連載小説
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怠け者に御仕置きを
あー・・かったるい。つうか、めんどくせ。知らん内にゴミばかり増えやがってよー。これどうすっかなー。明日ゴミの日だったな。ま、別にいいか、次のゴミの日に出しゃいいよ。さっさと仕事行くか。

「ふぁぁぁ〜〜〜・・・・、あー眠い・・」

「おはようございます、係長」

「あ〜〜、おはようさんー」

「係長・・、また寝癖ついてますよ」

「あー・・いいのいいの・・。帽子被りゃわからんよ」

んじゃ、ちゃっちゃと着替えて仕事すっか。今日の製造は何だったかな。工程表見てくっか。・・・ああ、先週3班がミスったあれか。これなら楽勝だ。

「おーい、杉野ー。今日のやつ4:1:3、水2で動かしてくれんかー」

「わかりましたー。係長ー」

「大内ー、そっちは238℃、242℃、220℃で回してくれー」

「オッケーですよー!」

「太田ー、回転速度5、毎分の受け20、充填は20kg減るごとに追加ー」

「はーい、任してくださいなー」

これで午前は大丈夫だな。あの3人だったらミスしないだろうし。それじゃ、ぼろ机の上で午後からの日程を作っておくか。

「係長ー」

「ん、どしたー?太田?」

「いつも思うんすけど、係長ってホント変わってるっすねー・・、仕事完璧なのに家のほうは」

「よし、太田。減給するように進言しとく」

「じょ、冗談っすよ!やだなぁ・・でもあれっすよー、係長マジで結婚したほうがいいっすよー。出来れば掃除好きな女と」

「・・・まぁ・・考えておくわ」

「っと・・そろそろ20kg減るから戻りますわ」

「ミスるなよ?」

全く、余計な事を言いやがって。俺だって結婚出来るんならしてるわ。だけどなぁ・・家の中があれじゃ・・誰も来る気ないと思うわ。別に不潔じゃないんだがなぁ、あのゴミの量がなんとも。瓶・缶はそこらじゅうに転がってるし、雑誌片付けるの忘れてたらいつのまにか山みたいになってたしなー。一応、衣類だけはきっちり綺麗にしてるんだが、その他に全く手付かず。どうしたもんかな。衣類以外の収納が下手ってのはかなり厳しいなー。いっその事、どうでもいいもんは全て捨てちまうか・・、いや、あのゴミの中に何か必要になる物があるかもしれないし。あー・・うん・・・、今度でいいか。

「杉野ー、そろそろ終わる頃だろー?終わったら、昨日の混合の続きしてくれんかー」

「わかりましたー!」

「大内ー、中工程5℃オーバーしてるぞー?」

「はーい、冷却増やしますー」

じゃ、俺は杉野と混ざって昨日の混合の確認作業に入るか。係長だからって、偉そうに命令するだけじゃ人としてダメだからな。そんなやつには人が付いてこないだろうし。

「おっし、杉野。手伝うぞ」

「これぐらいなら大丈夫ですよ。係長は午後からの日程お願いしますよ」

「その『これぐらいなら』が危ないんだぞ。それで昔、俺もでっかいミスしちまった事があるからな」

「・・・わかりました。お願いします!」

よしよし、杉野はちょっとばかし真面目な所がありすぎるからこうして定期的に一緒に作業しないとな。こいつは一人でなんでも背負い込んでしまう癖があるからなー。後の二人はちょっと調子のいい所はあるが根は真面目なんで言った事は素直に実行してくれるので助かる。これなら今日は定時までには終わって楽出来るかもな。

「っと、・・ほれ、ちょい量が足りないぞ」

「・・・これぐらいですか?」

「OKOK」

それじゃ、次は後の二人の作業を点検するか。

「調子はどうだ、大内?」

「順調ですー、この調子で続けば15時には全部仕上がりますよー」

「頼むぞ」

「さて・・太田は・・」

「俺は大丈夫っすよー、・・・・あれ?係長ー、今日の原料ってこれだけでしたっけー?少し足りないような気が・・?」

「・・・んー?あ〜、それなら先週俺が作り置きしてる分があるから足りなかったらそっち使ってくれ」

「了解っすー」

これで午前は大丈夫だな。それじゃ午後からの工程表を作っておくか。杉野と大内を組ませて効率を上げておいて・・、太田はこの調子だと14時過ぎには終わりそうだから俺と明日の工程の準備にかかるとするか。これで今日の仕事は終わりだな。終了予想時間は何事も無ければ16時過ぎ辺りになるな。たまには楽してもいいよな。と、もうすぐ昼飯だ。

「もうすぐ飯だぞー。大内は自動に切り替えておけよー。太田ー、一旦そこで排出モードをOFFにしてくれー。杉野ー、混ぜ終わったやつは昼一に2班に届けてやってくれんかー」

「わかりましたー」「了解ですー」「オッケーっすよー」

「・・・・よっしゃ、飯だ!食堂行くぞ!」

飯だ飯、今日もがっつり食うぞ。んで、今日のメニューは何だ?お、久しぶりに麻婆豆腐があるじゃないか。夏にはやっぱピリ辛麻婆豆腐だよな。おおうめぇうめぇ、大盛り最高。これでビールがあればもっと最高なんだけどなー。それはうちに帰ってからでいいか。美味いもんも喰ったし、昼からも頑張りますか。

昼休憩後、杉野は午前中に仕込んだ原料を運びに2班へ。太田と大内は続きを、そして俺は杉野が戻ってくるまで大内のサポートに入っておこう。太田は見た所異常無しだな。これなら16時までには点検も含めてなんとか終われそうな感じか。

「大内、燃焼中の必須安全事項覚えているか?」

「空気供給の管理、燃焼温度のチェック、冷却速度、えっとぉ〜・・・製品の仕上がり状況でしたっけ?」

「概ね合ってるが・・大事な事を忘れてるぞ」

「まだ他に何かありましたっけ?」

俺は大内を引っ張り機械から少しだけ距離を取らせる。

「あの位置で仕事してると機械の熱と中のバーナーの熱にやられちまうぞ」

「この距離だと中の確認が出来ませんが・・」

「こうするんだよ」

壁に引っ掛けてあった先が曲がった鉄の棒を掴みバーナー入り口付近にある小窓に引っ掛け上に持ち上げる。鉄の棒の曲がった先端が小窓の取っ手に巧く引っ掛かるように細工してあるので楽に中が覗ける。

「こうすりゃこの位置からでも見えるだろ」

「そっかー・・・こうすりゃ良かったんですねー。これなら楽になりますー」

大内が俺の真似をして前工程、中工程、後工程の小窓を順々に覗いていく作業に入る。俺はそれを後ろから見守る。基本的に俺は全員の自主性を重んじるのでやる気のあるやつにはとことんやらせる。危なくなったら俺が前に出て庇えばいい。

「係長、バーナーは順調ですー。空気供給パイプも埃などの詰まりはありません」

「ん・・、それじゃ前、中、後の温度全て8℃下げてくれ」

「・・・ですね、バーナーの余熱で室内の温度も上がってきましたし」

物分りが良くて助かる。きっちり室内温度もチェックしていたようだな。とりあえずは杉野が戻ってくるまでここの補佐に就いておこうか。そして1時間後、戻ってきた杉野と交代し一区切りついた太田と共に明日の工程をチェックし段取り作業に入る。

「ふぁぁ〜〜・・・、いつも思うんすけど段取り作業って地味で眠いっすねー・・・」

「アホ・・仕事なんざ段取り7分で仕事3分だ。先に段取りさえやっちまえば明日は3分程度の力で効率上げれるもんだ」

「そんなもんすかねー・・」

「世の中そんなもんだ」

どうでもいい会話をしつつ作業を手際良く進めていく。16時、作業を終了させた杉野と大内も加わり16時半までに全ての工程を終わらせた。

「ん〜〜〜っ・・・あー、終わり終わりっと・・」

「珍しく時間余ったっすね係長」

「たまにはいいだろ?お前らだってたまには早く帰りたいだろ?」

「そうですねー」

「俺もー」

しかし、どうしたもんか。今日は珍しく早い終了なので暇すぎる。俺は暇ってあまり好きじゃないんだがな。

「・・・ぁ」

「どうした太田?」

「今ふっと思い出したんすけど・・・係長、幸運の金貨の噂知ってるっすか?」

「なんだそれ?初めて聞いたが・・?」

「あー・・・えっとっすねー・・、あった。これこれ、これっすよ」

ポケットからなんだか古くなった記事を一枚取り出し机の上に置いた太田。写真が写ってるな。これは何の記事だ?

「ほら、最近って言っても、もう数年経ってますけど・・初めて魔物娘が現れた時の写真っす。この時に紹介された人達が口を揃えて言ってたんすけど・・えーと、・・あ、ここの文っす・・『幸運の金貨のおかげで愛する彼女に会えました』って」

幸運の金貨とは何の事だ?そんなニュースあったのか?

「・・・係長、たまにはニュース見ましょうよ・・」

どうやら顔に出てたようだ。というか意外と太田はツッコミポイント知り尽くしてるな。

「んで、・・これっす!注目すべき点はこれっす!」

んー、どれどれ?出会いはパーラーDE☆A☆I?意味わからんぞ。パーラーって、あのパーラーだよな。なんでここでパチンコが出てくるんだ。

「俺も詳しくはわかんないっすけど・・噂では見つけれる人は極僅からしいっす。んで、その極僅かってのが写真に載ってる人達っすよ」

ほぉ〜、そりゃまた変な話だな。でも、それなら何で記事になるんだ。見つけれないなら意味が無いだろう。それにこの記事、数年前のものだし所詮は噂だろう。

「係長・・その目は疑ってますね?これマジっすから」

「俺もその噂なら知ってる。なんでも、あの社会人空手大会で10連覇した人いるじゃない。あの人も確か幸運の金貨を見つけた人らしいな」

「マジか!?」

「本当ですよ、それで奥さんがドラゴンだって」

それが本当ならすごい話だな。でも、ドラゴンって・・あのドラゴンの事だよな・・。前に一度だけ見かけたけど・・あれはすごかったなあ。脱輪した車を片手でポイッてしたのを見たし。そんな奥さんもらったらそりゃ強くなれるわ・・。

「・・と、もう終業のチャイムが鳴るぞ」

「うぃーす」「はいよ」「はい」

終業チャイムと同時に更衣室に入りすぐに着替えタイムカードを挿し込む。

「じゃ、おつかれさんー」

「「「お疲れ様です(っすー)」」」

今日は早く終わったし、ちょいと寄り道していくか。最近忙しくて買えなかった雑誌も欲しいし、あのAV女優の新作も見てみたいし。色々と回らないとな。

ほくほく顔で帰路に着く。欲しかった雑誌もAVの新作も手に入ったし今日の晩は楽しめそうだ。でも、その前に・・部屋片付けんとな。流石にあの部屋でAV見たくない。ゴミ山の中で自家発電とか笑えないわ。

「しょうがないか・・、ちゃちゃっと適当にゴミ集めて捨てりゃスペース確保出来るだろ」

汚いマイルームを思い出し気分が萎える。自業自得なんだが、どうしても掃除が出来ないんだよな。掃除すりゃ逆に汚れちまうし、しかもゴミが増えるという悪循環。どうにかならんかな。誰か俺に効率のいい掃除方法教えてくれよ。

「はぁ・・・、こんなんじゃマジで一生女は来ないわ・・」

情けない足取りで帰路に就く。自分自身の不器用さが原因とわかってるだけになんとも惨めな生活なんだろうか。溜息を吐きながらとぼとぼ帰宅する。

「いっその事、部屋のゴミどっかに消えてくんないかな・・」

都合のいい事ばかり浮かんでくるけど、実際は悲しいかな・・・部屋の中は散かり放題。おかしい。どうしてもおかしい。前に知り合いが手伝ってくれた時はかなり綺麗になったはずなのに、どうして俺が片付けるとあれほど汚れてしまうんだ。俺には掃除の才能が全くないって事なのか。なんともなさけねぇ・・。

「はぁ・・仕事みたいにちゃちゃっと片付けれたらなぁ・・」

そんな事・・あったらなぁ。嘆いてもしょうがないし、帰ったら一気に片付けてみるか。ま、俺の腕だし期待するだけ無駄かもしれないがなあ。

「・・・ゴミ山の中でだけは自家発電したくねぇな・・ん?」

あれ?帰り道にこんなパチンコ店あったか?って、こっちの道じゃねぇ。一本筋間違えてんじゃねぇか。全くドジな事してしまった。いつもの道を通り過ぎてたみたいだ。

「とことんついてないな・・・ぉ。・・・おおおお!?」

なんだよ、あのすっげー美人なお姉さんは!?マジか!マジなのか!?・・いや、ちょっと待てよ。なんかこの状況どこかで聞いたような気がする。そうだ、太田が言ってた事にそっくりな状況じゃないか。って、世の中そんな偶然あるわけないっての。第一あの噂は数年前のもんだし、今更そんな都合良く現れる訳ないよな。

「・・・でも、試しに入ってみるか」

「本日はパーラーI☆ZA☆NA☆Iにお越し下さりありがとうございます。本日は心往くまでお楽しみください」

ほぉ〜〜・・・、すげえ。パチンコ店ってこんなに綺麗だったのか。もっとヤニ臭くて煩くて$箱積んで道塞いでるやつとか居ると思ってたのに結構静かなんだな。って、人が居ない。もしかして俺だけ・・・?

「あれ?これって俺ヤバイんじゃないか?」

客多かったら今持ってるAVとかエロ雑誌とか誰も気にしないだろうけど、客が俺一人だったら俺も荷物も目立ってしまう。まぁ別にいいか。

「入ってしまったからにはちょっとだけ打っていくか。案外面白そうな感じだしな」

見た所、普通のパチ台だな。ちょっと違うのは全機種が魔物娘シリーズって事ぐらいか。ふーん、ラインナップは上々ってとこか。おお、この子知ってるぞ!確かリッチとかいう種族だ、・・こっちはえーと、サラマンダーだ。おお、すげえすげえ。おおお!?あの有名なユニコーンが映ってるじゃないか。んで、こっちがサキュバスかー。久しぶりにパチに入ったが中々だな。うーむ、どれを打っていいものやら迷う。こうなったら得意の直感に頼ってみるか。うーむ・・・これだ!これに決めた!

「・・・・VIP ROOM・・・・?」

ま、まぁたまには勘も外れるよな。でもまぁ打つか。金・・後いくら残ってたかな。・・・良かった、まだ後4万7千円あった。

このジャラジャラする音も久しぶりに聞いたなあ。ふーん、豪華な部屋がモデルになってるな。さて、何が出るやら・・、お?ドアからメイドさんが入ってきた。って、クラーケンのメイド・・?って・・戻っていってしまった。なんだったんだ?よくわからんかったな。

うーん、なかなか誰も来ないなあ。6千円使って来たのがクラーケン一人ってのは寂しい・・。


<コンコン>


「・・・ぉ?誰かドアを叩いたな」

『ワインをお持ちしました・・・』

おおぅ・・この子って・・・えっと・・・えっと・・、そうだ!グラキエスだ。あー、この冷たい目線がエロチックでいいなあ。COOLメイド最高!

「やっとリーチ来たな」

ああ、やっぱ外れたか。ああっ!!ちょ、帰らないで!?出ていってしまった・・。COOLメイド良かったのにな。またリーチ来ないかなあ。


<コンコン>

「・・・!?よっしゃ!また来た!」

『御食事の用意が出来ました』

うっは!ゆきおんなさんのメイド姿すげえ!メイド服もいいが胸元のリボンとかイイ。

『それでは、ごゆるりと』

って、これもノーマルリーチか・・、違う!ん、厨房?誰か料理してるな。さっきのゆきおんなさんが料理してるじゃないか。こ・・これはそそられるもんがあるな。

『・・・まだ味付けが甘かったようですね』

ああああああああああああああああああああっ!!なんでそこで外れるんだよぉぉぉ!甘くてもいいから食わせてくれよっ!?・・ハッ!?俺何言ってんだ・・?

「・・・・独り言とか・・終わってるな俺・・」

・・・、グラキエスとかクラーケンとかゆきおんなさんって・・・皆美人だったなあ。あんな子と結婚出来ればな。って、無理か。俺の部屋見りゃ一瞬で愛想尽かすな。住んでる本人でさえ萎える環境だし・・・。帰ったら少しだけでも掃除するか。そうしないと・・・AV見れないしな。買って即座にお蔵入りだけはしたくない。今までに何本お蔵入りになった事か。

「俺の部屋・・・誰かが知らない内に片付けてくれないかなあ・・」

このまま放置してたらマンション追い出されそうな気がしてくる。まだ悪臭とか出てないだけましだが、いつ突然漏れだしてくるかと想像するだけで冷や汗が出てきそうだ。掃除すればいいだけの話なんだがな。

「・・・しょうがない、またアイツを呼んで頼み込むしかないか」

また手痛い出費かあ。アイツ結構がめつい守銭奴だからなあ・・・。タダじゃ絶対手伝ってくれんし・・。そうだ、確かアイツが好きだったAVが大量にあった・・はず。部屋のどこかに埋もれてるだろうが、それで今回は手打ちにしてもらうか。

「んじゃ、帰ったらアイツに頼み込むか・・<コンコン>・・と、リーチ来たか」

・・・リ、リビングドールのメイド姿って・・どう見ても西洋人形そのまんま。可愛らしいから別にいいか。似合ってるしな。

『・・・・』(パタン)

おおぃっ!?なんで無言で帰るんだよ。なんかリアクションしてくれよ。あーぁ・・本当に帰ってしまった。しかもリーチすらならずかよ。こりゃ駄目だな。今日のとこは諦めて帰るとするか・・。

(これこれ、これっすよ)
(噂では見つけれる人は極僅からしいっす)

・・・なんで急に太田の言葉を思い出してしまうんだ。確かに今の状況は似てるが・・似てるだけであんなのは何年も前の話だろうが。今更出てきた所で・・出てきた・・。はは・・まさかな。いや、待てよ?そういやなんで客が俺一人だけなんだ。これだけでかい店だ、普通なら3、40人ぐらいは客が居てもおかしくないはず。まさか・・な。

<コンコン>

「・・・!?び、・・びびった・・。変な事考えてたからすっげーびびったじゃないか・・」

ん、おおおぉぉぉっ!?これってまさか・・あのキキーモラじゃないのか!?おお、すっげー可愛いじゃないか。キキーモラってあの掃除好きで有名な魔物娘だったよな。あー、こんな子が彼女だったら部屋の掃除とか気にしなくていいのに。

『御主人様、お部屋の掃除に参りました』

「〜〜〜〜〜〜っ!!」

くぅぅ〜〜〜っ、まじたまらん!こんな可愛い子に一度でいいからそんな台詞言われてみてぇ!でも実際の部屋見られたら『実家に帰らせて頂きます』とか言われそうで怖いな。帰ったらまじで綺麗にしよう。

『ふんふ〜〜ん♪』

「ぉ、まさかの発展!」

おぉ、バスルームやトイレ、ベランダを次々と綺麗に・・。一つ綺麗にする毎に絵柄が進んでる。お?枕も交換して、・・ベッドのシーツも綺麗に皺一つ無く。ん、最後の一つはどこを綺麗にするんだ?あれ?画面が埃まみれに・・。

『綺麗綺麗〜♪』

「画面磨いてるし・・、って、まさか・・」

『隅々まで綺麗にしましょうね〜♪』

汚れが落ちる毎に絵柄が浮いてきてるって事は、これは期待してもいいのか・・。いや、まだだ。最後の最後で失敗という事もあるしな。

『御掃除完了しました〜♪』

「・・・」

あ、・・・当たった・・。本当に当ってしまうとは。よっしゃ!今日はツイてる。こうなったらとことん打ってやる・・・ん?た、玉が出ねぇ・・。って、おい、玉貸しボタンが押せねぇぞ。あああ・・・、玉が全部飲まれた・・。

『おめでとうございます、御主人様♥』

「えっ?」

う、受け皿に・・これは銀貨なのか?なんでいきなりこんなもんが出てくるんだ。って、そうじゃない。玉はどうしたんだ。玉が無きゃ意味ないだろ。

「おめでとうございます、御客様。その銀貨は貴方様だけの幸運の銀貨。一生大事になさってくださいね」

「うわっ!?びびった・・・、って・・今『幸運の銀貨』って言った・・?」

「それでは御客様・・今宵は良き夢を・・」

「待ってくれ!さっきの幸運の銀貨ってのは・・・・っ!?」




・・・・、んぁ?ああ、そうだ。早く帰ってAV見るんだったな。・・・、そうだったか?いや、そうだな。まだ呆けるには早い。はぁ、ゴミ山の中で自家発電か。今日のところはAV見るの諦めるしかないか。・・・おかしいな、さっきも同じ事考えてたような気がするんだが、気のせいか?んー、ま・・いいか。思い出せんって事はどうでもいい事だろうし。

はぁ、・・この鍵を開ける瞬間が鬱だ。・・ほらな。この強烈なゴミの山。玄関近くまで溢れかえった雑誌の山。いつ買ったのかすら覚えてない大量のAV。いつか溢れた物を収納しようと思って溜めに溜め込んだダンボール。汚い・・いや、汚いというより乱雑すぎる。足の踏み場がほとんどない。とりあえず上手く足場を作ってリビングまで・・。いつもながらリビングが最高に汚いな。昨日の缶ビールの空き缶に途中まで齧ってたイカ君。それに・・・途中まで読んでたけど飽きた大量の雑誌。後はもうなんというかゴミだな。ゴミじゃないんだけどゴミだわ。テレビのリモコンとか爪切りとかハンドクリームとかそこらじゅうに落ちてる。あ、失くしたと思ってたボールペン見っけ。こんなところに500円玉が・・・。これはまじヤバイな。ちょっとぐらいは整理するか。んじゃ早速玄関に置いてあるダンボールに適当に物突っ込んで、と。

・・・・、なんで逆に汚くなるかな。きちんとダンボールに詰め込んだはずなのにどうしてこうなるんだ。どこからどう見ても汚さ倍になってないか?何でなんだ?ええと、確かあいつはこうやって・・こうして・・こう収納したはず・・。何で入らないんだ?前は確かにこの方法で全部収まったはずなのに。はぁ・・、もういいや、掃除は諦めて買ってきたばかりのAVでも見るか。どうせ明日は休みだ、朝から掃除すりゃなんとかなるだろ。それじゃ英気を養う為に・・・、さぁーてAVを。

「ぉぉっ・・、久しぶりに見たけどいいケツしてんなー。この子悪魔尻め、ぷりぷり振りやがって」

デビュー当時から見てるけどやっぱいいケツしてんなー。いつもエロい穴開きの下着をつけやがって。いつでも挿入可能ですって顔すんなよ、何度でも勃っちまうだろ。でもやっぱAV女優だしとことんまでヤリたいとは思わんけど。

「いいケツしてるけど・・なんか違うよなー。こう、なんだ・・、エロさとお淑やかを両方兼ね備えたような淑女的なケツが好きなんだけどな」

カメラの前でぱっくりマンコ見せるんじゃなく、もう少しだな、恥じらいっぽいもんがあればそそられるんだが。そりゃ無茶な注文か、向こうは商売で体晒して、それをこっちは納得して買うんだし。それ考えるとちょい切ないな。

「って、おい。いきなり前戯も無しで即挿入かよ。ヌキ所減ってるじゃねぇか!」

おいおい、いくら人気女優だからってこんな手抜きAV作るなよ。買った意味無いだろ。



「・・・・・・・・・・・・・・」



なんだよこの駄作は。前回までのクォリティはどこへ行っちまったんだ。即ハメ膣出し&プライベート談話って・・。もう買うの止めよう。すっげー金の無駄遣いだったわ。これなら部屋の掃除でもしてるほうがマシだった。今更言ってもしょうがないけど飯食って風呂入ったら速攻寝よう。・・・・最近はAVの質も落ちたな。

「はぁ・・・すっげー虚しかった」

期待して買ったAVは見事にハズレ。買った雑誌はなんか微妙なラインナップだったし。今日は良い事無しだな。はぁ・・・。さて、あいつに掃除手伝ってくれ、とメール送っておくか。あ?なんだこれ?

「銀貨・・・?なんでこんなもんがポケットの中にあったんだ?」

んんん?こんなの買った覚えは無いぞ。なんか高そうな銀貨だよな?・・・ラスニア・レント?裏はどうなってる・・・・・・んんっ!?

「なんだこのスッゲー可愛い子は!?というか俺どこでこれを手に入れたんだ!?」

全く記憶に無い銀貨。けど、俺が持ってるって事は知らんうちにどこかで買ったのか。しかし・・・。

「やっべー・・こんな子居たらさっきのAV女優がどうでもいい存在になっちまうわ」

銀貨に彫られた笑顔見てるだけでなんだか癒される気分になってくる。なんつうか、もう理想の域だ。なんていうか、『どうよ、俺の嫁は?』と言いたくなるぐらい最高。と、まぁ妄想はこれぐらいにして寝るか。明日はあいつ呼んでなんとか掃除しよう。んじゃ、おやすみ。



んぅ、・・・何だ?誰か居るような気配がする・・。気のせいか・・・、こんなゴミ溜めの中に入り込んでくるやつなんて居ないし。

「・・・・・・・はぁ」

「!?」

今確かに誰かの溜息が聞こえたぞ。まさか泥棒・・・、にしては静かすぎる。物取りならもっと家捜しするはずだ。

「なんとも情けない御主人様でしょうか・・・・」

「…」

居る、確かに誰か居る。でもなんか・・・すごく貶されたような気がしたんだが。別に泣いてないぞ、ちょっと汗が出ただけなんだ。さて、誰だか知らんが・・起き抜けに布団投げつけてふんじばってやるよ。せーの・・・。

「おらあぁぁっ!!」

よっしゃ、今だ!って、あら・・・?

「これは何の御冗談でしょうか、御主人様」

よ、避けられた。あの一瞬で避けたというのか。でも確かに今完璧に捕らえたはず。

「御主人様・・・少々部屋が汚れております。このままですと御主人様のお身体に悪影響を及ぼすかもしれません」

余計なお世話だ、と言いたいところだが・・この子は誰だ。この微妙に垂れたイヌ耳・・、手首から少しだけ見える羽。おまけに尾羽もある。そして・・。

「メ・・メイド・・・?」

俺は別にメイドは・・・大好きだ!そりゃもうメイド最高だよ!あれこれ命令して失敗した日にゃ御仕置きと称して一晩中ベッドの中で鳴かせてやりたいぐらい大好きだ。

「初めまして誤主人様・・失礼しました、御主人様。私、ラスニア・レントと申します。種族は見ての通りキキーモラで御座います。以後よろしくお願い致します」

・・・、これ何のドッキリだ。なんでこんなゴミ部屋なんかにあの掃除マニアとも呼ばれるキキーモラが居るんだ。まさかこれは・・俺を助ける為に神が引き寄せてくれたというのか。イヤッフゥゥゥーーーー!これで汚部屋から解放されるぜ!よっしゃあっ!一丁頼んでみるか!

「それじゃあ・・・俺の家を綺麗にしてくれ!」

「・・・・・・」

あ、・・あれ?なんで無言なんだ?普通はここで「はい、喜んで」じゃないのか?俺、何か命令間違えた?

「申し訳ありませんが・・・、私は此処に来たばかりですので働く為に必要な性が足りなく・・・」

な、なんだと・・・、それはあれか。俺のアレを処理させてください、という遠回しなお願いなのか!俺はツいてる!今夜は人生で最高な日になるぜ。それじゃ早速溜まりまくってるのを処理してもらおうかな。短パンと下着を一気にずらしてチンコを晒すとラスニアと名乗った子が俺の前にしゃがみこんでチンコの先を丁寧に舐め始めてくれて・・。うおおぉぉ・・、なんだこれは!?風俗姉ちゃんなんか比べもんにならんぐらい上手いじゃないか。今まで使った金返せヘタクソ!と言いたくなるほどの技だ。

「んぅ・・ぢゅ・・んんっ・・ちゅぷ・・・」

おおおお、亀頭フェラ上手すぎ。まだ根元まで咥えられてないのに我慢出来ない。これが魔物娘のフェラなのか。も、もう出る!

「んぶぅっ!?・・・んん・・んぐ・・・ぅん・・・ん〜・・」

「はぁ・・はぁ・・・、す、すごかった・・・。それじゃ・・掃除のほうを・・」

「・・・申し訳ありません御主人様。性が少なすぎて・・・」

・・・・。すげぇショック。性が少ないとかマジで男の尊厳へこむよ。結構出したと思ったのに。しょ、しょうがないなぁ・・それじゃあもう一回お願いしようかな。最高に気持ち良かったし。

「それじゃ、もう一回頼もうかな・・・次は根元まで咥えてくれよ」

「畏まりました、御主人様。んぢゅ・・・んふぅ〜・・んっんっ・・・」

くっはぁ〜〜、やっべぇ、めっちゃ気持ちイイじゃないか。こんな可愛い子が俺の命令聞いて喉フェラしてくれるなんて。奥に当たった時のコリコリ感最高!

「んぐ・・・ふうぅぅ〜・・んぐぐ・・・ちゅぱ・・んんんー」

やばいやばい!これやばすぎるだろ。さっき出してまだ10分も経ってないってのにまた出そうだよ。喉奥に到達する時に舌をチンコの根元に絡ませるとか耐えれるわけねぇ。ぐっ・・、また出る・・くっ・・。

「んんんっ!・・・んふぅ・・、んぐ・・ぷはぁ・・」

「・・・はぁ・・はぁ・・、そ、そろそろ掃除を・・・」

流石に2連チャンはきつい。しかも10分ちょいで出してしまうなんて俺早漏か。

「御掃除させて頂きますね・・それでは」

「んおおっ!?なんだ!?なんでいきなり倒されたんだ!?」

「まずは御主人様の御身体から御掃除させて頂きます」

へ?ちょっと待ってくれ。なんかそれ違うだろ。部屋の掃除するんじゃないのか?え?え?なんで俺の腰に跨ってるんだ?

「ま、まさかと思うんだけど・・・そのまさかじゃないよな・・・?」

メイド服のスカートを捲くり舌なめずりしながらこちらを見つめてくる。そして捲くりあげたスカートの中に見えたのは・・。

「ノ・・ノーパン・・。しかもパイパン・・・」

毛一本すら生えてない無毛の恥部が俺の目の前で今すぐにでもチンコを飲み込みたいと愛液という涎を垂らしながらヒクヒクと蠢いている。今まで見てきたAVよりも淫靡で官能的で、それでいてあの欲情を誘う目付き。瞳がどろりと濁り性行為しか考えていないのがわかる。陰部から垂れた愛液が俺の亀頭に流れ落ちた瞬間、ラスニアの腰を掴みチンコの先端まで腰を下ろした後、欲望のまま一気に腰を突きあげた。


「んああぁぁぁっ・・・!チ・・チンポきたぁぁ・・・、御主人様のチンポが処女膜破って・・子宮に挨拶してますぅ〜・・」

「くぅっ・・、さ、最高だ。こんなマンコ今まで感じた事ねぇ・・。流石は魔物娘だ・・うっ・・」

ピンク色の襞の隙間から僅かだが血が漏れだして俺の股を伝って布団に赤い染みが出来る。ああ、これって最高じゃないか。処女奪った相手が今まで心の中で待ち望んでいたキキーモラだなんて。これで一生掃除に困らない生活が始まる。

「んぅぅ・・、どうしました御主人様・・。動いてはくれないのですか・・」

「ぁ、・・ああ、今から思いっきり突いてやるよ・・・ん!」

「んふぅ・・・、んぁん・・、もっと・・奥のほうまで」

なかなかエロいメイドじゃないか、ますます俺好みだ。こうなりゃとことん突きまくらせてもらうか。くっ、突きいれる毎にチンコに絡み付く襞がすげえ。魔物娘の膣って一体どうなってんだ。このままだとまたすぐに出ちまう。いくらなんでも3連チャン早漏とか御断りだ。

「あっ・・はぁ・・・、い、いいですぅ・・御主人様ぁ〜・・。レントの・・レントのオマンコを御主人様の肉棒で・・・んふ・・隅々まで綺麗に・・・あぁん♪」

た、たまらん・・・仕草もエロいがおねだり言葉もエロすぎだろ。だったらお望み通りに膣内を綺麗にしてやるよ・・・うっ!!

「ああああああん!御主人様の肉棒が・・・レントの子宮の隅々まで・・綺麗に・・真っ白に・・・ぁぁ〜」

「ううっ・・・ふぅ〜・・。ああ・・もう早漏でも・・なんでもいいや・・。これだけ気持ちいいんだから・・。さ、・・さて・・もうそろそろ・・」

うっ!?な、なんだ!?チンコが抜けないぞ!ぐぅぅぅぅっ!う、うごかねえぇぇ!亀頭が何かに引っ掛かって抜けねぇ!一体どうなってやがんだ!くっ、この、ぬ、抜けろ・・抜けてくれ。

「どうしました御主人様?一体何故そのように慌てているのでしょうか?」

「ぬ、抜けないんだ!チンコが・・亀頭から先が抜けねえんだよ!」

なんでこのメイドはそんなに冷静なんだ。もし締めつけてるんなら力抜いてくれ。頼む、このままだとまた・・ぐあぁぁっ!

「んふぅぅ〜〜♪また沢山の精液が膣内に・・・あぁ・・すごく・・・美味です・・♥」

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・、た、頼む・・。も、もう出ないから・・抜いてくれ・・」

「それは困りましたねぇ・・御主人様。【私】の時間はまだまだありますので・・、申し訳ありませんが【私】の時間が終わるまで御付き合い願いますね♪」

い、一体どういう意味だ・・。私の時間って何の事を言ってるんだ。それはこっちの台詞だろ。あああ・・・またチンコの根元まで腰が・・。

「それでは・・全ての性を頂きますね・・・誤主人様ぁ・・♥」

「ひっ!?や・・やめて・・やめてくれぇぇーーー!」

くっ!この!ふんんっ!なんでだ!なんでこんな軽そうな子がピクリとも動かないんだ!俺はこれでも100kgぐらいまでなら引き摺ってでも持っていけるんだぞ。それなのになんでこんな見た目軽そうな子が動かせないんだ。あああああああああああっ!また膣内が締まってきたぁぁ!

「んふふふふ・・、誤主人様のチンポ・・レントの中で嬉しそうに跳ねてますね♪・・・いつまで持つのかしら・・・ふふふ♪」

なんでこうなるんだ・・。キキーモラは命令に従順で・・主人の言葉には絶対服従って聞いたはず・・なのに。

「うふふふ・・・、そのお顔では私の事を全く理解していらっしゃらないようですね。本来、私達キキーモラは認めた御主人様に仕え一生を捧げ繁栄を願う種族です。ですが・・私達のもう1つの顔は・・・んぅ♪」

「んぐぁぁっ!で、出る・・、これ以上は・・」

「私達を全く理解していないのに理解した振りをしているダメな認識を持った【誤】主人様の性を・・・・」

「せ・・・性を・・?」

「全て搾り取り狩る事です」

ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ!辞めてくれぇぇっ!

「ふふふふふ・・・。誤主人様・・?どうして私達キキーモラが御掃除好きか知っていますか?」

「そ・・それは・・種族独特の・・」

「ふふ・・本当にわかってなかったようですね。本当に御主人様は・・ダメな【誤】主人様ですね。私達はただ・・お手伝いをさせてもらっているだけにすぎません。仕えた当主がしっかりしていればしているほど私達は当主に合わせてそれ以上に頑張らさせて頂きます。ただし・・仕えた当主が怠け者だった場合は・・・」

ごくりと喉の奥が鳴る。この先を聞くと俺の人生が壊されそうな気がしてくる。頼む・・それ以上言わないでくれ・・。

「一生、私の従順な僕になってもらうか・・・、それか性が枯渇するまで「いやだぁぁぁぁーーー!辞めてくれええええええええええ!」・・あらあら・・まだ続きがありますのに・・。まぁいいでしょう。それでは・・・頂きますね♥」



ぐちゃぐちゃと卑猥な音が俺の腰の上から鳴り響く。いくらどかそうともピクリともしない。俺はただ・・ただ騎乗位で搾られ続ける。もう何度目の射精だろうか・・、膣から溢れた精液の量はどう見ても20発以上の分量だ。どれぐらい時間が経ったのかもわからない。抵抗する気も起きなくなった。もういっその事・・早く枯らしてくれ・・・。

「ふふふ・・♪いいですよ・・誤主人様の・・その堕ちた瞳・・。見ているだけでイッちゃいそうですよ・・・うぁぁんん♪またピュッピュしましたね♥」

「・・あぁぁ・・・・・ぅぁぁ・・・・」

「うふふ・・、そうですね〜。いくらなんでも全てを奪っちゃうのは可哀想ですので〜・・。一つだけチャンスを与えましょう」

微かに聞こえたチャンスという言葉に俺の手がピクリと動く。お、俺は生き残れるのか・・。もし生き残れるチャンスがあるのなら・・なんでもして・・・や・・・る・・。

「それじゃ〜ですね〜。あら?・・もう明け方だったのですね。時間が進むのは早いですね。それでは・・今日一日で部屋全てを綺麗にしてもらいましょうか」

む、無理だ・・。俺は掃除が極端に下手なんだ・・。だが、・・やらないと今度こそ本当に・・狩られてしまう。どうすれば・・。

「どうします?御掃除します?御返事が無いようですね〜?それじゃあ少しだけ膣を締め付けさせて・・」

ヒィッ!?こ、これ以上締め付けないでくれ!俺は首を必死に縦に振る。

「約束しましたよ?それでは頑張ってくださいね♪あ、そうそう・・・眠気は魔法で綺麗に取ってあげましたから大丈夫ですよ」

今までピクリともしなかったレントの腰が上がり・・亀頭が抜けてくれる。抜けたと同時にぶりゅりゅと激しい音を出しながら膣から大量の精液が溢れだしてきた。どれだけ搾られたかよくわかるほどの量だ。たった一晩でこれだけの精液の量を搾られてたなんて信じられない。膣から吐き出された精液の量を見て気付いた。もし今日中に掃除が出来なかったら・・・これ以上の量を搾り取られて狩り殺されるんだ、と。

「は・・早く綺麗にしないと・・」

「さ、頑張ってくださいね。【誤】主人様♪」

レントの前で黙々と作業する俺。一つ一つ丁寧に片付けてるはずなのに何故か増えていくゴミの量。どうしてだ・・どうして減ってくれないんだ。このままだと今度こそ本当にレントに狩られて・・。

「誤主人様、それは無理に箱に詰めるのでは無く、同じ物を重ねて裸の状態で縛るといいのですよ」

溜息を吐きながら隣からアドバイスしてくれるレントに深く感謝する。そ、そうか・・なんでも詰めればいいってもんじゃないんだ。それじゃ・・これも良く似てるからこうして縛れば・・。

「正解です♪この調子で頑張りましょうね」

たった一言のアドバイスだったのにサクサクと作業が進んでいく。そうか、俺に足りなかったのは正しい知識だ。綺麗になればいい、じゃないんだ。どうやって効率良く収納し清潔に保てるか、だったんだ。そ、それじゃ・・これはこうすれば・・・。

「よくわかりましたね。先ほどまでの誤主人様とは思えません」

な、なんだ・・、すごく簡単な事じゃないか。なんでこんな簡単な事が今までわからなかったんだ。あ・・・・。

「どうかしましたか?それともさぼりたくなりましたか?」

「・・・い、いや。以前無くしたヘソクリが出てきた・・」

「はぁ・・、そんな物はどうでもいいですので先に掃除を終わらせましょうね。そういうのは後で集めればいいだけですので」

そ、そうだな・・。まずは掃除だ。ヘソクリに気を取られて時間を割きたくない。よく見れば至る所に小銭が落ちてるな。しょうがない、こうなったら。

「す・・済まないんだけど・・。小銭とか見つけるの手伝って欲しいんだが・・小銭見ると気が散って・・・ダメか・・」

「いいですよ」

素直に言う事を聞いてくれた事に暫し放心してしまった。なんで急に頼み事を聞いてくれたんだ。

「さ、早く終わらせましょう」

「あ・・ああ、そうだな」

二人黙々と作業を進めていく。あれからどれぐらい時間が経ったんだ。チラリと時計を見てみる。

「・・・!?な!?まだ三時間しか経ってないだと・・8割方終わらせたというのに・・」

「当然ですよ。これが御主人様の本当の実力だったのですからね。今まで出来ない出来ないと逃げてただけなんですから」

う、嘘だろ・・・、明け方から始めて・・まだ昼にもなってないのに。これが・・これが俺の実力なのか・・。

「私は御主人様が落として無くしたお金だけしか拾ってませんので手伝った内には入りません」

これならなんとか昼ちょうどには終われるはずだ。なんとか・・。




「はい、良く出来ました♪」

「・・・いや、まだ仕事残ってる・・」

「・・・?もうありませんよ?」

レントが集めてくれた小銭の山・・。かなりの量がある。その中にヘソクリが3つもあったのが驚きだ。さて、これを集計して・・。

「お金でしたら、もう数えてあります。合計372009円でした」

・・・・は?今何と言いましたか?37万?そ、そんなにあったのか・・・。

「そうそう、御主人様が集めたゴミはもうすぐ受け取り人が来ますので」

ピンポーン♪

「ちょうどよく来てくれましたね」

な、何?ゴミをどうするの?

「まいど〜♪受け取りに来たで〜。・・・ほほぅ・・、こりゃまたなかなかのもんやなー。ふんふん、なるほどなるほど・・。そんならこれぐらいでどないや?」

「そうですね、あ、これもお願いしますね」

あああああっ!そ、それは秘蔵のAV!?そのシリーズ集めるのにどれだけ苦労したか・・。

「いいですよね、御主人様♪」

「・・・・はぃ・・」

「よっしゃ!ほんならこれオマケに付けたるわ♪」

「ありがとうございます♪それでは御主人様、サインのほうをお願いしますね」

「・・・・これで、いいか?」

「ほな、おおきに〜♪」

受け取りに来た少女が背中に担いでいた木箱を目の前に下ろし、何か呟くと木箱の蓋が勝手に開いて全て吸い込んでいった。嗚呼、俺の青春が木箱に吸いこまれていく。

「ほい♪まいどあり♪」

俺に少しだけ厚めの封筒を渡した少女は鼻歌混じりに去っていってしまった。さらば、俺の青春。

「しかし・・・本当に綺麗になってしまったな。昨日までのゴミが全て無くなるなんて夢のようだ」

さて・・、俺の青春と引き替えになったこいつを開けてみ・・る・・・・んんっ!?

「どうしました御主人様?」

「た・・束が・・・3つも・・あった・・」

「まぁ♪良かったですね御主人様♪」

あんなゴミが・・束3つに化けるだなんて・・。それもこれも全てレントのおかげだ。

「あ・・・ありがとう、レント・・。本当に・・・ううっ・・」

情けない・・いい歳して泣いてしまうなんて。だけど、本当にレントには感謝している。もしレントに逢わなければあのままゴミの中で埋もれたまま怠惰な毎日を送ってたと思う。

「そ、そうだ!この金でレントに何かプレゼントさせてくれ!」

「いえ、私は御主人様の従者でございます。私などに礼など不要でございます」

膝を折り、恭しく頭を下げるレントに驚く。昨晩の態度とは正反対の姿に何も言葉が出ない。

「俺みたいなダメなやつにそんなに畏まらないでくれ・・、レントが居たから・・、いや・・・レントに逢えたからこそ俺は・・」

レントの手を取り軽く抱き寄せ感謝の印に額にキスをした。

「ぁ・・・御主人様・・・・♥」

キスで呆けたレントを他所に俺は急いで服を着て出掛ける用意をする。いつものような適当でラフな服装ではなく、滅多に着る事がない他所行き用のスーツに着替えレントの手を取り家を飛び出す。

「あ、あの、御主人様?どちらへおでかけに・・?」

「すぐにわかるよ」

俺はレントを連れて急いで一括払いで車を購入した。軽だけどな。カラーはもちろんレントのメイド服に合わせて紺と白が交じったのに決めた。納車が待ち遠しい。その後、レントの他所行き用のドレスや日用品を買った。いつもメイド服ばかりじゃなくドレスも着てもらいたいからだ。その後も次々とレントの為に何か購入しようと考えたが、おもいっきりデコピンされてしまった。これがまた結構痛い。地面でのたうちまわるほどの痛さだ。

「御主人様、私の為にそこまでする必要はありません。私は御主人様の為に働ける事こそが幸せですので無駄遣いはここまでにしましょう。ですが・・・私の為に・・・こんなに揃えて頂いて・・」

必死に涙を堪えているのがわかる。そんなレントの姿を見ているだけで俺は興奮してしまった。今すぐ抱き締めてあげたい、と。

「ぁ、・・・御主人様・・何を」

「ごめん、ちょっと調子に乗りすぎた・・。残りは貯蓄に回して帰ろうか」

「は、はい。御主人様が言うのでしたら♥」


綺麗になった我が家に戻り、レントの手料理を味わう。嗚呼、駄目だ・・。こんなの食べたら外食なんて無理だ。それ以前に俺は今まで何を食べていたんだろう・・。嗚呼、周りを見渡せば綺麗に片付いた部屋、レントの手料理、そして匂う布団。・・・布団?

「あああああああああ!?布団どうすんだよーーー!」

イカ臭い布団洗うの忘れてたよ!今日どうやって寝たらいいんだ。

-パチン♪-

「はい、綺麗になりましたよ♪御主人様」

・・・そうだね、魔法なんだよね。初めて目にしたけど本当に魔法って御都合主義だよね・・。はぁ、食った食った。じゃ、風呂に入ろう。



「お背中お流ししますね、御主人様♥」

「ぶふぉぉっ!?い、いや、いいから!そこまでしなくていいから!」

「そ、そうですか・・・」

そんな残念そうな顔しないでくれ・・、そんな顔されたら・・。

「・・そ、それじゃあ・・た・・頼んでもいいか・・な?」

「はい♪」

俺って結構優柔不断だなあ。あ、でも気持ちいい。レントの洗い方って最高に気持ちいいな。柔らかいスポンジが2つ背中に当って・・。

「うおおおぃっ!何してんのぉぉ!?」

「御主人様の御身体を洗っているのですが・・?」

くっ・・、耐えろ俺。レントは洗ってくれているだけなんだ・・そうだ、洗ってくれて・・。

「では、前のほうも洗いますね」

ぬはぁぁぁーー!チンコをパイズリ洗いしてくれてるぅぅ!うぁっ・・ダメだ・・出るぅ・・。

「ぁん♪・・また・・汚れてしまいましたね御主人様・・・♥」

ああああああああああああ・・・・。



はぁ・・、やっと眠る時間だ。早く布団に・・。

「お待ちしておりました、御主人様」

「これは一体・・」

「もちろん添い寝です、さぁどうぞ」

出掛けた時にレント用の布団買っておけば良かった。今更思ってもしょうがないが。

「そ、それじゃ失礼して・・って、なんで裸なんだ!」

布団をめくるとそこには一糸纏わぬレントの姿が。それに微量だけど股が濡れているのが見えた。

「うふふ、御主人様♪今日は良く出来た御褒美です。たっぷり私を可愛がってくださいね♥」

ここから先の事は全く覚えて居ない。ただ、ぼんやりと覚えているのは・・昨晩と違ってレントが受け身だったという事だけ。後、俺の無茶な注文も全て受けとめてくれたのも・・。











「おはようございます」

「うーっす、おはようさん」

「・・・係長?ですか?」

「他の誰に見えるってんだ?」

「おはようっす!って、その人誰っすか?」

「よし、お前らいい根性してるな。減給するように進言しておいてやろう」

「か、係長っすかーー!?なんすか、その髪!なんで髪が綺麗に流れてるっすかー!?いつものぼさぼさ寝癖じゃないっすよ!」

全く失礼なやつらだ。これはレントに綺麗にしてもらったんだよ。ちょっと自分自身でも違和感あるけどな。

「レントって誰の事っすか?」

「あ?なんでレントの事知ってんだ?」

「今、言ってましたっすよー」

つい口に出してしまったか。まぁいいか、どうせその内に嫌でもわかる事だしな。

「俺の嫁だ」

「「えええええええええええええっ!?それマジっすかーーー!!」」

とんでもなく失礼なやつらだな、こいつらマジで減給進言してやろうか・・。

「うぁぁぁぁぁ・・・・・係長に先越されたっす・・・」

「嘘だ・・、絶対に嘘だ・・・」


「御主人様〜〜、お弁当忘れてますよ〜」

お?ああ、そうだった。今日から弁当食うんだったな。いつも食堂だったから忘れていたよ。

「うあぁぁあああぁあっぁぁ・・・・、マジっすかあああぁっぁ!レントさんってこの人っすかーーー!しかもキキーモラで御主人様呼びっすかーー!係長爆死してくださいよおお!」

こ、こいつは全く・・、後でたっぷりしごいてやろう。

「ありがとうな、レント」

「はい♪御主人様も御仕事頑張ってくださいね」

手を振りながらこちらを見送る姿に何か妙な萌えというものを感じてしまう。これが幸せってやつなのか。


それと、・・・レントと引き合わせてくれた・・パーラーI☆ZA☆NA☆Iには本当に感謝だ。たぶんあれが噂のパーラーなんだろうな。まさか俺があの極僅かな可能性を持った人間だったなんて思いもしなかった。さあ、今日も一日レントの笑顔の為に頑張るか。



14/09/28 20:07更新 / ぷいぷい
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■作者メッセージ
御久しぶりのパーラーで御座います。今回はキキーモラさんのニ面性を重視して書いてみました。皆さんのお口に合えば宜しいのですが・・。

キキーモラさんに好かれたい方は常に周囲を綺麗にしておきましょう。もしかすると、いつの間にか傍に擦り寄ってきてるかも知れませんよ?

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