連載小説
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第六話
●魔王城・ディナールーム●
●パール視点●


「大分片付いたわね」
「モー!モー!」「フガフガ」「ビタンビタン」
「悪いけど分身薬の効果が切れる迄、縛られてね♪あ・な・た」
「フーッフーッ」「ダラー」「クネクネ」
「あらあら、拘束プレイと判った途端、全員オチンポを膨らませてぇ、興奮しちゃうわぁ」

「パール様、こちらの方も片付きました」

「リーゼちゃん、思ったより早かったわね」
「先輩達の協力もあって、柴様分身体をほぼ全員捕縛出来ました」
「お疲れ様」
「それにしてもハートの女王は凄い方でしたね。魔術を使い一瞬でベルフィード様を眠らせるなんて。てっきり魔術(物理)で気絶させるのかと」
「(物理)ねぇ……気絶だけじゃ済まないわ」
「パール様?」
「ちょっと不思議の国での冒険を回顧してたわ」

ドンッガラガラ…

「煉瓦が崩れる音!また壁が破壊されたの?」

ドン
ドン

「更に二つ!?まさかドロシー様とバージャ様が女王に倒されて?」
「恐らく逆、女王様の加勢に行ったのよ」
「加勢?」
「あの二人は女王様に恩があるからねーー」



Β魔界平野Β
Βビューティ視点Β



「水着ショー、開幕」

「さぁ、私達の水着を堪能してください」
「ロリの魅力を披露するやんね♪」
「どう、あたしの、水着姿?」

「すげぇよ、美女三人の水着姿!」「はち切れんばかりのグラマーだぜ!」「ハァハァ、ロリの魅力が堪らないっ!」「未熟ボディ!子供と大人の間!万歳\(^д^)/」「もう主神の信仰なんていらなーい」「私も魔物になってピチピチな身体が欲しい〜」

「隊長、千人がリリムに魅了され堕落、さらに隙に浸かれ捕縛者が続出」
「捕縛だと?魔力塊か?触手か?」

「髪の毛よ」

「髪の毛だとーーうわっ!」「隊長!?きゃあっ」

「貴男が討伐隊を率いる隊長ですわね?私の名は魔界第十九王女アンジェラ、隊長とお話があります」
「話だと?どうせ降参して魔物になれ、だろう?」
「いいえ、逆ですわ。撤退してほしいの」
「撤退?笑わせるな」
「……クリア」

「準備万端やんねアンジェ姉、『クリアハンド』、兵士達を宙に釣り上げるやんね」

「うわぁー」「浮いてる」「まるで見えない手に掴まれたようだわー!」

「千人と千人」

「どういう意味だ?」
「私の『髪』と、妹の『手』によって拘束された兵士の数ですわ。もし撤退するならば、全員を解放してあげますわ」
「ふざけた事を。動ける者達全員でリリムを始末せよ」

「「「「「「「「うおおぉぉ!!!」」」」」」」」

「カフェオレ、バルーンからの、着ぐるみ」
『オッケェビューティ、オレも突撃するよォ!』

「何かが特効してきた!しかも一人で」「あれは人?鎧?魔物?」
『着ぐるみだよォ!ワーシープの毛を食らェ喰らェ』
「もふっ、この毛は、何だか眠くなってーー」「毛フカフカ……グ〜」「こっち来るな!」
『目標千人!よい子もォ悪い子もォ眠れェ寝れェ』

「カフェオレ、無理しないで」
「ビューティ!女暗殺者が接近中よ!」
「判ってる」

「貴様が人形使いだな?」
「ちょっと違う、図鑑変化"テンタクル゙」
「変化した!?」
「触手による、捕縛」バシッ
「縛られた」
「手足は、封じた」
「まだ口がある」ガブッ
「痛っ」

「いいぞV-181、そのまま噛みちぎれ」
「隊長さん、まだ話は終わってませんよ?」
「この期に及んで、まだ取引か?」

「屈辱だよな、リリムである貴様が人間に噛まれるなんてな?」カジカジ
「結構、見下し癖、あるわね、貴女」
「リリムなんかに誉められたくない!」
「誉めてない、素質を、視てる」
「素質だと?」
「ヴァンパイアの、素質」

ズボ

「!?ゲホッ、ゲホッ、触手が口に入ってーー」
「貴女に、魔力を、飲ませた」
「魔力?ああ身体が熱い……」
「貴女の影を、変えてあげる」
「ハウッ!背中から蝙の羽が生えてぇ、アンッ!歯が尖って牙にぃーー」
「生まれ変わるわ、ヴァンパイアにね」
「血が欲しいィィィィ」

「V-181が魔物化したぞ!」「ヴァンパイアだと!?」

「御姉様ぁ喉が乾くよぉ、血、いや魔力を下さい」
「どうぞ、魔力を、御上がり」
「いただきますぅ」ゴクゴク

「何だよ!V-181、暗殺者としての誇りは?」

「貴男、彼女の事が好きなのね?」
「え?」
「ビューティ、投げ飛ばすから受け取って」ブン
「うわぁー」ガシッ

「ほら、餌が来たよ」
「ふぅ……下等生物の血は御法度だが……御姉様からの献上なら別だ」カプッジュルルル…
「ぐわぁ、あっ、吸血されてる〜」
「プハッ、美味だったぞΚ-10」

「V-181を堕落させるとは、リリム恐るべし」
「オナニー、二人を、知ってるの?」
「その名で呼ぶな第二十王女、女暗殺者はV-181、男はΚ-10、暗殺部隊の先輩後輩だ」
「Κ-10、カトウ、下等くんか」

「何てリリムだ」「一瞬で魔物化とは」「迂闊に接近できん」

「妹達には、手出しさせない、もし触れれば、正当防衛として、魔物化させる」

「ビューティが妹達を守る間、クリアは兵士達を抑えて」

「判ったやんね」
「突撃ー!」
「させないやんね!『クリア拳骨・閻魔様風』」

ポカッ「痛い!」ポカッ「地味に痛い」

「殆ど魔物化されてないのにこうも苦戦するとは」
「まだ間に合います。今すぐ撤退をしてください」
「何故貴様らはこんな回りくどいことをする?我々全員を堕落させれば済むだろう」
「出来る限り被害を僅少にしたいから」
「……魔物娘らしく無い理由だな」
「今、魔王城はピリピリムードなの。ここで一気に魔物化して事態が終息させても「教団兵一万人が魔王城を襲撃した」という事実がどうしても残ってしまう。そうなれば過激派の魔物達がエネミス帝国を襲撃、最悪周囲の町や村までもが被害に会う可能性もあるわ。だから何もせず証拠も残さず撤退して欲しい。魔物化した兵士の身柄は保証するわ」
「だから、身を引けと?」
「ええ」
「……残念だったな、我が帝国は砂漠のど真ん中にある孤立無援の国だ」
「孤立無援……!?」
「未来無き国に失う物は無い、交渉は決裂だ!」

「アンジェ姉、足止めも限界やんね!」

「討伐!」「討伐!」「討伐!」「討伐!」「討……何だあれは?」「ドラゴンだ!」「不気味な姿をしたドラゴンだ」「炎を吐いたぞ」「ぎゃあっ、熱い、熱い」「股間が疼く!」「身体が火照ってぇ……」「やめて、押し倒さないで!」「炎を浴びた女性兵五百、男性兵五百を襲ってます」「何故ドラゴンの炎で欲情する?」



「それはドラゴンの炎ではない、ジャバウォックのブレスじゃ」



「誰だ?」
「空に魔物娘を確認、アリスが二名……何なのあの二人は?」
「どうした?」
「普通のアリスとは何か違う……」
「確かに二人共、図鑑で見た姿とは多少違うが……片や三つ編みと黒いフードを着用、片や女王のような服に、白髪,黒角,赤い瞳、奴らリリムと同じ特徴を持つアリ……ス……リリムだと!?」

「失礼な人達ですね。女王様をアリス扱いするとは」
「良い、許す。ドロシーよ、そなたの風で奴らの理性を吹き飛ばせ」
「女王様、正確にはシルフの風ですよ?」
「ドロシーよ、見ない間に随分と堅くなったのう」
「何百年も生きていれば、多少頑固になりますよ」

「空に向かって矢を放てぇ!」

「ハートのお姉様」
「あぶない!」

「短気な方々ですね、突風よ、吹き飛ばせ」

「きゃ!突風!?」
「矢が吹き飛んだだと?」

「お子様ですね、この程度で驚くなんて。翠の風よ、竜巻を起こせ」

「竜巻が発生した」
「みどりいろだ」

「竜巻が襲ってくるぞ」「巻き込まれる」「きゃあっ!」「いゃあん♪」「あはぁ♪」

「この竜巻で千の理性が吹き飛びました」
「愉快じゃのう。次は余の番じゃ」

「あの〜女王様」
「無闇に魔物化させたら後処理が大変やんね?」
「まずその前に杖を自動詠唱モードにするのじゃ」
「「聞く耳無し(涙)」」

「準備完了じゃ。ラヴとピーシュよ、暫く杖を預ける」
「あれ、この杖」
「すごくかるい」
「これで両手で『硬貨』と『聖杯』が使えるのじゃ、その杖を決して討伐隊に奪われてはならぬぞ!」

「オイ、今の聞いたか?」「聞いた、あの杖を奪うぞ」「杖を寄越せ」「神輿を崩すぞ」「まずは解除班が邪魔な結界を解く」

「よそ見は禁物じゃ『金貨兵』よ、妹達を守れ」

「何だあの黄金兵、勇者クラスの強さダアッ!」「兵士達を次々と切り刻んでゆグワッ!」「傷口が疼くよぉ」「気を付けろ、あの剣は魔界銀の性質を持ーーうわぁぁ」「子宮が疼くのぉ、エッチしたいのぉ」「今はそんな場合じゃーー」

「お次は聖杯から媚薬を散布するのじゃ」

プシャァァ

「桃色の鉄砲水が噴射!?」「何故聖杯から大量の水が出るの?」「う〜股間がギンギンしてきた」「あたしも〜我慢出来ない」

「流石女王、金貨兵と媚薬だけで累計二千人位発情したな。ん?あの藍色のジャバウォック、何か苦しんでるな?」

「はぁっ、はぁっ」

「バージャよ、そやつは余の洗礼に抵抗してるのじゃ、ドラゴンとしての誇りを失うのを恐れてな」
「ふーん……」

ヒソヒソ…「成る程」
「どうした?ドロシーよ」
「女王様、シルフからの報告です。兵士達が投石機を召喚したそうです」

「投石機の準備は万端かーっ?」
「準備万端です」
「縄を切れーっ!奴等に巨岩をたたき込めーっ!」

ブン!

「投石ならぬ投岩!?」
「このタイミングで投石か、いい判断だ」
「正気?あの重量じゃ味方も無事じゃ済まないわよ!」
「堕落済及び寸前の者など構うな。無論、儂も含めてな」

「バージャよ、受けとめるのじゃ」
「女王に言われずともそのつもりだ!ふん」ガシッ!

「受け止めた」
「ジャバウォック強〜い」
「はぁはぁ……」
「投石を容易く受け止めただと!?」

「見ているか藍色のジャバウォック!これが愛する者を守る強さであり、ジャバウォックの誇りだ!」

「はぁはぁ……守る、強さ」
「ウォッカさん?」
「ウォッカ〜?」
「……ウォッカ」

「あれが、ジャバウォック」

「ふっ、確かに岩石を一人で受けとめたのは褒めてやるーー」










「だが、投石がたったの一回だけとは限らんぞ」

ブオンッ!

「二度目の、投石、女王様!」
「困ったのう、バージャは手が離せんし、『杖』は貸し出し中、『聖杯』や『硬貨』では間に合わぬ、ならばーー」
「女王様、それは?」
「ビューティ、これは余の『剣』じゃ」
「それ、只の、ペーパーナイフ」

「ビューティ!あのデク人形を避難させなさい!」
『もう戻ってるよォ!』
「早っ!」

「そなたらは幸運じゃ、余の『剣』を見れるのじゃから」

ハートの女王は、ナイフに魔力を込め、縦一線に、軽く振る

ただ、それだけ、なのに

ナイフの先から、衝撃波が放たれ

岩石が、縦二つに割れた事に

後で気付いた。

「うわぁ!」「きゃあっ」「投石機がバラバラに!?」「痛くない?だけど」「傷が疼くよぉ♪」

何故なら、投石兵千人の巻き添えが、印象的だったから。

「結界を解除確認」「これで杖を奪える」「俺達の勝ちだ!」

「しまった、目を離した隙に」

「離してよ!」
「つえはわたさない」

「このガキが!」ブンッ
「きゃあっ」
「させない!」ガシッ
「ウォッカさん!」
「ドラゴンが拳を受けとめた?」
「アタシはドラゴンではない、誇り高きジャバウォックだ!」ゴォッ
「桃色のブレス!?ーー身体が火照るぅぅ」

「メストカゲ、よくも仲間を」
「しまった」

「ちっ!」ガキンッ!キリキリ…
「O-721、お前もか」
「俺をその名を呼ぶなぁ!」ゲシッ
「ぐはっ」
「貴様、テキーラ様を裏切る気か!」
「勘違いするな!俺はただーー」

「矢を放て!」ピュン!

「弓矢!?」
「勇者様逃げて〜」
「オナニー!」

「ここまでか……」



「「だ、だめー!」」



カッ!



「ガキ二人が持つ杖から光が」「何だこの格好は!」「何で私達がリリムと同じ水着を着てるの?」「男も水着って誰得だよ!」

「兵士千人の水着ショーとは、不思議な事が起こっておるのう」
「「ハートのお姉様」」
「ラヴとピーシュよ、よく最後まで杖を保守したのう。魔法陣の準備万端じゃ」

『転送魔法陣、準備カンリョウ』

「空に、巨大魔法陣?」

『女王サマ、起動ノタメノ、サインクダサイ』
「カキカキと、魔法陣発動じゃ」



「「「「「「「「「「うわぁぁぁぁぁァァァァァァァァーー」」」」」」」」」」



「転送完了じゃ、思ったより時間が掛かったのう」

「時間が掛かったって」
「まだ十分も経ってないんよ?」

※O-721視点※

「うぐぐ……」
「しっかりして、矢が刺さってーーない?」
「矢先が吸盤だ〜?」
「……」
「あれ?ホントだ、何故か知らんが助かった……」



パシィッ



※続く※



O-721「……第二十王女?」
14/03/03 20:40更新 / ドリルモール
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■作者メッセージ
次回

ビューティの願い
ハーレムの結婚式
未来への署名T

の三本です。



※今回のキャラ紹介はハートの女王ですが、自分の作品内での独自設定ですので、キャラを借りる際の参考程度にしてください。



キャラクター紹介E
【名前】ハートの女王
【性別】女
【年齢】魔界第三王女
【種族】リリム
【容姿】幼い容姿
【口調・口癖】余は嘘と隠し事が嫌いじゃ
【能力・特技】魔術
【概要】
 不思議の国を統治する女王。

 父親が倒れた噂を聞き、原因の一つが詩集によるものだと知り、反魔物領に住む読書家の初老の人間を不思議の国へ呼び出し、彼から詩集を譲り受けた(なお、その人間は元の場所へ送り返している)。

 彼女が主に用いる道具は、極刑や洗礼等の魔術を発動するための『杖』、通常よりも強力な効果を持つお菓子や媚薬を出す『聖杯』、金,銀,銅の三種類の兵士を生成する『硬貨』、そして護身用の『剣』であるペーパーナイフを所持している。
 ただし『剣』だけは、使用すれば周囲に被害を及ぼし兼ねない威力を持つため、余程の事で無いかぎり使用しない。

 魔王城に討伐隊が進行する事を知り、両親達を守るため、パール夫妻のハーレムの一員であるアリスのドロシーとジャバウォックのバージャと共に、討伐隊を蹂躙した後、兵士一万人を不思議の国へと転送させた。

 眠らずの国の王ベルフィードとは仲が良く?気まぐれで彼女を不思議の国へ招待しては、イタズラをしたり、一緒に遊んだりしている。

【補足事項】
 エネミス帝国の兵士を不思議の国へ転送したのは、他にも理由がありーー?

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