警察は、世界でもトップクラスの治安組織かもしれない。俺達を逮捕する事など容易い事だろう。俺達を逮捕した警察官達は、魔物娘だ。
 俺達は取り調べを受けたが、いちいち自白するまでも無く、十分な証拠が集められていた。物証だけで俺達を有罪に出来たのだ。裁判の結果は、当然のことながら俺もヒルダも有罪だ。二人とも臭い飯を食う羽目となった。
 ただ、慰めとなる事もある。ヒルダが拷問にかけた闇金業者や、ヒルダが金を巻き上げた貧困ビジネスNPOの代表、それに俺達が金を奪った元派遣会社社長は、違法行為が警察に調べ上げられて部下と共に逮捕された。彼らは、いずれも有罪判決を受けて臭い飯を食う事となったのだ。

 俺は、入力作業を終えて一息ついた。俺がいる所は、網走刑務所内の作業所だ。受刑者として労働に従事しているのだ。俺は、以前は工業高校の学生であり、パソコンを使った入力作業ならいくらか出来る。
 俺は未成年だから少年院に入るのではないかと、疑問に思う人がいるだろう。普通だったら少年院行きだ。だが、魔物娘の伴侶がおり、その伴侶が受刑者の場合は一緒に収監される。俺の伴侶とは、言うまでも無くヒルダだ。ヒルダが網走刑務所に収監された為に、俺も一緒に網走刑務所に入ったのだ。
 不完全な責任能力しかない未成年を刑務所に入れるべきではないと言う反対論もあるが、魔物娘の伴侶と一緒にした方が良い更生率となるので押し切られているのだ。
 新たに入力する物を聞くために班長の所へ行こうとすると、入り口のドアが激しく開いた。入って来た者はヒルダだ。
「作業用の油の臭いで鼻が腐っちまう。あたしは男の臭いを嗅ぎたいんだよ」
 そう言うと、俺に抱き付いて臭いを嗅ぎ始めた。
「ああ、そそる臭いだぜ。油の臭いとは全然違う。一日中お前の臭いを嗅いでいてえよ。髪の臭い、首筋の臭い、胸板の臭い、背中のくぼみの臭い。腋の臭いを嗅げば股が濡れちまう、チンポの臭いを嗅げば潮を吹くぜ。ケツの穴の臭いを嗅いでもマンコがうずくんだよ。今すぐ嗅がせろ!」
 ヒルダは、俺の体に鼻を押し付け始める。俺は、危うく押し倒されそうになる。
 派手な音がして、ヒルダがぶっ飛ばされた。倒れたヒルダを、鬼の魔物娘であるオーガの刑務官が見下ろしている。
「作業中に何をやっているのだ!さっさと作業に戻れ!」
 オーガの刑務官は、ヒルダの襟首を掴むと引き摺って行った。ヒルダは唸り声を上げながら抗議するが、再びビンタを食らう。刑務官のほとんどは魔物娘だ。魔物娘なら、人間、魔物娘の受刑者双方を上手く指導する事が出来る。受刑者と伴侶になる刑務官も多く、彼女達と一緒になった人間の受刑者の再犯率はゼロに近い。いずれ、受刑者一人に魔物娘の刑務官一人を付ける計画が実施されるそうだ。
 もっとも、問題の有る刑務官もいる。先ほどのオーガの刑務官は、「愛のビンタ」を繰り返しやった為に何度も処分されていた。ヒルダは、このオーガの刑務官のお礼参りをすると息巻いている。マンコにとろろ芋をぶっ刺し、ケツの穴に炭酸水の浣腸をしてやるのだそうだ。二人の戦いは、中々見ものだ。
 俺は、ヒルダが去った後にヒルダの匂いを思い出す。濃厚で肉感的な匂いを思い返すと、俺のチンポは勃起しそうになる。慌てて股間を鎮めようとするが、元気な股間に苦労する。
 昼の労働が終われば、夜は伴侶と一緒になる事が出来る。セックスをする事も許されるのだ。刑務所内で妊娠すると何かと面倒な為に、避妊具を付ける事を義務付けられる。それでも二人で快楽を味わう事は出来る。俺とヒルダは、刑務所内で繰り返し体を貪りあっていた。
 俺は、刑務所のお勤めを終えたらヒルダと暮らそうと思っている。ヒルダに無理やり支配下に置かれてしまい、こんな結果になってしまった。だが、それでもヒルダの存在は俺には必要なものなのだ。
 網走刑務所を出たら、ドスを片手にぶっこみをかけると言う生き方もあるかもしれない。だが、俺やヒルダは健さんになれそうに無い。俺達は、文太兄貴に近づく事だったら出来るかもしれないのだ。
 ヒルダは大型免許を持っており、トラックを運転できる。刑務所内では魔物娘により職業訓練が進められていて、大型免許を取る講習も行われている。俺はその講習を受けるつもりだ。魔物娘は企業を次々と作っており、運送会社も経営している。その運送会社は前科者でも雇うのだそうだ。俺とヒルダは、刑務所から出たらデコトラに乗って日本中を走り回るつもりだ。
 俺は人生を一度捨てたが、今ではやり直す事が出来るかもしれないと思っている。ヒルダと一緒にやり直したい。
 俺は、ヒルダの匂いと感触を思い出しながら、新たな業務へと向かった。
15/01/11 21:11更新 / 鬼畜軍曹

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