読切小説
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キューピッドさんがエロいことするだけの話。
自分は昔から母に愛されていないなと思っていた。
別に虐待や育児放棄されたわけではないが、
母にとってそう大切な存在ではないことは感じられた。
俗っぽい言い方をするなら母は……ヤンデレ気質なのだ。

大切に思っているのは夫だけで、息子はその付属品。
外からは愛情を持って接しているように見えるが、
そうすると夫が喜んでくれるからという理由でしているにすぎない。

流石に小さい頃は母親が愛してくれないことに悩んだりもしたが、
成長するにつれてその悩みも薄まり、今ではまるで気にならなくなった。
むしろテレビで見る過保護で異常な愛情を持った母親よりずっとマシだとさえ思える。

ともあれ我が家の母子関係はそんな感じなので、
自分が高校に入学するなり『もういい歳なんだし一人で生活できるよね?』と単身赴任中の父のもとへ出奔してしまってもショックは受けなかった。
実のところ『そろそろやるかもな…』程度の予想はしていたし。
家事全般を自分の手でやらないといけなくなったのはすごく面倒だけど、それはしょうがない。
こうして自分は高校生なら誰もが憧れる、夢の一人暮らし生活に突入……しなかった。
何故かというと天使”を名乗る女が突然やってきたからだ。

別に自分は特定の宗教を信じているわけじゃないし、ことさら信心深いわけでもない。
だってのになんで天使が…と思ったが、本人によると異世界出身でこちらの有名な宗教とは何の関係もないとか。
じゃあその異世界の天使さまが日本の一学生である自分にいったい何の用なのか?
そう質問すると、畳敷きの居間にまるで似つかわくない格好をした彼女は穏やかな微笑を浮かべて言った。

「私があなたに会いに来た理由?
 それはね、あなたがとっても愛を欲しがっているからだよ」
天使を名乗るだけあって今まで見たどんな人間よりも美しい顔。
そんな彼女の笑みに半ば見惚れかけていた自分だったが、その言葉に心臓が一瞬凍りついたような気がした。

「私がこっちにきたのは本当にちょっと前のこと。
 でもね、この世界に降り立った途端に分かったんだ。
 寂しい、寂しい、愛してもらいたいっていう心の声が。私はそれを辿ってやってきたの」
……要は天使の超感覚みたいなもので察知したのか。
しかし自分の心はそこまで女々しいものだったのか?
悩んだりしたのは幼いころの話で、今はもう綺麗に割り切れたものだと思ってるんだが。
『いろいろ悩んだのは昔のことだ』と言ってみるが、彼女は否定するように首を振る。

「ううん、そんなことないよ。愛っていうのはね、人間の心の一番奥底にある物なの。
 目をそらして気にしないふりをしても、絶対いつか向き合わないといけないものなんだよ」
彼女はどこかのカウンセラーのようなことを言うと、
どこからともなく弓矢のセットを取り出した。
いきなり武器を持ち出されてギョッとし身構えてしまったが、彼女は『違う違う』と手を横に振る。

「この弓…というか大事なのは矢の方なんだけど、とにかくこれは特別製でね。
 この矢で射貫かれた者は、愛を向けられればその人を心の底から愛するようになるんだよ」
天使はちょっと自慢げに弓矢を見せつけると消し去り、テーブルに手をついてズイッと身を乗り出す。
そして対面に座っているこちらに顔を寄せると、悪魔が囁くように潜めた声を発した。

「あなたにだって気になる女の子の一人くらいはいるよね?
 私がその子を射った後に気持ちを伝えれば、その子はずっとあなたを愛してくれるようになるよ」
はたして天使の所業なのかとても疑問に思うが、確かに魅力的な提案ではある。
邪な心を持つ人間なら、腹の底で黒い笑みを浮かべたかもしれない。
しかし自分はそこまでの悪人じゃない(と思いたい)し、そもそも高校に入学してまだ一週間も経っていないのだ。
クラスメイトの人となりも分からないのに、好き嫌いの恋愛感情を抱けるわけがない。

「うーん、そんなに難しく考えなくてもいいんだけど……。
 あの子は綺麗だなとか、可愛いななんて思う人ぐらいいるでしょ?」
『気になる女の子なんていない』と返された天使は少し困った顔。
その顔も綺麗でしばらく眺めていたくなるが、発言内容がかなり酷くついツッコんでしまう。
いやだって『別に好きでなくてもいい。オマエに惚れさせてやるから、外見だけでもいい女を選べ』ってことでしょこれ。
女の側の意志とかどうなるのよいったい。
というか最初からの疑問なんだが、なんでそこまでお節介を焼いてくれるんだこの天使。

「だから、それはあなたがとても愛されたがっているからだよ。
 私は愛の天使だから、あなたみたいな人を見過ごしておくことはできないの」
なるほど、そういうことだったのね。
天使としてのお仕事だから自分みたいな人間を放置できないと。
『はいはい、お仕事お仕事』とちょっと突き放したように口にしてみる自分。
すると身を乗り出していた彼女は少し傷ついたような顔をして畳の上に座り直した。

「その言い方はちょっと酷いよ。
 私は本当に『あなたが愛し愛されるようになったら』って思って来たのに……」
善意と厚意でもって接したらそれを否定する言葉で返された。
これは確かに傷つくだろう。頭を下げて『ごめんなさい』と謝罪しておく。

「あ、分かってくれればいいから…。それより今はあなたのことをどうしようか。
 私はあなたに好きな人ができるまで待ってもいいけど……」
好みの相手と出会うまで待ってくれるという天使。
ずいぶん気の長いことと思うが、そんな相手に会えるのがいつになるかは本当に分からない。
つーかそこまで根気よく付き合うぐらいなら『私が愛してあげるよ!』くらい言ったらどうなのか。

「え? 私でいいの?」
意外や意外といった顔で天使は目を見開く。なんでその発想がないんだよ。
「それはその…私の仕事は人間の男女を結びつけることだから……」
つまり天使である自分自身はターゲット範囲外だったということか。
「……うん、そういうこと。でもあなたが望むなら私はちゃんと愛するよ。
 本当に私でいいの?」
嬉し恥ずかしな顔で期待するように上目づかいをする天使。
こんな美人にそう問われて『やっぱいいです』なんて言える男がいたら見てみたい。
『よろしく頼む』と伝えると彼女は今日見た中で最高の笑顔を浮かべてくれた。

「うん、私の方こそよろしくね。
 これからは今までの分を埋めるくらい、あなたを愛してあげるから」
彼女は力強く言い切ると、スクッと立ち上がった。
意気込んでいるのは分かるが、いったい何をする気なのか?
そう考えたらピンクと白で彩られた翼のようなヒラヒラが突如消失。
元から露出度が高い衣装だと思っていたが、翼のような布が無くなってしまえば下着姿同然だ。
それを意識してしまい体が熱くなるが、彼女はそんな内心を無視して四角いテーブルを回り込みこちらの右隣に座り込む。
こんな美女に密着距離にまで寄られた自分は左側へ身を離そうとしたが、
彼女は逃がさないというかのようにこちらの右腕を両手で抱え込んできた。
そして右の耳元へそっと囁く。

「ね、服を脱いで。私とセックスしよう?」
ストレートに言われた自分の脳内は混線し一瞬フリーズするが、すぐさま再起動し言葉を口から返す。
『いきなり何言い出すんだよ!?』と。
しかし彼女はひるむことなくさらに言葉を返す。

「あなたこそなんで驚いてるの? 男女間の愛っていったら、第一に肉体関係でしょ?
 だからしよ? 私がどれだけあなたを愛してるか教えてあげるから」
……普通天使といったら、精神的な愛が真っ先に来るんじゃなかろうか。
少なくとも肉体的な性愛を前面に押し出すのはどうかと思う。
ああでも、この天使は異世界の天使だから自分の常識とは別なのか?

抱え込んだ右腕に胸を押し付け、しなだれかかってくる褐色の天使。
長袖ごしにも伝わる胸の柔らかさ、彼女からほのかに漂う甘い香り、
何より美女の側から性交渉を求めてくるというこのシチューション。
頭の中がだんだんゴチャゴチャになり、愛とも性欲ともつかない感情が湧き出てくる。
彼女から逃げるように左側へ引いていた体もいつの間にか右側へと寄り、
端整な彼女の顔へと自分の顔を近づけてしまっていた。

「ん……っ」
唇に触れる熱くて濡れた感触。
自分の側から彼女に口づけをした。そう理解してしまうともう止まらなかった。
彼女を右腕からそっと離すと、自由になった両腕でトレーナーを脱ぎ、ズボンのベルトを解き、全ての邪魔物を脱ぎ捨てる。
天使はその姿を見て優しく笑うと、自らの体を抱くように胸と腰に手を這わせた。
スッと撫でるような一薙ぎ。ただそれだけの動作で最後の衣服は空に消え、生まれたままの姿をした褐色の天使だけが残る。

ピンと尖った先端までもさらした並以上に大きい二つの乳房。
女性器を薄く隠している茂みは水気を多分に含んでいて、畳との間に透明な糸を引く。
彼女は腰下まである長い三つ編みを揺らすと、テーブルに腰かけて両手を差し伸べた。
自分はそれに近寄ると彼女の股を開いて、髪よりも濃いピンク色をした入口に男性器の先端を押し当てる。
そして腰を進める前に、彼女の顔を見た。すると彼女は笑みの形に目を細めて口を開く。

「そのままおちんちん入れていいよ。私のおまんこ使って一つになろう?」
何の恥ずかしげもなく卑語を口にする天使。
それに勇気づけられたというわけでもないが、彼女の上体をテーブルに押し倒して男性器を挿入した。

「あ、あっ…! 入って…きてるっ! あなたのおちんちんっ、入ってるよっ…!」
初めて入った女性の体内。
そこは肌より高い熱とぬめりをもって男性器をギュウギュウ締めつけてきた。
今まで一度も味わったことがない快感に我慢しきれず声が少し漏れてしまう。
天使はそんな自分の姿を見てクスッと小さく笑った。

「気持ち良くて声を漏らすっていうのは恥ずかしいことじゃないよ。
 それは相手がどれだけ愛してくれているかっていう証明なんだから」
彼女はそう言うと両足をこちらの腰に回して、挿入を推し進めるようにグイグイと力を込める。

「ほら、もっと入って。私のおまんこにズッポリ差し込んじゃっていいんだから……ね?」
ペロッ…と艶めかしく唇を舐めて天使は笑う。
その仕草がとても煽情的で自分は一気に腰を押し込む。
すると膣壁のヒダヒダが男性器を擦って痺れるような快感が走り、根元まで入った所でようやく止まった。
彼女は両手を伸ばしてこちらの頬をそっと挟むと、潤んだ瞳で語りかける。

「さあ、あなたが感じてきた寂しさをぶつけてちょうだい。私はその全てに愛で応えてあげるから」
……ああ、こんな優しい言葉を口にしてくれるなんて、彼女は本当に天使だ。
そう思った自分は、彼女が与えてくれるという愛を求めて腰を動かす。
細かいヒダで覆われた膣が男性器を放すまいと食いつき、
繊細な神経がむき出しにされて直に刺激されるような快感が背骨を伝って脳に伝わる。
この快楽の前では寂しいと感じる余裕なんて全くないだろう。

「んっ! 良い、よっ…! 初めてなのに、とっても上手…っ!」
自分は童貞でセックスなんてこれが初めて。女性を悦ばせる技術なんてまるでない。
だというのに天使は心底から喜びを見せて褒めてくれる。
その姿に愛おしさと情欲が燃え上がり、自分は彼女の胸に手を伸ばす。

「ん…! いいよっ、おっぱいも触って…!
 遠慮しないで、私の体を使ってちょうだい…!」
腰を一突きするごとに弾み揺れる天使の乳房。
汗の玉が浮かぶ褐色の膨らみはとても柔らかく、手を放すのが惜しくなるような感触だった。
さらに乳房の先端にピンと立っている乳首。
自分はそこにとても惹かれるものを感じ、口をつけてチュゥッと吸い付く。
すると天使はピクンと反応し、身を強ばらせた。

「ひゃぁん! ち、乳首は敏感だから、もうちょっと、優しく―――んぁぁっ!」
家の外まで響きそうなほど大きい嬌声を天使はあげたが、そんなことはまるで気にならなかった。
実の母とは違う『優しく愛してくれるお母さん』に甘えるように自分は彼女の乳房を吸う。

「あっ、あなた、おっぱいが好きなの? そんな、熱心にっ、吸っちゃってっ…!」
呼吸が乱れるあまり、天使は言葉を切りながら話しかけてくる。自分はそんな彼女に頷いて返す。
すると彼女は好ましそうに微笑み、さらに言葉を紡ぐ。

「そっ、そうなの…っ? じゃあ、ちゃんと私を孕ませてねっ…!
 そうすれば、母乳っ、飲ませてあげられるからっ…!」
なんと彼女は自分の子供を産むことさえ受け入れているという。
そんなこと深い愛情がなければ絶対にできないだろう。
子供が欲しいというより、子供を産んでくれるほどの愛を受けたいという思いが自分の中に生まれ、彼女を身籠らせようと腰の動きがさらに加速する。

「あっ、あっ、あなたの…おちんちんっ、まだ硬くなってるっ…!
 もう射精しそうなんだね…! 私に種付けしたいんだねっ!」
天使の方も限界が近いのか、足のみならず両腕をこちらの背中に回してギュッと抱き付いてくる。
汗でヌルヌルの乳房がこちらの胸板に押し当てられ、その熱がより強く感じられた。
顔を少し傾けるだけでキスできるほどに接近した彼女の顔。
それは汗やヨダレにまみれ、瞳の焦点がやや合っていないかったが、その美しさはまるで変わらない。
いやそれどころか、快感にとろけた表情はこちらの欲望に燃料をさらに投下してくれた。
精液が男性器の中を進んでいくのを感じ、先端からほとばしりそうになる。

「いいよっ、来てっ! おちんちんから精液出してっ!
 私のお腹っ、大きくっ……膨らませてぇぇっっ!」
一気に引き絞られる天使の膣内。
目が眩むような快感の中、男性器を脈動させながら彼女の中へ精を解き放った。

「んぃぃっ! すっ、すごいっ! これが射精なのっ!?
 あなたの精液で、私のおまんこ一杯になってるっ!
 ああっ、感じるっ! 私たちがもうすぐ一つになるのが分かるよっ!
 くぁっ、今…妊娠してるっ! 私、お母さんになってるぅぅっっ!」
膣内射精を受けた天使は嬌声を振りまきながら達する。
冷めていたなら酷い有り様だと思ったかもしれないが、
今の自分は彼女がそれほどに悦んでくれたことに嬉しさを感じた。

事がすんで身づくろいをした後。
自分はヒラヒラした例の衣装を纏った彼女とテーブル越しに再び対面していた。
愛は大事だが、愛で全ての物事が解決するわけじゃない。
具体的にいうと、これから彼女はどこで過ごすとか、どうやって生活していくとか、
そういうことをキッチリ話さなければいけないと思ったわけだ。

幸いなことに母は父を追いかけて家を出ていった。
性格からして一度父の元へたどり着いてしまえば、単独で帰ってくるということはまずない。
そして父が帰省するのはお盆や年始年末といった暦上の要所のみ。
しばらくの間は両親を心配する必要はない。
だが、近所の目はどうするとか、一人分増えた生活費の圧迫とか、そういった点は解決策が思い浮かばない。
何か良いアイディアは無いものかと訊いてみたら、彼女は軽く笑って手を振った。

「そんなことあなたが気にする必要はないよ。
 余所の目を誤魔化すのなんて簡単だし、服は変えようと思えば変えられる。
 食事……は欲しいけど、あなたがたっぷり愛してくれるなら、それも我慢できるかな。
 ほら、これで問題なんてみんな解決でしょ?」
『何の問題ですか?』とでもいわんばかりの天使。
彼女は綺麗にくぼんだヘソのあたりにそっと左手を当てると、とろけた色を瞳に宿す。

「あなたが心配してる大半のことは私が解決できるよ。
 そんなことより、お互いもっと愛し合うことを考えようよ。ねぇ?」
天使はそう言うと舌をチロッと出し、右手の人差し指を紫のブラに引っ掛ける。
どう考えても自分を誘っているその仕草。
次の日も学校があるなら、僅かばかりためらったかもしれないが、明日は高校に入学して以来最初の休日だ。
今夜はずっと彼女と愛し合おうと決意し、先ほど着たばかりの服を再び脱ぎにかかった。



人間愛する人がいると心に余裕が持てると聞くが、それは事実だと実感した。
中学時代まではムカッときていたような出来事があっても、やれやれとため息一つで受け流せる。
他人と意見がぶつかり合っても無理に押し通そうとせず、寛容に妥協点を探ることができる。
教室で熱烈にいちゃつくバカップルを見ても、ウザイなどと感じず『仲の良いことだ』と肯定的にとらえられる。
それもこれも、家に帰ればすぐに出迎えて愛の言葉を紡いでくれる天使のおかげだ。

以前に口にした通り、彼女はご近所の目を誤魔化し我が家の一員として溶け込んでいる。
彼らと積極的な交流こそしないが、敷地内にいる姿を見ても誰も不思議には思わない。
母がいなくなってしまい毎月の仕送りの額は減ってしまったが、
天使は物を欲しがるということをまるでせず、実際には食費が少し増えただけだった。
最も心配なのは両親そろっての帰省だったのだが『二人きりの生活に息子は邪魔』と母が考えているためか、お盆も正月も電話だけで済ませてしまい、帰ってくる気配を微塵も見せなかった。
そのせい…とは言わないが、この家はもはや自分と天使だけの愛の巣と化してしまっている。

テスト前なんかは別だが、そうでないときは暇を見てはセックス、セックス、セックスだ。
こんなにヤってばかりで体は大丈夫なのかと気になることもあったが、
自分の体は弱るどころか、より体力がついて精力も増している。
彼女の方も性欲は底無しなのか、妊娠しているにもかかわらず激しく乱れ、愛と快楽を与えてくれる。
彼女と出会ってから一年近く経っても、ずっと同じように自分たちは愛し合っていた。

「あっ、あぁっ…! あなたのおちんちん、とても硬いっ…!
 私のおまんこ、もっとグチャグチャにしてぇっ!」
真冬の寒さにガンガンに暖房をきかせた自室。
畳の上に敷いた布団の上でいつものように自分たちはまぐわう。
こちらの腰にまたがって腰を動かす天使の体は出会った時からかなり変わっていた。

二つの乳房は一回りほど大きくなり、先端の乳首から母乳を滲ませている。
すらっと引き締まっていた腹は成長した胎児を内部に抱え込み、すっかり丸みを帯びていた。
今の彼女は誰がどう見ても臨月の妊婦だ。

「ほらぁ、私のおっぱい飲んでよぉ…! あなたのおかげでこうなったんだからっ…!」
揺れるたびに白い雫をまき散らす天使の胸。
彼女はそれを右手でそれをつかむと、こちらの顔に向けて強く握りしめる。
するとピュッと母乳が吹き出しこちらの口元に命中。
舌を伸ばしてそれを舐め取ると、とても甘くてどこか懐かしい味がした。

「赤ちゃんが産まれたら、半分はその子のだからね。
 私のミルクを独占できるのは、今だけなんだよっ…!」
本来赤ん坊が独占すべき母乳を彼女は性行為のさなかに飲ませる。
いつ産まれてもおかしくない体でありながら貪欲にセックスを行う彼女の姿は、淫乱天使の見本のようだ。
だが今の自分にとってそんな淫らな彼女の姿はただ愛しくて欲情を煽るものでしかない。
こちらも彼女の腰を掴んで下から膣奥を突き上げる。
妊娠してより締りがきつくなった天使の膣内は以前よりも強い快感を与え、
胎児の重みで下がった子宮口は胎児が眠るその中にさえ男性器を迎え入れた。

「ひゃぁん! しっ、子宮に入ってるよぉっ! 
 お父さんが赤ちゃんのお部屋に入っちゃってるぅっ!」
人間なら流産の危険もある行為。
しかし彼女は子宮口を貫かれながらも、快感しか感じていないようだ。

「う、動いてあなたっ! 私と一緒に赤ちゃんも愛してあげてっ!
 お父さんのおちんちんを教えてあげてほしいのっ!」
腹の中の子は女性で、しかも天使だということはすでに彼女から告げられている。
そして天使の間では近親相姦のタブーがほとんどないらしい。
この褐色天使はこれから産まれる娘にさえ自分を愛させようとしているのだ。
娘の意志云々は置いておくとしても、これほど想ってくれると血の繋がりなんてどうでもよくなってくる。
自分は彼女の望み通り羊水に満たされた子宮の中を引っかき回し、胎児に軽く触れてやる。
すると天使はビクビクンと電流が流されたように身を強ばらせた。

「ああんっ! すごすぎっ!
 おちんちんで子宮口ゴリゴリされるの、すごすぎるよぉっ!
 あなたはやっぱり最高の旦那さまだよっ! ステキっ! 愛してるっ!」
興奮と快感が高まってきた彼女は大きく腰を振って叩きつけてきた。
一度貫通して子宮口が緩くなったのか、それとも打ち付ける力の強さのせいなのか、
男性器は膣と子宮の間をたやすく往復し、それぞれが種類の違う快楽を与えてくる。
こちらの射精感もこみ上げてきて、今にも出してしまいそうだ。
性的な面においては聡い彼女がその予兆を見逃すわけもなく、
ぐっと腰を押し付けて、思いっきりこちらの男性器をくわえ込んだ。

「出してっ! あなたの精液、子宮の中に注ぎ込んでっ!
 赤ちゃんにおちんちんミルクを飲ませてあげてぇぇっっ!」
背を丸めていた天使は絶頂に達したのか、一気に背をのけ反らせた。
褐色の乳房がブルンと震え、両乳首から母乳が噴き出す。
膣内は男性器を食い千切らんばかりに圧搾し、自分はその圧力を押し返すほどの勢いで彼女の胎内に精を放つ。

「きゃはっ! 赤ちゃんに精液かかってるっ! あなたの精液がお腹の中漂ってるよっ!
 もっとかけてあげてっ! この子があなたを愛せるようにっ!」
彼女とのまぐわいでとても熱くなった羊水の海。
その中に射精するのは血の繋がった娘を汚しているという背徳感も相まって、普段とはまた違う満足感を与えてくれた。

「はぁっ…今の、とっても気持ち良かったね……」
子宮口で男性器をシゴいたあげく胎児のいる子宮内に射精されるというのは、彼女にとっても初体験。
腰を落とした彼女は男性器を抜きもせず、そのまま快感の余韻に浸る。
そんな彼女に可愛らしさを感じ『抱きしめたいな…』と思って細い肩に手を伸ばそうとしたら、天使は突如緊張したように両肩をあげた。

「あっ、この感覚…! もしかしてっ……!」
何かに急かされたように彼女は立ち上がる。
栓をしていた男性器が抜け、開き気味の穴から精液や膣液がボタボタ零れ落ちた。

いきなり立ち上がってどうかしたのか?
そう疑問に思う自分に対して、天使は膨らんだ腹に両手を当てながら何が起きたかを告げる。

「今のセックスで破水しちゃったんだよ。もうすぐ私たちの子供が産まれるの」
天使は慌てもせず落ち着いた声でそう言うと、折り畳み式の低いテーブルに腰かけて股を開いた。

「見ていてね。私があなたの子供を産むところ」
彼女は不安など一片もない顔で穏やかに笑うと、腹に力を込めていきみ始めた。

「んっ…! んんん……くっ!」
女性器からこぼれる羊水がボタボタからビチャビチャに代わり、排出量が増えたことがわかる。
やがて腹の膨らみが動き始め、丸みの頂点が少しずつ下がっていく。

「く……ぁっ! 赤ちゃんの頭が…子宮口を、開いてるっ…!
 大きすぎて、伸びちゃってるよ……っ!」
当然ながら胎児の大きさは男性器の比ではない。
微かに聞こえる『ミチミチ…』という音は、子宮口を強引に押し通ろうとしているためにしているのだろう。
TVに出ていた女性が『痛すぎて何もわからない』と言っていたのも頷ける話だ。
だがここで出産している彼女は人間ではない。

「お…ごっ! 子宮口っ、抜け……っ、ひぃぃっ!」
セックスする時と同種の色が多量に含まれた声。彼女にとっては出産さえも快楽なのだ。

「見え…てるっ? おまんこの奥から、赤ちゃん出てきてるよっ…?」
快感がよほど強いのか、天使は涙をポロポロこぼしながら分娩を見せつける。
『ちゃんと見えてるよ』と自分は返すと、勃起が収まらない男性器を示して見せた。
これほどの艶やかな出産、見ていて欲情しない方がおかしい。

「ごめんね…セックスは、ちょっと待っててっ……。
 この子が産まれたら、すぐに相手してあげるから…っ!」
本人も快楽の大渦の中で大変だろうに、それでも彼女は自分のことを気にかけて謝った。
こんなに優しさと思いやりにあふれた女性が子供を産んでくれることを本当に幸福だと思う。

「ぎっ…! お、おまんこがっ! おまんこがギチギチだよっ!
 しゅっ、出産気持ち良すぎるっ! 良すぎて死んじゃうぅぅっっ!」
彼女の女性器が傍から見ていて怖いほどに広がり、頭頂部が外へと出始めた。
きっと胎児の体は子宮にはほとんど残っておらず、産道と化した膣内に収まっているのだろう。
あれほどに男性器を締め付ける彼女の膣が胎児を通すのなら、その圧力は凄まじいものだと理解できる。
彼女が感じている快感のほどはまるで想像がつかないけど。

「もう…出るっ! もう赤ちゃんが出ちゃうよぉっ!
 見てあなたぁっ! 天使のおまんこからあなたの子供が産まれるのぉっ!」
天を向いてのけ反りいきむ彼女の瞳にはきっと何も写っていないだろう。
それでも愛を示さんと自分に呼びかけ、産まれる瞬間を見せようとする姿は天使の名にふさわしい。
本当に今更だが、彼女がいなくなれば自分はもう生きていけないと確信する。

「あっ、あっ、抜けるっ! 頭が抜けちゃうっ!
 おまんこの中身っ、全部でちゃぅぅっっ!!」
ガリッと安物テーブルが欠けて爪が食い込む音がした。
それとともに一番大きな頭部が抜け、勢い余って胴体の方までズルッと抜け出してくる。
赤子はへその緒を引きずりながらボテッと畳の上に落下すると、コホコホッと僅かにむせたあと静かに呼吸を始めた。

「あ…ん……。お母さんに、なっちゃった……」
天使は脱力した様子でテーブルの上に寝そべり休んでいる。
『お疲れさま』と思うが、全身汗だくで股間からへその緒を伸ばしている彼女の姿からはすごい色香を感じた。
早く彼女とセックスしたくなり、ペタペタと彼女の頬を触ってこちらに意識を向けてもらう。
彼女はボーッとした瞳を向けるが、やがて何かを思い出したかのようにのそっと身を起こした。

「あ、ごめんね。相手するって言ったのに。もうちょっとだけ待って……」
天使は寝起き直後のように気の入らない声を出すと、へその緒をつかんでズルズルと引きずり出す。

「これを抜かないと…んっ!」
ベリッと引きはがす音を立てて最後に出てきたのは赤黒い胎盤。
彼女はそれを床に放ると、安らかに眠っている娘を胸に抱き上げた。
子供を見るその目はやはり慈愛に満ちていて、性欲とは違う暖かさがこちらの胸にもじんわり広がる。

「さーあ、あなたのお父さんに挨拶してあげようね」
赤子をあやすように声をかけた彼女は子供をこちらに向けると、顔を近づけてそっと口づけをさせた。
……ただいま絶賛勃起中の男性器に。
いや、流石に初めてのキスがその場所ってのはどうなのよ?

「うん? これは大事なことだよ?
 この子がむずがらないなら―――あはっ、舐めたっ」
なんと我が娘は生後数分のくせに、小さい舌を出して男性器の先端を舐めたのだった。
それにビックリして身を引くと、天使はおかしそうにクスクスと笑い声を漏らす。

「そう驚かないで。これはとってもいいことだよ。
 あなたのおちんちんに興味を示したってことは、間違いなく愛してくれるってことなんだから」
天使は喜びの色を顔に浮かべて説明すると、布団の比較的綺麗な場所に子供を横たえた。
そして自身もその隣に仰向けに寝ると、迎え入れるように両腕を差し伸べてくる。

「さ、セックスしよう。私はあなたをずっと愛してあげる。
 何人でも子供を産んで、その全員にあなたを愛させてみせる。
 だからあなたも私を愛してね?」
言われるまでもなく、自分はもうとっくに骨抜きにされて彼女に依存している。
言葉で返す代わりに覆い被さると、彼女は文字通りの天使の微笑みを浮かべて抱きしめてくれた。
15/06/01 18:33更新 / 古い目覚まし

■作者メッセージ
キューピッドさんのエロが無性に読みたくなって書いたただけなので、魔物娘としての特色が薄かったかもしれません。


ここまで読んでくださってありがとうございました。

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