連載小説
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希望と反乱の残渣
その聞かされたことと言うのは…

天空竜「まず、貴方たち人間がドラゲイと名付けた国で反乱と言うか革命が起き、我々の配下たちも加わったことで無能な上層部の人間は敗走した上で逃げたようです」

アイン「自業自得だな…」

天空竜「これが仙竜郷に貴方たちが向かう前日の夕方のことです」

アイン「なるほど…」

天空竜「そして、セラが手術を終えたその日に魔王が代替わりしたようです」

アイン「代替わり?」

天空竜「ええ、わかりやすく言うなら魔物はすべてサキュバスの因子を受けたようです」

アイン「治療してる間に起きたことが盛りだくさんだな…」

天空竜「そして、今日竜の女王と今の魔王がぶつかり合うそうです。」

アイン「おいおい…国がまともになり始めたときに何やってんだよ…」

天空竜「いってみますか?」

アイン「まあ、変わった国を見てみるのもありか…」

そのまま久々に変化した故郷に飛ぶ

アイン「…」

すると懐かしい顔が私たちに声をかけてきた

???「アイン、ずいぶん久しぶりだな…」

アイン「スティーブ。久しぶりだ」

スティーブ「ああ、そちらの竜が引き取ったって言う…」

セラ「はい」

彼はスティーブ、私の居た施設の近くのパン屋の店長だ

スティーブ「もしかして…」

アイン「??」

スティーブ「合成竜を救った虹鱗の竜って…」

セラ「救えてないよ…戻せなかったんだから…」

スティーブ「全く、悪趣味なことするよな…」

アイン「まあ、奴はもう居ない」

スティーブ「?」

アイン「跡形もなく消し飛ばした」

スティーブ「まあ、なるべくしてなった。かな…」

それから進んで行くと、爆音が聞こえてきた

アイン「あっちか…」

セラ「うん…」

爆音の方向に向かう

アイン「!!」

凄まじい破壊と風圧がそこでは巻き起こっていた

セラ「すごい…」

アイン「なるほど…」

両方の言い分が叫びで伝わってくる…

セラ「竜の誇りと魔物の精神がぶつかって…」

アイン「…」

しかし魔王もすごいな…あれだけの攻撃を受けても涼しい顔だ…

セラ「私は…」

アイン「??」

魔王は「王は模範となるべき存在なのに周りの声に耳を傾けずに意固地に竜の誇りだけで行くのはどうなのか?」と言うことを言っている

アイン「…」

セラ「確かに、それができるなら…」

しばらくして、その思いは竜の女王に伝わったらしい

アイン「なら、帰るか…」

セラ「うん」

帰ると、小屋は火に包まれ墓に使った丸太も倒されていた

アイン「誰が…」

どうやら、潜伏していた無能な上層部の連中らしい

セラ「!!!!」

セラの瞳孔が細くなり、隠せぬ殺意が滲み出る

アイン「!!」

そのまま反射的に上に飛ぶと、セラは大地を隆起させ嵐を巻き起こす

アイン「…!」

セラ「跡形もなく消してやる…!!」

アイン「あ、こりゃ戻ってこないわ…」

そしてそのまま嵐は吹雪と竜巻の混ざったものとなり収まると人間だった氷像は落ちてきた

セラ「カッ!!!!!!!!」

そのまま緋色に輝くブレスで骨も残さず氷像は蒸発した…

アイン「お前が、首謀者か…」

逃げていった最後の一人を縛り付ける

アイン「まあ、こいつらを生かしておいても良いことは起こらんだろうな」

セラ「ましてや、私の思い出の場所を…」

意見は一致したようだ

アイン「ひとつだけ聞く、お前は合成竜の話が出たときに肯定的な意見を出したか?」

すると、「当たり前だ、死にかけを再利用できたしな」と言ったので義手の方の拳を顔面にめり込ませる

アイン「人の技術をよくもまあこんな悪趣味に使えたものだな…」

気が付くと奴の顔は赤黒いジャガイモのようになっていた、特殊な金属の拳でなぐりつづけていたから当たり前か…

セラ「こんな人間が居たから解り合えなかったんだ…こんな人間が居たからアインさんが苦しんだんだ!!!!!!」

今度は黒く光るブレスを放ち、そいつは跡形もなく消し飛んだ

アイン「…これからどうするか」

セラ「今の国なら、私は受け入れられるかな」

アイン「それは私がする心配だ…」

そのまま街へ向かう

アイン「…」

まあ当然のように山から上がった火や光の方向からきた我々は質問を受ける

アイン「…」

???『どうやら、深刻だったみたいね』

アイン「!!」

凄まじい威圧感に振り向くと、そこには魔王とその夫が居た

アイン「!!」

とっさに後ろに跳ねて距離をとってしまう

セラ「!!」

セラに至っては真上に飛んだ

魔王『さしずめ、逃げ出した気ぞがろくでもないことをして制裁したんでしょう?』

アイン「いえ、最早粛清と言うか一方的な殲滅と言うか…」

魔王『なにやったのよそいつら…』

セラ「私の思い出の場所に火を放った、合成竜を作ることを肯定してあまつさえそのお墓を壊して廃棄寸前の竜を使えるようにしたと宣ったから…」

魔王『!差し詰逆鱗に触れたわけね…』

アイン「そうですね…」

魔王『まあ、むこうも多数で貴方たちを殺そうとして居たし明らかに悪意持ってたのよね…』

アイン「…多分」

魔王『なんと言うか、本当に上層部はロクなの居なかったのね…』


アイン「まあ、そうでしょう…変わる前ののこの国は、生まれがよければ無能だろうと上の地位に行ける。能力があろうと生まれが貧しいなら下の地位のまま。それがかつてのこの国の実態です。」

魔王『…苦労したのね』

アイン「まあ、お陰でセラに会えて変われたようですが…」

魔王『それ、義手と義足?』

アイン「えぇ、セラに会う前に竜たちの暴走止めようとしてブレスによって片手と片足は跡形もなく消し飛びました」

魔王『なるほど…』

アイン「まあ、竜をあんなに手酷く扱ってきた報いかなと」

魔王『なるほどねぇ…貴方はどう見る?』

すると新しい女王が降りてきた

女王『無罪放免だ、そもそも放火の地点で重罪だからな』

アイン「あ、どうも…」

女王『災難だったな…』

アイン「まだ生き残りが居るなら膿出しはしっかりしておきたいですがね、そうしないと安心できない…」

セラ「同感…」

セラは降りてきた

女王『まあ、それはそうと。なぜ君はまだ竜の姿なのだ?』

セラ「そもそも、魔力を受けた量が少なかったようです…」

アイン「そもそも最近まで病気の治療してましたし」

魔王『ああ、なるほど…』

セラ「…」

魔王『貴方も、完全に魔物になる?』

セラ「私に、その資格がありますか?」

魔王『人間を殺したことを気にしているのね…大丈夫よ。』

セラ「??」

魔王『貴方は魔物になって良い。』

セラ「お願いします!!」

魔王『なら、受けとりなさい…』

そのまま魔王はおそらく球体状の魔力の塊をセラに流し込んでいく…

セラ「んん…!!」

そして、セラは球体状の魔力に包まれた

アイン「…」

魔力の塊が薄くなり、セラの新しい姿が明らかになる…

おわり

20/09/21 04:03更新 / サボテン
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■作者メッセージ
どうも、サボテンです。

次回に続きます

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