読切小説
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兄妹の脱出
俺は安田幸一。今日は友人と夜通しゲームをするために着替えや夜食をもって向かっていたがいきなり地面が光ったと思うと意識が遠退いていきまた目を覚ますと廃墟らしき謎の場所の一室の床に寝かされていた…




なんだここは…?と思い一室から出て探索をしすぐに階段を見つけ降りていくが出入口は開かない…なにかほかに出口があるはずだと思い探すも裏口のところは岩があり開かないのが裏口近くの窓から見えた…早く出ないと夕暮れから夜になってしまう…探索を続けると一体のぼろ切れのような服を着た銀髪の黒い目をしたとても精巧な女の子の人形が安置されていた…。それに近づきほかになにかないかを探しているとその人形が動いたように見え見間違いと考えながら探していると『なにかを探しているの?』という女の子の、しかし落ち着いた声色の声が聞こえてきて声の方を見ると先ほどの人形が動いて俺のもとに歩いてきていた…どうなっているのかと思うが付喪神と言うものが居るのかもしれない。と無理やり自分を納得させて「この謎の場所から出るためになにかないかと探している」と返す。すると彼女は『私も確かにこんなところに閉じ込められるのは御免ね…手伝うわ。貴方より小さな身体を使えば狭いところのものを探せる』と言い協力して脱出を試みることにした。













しばらくして、いくつか部屋を探すとひもで縛られた箱と別のところに小さな箱が奥にあるのが見えるが俺では届かない…ここは彼女にとって貰うことにしよう…しばらくして彼女がその箱を取ってきてくれたので開けると持ち手がグラグラの錆びたナイフが入っていた…彼女は『一回使ったら壊れそうね…』というが俺は「一回あればあのひもで縛られた箱を開けられるかもしれない」と確証はないが無理に玄関を開けようとしてもすぐに壊れてしまうので消去法で箱のひもを切ることを選んだ。なんとかひもを切れたもののナイフの持ち手が壊れてしまった、これでは危なくて使えない…とりあえずひもを切って箱を開けるとそこにはハンマーが入っていた…俺は彼女に「出られる方法が見つかった」とハンマーを持ち言う。彼女は『本当に?』と返し俺はその部屋の窓をハンマーでたたきガラス部分を破壊していく。彼女は『ここ二階よね…?』と返すが俺は「ここ以外の窓はガラスが分厚いのに見えた、ならここしかないだろう?」と言い窓を枠だけにしてしまう









荷物を持ち彼女に「跳ぶからしっかり捕まってろよ?」と彼女をひもで俺の身体にくくりつけて窓の枠から飛び降りる…その飛び降りるときに頬に痛みが走りそれによって足をくじいてしまうがなんとか出られた…頬にぬるいものがつたう…恐らく血だろう…まあ大したことはなさそうと判断し廃墟らしき謎の建物の敷地から出ると見覚えのある俺の家と友人の家の真ん中あたりの位置の通りに出てこられた。彼女は『貴方…頬が…』と言うので俺はスマホのカメラ機能を使って顔を見ると頬に割と深めの傷が斜めについていて血が出ていることに気づく…彼女は『ここは私が…』とおれの頬の傷口と頬に伝う血を舐めていく…すると不思議なことに痛みは収まっていく…時間を見ると集合時間ギリギリになっていたので友人に足をくじいたので行けそうにないと連絡をいれて帰ることにした。しばらくして彼女はおれの頬から口を離すと傷はほとんど目だたなくなっているのが移動中のガラス越しに見える…驚きつつも彼女には『共に脱出するために負った怪我なら私が手当てをするのは当然よ』と少し笑い返した。ひもをほどいて捨て、難とか痛めた足で自宅につく。幸い足は少しひねった程度で大したことはなかったのが幸いと湿布の効果のあるスプレーをシャワーから上がって吹き付ける。着替え終えて先程あった不可解なことを親に話し彼女を見せる。彼女は自分が最近来た魔物娘と呼ばれる種族の一人であることを話し『食事もいりません』というと両親はまるでうちに新しい子が来たかのようによろこび俺の妹として暮らしてほしいと言う…まあ共に脱出した相棒のような感じなので俺としても文句はない。










今日はいろいろなことがあったな…と疲れからか少し早めに寝ることにした俺は彼女の寝るところをどうするか(服は幸いうちの母がすぐに作ってくれた)と考えていると彼女には『お兄様と一緒に寝たい』というが俺は「下手したら寝返りとかで潰しかねん…」と言い話し合いの結果仰向けになった俺の上で彼女は寝ることにした。彼女を撫でていくとさらさらの髪が心地いい…すぐに俺たちは眠ってしまった…。






あれから数ヶ月、冬になったが彼女が俺を起こしてくれるお陰で俺は遅刻もせずなぜか身体の調子も前よりよくなりいろいろうまく行くようになったと思う。これも彼女とであってからだなとおもう。いまとなってはあのときに謎の廃墟らしき建物に何故居たのかよりもあの建物に行ったから彼女と出会えた。それなら良いことだなと思う、さて今日も仕事に行こう。彼女は『行ってらっしゃい。』と返す。こんな日々が続けばいいなと思う…

おわり
22/08/28 01:47更新 / サボテン

■作者メッセージ
どうも、サボテンです。

自分の見た夢を書き出してみました

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