連載小説
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温泉
「行綱さん、痒い所はありませんか?」
「…………ああ」

以前訪れた際も部隊の皆で入った、貸し切りの露天風呂。前回と異なる点と言えば、人数が二人ほど増えている事。そしてもう誰もがその素肌を隠していない事だ。

「気持ちいいですか、クーちゃん?」
「……うん」

二人は、まるで姉妹のように。舞のスポンジ捌きに泡立てられるまま、クレイグはもこもことした泡に全身を包まれていた。どうやら、彼女の呼び方はクーちゃんで決定したらしい。
その横では、同じようにヴィントがミリアの身体をもこもこの泡塗れにしている。その姿はまるで山羊ではなく羊のようだ。……何だろう、どちらがより泡立てられるか勝負でもしているのだろうか。
行綱もまた、入浴前にクレア達に身体を洗って貰っているのだが。

「その、痒くは……ないのだが……」
「……?どうしました?」

たっぷり泡立てた豊かな胸で肉棒を挟み擦り上げながら、クロエが不思議そうな顔で聞いてくる。
そう、風呂椅子に腰掛けた行綱は全身に泡を纏った魔物達に囲まれ、その柔らかな身体で全身を洗われていた。

「あ、行綱は知らなかった?これが旦那様の身体を洗う時の、夫婦の作法なんだよ」
「うむ、皆している事じゃ。恥ずかしがらずに身を委ねるがよい♥」

背中に胸を擦り付けながら、クレアが。同じく手足を胸で挟むようにアゼレアが続く。
泡でぬるぬると滑る背中に硬く尖った乳首の感触が擦れ、甘い嬌声が耳元で上がる。手足の指の間まで洗う様にアゼレアの指が絡められ、それは臀部の割れ目まで滑り込んでくる。

「……本当か……?」
「はい。大切な旦那様の身体を、こうして自分達の身体の一番柔らかい場所を使って綺麗にするんです♥」

クロエが言い切る。彼女がここまで言うなら、おそらく本当の事なのだろう。
これが例えば姉あたりなら、自分の無知につけ込んで妙な事を吹き込もうとしているのではないかという可能性を疑っていた所なのだが……。

「ユキちゃん?今何を考えていました?」
「いや、何も」

唐突にこちらの心の中を読まないで欲しい。怖いので。
思えば昔から、彼女とは日常のみならず稽古の時でさえ、こちらの思考が読まれているように手も足も出なかった。

「だが、その」
「……どうしました?」
「気持ち、良すぎて」

全身に擦り付けられる、柔らかな感触や甘い吐息もちろんなのだが。
鎧を纏っていなければ、深窓の令嬢といった儚げな印象すらあるクロエ。実際、魔界の有力な貴族の末っ子なのだと聞いた。
開放感のある青空の下、そんな彼女が足元に跪き自らの肉棒に豊かな胸で奉仕している姿は、視覚的にも行綱の精神を昂らせる。
さらに魔物達の甘い香りと、石鹸の混ざった香りが鼻孔を擽る。
クロエが、くすりと笑う。

「どうぞ、遠慮なく射精下さい。それはむしろ妻として、とても名誉な事ですから」
「っ…………!」

はにかんだような清楚な笑みを浮かべながら、胸を抑える手に力が加えられる。
動かす速さはそのままに、むにゅむにゅと淫猥に形を変える双丘の中で、肉棒が余すところなく洗われてゆく。
そして。

「っ、っく…………っ!」
「あ…………♥」

温かい胸の中に抱き締められたまま、熱い精液が尿道を駆け上がっていく。
全身を妻達の身体に包まれながらの、魂が抜けるかと思う程に心地よい射精。
それは豊かな胸の間をこじ開けるように勢いよく放たれ、クロエの上半身を泡よりも白く染め上げた。
そんな彼女が、うっとりと目を細めながら言う。

「ふふ、こんなに……♥私の胸、気持ち良かったですか?行綱さん」
「……ああ……」

ずるりと、胸の間から肉棒が引き抜かれる。
見れば、泡と混ざっても尚濃さを失わなぬ精液が、胸の間で架け橋を作っている。

「それでは、洗い役を交代させて頂きますね♥」

そうして身体を引いたクロエに代わって、未だ固さを失わずいきり立ったままの肉棒はほむらの泡立った胸に包まれる。

「ほーら、あたしの胸はどうだ♥旦那様ぁ?」
「っ…………!」

柔らかな、穏やかに癒されるようなクロエの胸とはまた違う。
からかうような挑発的な笑みを浮かべながら、先の射精でこびり付いた精液をそぎ落とすように、張りのある胸が肉棒を押しつぶすように洗ってくる。

「あたしが一番気持ちいいって分からせて骨抜きにしてやるから、覚悟しとけよ……♥」
「…………っ」

言葉と共に圧力が強められていく胸の中。次の射精の為の精液が、陰嚢の中で急速に作られていくのが分かる。
さらにアゼレアとクレアの爪先が、後ろから男への乳首へと伸ばされた。

「っ、ぐ、また………っ!?」

限界を察したほむらが、行綱の口を自らの唇で塞ぐ。

「ん、ちゅ…………っ♥」

咥内で、甘える様に舌が絡みついてくる。
彼女の甘い唾液と香りに、頭の中が満たされる。
気付けば行綱は、二度目の射精を迎えていた。

「っ、く、ぁ………!」

乳首を爪先でかりかりと愛撫されながら、最後の一滴までを搾り取るようにぐにぐにと胸で押し潰される。
唇の隙間から洩れる呻き声のような男の嬌声を味わうように舌を絡め、にんまりとした笑顔でほむらは唇を離した。
つつ、と。二人の間に唾液の橋がかかり、音も無く垂れ落ちる。

「ん♥気持ちよかったろ?」
「……ああ……」

呆けたような男の顔に満足そうな笑みを浮かべたほむらの胸から、肉棒が引き抜かれる。
当然ながら、それは泡と先程放出した重たい精液に塗れていて。

「…………」

これ……終わらないのでは……?

「さて、ではそろそろ仕上げにするかの♥」
「ほら行綱、立って立って♥」

一抹の不安を覚えた行綱の身体に、湯桶からお湯が掛けられ泡が流されてゆく。
そうして手を引かれて立ち上がると、その下半身に抱き着くように二人が床へと跪いた。
クレアが前。アゼレアが後ろ。

「じゃあ、失礼しま〜す……♥」

そうして、二人の顔が。もっと言えばその開かれた口が、自らの下腹部へと近づいてくる。
まさか。

「ん〜…………♥」
「っ…………!?」

クレアが肉棒にむしゃぶりつき――アゼレアの舌が、男の尻肉の間へと這わされた。

「ひめ、さま、そこは…………!」
「ん……大丈夫じゃ。先程、綺麗にしたであろう?」

思わず腰を前に動かそうとするも、それはクレアの喉奥を突き、苦し気な嬌声を上げさせる結果に終わる。それ以上動かせない。
唾液をまぶしたアゼレアの長い舌が、にゅるにゅると男の菊門をほぐし……僅かに力の抜けた一瞬の隙をついて、にゅるりと腸内へと滑り込んだ。

「っ、っ…………!?」

にゅるにゅると舌が蠢く。
未知の感覚。快感。崩れ落ちそうになる男の腰を、淫魔と飛竜の腕が力強く固定する。
前も後ろも、温かな唾液を纏った舌で愛される。
くらくらする。
恐ろしい程、気持ちいい。
思わず二人の角を掴んだ行綱は、堪らずそのまま絶頂を迎えた。

「っ、んんんんん…………っ♥♥」

どくん、どくんと。
限界を迎え、精液が吐き出されている間も二人の愛撫は止まらない。
みっちりと筋肉の乗った臀部に。きゅっと引き締まった腹筋に腕を這わせながら、自分達の夫に最高の射精を迎えさせたいという愛情を込めて前後から舌を這わせ続ける。
クレアが最後の一滴までを飲み下し、舌で精液をそぎ落としたのを確認してから、アゼレアも男の臀部から顔をひいた。

「ふふ、ご馳走様でした♥」
「妾達は口をゆすいでから向かうゆえ、先に湯船に浸かっているがよい♥」
「あ、ああ…………」

未だ夢心地の行綱の頬を撫で背を向ける二人に代わって、小さな手に両手を握られる。

「……パパ……」
「お兄ちゃん、こっちこっちー♥」

綺麗に泡を流された二人に手を引かれる行綱の後ろに、舞とヴィントが続く。
膝の上にミリアとクレイグ。両脇をヴィントと舞に固められながら、湯船に浸かり景色を眺める。

「……行綱。私の身体に手を回して。湯当たり対策。」
「ユキちゃん、私も私も♥」
「…………」

何となく。
まだ、明確なセックスの時以外で、自分から妻達の身体に触れるのは、何だか気恥ずかしい。
そんな行綱の手を引いて、二人は行綱に自分の身体を抱き締めさせる。
そうして、手の甲に自分の掌を重ねると――自らの胸や太腿へ押し当て始めた。
行綱の身体に、四つの女体がしなだれかかる。

「ユキちゃん。私はユキちゃんが生まれたその時から、ユキちゃんのものです」

耳元で、言葉にすら湯の中でも消えぬ狐火を纏ったような舞の甘い声が囁いた。

「……いつでも、どんな時でも。私達に手を伸ばして欲しい。全部、喜んで受け入れる。」

反対からは、引き込まれるような冷たい死人の声。

「ふふ、ユキちゃんはまだまだお嫁さんが増えるかもしれませんしねー。私達が寂しい思いをしない為にも、普段からどんどん手を出して貰わないと♥」
「いや、流石にこれ以上は」
「……私も、増えると思う。」

行綱の言葉を、ヴィントが遮った。

「……何、を」
「今の行綱は、多分。……行綱の子供を産む、って言う人を、皆好きになっちゃう。」
「あー、ヴィントさんもそう思いますか?」

やっぱり、と舞が楽しそうに続けた。

「ユキちゃんは、ずっと子供を作る訳にはいかないーって言ってましたからねー」
「そう。長年、意識しすぎて。……行綱の恋愛感情は、完全にそれと結びついてしまったように見える。」
「それにユキちゃんはカッコいいですからねー。これからもメロメロになっちゃう女の子が出てきても何もおかしくありません」
「…………いや、そんな」

つまりは子を持つ事を恐れ、恋愛感情を恐れていた過去。
アゼレアによってその恐怖心から解放された結果、二つの意識が心の中で関連づけられたまま、因果関係がひっくり返ってしまったのだと。
頷くヴィントに行綱は否定するが、自分以上に自分の事を知っていそうな二人にそう言われると、ついもしやと自身を疑ってしまう。

「パパ」

身体にしなだれかかったクレイグが、潤んだ目で行綱を見上げていた。

「……パパの子供、頑張って沢山産むね……?」
「…………」
「あ」

行綱の膝の上で水面下に何らかの変化があった事を感じたらしきミリアの声に、行綱は静かに首を振った。

「いや、その……これは、誰でも、そんな事を言われれば……」
「ふふ。いいんですよ、ユキちゃん」

舞が笑ってそれを遮った。

「私達が今こうしていられるのは……少なからず、そのお陰もあるでしょうから」
「そうだよお兄ちゃんっ、こーんなに可愛いミリアがべたべたくっついてたのに、ずーっとアゼレア様の方ばっかり見てて……」

今度はミリアが声を上げる。
頬を膨らませた彼女は、ちろりと小さな舌を覗かせ――行綱の胸板に、舌を這わせ始めた。

「ん、む……♥だから……これからは、ミリアとも、いっぱい遊んでね…………♥」

更に釣られたようにクレイグが逆の胸に、左右の二人は首筋にキスを降らせてくる。

「……ん……♥」
「…………っ!」

先程まで、散々精を吐き出していた筈なのに。
煮えたぎるような衝動が、身体の奥底から沸き上がってくるのが分かる。
そんな行綱の背後に聞えるのは、濡れた床を踏む複数の足音。

「ふふ、随分と盛り上がっておるな」
「……姫、さま」
「丁度良かった、実はあたし達もさっきので中途半端に身体に火がついたまんまでさぁ♥」

まだ湯に浸かる前だというのに、どこか既に上気した肌。
そしてその内腿には、汗やお湯とは違う、少し粘度のある液体が伝っていた。
湯船へと入って来た魔物達が、揃って湯船の縁へと縁にその手をつき――行綱の目の前に、魔物達の尻がずらりと並ぶ。

「あ、ミリア達も!ミリア達もやるー♥」

ゆらゆらと揺れる腰が、尻尾が、こちらに向けられる熱っぽい目線が。
自分の事を、誘っている。

「――っ!」
「あんっ♥♥」

行綱は背後からその腰を掴み、夢中で彼女達の身体を貪り始めた。
痛い程にいきり立った肉棒を突き入れれば、蜜の溢れる膣が優しくそれを受け止めてくれる。
彼女達一人一人に何度も精を放ち、その度に隅々まで身体を洗い直され――結局、行綱が浴場を出たのは日が傾いた、夕食前の時間になっての事だった。





―――――――――――――――――――――





部屋で用意された夕食に舌鼓を打ち、そのまま魔物達に部屋に用意されていた布団へと引き摺り込まれて。
一体今日だけで何度彼女達と交わったのか――精魂尽き果てたように寝転ぶ行綱に、つやつやとした顔の魔物達が身体を寄せている。

「ふふ。こうして寝顔を見ていると、本当にまだ小さい子と変わりませんね」
「……ああ」

ミリアと抱き合い男の右腕を枕にすやすやと眠るクレイグを見たクロエが言った。
その寝顔は、とても満足そうで。

「……っ……」
「ん、イきそうなら我慢すんなよー?」
「……ああ……」
「……あ、出た♥」

男の胸板にほむらが、顔にはクレアが。
口付けを降らせながら、楽しそうに言う。

「ん、ちゅぅぅ…………♥」

両足の間にはヴィントと舞が身を寄せ合うように身体を屈め、舌を這わせた肉棒から湧き出るように放たれる精液を啜っている。
その左右の手はそれぞれ男の陰嚢と太腿に添えられ、幾度もの射精を行った男の身体を労わるようなマッサージが行われていた。
アゼレアはそんな男の頭を膝枕しながら、聞いた。

「……今日は、楽しかったか?」
「……はい」

それは、とても慈愛に満ちた声で。
行綱は揺り篭に揺られるような微睡みの中で、そういえば、と浮かんできた言葉を続けた。

「温泉から上がる時……皆が、私の身体を拭いてくれたのが……何故か、とても、嬉しかった」
「ふふ、そうか。では毎日してやらねばな。……明日は、少し観光にも行ってみようかの」
「……は、い…………」

瞼が落ち、寝息が聞こえ始める。
そんな男の穏やかな寝顔を――魔物達が、幸せそうに見つめていた。






21/10/04 21:29更新 / オレンジ
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