連載小説
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蘇りし聖女
「ウィイ〜、ヒック……あぁジャンヌゥゥ〜〜」

 私の名はジル・ドレー。元は一国の元帥まで務めた男だ。
 ……ちなみにこれだけは断っておくが、口さがない人々は私のことをアルコール中毒だとか、『家の財産を食い潰したバカ息子』だとか散々抜かすが、それは全部ウソだ。
 しかし一番許せぬのは、世間では何故か私がペドホモ呼ばわりされている事だ!! 私はノーマルだ!! そもそも何故小便臭いクソガキや男相手に欲情せねばならぬのだ!!

「ウェップ……グスッ、ヒック……ジャンヌゥゥ!!!!」

 どうしてこんなザマになったのか? まぁ、説明するのも面倒だから、そこは歴史に詳しい者にでも尋ねるがいい。
 一つだけ言えるのは、今の私に希望は何もない。愛しき人を失い、尽くしたはずの国に財産を差し押さえられた私は、居城に軟禁されてから数ヶ月、こうして毎日酒で退屈と鬱憤を紛らわす始末だ。

「はぁ………………」

 とはいえ、それでも下々の者よりは恵まれているだろう。食うや食わずという事はなく、ねだれば酒は貰える。もっとも、閉じ込めた奴等の『少しでも早く死んでほしい』という思惑も透けて見えるがな。
 だが、彼女が死んでからの私には最早この世への未練は無い。別に今日明日にでも死のうが一向に構わない。

「………便所行こ」

 こんな姿、彼女が見たらなんと言うだろうか? 少なくとも肯定的な言葉は述べてくれない気はする。
 彼女はどんな窮地逆境にあっても、絶対に弱音を吐かず、周囲を勇気づけた。聖書も読んだことも無いような村娘でありながら、誰よりも勇敢で凛々しく、それでいて慈悲深く、さらには誰よりも神の御心を信じた。
 「神は私にこの国を救えと仰りました」ーー初めは周囲の誰もが彼女を胡散臭く思った。当然だろう、何故こんなやたらとデカイ女に神が救国の使命を授けるというのだ。しかし、そんな周囲の下馬評を覆すほどに彼女はーー

「ぶべっ!」

 …イテテ、誰だよこんな所に本を置いといたのは!? 転んじまったじゃないか! クソッ、むしゃくしゃする!!

「ふぃ〜〜、おぅ出る出る出る出るぅぅ〜〜〜〜」

 だが、皮肉にも私は彼女ともう会えない。彼女は既に神の御下に召されたのだーーまぁ、世間のバカどもはそう思ってはいないがな。
 そもそも彼女は戦が一段落ついてきたところで、手柄を取られると思った諸侯どもが讒言し、聖女であるはずの彼女が逆に魔女の烙印を押され、あっという間に処刑されてしまった。
 ……確かに彼女はゴツかった。私より背の高い筋骨隆々とした大女で顔も全然可愛くないし、ツヴァイハンダーを片手で軽々と振り回すその姿は下手な男よりも余程男らしかった。だが、それが何だ! 見た目も聖女らしくなくては駄目なのか!?
 彼女は間違いなく聖女だ! 事実、私も兵士達も皆彼女に支えられた! 国を救うために一番働いたのは間違いなく彼女だった!
 なのに奴等は戦が集結した途端、用済みとばかりに彼女を処刑した! ああ、哀れな聖女よ……私が愚かで無力なばかりに貴方が殺されるのを止められなかった……!

「あたまいてぇ………………ここは迎え酒といくか〜」

 しかし情けないことに、私は彼女の後を追う度胸は無かった。名もなき兵士達や単なる村娘であったはずの彼女でさえ戦場では命を賭して戦ったというのに、元帥にまで列せられたはずの私には死ぬ度胸が無かった。
 そうして、今はこのザマというわけだ。毎日酒に溺れ、世間は私の姿が見えぬのをいいことに根も葉もない噂を流しまくる。やれペドホモだ、やれ猟奇殺人者だ、やれ詐欺被害者だと散々だ。
 世間のバカどもはペドホモだと言っているが、そもそも私は彼女に惚れている。見た目ではない、その生き様にだ。戦争終結後にプロポーズしようと思っていたぐらいだ。
 猟奇殺人者はペドホモから出た噂らしい。私がアブノーマルな趣向で男児を犯した後に虐殺するんだとか……はっ、くだらん! そもそも私はガキが嫌いなのだ! 城に入れたいとさえ思わん!
 ……だが、3つ目の詐欺被害者だけは本当だ。戦中、長引く戦と資金繰りに窮した私は精神的に弱っていた故、くだらん詐欺に引っかかってしまったのだ。

「ウヒィ〜〜………………」

 『フランソワ・プレエントリー』ーー錬金術師を自称するその男は私に言葉巧みに近づいてきた。そして、鉄屑を金色に染めるというチャチな魔術で私を信用させ、魔導書を高値で売りつけたりして金をしこたま儲けた後、ある時行方をくらましたのだ。
 その時私はようやく騙されたことに気づき、八方手を尽くして探させた。幸い、領内から逃げ切る前に捕まえられたので、「こんな男を世に放っても人に迷惑をかけるだけ」と思い、さっさと処刑させた。
 仕官時の面接で鍛えた嘘吐きを詐欺に応用する手強い男だったが、これでもう二度と面接どころかプレエントリーも出来まい。ジャンヌはお優しいから死刑に反対しておいでだったがな。だが、ああいう嘘吐きペテン師は世のためにならんから死刑にするに限る!

「んあ……」

 そういや、あいつの魔導書、まだ捨てていなかったな。

「頭がグワングワンするぅ〜〜〜〜」

 おっ、本棚にまだ突っ込んであった。ん〜、どれもこれも怪しいタイトルばっかりだ。

「ウヒィ」

 この『ルルイエ異本』と書いてある魔導書なんて封がしてあるな。『本当に危機に陥った時に開けてください』……あのクソ野郎め、巧妙な文句を書きやがって。ええい、今がまさにそれだ。開けてやる!

「ひひっ(笑)」

 ん〜〜、何々………………ふむふむ………これは。

「やっぱりぃ」

 何じゃい、これは! あのペテン師め、せめて中身を偽るぐらいしろよ! 表紙をそれっぽくしただけで中身は外国語辞典ではないか!
 やはり奴を処刑しておいて良かった。こんな物を掴ませおってからに。

「うふっうひぃ…………………………んげあぁ!!??」

 イテッ、またかぁ! こんな所にインチキ紙束を放り投げたのは一体誰だ! 私ではないぞ!

「ん?」

 ……ん? そういえばこんな本あったっけ? なんかあのプレエントリー野郎の持ってきた魔導書と何か雰囲気が違うというか……

「………マモムスの書?」

 表紙は何かエロい見た目の魔物が書いてあるな。翼と頭の角からして恐らくサキュバスだろう。
 だが堕落してしまったレスカティエのような国ならばともかく、私の領地は未だ神の御下だ。それは最早信仰心を捨ててしまった私でさえまだ断言出来る。
 そんなおぞましい魔物どもなど、ここには居やしないのだ!

「………………」

 けれども、そんな今はそんな魔物どもの外法の力に頼りたいほどに、私は追い詰められている。救国の聖女ジャンヌは死に、私はこの有様だ。
 もしジャンヌを生き返らせられるのならーーそれが叶うのならば私は神を裏切り、悪魔に魂を売ってもいい。

「……出来るんじゃね?」

 根拠は何も無い、単なる勘だ。だが、何故か私はこの魔導書から目を離せなかった。
 何というか、この魔導書は“本物”っぽい気がするのだ。この本なら、私の願いを叶える事が出来る気がするのだ。

「………寝よ」

 だが、へべれけの今では何かやったところで失敗するだろう。まずは一旦酒を抜いて素面になって、さらには心身共に清めねばなるまい。

「……ジャンヌ」

 どうか今しばらくお待ちください、聖女ジャンヌよ。





「ふむふむ……」

 私は数日かけてこの魔導書を徹底的に読み込んだ。あのプレエントリー野郎の掴ませた外国語辞典と違い、どうやら本物くさい。
 そして内容で一番興味深い、というよりは私が望んでいるそのものとして、『死者の復活』という項目があったのだ。これは最悪遺体の一部があれば出来るらしい。
 ジャンヌの遺体は引き取り手がいない故、私が引き取っていた。生家でさえ冤罪とはいえ大罪人となった娘の引き取りを拒んだ事を哀れに思ったのだ。とはいっても処刑は火炙りの刑故、原型を保ったとは言い難い凄惨な姿での再会だった。
 私は処刑後の彼女を見て、己の無力さと愚かさを嘆き、そして彼女を遣わしたはずの主神が彼女になんら手助けを寄越さなかった事を呪ったものだ。それにしてもヴァルキリーやエンジェルは一体何をしていたのだろう? 彼女は勇者でこそなかったようだが、それでも守護者ぐらい遣わしてくれても良さそうなものだが。

「うむむ……」

 まぁ、ないものねだりをしてもしょうがない。腹立たしいが、奴等の冷血ぶりは忘れることとしよう。
 死者の復活の儀式を行うには術式や供物などの他に細かい条件がいるようだ。本来ならば日蝕の日に行うのが望ましいようだが、次の日蝕はいつかなど私には分からん。よって日蝕の日の儀式はあまり現実的ではない。次に望ましいのは満月の夜だと書かれているから、その日としよう。
 次に儀式の際は魔方陣を床なり地面なりに描いて用意しなくてはならない。しかし、描くのに使う物が問題だ。術者の性質によって色々とパターンがあるようだが、私は魔術師ではないのでそこは分からない。この本に書いてある一番のオススメである獣の血にしよう。
 最後に儀式の際に唱える呪文だが、これが一番難しい。口ずさんでみたところ、最低五分はかかる。間違えないように練習しておかねばな。





「よし……」

 ついにこの日が来た。今日は待ちに待った満月の夜だ。魔導書に書いてあった呪文を暗記し、必要なものは全て揃えてきた。

「うヒィィ……」
「うげげ……」

 フフフフ、酒が効いているようだな。午前中、私はいつものようにアル中のフリをし、見張り達にも酒を勧めた。奴等はこの数ヶ月の私の姿を見てすっかり油断しきっており、約得とばかりに私の飲む30年ものの赤ワインに飛びついたというわけだ。
 しかし、私はワインに密かに痺れ薬を混ぜておいたのだ。奴等は馬鹿だから給料一年分以上の値段のワインを3本も与えられて有頂天になり、他の連中まで集めて酒盛りを始める有様だ。まぁ、おかげでこっちは助かったがな。
 連中は今私の部屋の前で涎を垂らしながらひっくり返っている。しかも小便まで漏らしているのでたまらんが、私はこの城を引き払う気だったから別にかまわない。

「フッ……」

 私は鼻で笑いながら、このマヌケ共を尻目に部屋を後にした。





「おぉ……」

 夜空の満月が見えるよう、儀式は城の中庭で執り行う。私は掘り起こしてきたジャンヌの遺体を端に置き、魔方陣を描いている。

「臭うな…」

 血は9羽分の鶏の首を刎ねて用意した。実はマモムスの書には「赤い物なら何でもいい」とは書かれていたが、今赤い絵の具はこの城に無く、かといってワインをぶち撒けるのもこの後のジャンヌと祝杯をあげるためとはいえ勿体無いと思った。だから消去法で鶏の血なのだ。
 しかし、私はこう見えて命の尊さを理解している男。だから、この鶏達は後でフライドチキンにするのだ。ちなみに我が聖女もフライドチキンが好物で、一食で20本はお食べになられていた。そういえば、兵士どもも我が聖女のお姿には引いていたなぁ。

「まだ間に合う……」

 マモムスの書に書かれていた『好きな人を押し倒す用♥身近な物から作る痺れ薬』のページ通りに作った痺れ薬の効力は18時間。個人差はあるだろうが、まだ効力は保つ。その間にさっさと魔方陣を完成させよう。

「いぃぃぃぃよぉっしゃぁぁああああ!!!!」

 悪戦苦闘すること三時間、ついに完成したぞ! 五芒星も円周も中の記号も全て完璧だ! 中央の隙間も我が聖女の遺体が完全に収まる大きさになっている。

「ぬ〜〜〜〜!」

 今を逃してはならない! ジャンヌは女でありながら元々100kgを超える巨体故、焼死体でも尚重いが、言っている場合ではない!

「ふぅ……」

 よし、ジャンヌは魔方陣の中央に納まった! 今こそ復活の儀式を始めよう!

「全ての男女を愛し祝福する魔王よ!! 今こそ我が願いに応え、我が聖女ジャンヌを蘇られさせ給え!!!!」

 マモムスの書を夜天に掲げ、私は呪文を詠唱する。

「サタニーヤ サタン ドゥンギャルン カシャクニャン インディセムゥ グシュト ウィラーダ ハンガラ ハンガラダン ランガ バンウンラディドン トゥンジュミーカンナー ウルクヤーンム…」

 私自身聞き慣れない言語で詠唱しつつ、心はジャンヌ復活のために祈りを捧げる。だが、その願いは叶うという確信はある。
 詠唱が進むごとに魔導書は水色の妖しい光を放ち、素人目でも分かるほどに魔力を放ちつつあったのだ。

「レイズザオラル!!」

 そして5分余りの詠唱後、私は最後の一節を唱えた。

「………………」

 変化はない。まさか呪文を間違ったのか!? あ、いけね! 最後の呪文が違う!

「アレイズザオリク!!」

 これだ!

「………………」

 ヤベェェェェェェ!! 何の反応もない! 私の今までの努力が全て水泡に帰すというのかぁぁぁぁぁぁ!!??

「おっ!?」

 い、いや、魔方陣が光り始めた! 性交、いや成功だ! 良かった、受け付け時間が長くて!

「おっ、おっ、おぉぉ!」

 魔方陣から出たのは光でなく魔力そのものか!? 中央に置かれたジャンヌの遺体に吸収されていく!
 おおぉ! 焼き尽くされて見るも無惨だったジャンヌの身体に段々と生気が!! 

「復活!! 復活だ!! ついに救国の聖女ジャンヌが現世に蘇った!!!!」

 まだ所々火傷は残っているが、見た目は十分生者だ! 我が聖女ジャンヌよ、今一度貴方の凛々しくも勇ましいその雄姿を!

「……う……」
「!!!!」
「うぅぅ……」

 呻き声!? ジャンヌの遺体が声を出した! やはり儀式は成功したのだ!

「うぅ〜……」
「おぉ、ジャンヌ! ジャンヌ! ジャンヌ…」

 ジャンヌが目を開けて起き上がった! おぉ、ジャンヌ! 我が聖女よ! 今再び貴方の御姿をお目にし、実に嬉しく………………ん?

「うぅ〜〜」

 あ、あれ………………こいつダレ? ジャンヌは男もかくやというほどの巨体で筋骨隆々とした女だったはず。しかし、目の前の女はそれとは似ても似つかぬ華奢な美少女というかなんというか……

「ジ……ル……ド………レー?」

 !!!! 我が名を知っている! や、やはりジャンヌか!? し、しかし、ならば何故これほど姿が違うのだ!

「あぁ……」
「う……うぅ〜……」

 ま、まさか儀式は失敗だった!? い、いやアンデッドにしてはまだ整った見た目ではあるし……まさか『生前通り』に蘇らないのか!? えぇい! もう一回魔導書の読み直しだ!

「う………」
「! い、いかん!」

 忘れていた。こんな所でまごついていては、そのうち誰かに発見されるかもしれん。錬金術の詐欺にあった私が今度は自分で黒魔術に手を出したと知れれば世間の笑い者だ。
 何より私の財産を狙う国の裏切り者どもには格好のスキャンダルではないか。ここは一旦ジャンヌ?を連れて何処かへ逃げねば……

「んんぁああああ!!」
「!? のわぁぁぁぁ!?」

 な、何をなさるジャンヌ?よ! 私を突き倒している場合ではない!

「あぅうぅ……」
「なっ、ちょっ、やめっ!」

 す、凄い力だ。私のズボンを掴んだと思ったら一発で破り捨て、私の分身が露出してしまった! ていうか、何をなさるのだジャンヌよ!

「あ〜〜」
「おふぅ!?」

 なっ、ジャ、ジャンヌよ、何故私の一物を口に含んで!? あっ、あぁっ、歯を立てて甘噛みしちゃダメぇ!
 ばっ、馬鹿な、何だこのテクニックは!? ジャンヌは聖女だった上にあの見た目、どう見ても処女だったはず! なのに何故こんな娼婦顔負けの口淫を私に!?

「♪」
「おっおぉぉぉぉ」

 そんなエロ面の上目遣いでフェラするのらめぇ!! ああぁぁ、素人童貞の私には刺激が強すぎるぅぅ!!
 それにしても何だこの口淫は!? 私が城に呼んだ娼婦どもでさえ、こんな技術をもった者はいなかった! ぬはぁぁ、らめぇ! 亀頭はビンカンなんだぁぁ!!
 んほぉお、カリのとこペロペロしちゃダメぇ! これじゃ聖女じゃなくて性女ではないかぁ! ぬぅああ、裏筋を歯でツンツンしちゃらめぇ!

「イテッ! そっ、そこは不浄の穴ぁあ!?」

 これだけでは済まない。興に乗ったのか、ジャンヌは私の尻穴に左中指を突っ込んでグリグリとねじった。私は切れ痔を患ってるが、その痛み以上に前立腺を刺激される事による未知の快楽が私を襲った。
 ダメだ、腰が浮いてしまう。ジャンヌの卑猥で淫靡な口に吸われる強烈な吸引もそうだが、下の方からもビリビリするような快感が来る。そんな私の情けなくあられもない姿を見て、ジャンヌはどこか愉しんでいるようにも見えた。

「んぎゅうううううう!!!!」
「ああああああああ」

 前立腺に加え、恐るべき絶技を受け続け、我慢するだけ無駄だった。私は愛しい聖女の口に大量の精液をぶち撒けてしまう。

「あぁ、聖女よ……なんという……」
「………………」

 何故だ? 以前のジャンヌはこのような淫らな振る舞いなどせぬ巨漢、いや淑女であったはずだ。何故だ、一体何故………だが、私の心も身体もそんな困惑とは裏腹にその続きに期待してしまっていた。久しぶりの口淫に私の愚息は勃起し続けている。
 そして、尻穴から指を引っこ抜いたジャンヌのやや生気のない両目はそんな私の期待を見透かしているのか、淫らな情欲の炎が灯っている気がした。

「おぁぁぁぁぁぁ!!」
「うわひゃああああああ!!」

 なっ!? ジャンヌよ、まさか!? それだけはなりませぬ! 貴方は清らかにして勇敢なる凛々しき聖女! そこまでしては貴方の崇高なわぁぁぁぁぁぁ!!??
 ………おっ、おぉ……挿れてしまった………聖女の中に私の愚息が入ってぇぇぇぇ……おっほぉぉ!!

「うぅぅ♥」

 な、なんと淫靡な……以前のジャンヌはこんな顔はしなかった………あぁ、そもそも骨格からして違うんだった。しかし、なんという感触! これではこのジル・ドレー、背徳の道を歩んでしまいますぞぉぉ……!
 あぁ、この艶めかしい襞……その一枚一枚が生々しく蠢き、私の愚息を撫で扱いてくる! なんという快感、なんと光栄……聖女自らこの私めに肉体奉仕してくださるとは!
 おほぉ、結合部から破瓜の血と濃厚な愛液が混ざり合って卑猥な音楽を奏でている! 天上の聖歌隊とて、これほどの音は出せまい! ジャンヌのあまりに幸福で淫靡なる喜びの表情からして、このジルめは感動のあまり脳髄が焼き切れそうですぞ!!
 おっ、おぉ!! ジャンヌも感じていらっしゃるのですかな!? 熟練の娼婦でさえそのように乱暴に腰は振りませぬぞ!
 いえ、お止めいたしますまい! 我が愚息は聖女御自らの慰撫により、この上なく喜んでおりまする! 私も若者と言える歳はとうに過ぎましたが、貴方様の極上の蜜壺の中では未だ鋼の如く大きく硬く! さらには何日寝ずとも精を吐き出せそうです!

「うっう〜」

 おや、その顔……もしやイキそうなのですかな? ならば、このジル・ドレー、せめてそのお手伝いを!

「う!?」

 我が性女ジャンヌよ! このハイスピード・ドギースタイルでどうか絶頂を! 不肖このジル・ドレー、全身全霊をもって腰を打ち込みまする!

「う………うっっぅぅ♥」

 おぉ、ビクビクと痙攣なされて♥ やはりジャンヌはこのお犬様スタイルがお好みなのですかな? 戦場ではその勇敢さと慈悲で味方を鼓舞しておきながら、夜の営みでは逆に乱暴に扱われるのがお好きとは!
 しかし、このジル・ドレーは貴族! 故に貴方様のその痴態は我が脳裏にだけ留めておきましょうぞ。
 ですが、ここまでされては私も我慢出来ませぬ。故に私が果てるまでどうかお付き合い願いたい!

「おひぃぃぃぃ!?」

 おっと、うっかり中出ししてしまいましたぞ♥ 申し訳ございませぬが歳なもので。
 しかし、心配ご無用。我が愚息は今日という日は百戦錬磨の戦士にして、不屈の名将の如く起き上がりまする! 故にジャンヌよ! 貴方様のご満足するまでお付き合いいたしまするぞ!

「うっぅ〜♥」

 お、ジャンヌもノッてきましたな♥ よろしい、今日は貴方様の復活祝いです。夜が更けるまで狂いましょうぞ!










「んほぉ!」
「ひぎぃぃぃぃ♥」

 ふぅ、これで8発目か。ジャンヌの牝穴と子宮に吸われて随分出してしまったものだ。私も40歳近いが、まだまだ元気だな。
 しかし、なんと淫靡な光景だろう。ジャンヌは私の精液袋となり、結合部から愛液と卑猥な水音を出して腰を振り続けていた。最初は狂乱したかと思ったが、今は彼女をさらに愛おしく思う。

「ん?」

 あれ、ジャンヌの姿ってこんなだったっけ? さっきは全裸だったのに、今は何かドレスを着ているような……

「ジ・ル・ド・レー♥」
「ハイ?」

 なんと魅力的な声だろう。つい上ずった声で返事をしてしまった。あれ、火傷も消えてるな……ていうかまたやたらとボン・キュッ・ボンというか、こんなセクシーだったっけ?
 いや、なんか両手から魔力で出来た鉤爪みたいのが出てるな。さっきよりさらに艶めかしいのは嬉しいが。

「調子にノッちゃダメよ?」
「へ?………おっほぉぉぉぉ!!??」

 言うが早いか、先ほどと同じくジャンヌの左中指が私の不浄の穴に刺さった。しかも今回は鉤爪で。
 不意打ちされた私は既に8+1発出していたにもかかわらず、10発目の大台となる射精に至った。

「ジュルジュルジュルル♥ ん〜〜〜〜、美味ねぇ♥」

 空中に舞った精液を慣れた風にジャンヌは吸い込み、美味しそうに啜った。その様は先ほど交わった時よりもさらに淫靡であった。

「貴方とアタシの相性って最高ね♥ あっという間にワイトになっちゃった♥」

 ワイト? そういえばマモムスの書にそんな魔物の話が書いてあった……

「まだまだ夜は長いわよぉ? 付き合ってくれるわよね?」

 えっ、えぇ、もちろんですとも! このジル・ドレー、救国の聖女ジャンヌのためならば、例え地獄の果てであろうと御一緒しましょうぞ!

「んん、よろしい♪ では続きをするわよ?」
「おっほぉぉぉぉ!!」

 ジャンヌはそれから私に跨がり、嬌声を上げながら腰を振り続けた。

「さっ、さすがにオッサンなのでこれ以上の連発はちょっと……」
「スイッチ・オン♥」
「おっほぉぉぉぉ!! 不浄の穴らめぇぇぇぇ!!!!」

 たまに鉤爪を尻穴に突き入れられ、私はジャンヌの望むままに射精し続けた。そうして、夜はふけていった……










 気がついたら、周りの景色は私の知るものとは違っていた。なんか奇怪でおどろおどろしいというか、一面紫色になっていた。

「一夜の交わりで立派な死者の国が出来るとはね。貴方と私ってやっぱり相性バツグンね♥」

 隣でジャンヌが嬉しそうに私に語る。いや、ちょっと待って、死者の国って……

「魔界の一種よ?」
「え」

 え、魔界? 何を仰る、聖女ジャンヌよ。

「おはようございます、ジル・ドレー殿!!」
「あっ、テメ!」

 こいつはプレエントリー野郎! こいつは打首になったはず! 何故蘇っているのだ!?

「何って死者の国だからでしょ?」
「イグザクトリー(その通りでございます)!」
「………………」

 怒る気もツッコむ気も起きない………いや、もうどうでもいい事だ。

「ねぇ、元帥。私やり残していることがあるの」
「えぇ、分かっておりますとも」
「物分りの良い子へのご褒美よ♥」
「おっほぉぉぉぉ♥」

 彼女は救国の聖女。この国を“救う”ため、彼女は現れた。戦乱は終わったが、まだこの国は傷つき荒んでいる。

「世直しよ! 全部死者の国にするの!」
「えぇ、我が聖女ジャンヌよ! どこまでもお供いたしますぞ!」

 彼女の戦いはまだ終わっていない。そして、私は愛する彼女のために、彼女の剣となり盾となって戦おう。










 そういえば、この日を境に何故かマモムスの書は消えてしまった。私はジャンヌに行き先を知ってるかと思い尋ねたが、ジャンヌは笑ってこう答えた。

「もう私達には必要がないからね」

 ジャンヌが言うには、あれはジャンヌが蘇った時点で何処かへと消えたらしい。もう私達には必要がないからだという。
 だが、消滅したわけではない。マモムスの書は救いを求める者の前に現れるーーそして、助けを求める者は他にもいるのだ。
 願わくば私達同様、救われし者に幸あらんことを。
18/08/09 21:09更新 / フルメタル・ミサイル
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■作者メッセージ
 今回のネタは友人との会話中に思いつきました。でも、ジルとジャンヌはカップリング的に許せない人が多そう(笑)。
 ちなみに生前のジャンヌの見た目は私の勝手なイメージです。「絶対屈強な女だよ」っていう(笑)。もっとも、ワイトになった時点で全く面影がありませんが、ジルの愛したのは見た目でなく人格及び生き様なので結果オーライというか何というか。

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