連載小説
[TOP][目次]
完全堕落

 この街に防衛軍として派遣され、先日教団の軍隊を退けたイェンダが腕利きの戦士である事は間違いない。
しかし今目の前で自らの精霊に拘束される姿はその儚げな容姿も相まってどこからどう見ても捕われのお姫様といった風情だ、実際に高貴な血筋なので間違いでもないのだが。
「う……ルフューイ、離し……」
困惑した様子で粘液に吊り下げられた腕を揺するイェンダ、先程の反応から察するにルフューイの変化は付き合いの長いイェンダの知識にも無い事らしい。
タイミングからしてコペルの精を摂取したのが切っ掛けという事は間違いないがそれ以外は何も分からない。
「うふふ……いいですよマスター……コペルさん、マスターのその姿に興奮しちゃってるみたいです」
言われてイェンダの視線がコペルの方を向く、咄嗟に股間を手で覆い隠すコペル、しかしその反応で白状したようなものだ。
仕方のない事だ、粘度を増したルフューイの水が染みて体に張り付くネグリジェはイェンダのしなやかな身体のラインを浮き立たせてしまっている、それだけではない。
ぞろり
「ひ……ぃぁっ……」
やにわにイェンダが艶めいた声を上げて身をくねらせた、コペルには何が起こったかわからない。
「る、るふゅ、ぃやっぁっ」
何か言おうとするが言葉が紡げない、よく見てみると粘液濡れになったネグリジェが生き物のように蠢いているように見える。
どうやらイェンダの肌に纏わりついたルフューイが愛撫しているらしい、コペルはその様子から目が離せなくなる。
「あははァ……マスターの弱いところはわかってるんですよぉ……ついこの間も慰めてあげましたしね……?」
「えっ」
「!?」
ルフューイの言葉にコペルは目を丸くし、イェンダはがばっと顔を上げる、思わずその目を見たコペルにイェンダはふるふると涙目で首を振る。
「嘘ついちゃ駄目ですよ♪可愛い声でコペルさんの名前呼びながら「やーーーーーー!」」
今までにないくらいに大きな声を上げてイェンダがもがく、ここまで感情を露わにする所は初めて見る。
拘束された手をがくがくと揺するが半透明の粘液は見た目以上に丈夫なようでびくともしない。
「……!」
その有様を見てコペルは咄嗟にイェンダを抱き締める、落ち付かせたくて取った行動だったが思いのほか効果があったらしくイェンダはぴたりと動きを止める。
ぐず、と鼻を鳴らして泣き顔をコペルに向ける、それ以上頭に血が上ったら倒れるんじゃないかというほどに顔を赤くしている様はいつもの落ち着いた様子からは想像できない。
どう言っていいか分からないので態度で示すことにした。
「んっう?」
コペルは大きな手でイェンダの顔を引き寄せると強引に唇を合わせる、不器用で全く慣れない動きだが初めてのコペルからのキスだ。
力んでいたイェンダの両手から急にくたん、と力が抜け、粘液にぶら下がるような形になってしまう、コペルは急に体重を掛けられて慌てて支える。
「イ、イェンダさ……?」
「あっ……いっちゃいました……ね」
唇を離して見てみるとイェンダはぽやん、と焦点の合わない目をしている。こうして見ると整い過ぎているがために感じられる普段の無機質さが抜けてまるで夢見る少女のようだ。
「キスだけでこんなになっちゃうなんて……繋がった時はどうなっちゃうんでしょうね?」
わくわくした様子で言うルフューイ。
「ルフューイ」
「はい?んむぁ!?」
と、唐突にコペルはイェンダの肩越しに顔を出していたルフューイの唇にも口付ける。
コペルにしてみるとイェンダだけにしてあげるのは不公平だという思いからの行動だったが、これが不意打ちになった。
たちまちにイェンダを拘束していた粘液が崩れ落ち、人間形態に戻ったルフューイがイェンダの背にもたれかかるようにして現れる。
支えを失ったイェンダ共々浴槽の中で夢見心地の表情でふにゃふにゃになる二人。
「だ、大丈夫か二人とも」
まさかそんな風になるとは思っていなかった事態の張本人はどうしていいかわからずおろおろする。
「う、う、う……」
「?」
「うりゃーーーーー!」
「うわっ!?」
突然ルフューイがコペルに飛びかかって来る、驚くコペルをそのまま押し倒してしまう。
「このぉ!大丈夫かじゃないですよこのぅ!仕返ししてやるぅ!」
コペルからのキスで異様なテンションになったルフューイはコペルの唇に吸い付く。
「し、しかえし……」
こちらは腰がまだ抜けているようで力のない動きだがイェンダも押し倒されたコペルの下半身に擦り寄ってくる。
「……たくましい」
「んっぐっ」
イェンダは目を輝かせてコペルの剛直に見入る、整ったイェンダの顔の側に自らの醜い肉塊があるという光景はそれだけで神聖なものを汚すような背徳感を覚える。
「……」
イェンダは学習する、どうやらコペルは自分に対して「汚してはいけないもの」という認識がいまだに抜けないらしい、しかし同時にその禁忌を破ることに強い快楽を覚えるようだ。
すりりっ
イェンダは上目遣いにコペルを伺いながら陰茎に頬ずりをし始める。
「イ、イェンダさ「ちゅ〜〜〜〜♪」んぐ、む」
びっくりしたコペルは思わず制止しようとするが、ルフューイのキスでそれどころでなくなる。
すりすりすり
愛おしくてたまらないという表情でコペルを見上げながらその白い頬に滾る肉塊を擦り付け続ける。
それを見たルフューイはコペルの口を解放するとそっと背後に回ってよりコペルが視覚で楽しめるようにサポートする、ちょうど先程と役を交代した形だ。
イェンダは頬だけでなく目から額にかけてまですりすりと顔全体を擦り付ける、亀頭に前髪がさらさらと当たる。
「駄目、だ、駄目だっ……こんな……!」
「ん……んぁ……」
美の神が作り出したかのような造形の美貌に自らの最も恥ずべき欲をなすりつけるという行為は強烈な後ろめたさと快楽をコペルに与える。イェンダの狙い通りだ。
まんべんなくマーキングさせた所で亀頭の先端にその桜色の唇をぷに、とくっ付ける
「あぁ、うぁ、あ」
コペルは口をぱくぱくさせる、制止しなくてはという気持ちと快楽を味わいたいという気持ちがぶつかり合う。
それを見てイェンダは目で笑う、心が快楽に籠絡されそうになっているのがわかる。
実は密かに自分には魔物としての魅力が無いのではないかと悩んでいたのだがそんな事は無いようでこっそり安心する。
にゅぷぷぷ……
「ん、ぶ、む」
入りこんで行く、コペルの一物は平均的なサイズよりも大きいのでかなり頑張って口を開かなくては頬張れない。
「わぁ……マスターのお父さんが見たらどう思うんでしょうねこれ♪」
口に挿入するというある意味性行為そのものよりも性的な行為、それを高貴な血筋のエルフが積極的に行う。
ルフューイの言葉でその事実を改めて認識させられた二人は羞恥に真っ赤になる、それと同時に興奮も高まる。
「ぢゅぷっ……んもっ……」
真っ赤になりながらもゆっくりと顔を上下させ始めるイェンダ。
「ぅぅっ……!」
直接的な刺激で言うならば変幻自在のルフューイの口淫の方が上だ、しかしイェンダの奉仕はそれとはまた違った趣がある。
大きな肉塊を咥えて歪まされてもなおイェンダの高貴な雰囲気は失われない。その高貴なエルフが長い耳をぺったりと寝かせて潤んだ目で健気に奉仕してくるのだ。
いやが上にも征服欲が刺激される。
「ぢゅぷっ……んちゅっ……ふぅむ」
喉の奥を突かれる刺激に慣れない為かその上下運動はぎこちない、痛々しくすら見えるその光景にコペルは思わず制止しそうになる。
「イ、イェンダさん、無理は「駄目ですよぉマスター」」
しかし何時の間にかコペルの背後からイェンダの背後に移動していたルフューイが囁く、その目は爛々と魔性の光を灯している。
「もっと頑張っておしゃぶりしないとコペルさんは気持ち良くなってくれませんよ?」
「ん、む?」
言いながらそっとイェンダの髪を労わるように頭に手を添える。
「はい、下ろしてー」
言うと同時にイェンダの頭を下に押し下げる。
「んぶむぅぅぅぅ」
じゅぷぷぷぷ……
「はい、上げてー」
「んもぉぉぉ」
じゅろろろろろ……
喉の奥にまで到達した所で今度は持ち上げる。
「下げてー」
にゅぷぷぷ……
「上げてー」
じゅぷぷぷ……
まるでイェンダの口を性処理の道具のように扱ってコペルの陰茎を責め立てるルフューイ。
「上げる時は裏の筋あたりに舌を這わせるんですよ、はい、上げてー」
「ぢゅろろろろぉ」
「はい……下ろす時には吸い上げる感じで……そうそう、いいですよーマスター♪」
「びぢゅっぢゅるるるん」
はしたない音を立てて自分の生殖器を貪るエルフの姿にコペルは目も眩むような興奮と罪悪感を感じる。
「じゅぷっじゅぷっじゅぷっじゅっぷじゅっぷじゅっぷ」
イェンダの頭部の上下運動はさらにスピードを速めて行く、喉を痛めるのではないかと見ていて心配になるほどだ。
「ぐぅぅぅっルフューイ……!無茶をさせるんじゃ……!」
「いえいえ、させていませんよー?」
「!?」
予想していたよりも近くから声が聞こえてコペルは驚く、ルフューイはいつの間にかイェンダの背後を離れてまたコペルに寄り添っている。
イェンダはいつの間にかルフューイの補助なしに自ら激しい上下運動を繰り返しているのだった。
「んんっんむっちゅぷっんむっ」
そんな事を自覚しているのかいないのか、イェンダは無心にコペルの陰茎をしゃぶり続ける、乳を吸う赤子のようだ。
コペルは快感で震える両手をイェンダに伸ばす、してもらってばかりでは申し訳ないという気持ちと単純にイェンダの身体に触れたいという思いからだ。
「んぅっ」
イェンダがぴくん、と全身で反応する。伸ばされた指が触れたのは胸の膨らみだった。
触れれば雪のように解けてしまいそうに見える白い肌は意外なほどの弾力を返し、同時に指に吸い付いてくるような質感を伝えて来る。
背筋をびくびくさせながらイェンダは涙目でコペルを見上げる。その眼差しに一瞬気を悪くしたかと思い、手を引っ込めようとする。
「んんぅ」
しかしイェンダは引こうとした手を掴むともっと触って、と言うように自分の胸に押し付けた。
嫌がっている訳ではないとわかったのでコペルは積極的に指を動かしてその果実に触れる。
「ああ……」
掬い上げるようにして乳房を持ち上げると思わず声を上げてしまう、手の上に感じる重み、柔らかさ、滑らかさ、何よりそれに触れる事を許されているという事実が甘美だ。
「コペルさんもやっぱり男の人なんですねぇ……男の人はみんなおっぱい大好きですからねー♪」
からかうようにルフューイに言われて赤面するが手は離さない、というより、手の平に馴染んで離したくなくなってしまっている、恐るべきおっぱいだ。
「むむっ」
それを見たルフューイはちょっと頬を膨らませるといそいそとイェンダの隣に移動する。
「コペルさーん、こっちにも美味しいのがありますよー♪」
そう言ってルフューイは胸の下に腕をまわして強調する、すると驚く事にその果実はぐぐっとサイズを増し、二の腕にずっしりと重たげにめり込んだ。
驚いた顔をするコペルにルフューイは得意顔をして見せる。
「えへへ、流動体の身体ですからねー、ある程度融通が効くんです」
「んちゅぅぅぅ」
イェンダが「それはずるい」と言いたげな表情になり、コペルの陰茎を吸う。
そんなイェンダを尻目にルフューイはさり気なくコペルの片手を奪うと自分の乳房にふにゅりと触れさせる。
「おお……」
またも声を上げてしまう。適度な弾力と滑らかな手触りを有していたイェンダの乳房とはまた違い、ルフューイのそれはどこまでも指が沈み込んで行きそうに柔らかい、雄大な質感を感じさせながらも手の上で溶けてしまいそうなおっぱいだ。
「はぅぅん……」
流動体の身体であってもやはり性感帯が存在するらしく、ルフューイは艶めかしい息をつく。
左手に極上の張りと手触りを感じさせる高貴なエルフの乳房、右手に人間では有り得ない柔らかさと質感を持つ精霊の乳房。両手に花とはこの事か、と、コペルはだいぶん理性の飛んだ頭で考える。
「んふふ、極楽でしょう?でもこのくらいで満足してちゃ駄目ですよー?」
ブルーの肌を紅潮させながらもルフューイはふりふりと上体を揺らして手に乳房をすりつける。それを見ていたイェンダも真似をしてふるふると胸を揺らす。
「あぅっ……!ぐぁっ……!」
どぷんっ
「んぶっ!?」
二人の美しい雌が自分に媚を売る姿に元々限界だった理性が振り切れる。予告もなしにイェンダの口内で暴発してしまう。
予想外のタイミングでしかも勢いが良かったものだから口から飛び出てしまい、一射目が二人の顔に飛び散る。
「ぱくんっ」
しかしすぐさまルフューイがフォローで咥え込み、二射目は逃さず口内で受ける。
びゅくり、びゅくり、びゅくり、びゅくり
「ごくん、ごくん、ごくん、ごくん」
途中までルフューイが恍惚とした表情で精を飲み続けていたが、イェンダが幹に横咥えにしゃぶりつくと瞬時に主の意図を察する。
「るぇろんっ」
「ぢゅぷんっ」
流れるように亀頭から唇をスライドさせ、幹から舐め上げるイェンダの唇に一滴も精をこぼす事なくバトンタッチする。
このあたりの連携は流石に長年連れ添っただけはある。
「こきゅん……こきゅん……こきゅん……」
「んふふ……」
いまだに止まらない緩やかな射精を手でゆっくりと扱きながら吸い続けるイェンダ、ルフューイの方は口に精液を溜め込んだままぬるりとコペルに顔を近付ける。
「くちゅ、くちゃ、くちゅ、くちゃあ」
「あ……あ……ああ……」
そうして口に溜めた精液を咀嚼する様子を見せつける。興奮を煽られたせいで射精はより長々と続き、イェンダはとろんとした顔でそれを吸い続ける。
「ごっ……きゅん」
「ぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅ……」
最後に喉を通る様を見せつけるのと同時にイェンダがぎゅぅぅっと幹を扱き上げながら最後の一滴まで啜り尽くす。
「あぎっ……ぎっ……いっ……」
「あっ……コペルさ……」
コペルの頭ががくん、と落ちる。最後の最後まで長々と射精感を持続させられる強烈な責めに耐えかねて意識が飛んでしまったらしい。
「やりすぎちゃいましたね……あ、でもこっちはまだ元気……」
「……」
意識を失ってしまってもコペルの剛直はその硬度を保ったままだった。イェンダはゆるゆるとそれを手で扱きながら腰をもじつかせる。
「……ごめ……なさ……も、我慢、が」
そう言ってぐったりとしているコペルの上に跨る。ルフューイは目を輝かせる。
「きゃー♪きゃー♪いよいよ!いよいよなんですね♪ほらほらコペルさん寝てる場合じゃないですよ!マスターがコペルさんだけの雌に堕ちる瞬間ですよ♪」
きゃあきゃあはしゃぎながらコペルの額を水の手でぴしゃぴしゃ叩く。
「う、うぅ?」
意識を戻して見降ろしてみると自分の陰茎の上でイェンダが自らの性器を指で割り開いている所だった。
コペルの大きな陰茎に対してイェンダの性器の外観はピンク色でいかにも純潔という感じで見ていて不安になる。
しかしその認識もぴと、と先端が触れ合った瞬間吹き飛ぶ。
熟れた果実が潰れたようにくちゃりと愛液が溢れ出し、早く咥え込みたいと言わんばかりに先端に纏わりつこうとしてくる様がその外観にそぐわない魔物らしい貪欲さを感じさせる。
いよいよ繋がらんとする時、結合部に見入っていたコペルは視線を感じて顔を上げた。
イェンダは陰茎を手で導きながらもコペルの顔を見ていた、笑顔ではない、じっと真摯な眼差しをコペルに向けていた。
その表情の美しさに一瞬コペルは情欲も忘れて見入る、そうして目線を合わせたままイェンダはゆっくりと腰を下ろしていく。
みちちっ
「……っ」
微かにイェンダが眉を寄せて苦しげな表情になる、しかし腰の動きは止まらない。
「んっ……んんっ……んっ……」
とん、と奥にまで到達した感触がした、これで完全に繋がった。
濡れてはいてもやはり中は狭く、きつい、気持ちいいと言うよりも締め付けられ過ぎて痛いくらいだ。見てみると微かに出血も見られる。
「イェンダ……ありがとう」
何がありがとう、なのかは分からないが何故だかそんな言葉が口を突いて出た、イェンダは目尻に涙を浮かべながら微笑み、頷く。
二人共何故だか切ない気持ちになった、しかしそんな甘酸っぱい雰囲気はそこまでだった。
「ん、んぁ、あっ……はぁっ」
不意に、イェンダの顔が紅潮し、ふるふると全身が震え始める。
「イェン……!?」
心配をして声をかけようとしたコペルの言葉が詰まる、先程まで動かせない程にきつかった膣内が急激に変化し始めたからだ。
ゆるゆると締め付けが緩まり。かといって刺激がなくなったのではなく、解れたように柔らかくなり、よりコペルの陰茎にねっとりと絡みつくように蠕動し始める。
膣壁からトロトロと溢れだす愛液の量も目に増え、性器同士の滑りを助ける。
「あぁぁぁぁっ……あ……?……あぅ?……あっ……やっ?……」
戸惑ったような声を上げるイェンダを顔を見るとその性器の変化に合わせて明らかに反応が変わり始めている。
堪えてはいたが辛そうだった表情がみるみる紅潮し始め、目尻が下がり、性器と同様に蕩けて行く。
「ひぁ……やぁ……み、見な、で……」
自分がどんな顔になっているのか自覚したのか、イェンダは羞恥を感じて顔を手で覆って隠してしまう。
しかしその手はルフューイによって引き剥がされ、イェンダは自分が情欲に蕩けて行く様をコペルにまじまじと観察されてしまう。
ぬちちゅ
「くぅっ!?」
その様に見とれていたコペルは陰茎を襲った不意打ち気味の快感に思わず声を上げる。
ぬっち、ぬっち、ぬっち、
そしてその快楽は断続的に続く、見てみるとイェンダの腰がゆっくりとグラインドをしているのだ。
「ぇっ?あぁっ、や、ち、違う、ちがっ……あはぅん」
イェンダはその自分の動きが信じられないらしく、どうにか腰を止めようとするのだが下半身だけが主の意思を無視したようにくねくねとコペルを貪り始める。
「うぅ、どうし、て、きゃあ!?」
唐突にリズムが変わった、コペルが力強く下から突き上げたのだ。イェンダばかりに恥ずかしい思いはさせないという気遣いから来た行動だった。
ちゃぷん、ちゃぷん、ちゃぷん、ちゃぷん
浴槽の中で揺れる二人の身体、イェンダの腰の動きはよりスムーズになり、その瞳には魔性の色香が宿り始める。
ルフューイは浴槽に満ちた自分の体に伝わる二人のリズムを感じ取りながら恍惚とした表情になる。
(マスターとっても綺麗……♪マスターも、コペルさんに本当の意味で堕とされちゃったんですね……♪)
考えてみるとイェンダは魔精霊使いになってエルフの里を追われた後も男を求めるような事はしなかった。
魔力の影響力がどれ程のものかはルフューイにも分からないが、例え魔精霊である自分を従えていてもイェンダはやはり純潔のエルフだった。
もしかするとイェンダの中のエルフの高貴な血筋が魔力からイェンダを守っていたのかもしれない。
しかしそのエルフの血の加護もコペルとの交わりで完全に打ち破られ、イェンダは今、完全に愛と快楽に忠実な魔の物に堕ちたのだ。
それと同時にルフューイは全身に今までと比べ物にならない程の魔力が満ちるのを感じた。
今、自分達は本当の意味で「闇精霊」と「闇精霊使い」になったのだ、他でもないコペルの手によって。
「ふっ……ふっ……ふぁぁ……ふぁぁん……」
が、完全な魔物となっても元の性格が急激に改変されるという訳でもないらしく、急速に魔物として覚醒し始めた肢体とは裏腹にイェンダは強い羞恥を感じている様子だった。
はしたなく男性を求めてしまう自分の体が恥ずかしくて仕方ないらしい、そのあたりは禁欲的だったエルフの頃の名残かもしれない。
「だいっ……大丈夫、です」
「ふうぅっ、コペル、さ」
快感でうまく回らない舌をどうにか動かしてコペルが言う。
「嫌いになりませんっ……からっ、そ、そんな、イェンダ、さんも」
コペルも真っ赤だ快楽と同時に羞恥で真っ赤だ。
「すき、です」
その言葉を言った瞬間急にイェンダの背筋がぴん、と伸びた。
「ぁがっ……!?」
コペルは歯を食い縛って堪えなくてはならなかった、膣内が別の生き物のようにうねり、吸い付いて来たからだ。
「ぅふゃぁ……」
コペルを背後から抱き締めながらその様子を伺っていたルフューイが妙な声をあげてぷるぷると震える。どうやら主から快感のフィードバックを受けているらしい。
こみ上げる射精感をなけなしの意地でやりすごし、荒い息をつきながら見上げてみるとイェンダは笑っていた。
エルフの透明感を残しながらも淫魔の淫蕩さを感じさせる不思議な笑顔だった。
「えっちな、わたし、でも、いいですか?」
歯を食い縛って快楽に耐えながらこくこくと頷く。
イェンダはその言葉を聞くとぺた、と上半身を倒してコペルに抱き付いた。小柄なコペルはそれでイェンダの胸に顔が埋まってしまう。
温かさと柔らかさと同時に不思議と爽やかな香りがする、森の匂いだ。
「ふぅっ……んっ」
コペルの後頭部に手を回して抱き締めながらイェンダはゆっくりと腰を動かし始める。体が勝手に動いていた時とは違う、自らの意思による動きだ。
視界には汗ばんで雪のように輝く滑らかな肌しか映らない、ゆっくりとした動きとそれに伴うイェンダの息遣いだけが感じられる。
本能ではなく、イェンダ自身の意思によって与えられる快感は格別だった。
その動きは緩慢で控えめでありながらその中にもしっかりと雌の欲望を感じさせる動きだ。
「あぁ……コペルさんの、お……おち、おちん、ぽ、きもちいい」
「!?」
唐突にイェンダの口から飛び出した彼女のイメージにそぐわない淫語にびっくりすると同時に思わず陰茎が反応する。
咄嗟にルフューイの方を見ると顔を紅潮させながらもペロ、と舌を出してウィンクされた。
「イ、イェンダさんに妙な事を……」
「でもよかったですよね?伝わってきてますよー♪コペルさんのお・ち・ん・ぽ♪おっきくなってますね?」
言いながら下腹部を撫でて見せる。感触までかなりリアルに伝わっているらしい。
「こ、コペルさんの……お、おちんぽ……おち……んぽ……お、お、おち……んぽ……」
頭を撫で回されながら羞恥を堪えるような声で囁かれるととっくに許容範囲を超えていた我慢の限界が来てしまう。
「イェンダさん……!すま、ない!は、離、れ」
イェンダは離れない、コペルの小柄な体を包み込むようにして抱き締める。
優しいが逃れ難い力強さだ、力には自信のあるコペルが全く抗えない。可憐に見えてもやはり戦士なのだな、と場違いな感想が頭の片隅をよぎる。
どびゅぐっっ
「あァはっ」
「はひゅっ」
我慢に我慢を重ねた精が暴発した瞬間、二人から同時に声が上がった。
どぐっどぐっどぐっどぐっどぐっどぐっ
止まらない、イェンダの真っ白な腹部に白濁を注ぐ脈動がずっと止まらない。
この血統書つきの雌を孕ませずにおくものかとコペルの本能が叫んでいるかのようだ。
イェンダはしっかりと腰を押し付けてそのコペルの本能の本流を一滴も漏らさずに受け止め続ける。
淫魔の本懐を遂げた子宮が狂喜し、自分でもどう動いているのかわからないような動きでコペルにもっともっとと催促する。
「こ……ぺる……さ……おち……ぽ……」
半ば意識を飛ばしながらも健気に慣れない淫語を使おうとする、もっとも既に自分が何を言っているのかも判らない状態かもしれないが。
びく……びくん……びく……
気の遠くなる射精が終わった時に浴槽の中にあったのは微かに痙攣を繰り返す二つの身体だった。
互いに桃源郷を彷徨うような表情でただただ圧倒的な余韻の中を漂い続ける。
しかしそれでは気が済まない人物(?)が浴槽の中にもう一人。
ぼんやりとするコペルの頬に水色の手が添えられ、くい、と上を向かせるとその唇にちゅっとキスが落とされる。
「つ・ぎ・は・わ・た・し・で・す・ね♪」
一言一言区切るように言うイェンダの表情は完全に理性を振り切っている模様だ。
(……お手柔らかに……)
多分、口に出して伝えても意味は無いのでコペルはそっと心の中だけで呟いた。
13/03/27 22:27更新 / 雑兵
戻る 次へ

■作者メッセージ
終わんねぇや・・・。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33